急速に高齢化が進む中国でロボットなどスマートケア機器が介護分野で活躍している。人工知能(AI)やビッグデータなどの先端技術が従来の健康管理やリハビリの限界も打ち破り、中国の高齢者ケア産業に新たな解決策をもたらしつつある。

中国通信社によると、中国は近年、世界でも高齢化の進行が速い国の一つとなっている。2025年末時点で60歳以上の人口は約3億2300万人と総人口の23%を占め、このうち65歳以上は約2億2400万人に上る。高齢者人口は今後も増え続ける見通しで、35年ごろには4億人を超えると予測されている。

一方で、拡大する高齢者層とは対照的に介護人材は深刻に不足している。従来の「人手依存型」の介護モデルは限界に直面しており、膨大な高齢者に対して、より質が高く、効率的で便利な介護サービスをどう提供するかが、中国の喫緊の課題となっている。

世界初となるスマート介護・健康増進ロボット型高齢者ケア拠点が3月12日、北京市亦庄の栄華街道で運営を開始した。拠点内では40種類以上のロボットがそれぞれの役割を担い、地域の高齢者に食事、レジャー、健康管理など幅広いサービスを提供している。

質の高い介護サービスは高齢者ケア産業において最も重要な要素の一つだ。在宅介護の場面ではスマート技術の導入によって「高齢者をしっかり見守る」体制がより確かなものになっている。

北京市西城区の新街口街道では地域で在宅生活を送る高齢者に対し、スマート電子血圧計、緊急通報器、スマートウォッチなどを一括配布している。高齢者の健康データはリアルタイムでシステムに送られ、異常な数値が確認されると、すぐに医療スタッフへ通知が届き、対応に入る仕組みだ。

これにより、心血管や脳血管の急性疾患のリスク低減につながっている。医療スタッフが高齢者の健康状態を正確に把握し、それぞれに合った支援を行うのにも役立っている。

スマート技術は、従来の健康管理やリハビリの限界も打ち破りつつある。江蘇省無錫市梁渓区の幸福リハビリ病院では69歳の周小毛(ジョウ・シャオマオ)さんが「筋肉の外骨格」と呼ばれる機器を使ってリハビリ訓練を受けている。

周さんは以前、事故によるけがで右脚が不自由になり、車いすでの移動に頼っていたが、1カ月余りの訓練を経て、今ではスムーズに歩けるようになった。この機器の開発に携わった張恒(ジャン・ヘン)氏によると、「筋肉の外骨格」は人工知能アルゴリズムが基盤で、利用者の動こうとする意図を正確に感知し、高齢者の歩き方の特徴や筋力の弱い部分を見極めることができるという。(編集/日向)

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