54歳の小児性愛者ゲイリー・オリヴァは、児童ポルノ所持罪で懲役10年の判決をうけ、現在コロラド州で服役中。
「今まで会った誰よりも、ジョンベネを愛していた。なのに彼女をうっかり放してしまったために、頭蓋骨がぱかっと割れてしまった。俺は彼女が息を引き取るのを見届けた」。オリヴァ受刑者は元クラスメイトのマイケル・ヴァイル氏に宛てた手紙の中で、こうしたためた。「あれは事故だったんだ。信じてくれ。彼女は他の子どもたちとは違っていたんだ」
ヴァイル氏宛ての別の手紙にはこう書かれている。「ジョンベネは俺を完全に変えた。俺の中の悪をすべて取り除いてくれた。彼女の愛らしい顔、輝く肌、まるで女神のような完璧な身体を一目見ただけで、他の子どもたちを殺したのは間違いだったと気づいた。だけど、事故で彼女を死なせてしまった。
ヴァイル氏は事件発生直後、全米中に報道される前に、オリヴァから気がかりな電話を受けており、以来高校時代の旧友が22年前にジョンベネちゃんを殺したのではと疑っていた。
「疑問を抱くようになったのは、ゲイリーが1996年12月26日の深夜に電話をかけてきたときです」。カリフォルニア州ヴェンチュラ在住のヴァイル氏は、デイリーメール紙とのインタビューにこう答えた。「彼は泣きながら、『小さな女の子を傷つけてしまった』と言いました……私は詳しく聞き出そうとしましたが、彼はただ、自分はいまコロラドのボールダーにいるとしか言いませんでした。12月27日、地元紙の一面に『6歳児、コロラド州ボールダーで斬殺』という見出しを見て、すぐにボールダー警察に電話をかけ、ゲイリーについて知っていることや数日前の彼の電話のことを話しました。警察からの折り返しの電話はありませんでした。数カ月後、ゲイリーの捜査に進展があったか突き止めようと、もう一度警察に電話をしましたが、ジョンベネ殺害事件の情報提供にご協力ください、という留守番電話が流れただけでした。私はメッセージを残しましたが、それ以降、捜査官から連絡は全くありません」
1996年当時、オリヴァは性犯罪者リストに登録されており、登録先の住所はラムジー家からそれほど遠くなかった。またジョンベネ殺害後に行われた通夜の会に出席していたとも報道されている。だがヴァイル氏から度々通報を受けていたにもかかわらず、ボールダー警察がオリヴァを容疑者として挙げたのは2000年になってから。このとき彼は別の容疑で逮捕され、警察が取り調べたところ、所持品からジョンベネの写真と、「ジョンベネ讃歌」と題した自筆の詩、それにスタンガンが発見された。元殺人課の掲示で、ボールダー検察局に雇われていたルー・スミット氏を始めとする捜査官らは、事件当夜、ジョンベネちゃんを襲うのにスタンガンが使われたものと推論した。
新たなDNA検査方法により、彼のDNAが殺害現場で見つかった証拠と一致しなかったため、ボールダー警察の捜査官はオリヴァを被疑者から除外した。だが警察署はその後、殺人現場の管理に不手際があったことを認めた。2002年、スミット氏は(すでに他界)TV番組『48時間』に出演し、現在もオリヴァ氏が容疑者だと考えていると語った。ヴァイル氏も同様に、「事件の殺人現場や証拠が損なわれていた」ことが広く知られたため、ボールダー警察は「DNAの一致にこだわっていた」と、デイリーメール紙とのインタビューで語った。オリヴァの涙ながらの電話が気になっていたヴァイル氏は、自白を引き出すために何年もオリヴァと連絡を取り続けたと言う。
「かれこれ何十年も連絡を取ってきました。彼が刑務所にいるときもです」とヴァイル氏。「でも彼はただ、彼女を殺したとしか言いませんでした。彼は、罪を認めなければ地獄に堕ちるだろうと信じていました。彼からの手紙はボールダー警察に送りました。この手紙をきっかけに、ゲイリーがもっと確かな証拠を提供し、もし第三者がジョンベネ殺害に関わっているなら、その人物の名前を明らかにほしいと願っています……いま、警察は自白の文書を手に入れたわけですから、ジョンベネ殺害容疑で彼を追及するべきです」
オリヴァはボールダー警察に児童ポルノ所持罪で逮捕され、2016年以来コロラド州で服役中。デイリーメール紙によれば、オリヴァはすでにジョンベネ殺害の罪を認めたらしい。
「大勢の子どもたちに対する無数の暴行罪や性的虐待と同様、ジョンベネ殺人でも俺は罪を認めた」。オリヴァはヴァイル氏宛ての最近の手紙の中で、このように書いたとデイリーメール紙は報じている。「裁判所と様々な合意書を交わし、何ページもの書類にサインした」
記録にはこのような書類の存在は示されていないが、逮捕時の供述書を読むと、一部伏字がしてあるものの、オリヴァの長年にわたるジョンベネへの執着がはっきり見て取れる。デイリーメール紙が入手した供述書によれば、捜査官はオリヴァの携帯電話に「およそ335枚の写真が発見された」とのことだ。
デイリーメール紙の報道を受ける形で、1月10日木曜日、ボールダー警察署はマスコミとWebサイトに声明を発表した。
「ボールダー警察署もゲイリー・オリヴァ氏に注視し、過去の自供も含め、彼が本件に何らかの関連があったものとして捜査しております。当局では定期的に捜査報告を受けています。これまで寄せられた多数の情報提供や推論と同様、捜査報告も逐一検証しております。現時点では本件捜査に関する進展はなく、当局からはこれ以上特にお伝えすることはございません」