シンガポールメディアの聯合早報は7日、東南アジアを対象に今年実施された調査で、中国への支持が米国を上回ったことを報じた。

この調査結果はシンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所が同日発表したもので、調査には東南アジア諸国連合ASEAN)11カ国の学界やビジネス界、政府関係者、地域・国際機関などから2008人が参加した。

実施期間は今年1月5日から2月20日にかけての1カ月半。「ASEAN諸国が米中のいずれかを選ばざるを得ない場合」を問う項目で昨年は「中国を選ぶ」が47.7%、「米国を選ぶ」が52.3%という結果が出たが、今年は中国52%、米国48%と逆転した。

記事は、「調査が行われたのは米国のベネズエラ関与後の情勢展開やイスラエルとハマスとの緊張など地政学的な不確実性が高まっていた時期に当たる」と述べるとともに、言及に値する点として「今回の調査実施時点で、米国とイスラエルによる対イラン戦争はまだ始まっていない」と指摘。また、中国52%、米国48%との結果については「このわずかな差は米中二大勢力の間でASEANが微妙な均衡を保っていることを浮き彫りにしている」と論じた。

記事によると、中国との経済的相互依存度の高い国は中国寄りの傾向が見られる。また、対中関係改善に対するASEAN各国の期待は高まっており、「自国と中国との関係は改善、あるいは大きく改善する」との回答は55.6%、「変わらない」が31.1%、「悪化する」は13.4%だった。

一方、対米関係の見通しについてはより慎重な姿勢が示され、「変わらない」とする回答が37.7%で最多を占めた。「関係の改善・大幅改善」は32.8%、「関係悪化」は29.5%で、昨年と比べると楽観的な見方はやや弱まったという。

同研究所の関係者は「今回の調査によって東南アジアの戦略環境が一段と複雑化している現状が浮き彫りになった」としている。また、別の関係者は「東南アジアは依然として均衡を保とうとしているが、それはますます難しくなっている」との見方を示した。(翻訳・編集/野谷)

編集部おすすめ