カンボジアで11日、メコン川とタイランド湾を結ぶフナン・テチョ運河第2工区の起工式が行われた。第2工区は同運河にとって最も重要な部分とされる。

起工式に出席した中国の汪文斌駐カンボジア大使は、中国企業が第2工区の建設に資金援助して、株式の49%を取得すると表明した。フランスメディアのRFIが、同じくフランスメディアのAFPの報道を引用するなどで伝えた。

フナン・テチョ運河により、カンボジア国唯一の深水港であるシアヌークビルおよびカンポットに開港する新港が首都プノンペンと直接につながることになる。また、メコン川からベトナム領内を経由せずにタイランド湾に至る航路が出現することでも注目されている。同運河の投資総額は17億ドル(約2700億円)とされる。

汪大使は中国企業の資金提供の経緯について、中国の習近平国家主席が2025年にカンボジアを訪問した際、この巨大プロジェクトを「支持する」と約束したと説明し、さらにプロジェクトは28年に完工する予定と付け加えた。

マネット首相は起工式で、「この歴史的プロジェクトはカンボジアに巨大なチャンスをもたらす」と改めて強調した。マネット首相はさらに、このプロジェクトを支持するよう国民に呼びかけ、さらに土地を収用される住人には「適切な補償」が与えられると説明した。

しかし、カンボジア政府がこの運河について宣伝している経済効果は多くの不確実性に直面しているとされる。例えば、「幅100メートル、深さ5.4メートル」という規模では外洋を航海できる大型船は通航できず、運河の用途がかなり限定されてしまう点だ。

カンボジアの運河建設、中国企業が投資して重要区間の株式49%取得―仏メディア
起工式に出席した中国の汪文斌駐カンボジア大使とマネット首相

環境保護活動家らはまた、同運河がメコン川の「水量」に及ぼす悪影響、とりわけ汚染、砂利の採取、気候変動の影響をより強く受けるようになることを懸念している。また、ベトナムは米作に必要な水の半分をメコン川に依存しており、カンボジア政府について「水の問題」についての説明を求めている。

フナン・テチョ運河の建設は、カンボジアのフン・セン前首相が「象徴的なプロジェクト」の一つとして着手した。セン前首相はこの運河を「カンボジアの呼吸の源」と説明した。この運河については「この大規模な国家的プロジェクトが全国を団結させ、またその後継者である息子のフン・マネット首相に対する支持を強化することが期待できるとの見方も出ている。(翻訳・編集/如月隼人)

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