今回はスタサプ英語講師の肘井先生に、共通テストの英語の時間配分についてアドバイスを聞いてきました。
時間が足りなくなってしまって最後まで解けなかった!実力を出せなかった!ということがないように共通テストを受ける高校生はぜひ、チェックしてみてくださいね。
プロフィール文
肘井 学先生
慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒業。
さまざまな予備校の教壇に立ち、現在はリクルート運営のネット講義サービス「スタディサプリ」で講師を務める。その授業は、高校生から英語を学び直す社会人まで、圧倒的な満足度を誇る。特に、「英文読解」の講座は年間約25万人が受講する盛況ぶり。また、全国各地の高校で講演活動も行う。
著書に、『改訂版 大学入試 肘井学の ゼロから英文法が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)、『大学入試 肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』(KADOKAWA)などがある。共通テスト英語の特徴は?従来のセンター試験に比べて、難易度がかなり上がりました。簡単な問題もありますが、リーディング、リスニングともに、難しい問題は、難関大学で出題される問題と同じレベルにあると言ってよいでしょう。
リーディングは第6問、リスニングは第5問が難問になります。

共通テストの英語の配点は? 配点はリーディング100点、リスニング100点の合計200点になります。
試験時間は?リーディングが80分、リスニングが60分です。
共通テストの英語のおすすめの時間配分とポイントは?これから提示するおすすめの時間配分は、最も難しいと言われている第6問に、しっかりと解答時間を残すパターンです。
もっとも、年度や個人の英語力によって、解答時間は変わってくるので、あくまで目安としてください。
共通テストのリーディングのおすすめ時間配分
大問目安の時間配分
第1問A 3分
第1問B5分
第2問A7分
第2問B6分
第3問A4分
第3問B6分
第4問10分
第5問12分
第6問A12分
第6問B15分
第1問は8分で解こう!

あくまで目安ですが、第1問は8分で解くことをおすすめします。Aを3分、Bを5分で解くと良いでしょう。
第1問はテキストメッセージ、イベントの広告・掲示などの身近で実用的なものから出題されるので、比較的簡単な問題が多いと言えるでしょう。
よって、あまり時間をかけずに解くことをおすすめします。
第2問は13分で解こう!

第2問は13分で解くことをおすすめします。Aを7分、Bを6分で解くと良いでしょう。
第2問は、Aは第1問と同様に広告、掲示問題が出題されますが、Bは記事やレポートなどの本格的な英文になります。
ここから時間の管理が難しくなるので、その前提で進めていきましょう。
第3問は10分で解こう!

第3問は10分で解くことをおすすめします。
Aを4分、Bを6分で解くと良いでしょう。
Aはヴィジュアル英文読解といって、図やイラストなどのヒントがあります。
Bは本格的な長文問題になりますが、いずれも問題数が少なくて、解きやすい問題が多いでしょう。
あまり時間をかけずに先に進みましょう。
第4問は10分で解こう!

第4問は10分で解くことをおすすめします。
マルチパッセージ問題といって、複数の長文からヒントを得て、解答していく形式になります。
よって、すべての文章に目を通す時間はないので、解答に必要な情報に絞って、文章を読んでいくことをおすすめします。
第5問は12分で解こう!

第5問は12分で解くことをおすすめします。
伝記や物語文が出題されます。少し長い文章になりますが、最後に出題されることのある推測問題は、消去法で解くと時間短縮になります。
第6問は27分で解こう!

第6問は27分で解くことをおすすめします。
評論文が出題されます。Aを12分、Bを15分で解くと良いでしょう。
リスニングに関しては音声なので時間配分はないよ

リスニングに関しては、決められた時間内に音声が読み上げられるので、時間配分はありません。
説明が流れているうちに、選択肢を先読みして、設問ごとに、解き方をおさえるのが大事になります。
選択肢で共通の箇所は無視して違う点を先にチェックしておきましょう!
時間切れを防ぐための対策6選共通テストの英語リーディングは、時間との戦いになります。
前半の簡単な問題に時間をかけずに、いかに後ろの問題に時間を残せるかにかかっています。
その中でも、時間切れを防ぐための対策を6つ紹介します。
時間配分に沿って解く!腕時計を見ながら、大問ごとの時間配分に沿って解答しましょう。目安の時間を2分過ぎたら、そのときに選べる最善の解答を選んで、先に進みます。9割越えの高得点を狙うにしても、落としても良い問題もあるので、1つの問題に時間をかけすぎないことが重要です。
スキャニングを使う!スキャニングとは、設問のキーワードを拾って、本文からその該当箇所を探し出す技術です。英語が得意な人は、誰でもこの解き方を無意識に行っています。
筆者の主張をつかむ!問題を解くという意識に加えて、本文を理解するという意識も重要になります。本文を理解するとは、すなわち筆者の主張をつかむということです。
“butやhoweverなどの逆接の後ろに筆者の主張が来る”という視点に加えて、さまざまな論理展開があるので、ぜひ参考書などで理解を深めてください。筆者の主張をつかむことで、解答時間も短くなります。
他の選択肢を見ないで先に進む!正解の確信度が高い問題は、他の選択肢を吟味せずに次の問題に進みましょう。
これも大きな時間短縮になります。一方で、解答の自信がない問題は、他の選択肢もしっかり吟味したうえで、消去法や選択肢の比較をして、解答に時間をかけましょう。
長文を毎日音読する!長文を毎日音読することで、速読につながります。
10回を目安に音読してみてください。1回めは、ゆっくりしか音読できないのが、回数を重ねるごとに音読のスピードが上がってくるはずです。10回めに読んで理解したスピードが、いわゆる速読の状態です。
語彙力を増やす!解答に時間がかかる原因として、語彙力が不足していることが挙げられます。
単語や熟語の意味がわからなかったり曖昧だったりして、正解を選ぶのに時間がかかってしまいます。試験直前まで、語彙力を増やすことは怠らないでください。
実際の問題に触れながら練習しよう共通テストの対策には、過去問と予想問題があります。まずは、過去問を徹底して演習することをおすすめします。
大問別の対策をしっかりとやってから、予想問題で全体を通して解答力を高めていきます。予想問題の際には、時間をはかって演習すると良いでしょう。
共通テストを受験する高校生へメッセージ共通テストの英語は、リーディング、リスニングともに難しい試験と言えるでしょう。
しかし、試験と呼ばれるものには必ず対策法・解き方のコツがあります。
参考書で対策法を学ぶこと、あるいは、過去問を自ら分析して、時間をかけてその対策を正しく行えば、必ず道は開けてくると思ってください。
まとめ今回は、共通テストの英語の時間配分や解くときのコツを肘井先生に教えてもらった。
実際に時間を計りながら過去問を繰り返し解いてみてね。
今回の記事では、問題例を掲載できなかったけれど、実際どんな問題が出題されるのか見たいという人は、この本でチャレンジしてみて。
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