解散、再結成、活動休止を経て、2017年に再始動したT-BOLAN。本格的な全国ツアーを行うのは23年振りということもあり、各地で大いに盛り上がったツアーの最終地点となった昭和女子大学 人見記念講堂には、あいにくの雨の中、多くのファンが集結した。
ステージ上に掲げられた紗幕には、ツアータイトルにも使われている「励」の文字が大きく掲げられていた。定刻になりカラフルなコラージュによるオープニング映像が流れ、ステージの幕が下りると、ドラムの力強いビートと共に、メンバーが姿を現した。森友嵐士(Vo)、五味孝氏(Gt)、青木和義(Dr)の3人に加えて、サポートベースの人時(ex.黒夢)とコーラスの坪倉唯子(ex. B.B.クイーンズ)の5人だ。尚、正式メンバーの上野博文(Ba)は後半からの参加となった。

白いロングジャケットにサングラス姿の森友が歌う「Only Lonely Crazy Heart」に合わせて、客席の一部ではペンライトが振られ、サビに向けて上昇するサウンドに気分が高ぶってくる。1階席はオープニングから総立ちだ(そして、最後まで総立ちのままだった)。2曲目では早くも代表曲の一つであるロッカバラード「Bye For Now」を惜しげもなく披露した。「オーライ! 逢いたかったぜ東京! ようこそ! 23年振りのツアー、あっという間だった。だけど、これからもずっと続いていくから、そこんとこヨロシク!」とMCでキメる森友。

中盤、14年間歌うことができなくなった自らを”歌う木”に例えたストーリー仕立てのMCから、新曲「京恋唄」を初披露。和を感じさせるピアノの旋律からドラマティックな展開を見せる力のこもったバラードだった。そして、「俺たちの始まりの曲です」との言葉から、森友のハープ、五味のギターによるシンプルな演奏で歌われた「Hold On My Beat」。森友と五味がワンマイクで歌う姿がバンドの絆を感じさせ、この日のハイライトの1つとなる名演となった。「マリア」のアコースティックバージョンに続き、五味がギターで「Amazing Grace(アメイジンググレイス)」のメロディをソロプレイ。演奏が終わると、1階から大きなどよめきが。
ライブは後半へ。「奇跡の男の登場!」と森友が呼び込むと、正式メンバーのベーシスト・上野がステージ上がった。2015年に、くも膜下出血で倒れて約3カ月もの間意識を失って生死をさまよったという上野。リハビリを経てライブ復帰した文字通り奇跡の男に、会場からはこの日一番の大きな拍手が沸き起こる。そんなムードから始まった「Happiness」は会場中が多幸感に包まれた。「SHAKE IT」「傷だらけを抱きしめて」と、クライマックスには森友、五味がステージサイドまで足を延ばして客席を煽る。「踊ろうぜ!」と呼びかけてから始まったストレートなロックチューン「My Life is My Way」では、五味のギターから人時のベース、上野のベースへそれぞれ掛け合いをしてソロを聴かせると、青木のドラムソロへとバトンが渡り、最後は再びヴォーカルに戻り締めくくられた。




アンコールでは、昨年リリースしたDVDシングル「Re:I」を披露。バックの映像には、石ノ森章太郎の作品「サイボーグ009」とコラボしたMVが流された。

セットリスト
1. Only Lonely Crazy Heart
2. Bye For Now
3. じれったい愛
4. 悪魔の魅力
5. LOVE
6. わがままに抱き合えたなら
7. 京恋唄
8. Hold On My Beat
9. マリア ~Acoustic version~
10. あこがれていた大人になりたくて
11. 愛のために 愛の中で
12. Happiness
13. 刹那さを消せやしない
14. SHAKE IT
15. 傷だらけを抱きしめて
16. My Life is My Way
EN1. Re:I
EN2. 離したくはない
Wアンコール
いじけた視線を君に語るより 光をみたい
〈イベント情報〉
T-BOLAN LIVE HEAVEN 2019 夏の終わりに「Love Songs」
~Acoustic Live Tour~
2019年9月5日(木)広島 BLUE LIVE HIROSHIMA
2019年9月6日(金)大阪 Zepp Namba
2019年9月16日(月・祝)東京 Zepp DiverCity
チケット
全席指定 10000円(税込)
※全会場シーティング・全席指定
※未就学児入場不可
※入場時ドリンク代 別途必要
チケット発売スケジュール等の詳細は、決まり次第オフィシャルホームページ他でお伝えします。