いつだってキース・リチャーズは、自然体でクールな姿が絵になる男だ。

そして今、そんな彼の魅力に迫る新たな写真展が開かれる。
米ニューヨークのモリソン・ホテル・ギャラリーで開催中の『Keith, Unfiltered』展は、リン・ゴールドスミス、ボブ・グリュエン、ノーマン・シーフなど、音楽フォトグラファーの巨匠たちが撮影した作品などを展示している。自慢のロールスロイスにもたれかかるキース、ジャック・ダニエルのボトルを手に闊歩するキース、レンズに向かってタバコの煙をくゆらせるキース。撮影時期がいつであろうと、彼はいつだって自信たっぷりだ。

「俺は俺らしく生きてきた。そして今ここにいる。なぜなら自分が何者なのか、ずっと探し続けてきたからさ」と以前、ローリングストーン誌とのインタビューに答えた。「もしキース・リチャーズのようになりたければ、同じ体質じゃないとな。俺は丈夫な血筋の生まれなんだ。でなきゃ今ごろくたばってるよ」

展覧会は6月22日まで、ニューヨーク、ロサンゼルス、マウイで開催される予定。

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

キース・リチャーズと第三の目
「タバコ、おしゃべり、音楽、照明、キース・リチャーズ、ニコン。親密な雰囲気で行われたニューヨークシティでの撮影。次の瞬間、煙が宙に舞い、1992年以降永遠に魔術師の上に漂っている」
ステファニー・フリンダー・スタイランダー
(Photo by Stephanie Pfriender Stylander/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1972年7月24日、ニューヨークシティのMSGのステージで演奏するミック・ジャガーとキース・リチャーズ
「僕の最初のロックコンサートは、1965年ニューヨークのアカデミー・オブ・ミュージックで見たローリング・ストーンズだった。
それまで見た中で一番エキサイティングなコンサートだったね。たちまちハマって、以来ずっと彼らのファンだ。彼らは究極のロックスターだよ……もしロックスターみたいになりたいなら、ローリング・ストーンズを研究するべきだね」
―ボブ・グリュエン
(Photo by Bob Gruen/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1988年、ニューヨークシティの街角のキース・リチャーズ
「あれは1988年、駆け出しだった僕はニューヨークシティのバーでキースと出会った。彼と僕、それと僕のアシスタントが1人いるだけで、あとはカメラと照明、三脚――それだけだった。追っかけもなし、広報もなし。すごくリラックスした落ち着いた雰囲気で、3人で歩きながら撮影した。時間の制約もないし、プランもなければ、制限もなし。あの時の感覚はずっと忘れないよ。若いフォトグラファーが、あんなにのびのびと、自由にやらせてもらえた。しかも音楽とロックの歴史に名を刻むようなビッグネームと仕事ができたなんてね」
―ティモシー・ホワイト
(Photo by Timothy White/Morrison Hotel Galler)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1966年、自宅でのキース・リチャーズ
「1966年夏、レッドランズ(ウェストサセックス、ウェストウィッタリング)の自宅でのキース。麗しいベントレーは、偉大なるレナ・ホーンにちなんで『ブルー・レナ』と呼ばれていた。自慢のナイフコレクション1本を抱え、いわゆるアットホームな雰囲気にちょっとばかりエッジを加えている」
―ゲレッド・マンコヴィッツ
(Photo by Gered Mankowitz/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1975年6月、テキサス州サンアントニオにて、ロン・ウッド、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ
「あのコンサートは忘れられないわ。
オースティン中の人々が、サンアントニオに行ってローリング・ストーンズを観るんだと大騒ぎだった。私はその年の3月に音楽フォトグラファーになったばかりで、あれが私が最初に撮影したコンサートだったの。プレスパスは持ってなかったんだけどね。私の席はいい席だったけど、105mmのレンズが活躍するほど近くはなかった。ステージは星の形をしていて、飛び出た角の間にカメラマンたちが陣取っているのが見えたから、私も降りて行った。アドレナリン炸裂、だってバンドとも観客とも目と鼻の先なんだもの。夢のようなコンサートだったわ、最高にいい写真も撮れたしね!」
―シャーリン・ズロトニク
(Photo by Charlyn Zlotnik/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1972年全米ツアーにて、キース・リチャーズ
1972年、ストーンズのSTPツアーでのひとこま
(Photo by Ethan Russell/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1979年、アメリカ中西部の空港で
「ニュー・バーバリアンズはロン・ウッドのソロアルバムのために結成されたバンドで、1979年に全米ツアーを行った。いわばローリング・ストーンズのサイドプロジェクトで、キース・リチャーズの他にボビー・キーズ、イアン・マクレガン、スタンリー・クラーク、ジギー・モデリストが参加していた。あの年の夏、彼らはジャンボ機に乗って、全米中を巡業した。俺はバンドとコロンビアレコーズの専属フォトグアファーとして同行した。どの街でも、俺たちが到着するとリムジンの群れが機体を取り囲んだものだ。バンドメンバーが一人ずつ滑走路に降りていくと、そのまま1人1台リムジンに乗せられて、ホテルか会場に直行する。
この写真は機体から降りたばかりのキース・リチャーズが自分のリムジンを探しているところだ。手にはジャック・ダニエルズのボトルとブームボックス。セントルイスを除いて、どこに行くにもこの2つは肌身離さず持っていたと思うよ」
―ヘンリー・ディルツ
(Photo by Michael Joseph/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

マイケル・クーパー撮影、キース・リチャーズ
ヴィラ・ニコレットのプールに浮かぶキース―撮影日不詳
(Photo by Michael Cooper/Morrison Hotel Gallery)

フォトギャラリー:キース・リチャーズの音楽人生を振り返る写真展

1968年、ロンドンのセイラム・チェイス邸にて、『バンケット』を撮影中のローリング・ストーンズ
1968年、ロンドンのハムステッドにあるセイラム・チェイス邸にて撮影された、アルバム『ベガーズ・バンケット』の撮影風景より
(Photo by Michael Joseph/Morrison Hotel Gallery)
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