東京、パリと2大会連続で五輪金メダルに輝いた中国の全紅嬋(チュエン・ホンチャン)をめぐり、所属先が本人への誹謗(ひぼう)中傷を警察に通報したことが中国のSNS上で大きな注目を集めた。

全は2021年、当時14歳で東京五輪に出場し、女子10メートル高飛び込みで金メダルを獲得。17歳で挑んだ24年のパリ五輪では女子10メートルシンクロ高飛び込み、女子10メートル高飛び込みでそれぞれ金メダルに輝く快挙を成し遂げ、25年9月には広東省広州市にある曁南大学の運動訓練学科に進学したが、所属先の広東省二沙体育訓練センターは8日、全に対するネットでの攻撃を警察に通報したことを明らかにした。

同センターは声明でまず、「所属選手の全紅嬋がネット上での暴力行為を受けた疑いがある件に社会から大きな関心が寄せられている」として、この件をすでに当局に通報済みであることを報告。そして、「国に栄誉をもたらした若い選手が成長過程において本来受けるべきではない世論の圧力や精神的な傷に耐えている。こうした状況にわれわれは重大な懸念を表明するとともに断固反対する」「いかなる名目であれ、選手およびその家族に対して悪意ある中傷や侮辱、罵倒、虚偽情報の拡散を行うことはすでに法律と道徳の最低ラインを越えている」などと言明し、法的手段を通じて加害者の責任を厳しく追及していく構えを示した。

一方、国家体育総局水泳運動管理センターも同日、この件に関して「全紅嬋ら飛び込み選手に対するネット上の暴力行為や悪意ある攻撃、虚偽情報の拡散を非常に重視している」との声明を発表。直ちに広東省体育局の関連部門と連携して対応に乗り出していることを説明した。

東京・パリ金メダリストの全紅嬋がネットでの誹謗中傷に苦しむ、所属先が通報―中国
2024年、パリ五輪

両センターの声明は、いずれも中国で近年問題になっているゆがんだファン文化への「断固反対」を記している。

また、中国SNSの微博(ウェイボー)では「全紅嬋が通報した」との話題が大きな注目を集めたほか、雑誌「人物」によるインタビューの中で自身や家族、友人への攻撃をやめてほしいと全が語ったことを「本当に胸が痛む」として紹介する投稿もあった。(翻訳・編集/野谷)

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