NYを拠点に活動し、俳優/モデルとしての顔を持つ実力派シンガーのMAX。昨年、サマーソニックを含む初来日ステージも話題を集めた彼が、ONE OK ROCKのTakaをゲストに迎えた楽曲「ライツ・ダウン・ロウ feat. Taka from ONE OK ROCK」を本日(9月27日)リリースした。
「ライツ・ダウン・ロウ」は、2016年にリリースされたデビュー・アルバム『ヘルズ・キッチン・エンジェル』の収録曲で、プロポーズやウェディング・ソングとして話題となり、本国アメリカで超ロングヒットを記録。シンガー兼ラッパーを迎えた別バージョンもミュージック・ビデオと共にリリースされ更に注目を浴び、原曲のリリースから約2年後、米ビルボードのアダルト・ポップ・チャートでエド・シーランやチャーリー・プースをおさえて堂々の3週連続1位を獲得した。実際、MAXが妻・エミリーにプロポーズする際にもこの楽曲を使ったそうだ。
「『ライツ・ダウン・ロウ』という曲は、ここまでとても素敵な旅をしてきた」とMAXは語る。このロマンチックな楽曲が、夢のコラボに繋がった経緯とは? MAXの最新インタビューと、Takaから届いたコメントをお届けする。
〈MAXプロフィール〉
◎NY出身、現在27歳の実力派シンガーソングライター。
◎16歳の時にアリアナ・グランデとブロードウェイのミュージカル「13」で共演。
◎アメリカの人気テレビドラマ「Law & Order:性犯罪特捜班」「CRISIS ~完全犯罪のシナリオ」等、数々の作品に俳優としても出演。
◎ファッションブランドDolce & Gabbanaの2010年の秋冬キャンペーンでモデルとしてマドンナと共演。
◎俳優業の傍らで、YouTubeにカバー楽曲やオリジナル楽曲の歌唱動画をアップし、人気を集める。
◎2015年2月、フォール・アウト・ボーイのベーシスト=ピート・ウェンツのレーベルDCD2 Recordと契約を結び、デビュー曲「ジバリッシュ feat. フーディ・アレン」をリリース。
◎2016年4月、待望のデビュー・アルバム『ヘルズ・キッチン・エンジェル』を配信限定リリース(日本盤は昨年リリース)。
◎2018年3月31日付けの米ビルボード・アダルト・ポップチャートで、エド・シーラン、チャーリー・プースをおさえて1位を獲得し、3週連続でその座をキープ。
◎2018年8月、SUMMER SONIC2018とサマソニEXTRAでの東阪単独公演で初来日。
◎2019年、2ndアルバムに収録予定のシングル「ラヴ・ミー・レス feat. クインXCII」や「アシッド・ドリームス feat. フェリー」を継続的にリリースし、夏から秋にかけてアメリカ・ツアーを敢行中。
〈MAX電話インタビュー〉
―去年、サマーソニックで来日してからちょうど1年ぐらい。その後の活動を簡単にアップデートしてください。
MAX:元気でやってるよ。基本ずっと2ndアルバムの制作で忙しくしているんだけど、先に発表した「ラヴ・ミー・レス」が世界中で好評だったり、ONE OK ROCKのTakaと「ライツ・ダウン・ロウ」のニューヴァージョンを作ったり、それでもう2週間もしたら日本に行くことになっていて、すごく楽しみ!(編注:電話インタビューは9月6日に実施)
―「ラヴ・ミー・レス」の他に「アシッド・レイン」もリリースしましたね。あなたにとって、これらはどんな2曲?
MAX:どっちもこれから発表するニューアルバムからの曲で、すごい自信作。MVの制作も超楽しかった。曲だけでなく、全体として曲の世界観をクリエイトしたかったから、黄色をテーマにして。それは僕にとって希望や幸せや良いエネルギーを表す色なんだけど、普段から毎日のように身につけている色だから、ビデオでも重要な役割を果たしているし、あちこちに出てくるんだ。あの2曲はエネルギー的には似ていると思う。
―今まで以上に踊れて、ソウルやR&Bを感じさせる2曲でした。
MAX:そうだね。例えば「ライツ・ダウン・ロウ」なんかは踊れるけどスロウでエモーショナルな曲。それに対して新曲はアップテンポで楽しいヴァイブスのものが多くなっている。そういう気分なんだよ。
―イエローな気分?
MAX:実際、今も黄色のスーツを着てるし。
―そうなんだ! ビタミンカラーですね。
MAX:いいね、それ、ビタミンカラーって!
―「ラヴ・ミー・レス」のビデオには、奥さんのエミリーも出ていましたね。
MAX:そう、そう、すごく楽しい撮影だった。僕の親友のアリが僕のやることなすことが気にくわない元カノの役をやっていて、妻のエミリーは最後に恋人役で出てくるんだけど、他に実際の僕の両親も出演していて、正にファミリー映画。大好きな友達や家族が勢ぞろいしているんだから、撮影もそりゃあ楽しかった。監督はテイラー・スウィフトの「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」で最近MTV VMAで大賞を獲ったばかりのドリュー・カーシュ。彼は作品もだけど仕事の仕方がすごくエネルギッシュで色彩豊かで、今回コラボレーションできて本当に嬉しかった。
―ニューアルバムは今どのくらい進んでいる?
MAX:ショウや取材がなければ毎日のようにスタジオに入って、いい感じで作業を進めているよ。自分では完成までもう少し、というところまで来ていると思っているんだけど、これでいいかな、と思うたびに新しい曲が2つも3つも思い浮かんできて、そっちの方が先に書いた曲よりいいんだよ。だから、やっぱりもっと書いてみようかな、となってしまう。できたものを受け入れて、愛することを覚えなきゃ、と思うんだけど、とにかく可能な限りベストなものを求めてしまうんで……でも、そうだなあ、85%はできてるんじゃないかな。
―そうですか。もうタイトルは決まっていて『House Of Divine』というそうで。
MAX:いや、実はたぶん変えると思う(笑)。
―あ、そうなんですね(笑)。
MAX:確かにそのタイトルで考えていたんだけど、その後、黄色のエネルギーをテーマにしようと決めて、また更に曲を書いたんで、それとは違うタイトルになると思う。でも今日は教えない。次に話す時に教えてあげるよ(笑)。
―わかりました。では、日本で話題の「ライツ・ダウン・ロウ feat. Taka from ONE OK ROCK」の話を。実現の経緯から教えてください。
MAX:Takaと知り合ったのは3年ぐらい前、アメリカでのことなんだ。彼がツアーで僕が住んでいるニューヨークに来た時、対バンのIssuesも僕の友達で、だからショウを観に行って、そこで紹介された。彼のことも彼のバンドのことも僕は何も知らなくて、もちろんライブも初めて観たけど素晴らしくて、終わってから少し話をしたらすごくいい人で。愉快なことが大好きで、お互い小さいのに笑い声がデカイところも似てて。
MAXとIssuesの共演ライブ。2016年のAPMAs(パンク/ラウドシーンのミュージック・アワード)にて。
―(笑)。
MAX:僕も背は低い方だから。でも、2人とも同じようなことでゲラゲラ笑えてさ。それですぐ意気投合したんだ。あっという間に友達になった。その後、僕が初めて日本に行くことになって、Takaに「日本にいる? 会いたいな」ってメールしたら東京の案内役を買って出てくれたんだ。あんな優秀なガイドは初めてだよ。おかげでスシもサシミも最高のものを食べられたし、ラーメンもいい店に連れて行ってもらったし、みんなで伝統的な装いで祭に行ったり、ホント、最高だった。その祭に向かう車の中で……なんか、伝統的な日本の祭で、場所も名前も覚えてないんだけど、みんなでキモノを着て車に乗って、そこでTakaが「ライツ・ダウン・ロウ」を歌い始めたんだ。ただ何となく、ね。
―友情が先だったんだ。
MAX:そういうこと!
―彼らのことは知らなかった、と言っていましたが、出会ってからアルバムを聴いたりはしましたか。聴いていたら、どんな感想を?
MAX:何よりも先にライブを観てしまったから、そのスゴさはすぐわかったよ。でも、その後、音源も聴いたし、あと、東京はじめ日本全国のスタジアムでライブをやっている映像を観てものすごく圧倒された。初対面のTakaはどっちかっていうと優しくて謙虚な人、という印象だったのが、ステージに上がったらある意味別人というか……驚異的だよね。ありったけのエネルギーを注いでロックスターになっていく。ステージ上に謙虚さの居場所なんか無いからね。ああいう、ステージのペルソナに生命を吹き込む感じは、僕にもTakaにも共通する資質だと思う。そうやって後からどんどんファンになっていった感じだよ。その方が、先にファンになってから知り合うよりずっといい。
ONE OK ROCKが今年2月にリリースした『Eye of the Storm』収録曲「Wasted Nights」
―確かに。彼は、あなたの音楽についてはどんなことを言っていましたか。
MAX:今話したように東京ではありがたいことにずっとTakaが案内してくれたんだけど、その間、何かにつけて「男性では君の声が世界で一番好きだ」とか「ライツ・ダウン・ロウはいい曲だね」とか、ずーっと言ってくれてて、こっちはもう、そもそも僕の曲を彼が知っててくれたことが驚きだったのに、そんなに褒めてもらってすっかり恐縮しちゃったよ。あんまり2人で褒めあってばかりいたから、僕の妻が「ここは私、ヤキモチを焼くところ? あなた達、愛し合ってるとか?」って言い出したくらい。
―(笑)。
MAX:ははは。「そんなんじゃないよ、お互いの音楽に対して熱くなってるだけだ」って説明したんだけど、うん、嬉しかったよ。
―車の中でTakaが歌ったのは英語でしょう?
MAX:そう、英語でサビのところを歌ってた。だから「新たに日本語でヴァースを書いてみたら?」って僕から提案したんだ。そして彼が翻訳したわけ。クールだよね。
―それで、実際のコラボレーションはどうやって? 一緒にスタジオに入ったのか、ネット越しのやりとりか。
MAX:うん、その旅が終わって僕はこっちに戻り、あとは遠距離コラボだよ。彼らは、こないだリリースされた最新アルバムの録音中でそもそもスタジオにいたし、通訳の人が付いていたからオンラインでああだこうだとやりながら完成させた。
―期間としてはどれくらい?
MAX:変な話、2018年の12月、いや、11月には終わってたんだ。何だかんだ、1年前のコラボレーションってことになる。ただ、すぐリリースするつもりはなくて、ちょうどお互いに新しい素材があったから、そっちで手一杯で。それが、少し余裕ができたところで「そういえば、あれはどうなった? 出そうよ。何かやり方を考えよう」ってことになり現在に至ってる。作ってからしばらく経ってしまったけど、寝かせておいた価値はあると思うよ。
―日本語版の感想を教えてください。
MAX:「ライツ・ダウン・ロウ」という曲は、ここまでとても素敵な旅をしてきた。スペイン語のヴァージョンがあったり、別のフィーチャリング版があったり。僕は自分がソロアーティストだから、色んな人と組んでコラボレーションすることに興味があって、この曲だけでも色々トライしてみたわけだけど、ヴァージョン違いを並べた時に思うのは、やっぱり本物の愛の曲であることは変わらないな、ってことで。あれ、僕が妻のために書いた曲だから。
―そうですよね。
MAX:うん。あの曲を歌ってプロポーズしたんだ。それくらい深い愛のこもった歌だから、どんな言語に翻訳されて誰が歌った新しいヴァージョンになろうと、嘘のない、深くて情熱的なメッセージは変わらない。そこがあの曲の特別なところだと思う。それが翻訳を通じてより広く伝わっていくなら、こんなに嬉しいことはないよ。Takaも自分の解釈で僕のメッセージを日本語に置き換えてくれたんだと思うから、そんな彼の気持ちも考えながら聴くと今までで一番スペシャルなヴァージョンにも思える。日本のみんながどう思うか、僕も楽しみだ。
―奥様としては複雑かしら。自分のための曲がみんなの曲になってしまって(笑)。
MAX:実は、最初はそう感じていたみたいだよ。おかしいよね。でも、色んな人がプロポーズに使ったり結婚式に使ったりするのをみているうちに、彼女もだけど僕自身も、そのメッセージの広まり具合に……沢山の人が自分の人生に当てはめて曲のメッセージをシェアしあっているということがわかって、すごくこう……超越した曲だな、と思うようになったんだ。書いた人とそれを当てた相手だけでなく、こんなにも特別な形で広まっていくなんて。それは音楽の素晴らしさでもあるし、正に真の愛の形なんじゃない? ここ数年、あの曲の広まりに僕は本当に恐縮していて、今回、Takaが謙虚な姿勢で取り組んでくれたおかげで誰もが喜べる結果が生まれたと感謝しているんだ。
―間もなく日本に来るということでしたが、Takaと日本で共演できたらお互いにとても良い結果になりそう。
MAX:そうだよね。それができたらいいけど、今はまだ調整中で何とも言えない。少なくとも、僕が日本に行くからにはTakaと会わないわけにはいかないんで(笑)、もしかしたら何かやれるかも。
―でも、この曲を通じてTakaのファンにあなたが紹介されることは確実に期待できますよね。
MAX:そうあってほしいと思う。
―ONE OK ROCKもしてみれば、その逆を期待するだろうし。
MAX:それはどうだろう、彼らは既にアメリカでツアーしてかなり成功しているから。でも、そうなれば嬉しいね。
―他に日本のアーティストやミュージシャンで知っている人、コラボレーションしてみたい人はいますか。Takaの紹介で知り合った人とか、います?
MAX:Takaに紹介してもらったのは最高のスシとラーメンぐらいだよ。
―(笑)。
MAX:彼の周囲のナイスな人たちとの出会いはもちろんあったけど。今後も日本に行ったら彼に案内してもらうつもりだから、これから何かそういう出会いがあるかもね。あと、ニューヨークでは逆に僕がガイドにならないといけない。精一杯頑張らせてもらうよ(笑)。
―わかりました。ありがとうございます。あと、新作のことについて少しだけ。全体の雰囲気と、共演者、共作者について現時点で言えることがあればお願いします。
MAX:うん、全体の雰囲気は活気があってソウルフル。「ラヴ・ミー・レス」や「アシッド・レイン」のようなアップテンポなダンス曲、という意味でのソウルな感じと、それこそ魂のこもった生々しくてエモーショナルな歌い上げ系のバラードもあって、どっちもとにかくエネルギッシュなので、次はそれを是非、ライブでも伝えたいと思っているんだ。そこまでやって、テーマの全体像が見えるんじゃないか、と。あ、あと前向きさ。これも大事なテーマだ。愛や希望や光を見出せるストーリーの曲が揃っている。コラボレーションに関しては、友人のキム・ペトラスとの「ラヴ・ミー・レス」のニューヴァージョンを今日、発表したところなんだけど、アルバムにもワクワクするようなフィーチャーが山ほど入っていて……まあ、今日のところは謎のままにしておくけど。
―(笑)。
MAX:キム・ペトラスの他にも、僕のリトル・パーティ・ピーポーが大勢参加する予定だから、楽しみにしてて。
―わかりました。いい子で待ちます。
MAX:ははは。
―前作との一番の違いは何でしょうか。
MAX:そうだなあ……前のアルバムでは僕、すごく実験したんだよね。色んなプロデューサーと組んで色んなことを試して、それはそれでとても楽しかった。今回は、実験性という意味ではさらに上を行っているんだけど、全体のサウンドには前より一貫性がある。プロデューサーの数も減らして、すべての曲がもうちょっと繋がりを持つようにした、というのが僕にとっては大きなポイント。今回のアルバムで是非やってみたかったことでもあるんだ。全体を聴いた時に一貫した流れの中で楽しんでもらえるアルバムになっているんじゃないかな。前作ももちろん自信作だけど、今回はランダムに聴いても、通しで聴いても楽しめるアルバムになるはずだ。
―ありがとうございました。最後に何か、ファンの皆さんに言っておきたいことがあれば。
MAX:辛抱強く待っていてくれて、本当にありがとう。約束するよ、僕にできる最高のアルバムを作ろうと頑張っているから、作っている僕もだけど、きっとみんなにも同じくらい楽しんでもらえる作品になると思う。今、聴いてもらえるシングルの「ラヴ・ミー・レス」と「アシッド・レイン」は気に入ってくれたかな。それと、Takaの新しいヴァージョンで「ライツ・ダウン・ロウ」も楽しんでもらいたい。もうすぐまた会えるのが楽しみだよ。アリガトゴザイマス!
〈Taka from ONE OK ROCK コメント〉
出会いはNYでした。ONE OK ROCKがIssuesのアメリカツアーに参加した時のNY公演にMAXが遊びに来ていて、そこでボーカル3人同士で話したのがきっかけです。
Tyler(Issuesのフロントマン)から色々な話を聞いたりする中で、後日MAXが日本に来るということがわかって。その時夏だったので、MAXと奥さんと僕の友達と一緒に麻布十番祭りに遊びに行ったんです。その行きの車内で彼の曲「ライツ・ダウン・ロウ」を鼻歌で歌っていたら、「もしこの曲歌えるなら一緒に歌わない?」と聞かれて、僕も好きな曲だったのでこのfeaturingが生まれました。
彼のパフォーマンスと、ソウルフルな歌声と、とても好きなアーティストの1人です。この曲、彼がこれから日本やアジアで自分とfeaturingしたことによってもっと知られていけば、友達としてとても嬉しいです。
MAX
「ライツ・ダウン・ロウ feat. TAKA from ONE OK ROCK」
試聴・購入リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/LightsDownLowMAXTAKA
MAX日本公式サイト:
https://www.sonymusic.co.jp/artist/max/
「ライツ・ダウン・ロウ」は、2016年にリリースされたデビュー・アルバム『ヘルズ・キッチン・エンジェル』の収録曲で、プロポーズやウェディング・ソングとして話題となり、本国アメリカで超ロングヒットを記録。シンガー兼ラッパーを迎えた別バージョンもミュージック・ビデオと共にリリースされ更に注目を浴び、原曲のリリースから約2年後、米ビルボードのアダルト・ポップ・チャートでエド・シーランやチャーリー・プースをおさえて堂々の3週連続1位を獲得した。実際、MAXが妻・エミリーにプロポーズする際にもこの楽曲を使ったそうだ。
「『ライツ・ダウン・ロウ』という曲は、ここまでとても素敵な旅をしてきた」とMAXは語る。このロマンチックな楽曲が、夢のコラボに繋がった経緯とは? MAXの最新インタビューと、Takaから届いたコメントをお届けする。

〈MAXプロフィール〉
◎NY出身、現在27歳の実力派シンガーソングライター。
◎16歳の時にアリアナ・グランデとブロードウェイのミュージカル「13」で共演。
◎アメリカの人気テレビドラマ「Law & Order:性犯罪特捜班」「CRISIS ~完全犯罪のシナリオ」等、数々の作品に俳優としても出演。
◎ファッションブランドDolce & Gabbanaの2010年の秋冬キャンペーンでモデルとしてマドンナと共演。
◎俳優業の傍らで、YouTubeにカバー楽曲やオリジナル楽曲の歌唱動画をアップし、人気を集める。
◎2015年2月、フォール・アウト・ボーイのベーシスト=ピート・ウェンツのレーベルDCD2 Recordと契約を結び、デビュー曲「ジバリッシュ feat. フーディ・アレン」をリリース。
◎2016年4月、待望のデビュー・アルバム『ヘルズ・キッチン・エンジェル』を配信限定リリース(日本盤は昨年リリース)。
◎2018年3月31日付けの米ビルボード・アダルト・ポップチャートで、エド・シーラン、チャーリー・プースをおさえて1位を獲得し、3週連続でその座をキープ。
◎2018年8月、SUMMER SONIC2018とサマソニEXTRAでの東阪単独公演で初来日。
◎2019年、2ndアルバムに収録予定のシングル「ラヴ・ミー・レス feat. クインXCII」や「アシッド・ドリームス feat. フェリー」を継続的にリリースし、夏から秋にかけてアメリカ・ツアーを敢行中。
〈MAX電話インタビュー〉
―去年、サマーソニックで来日してからちょうど1年ぐらい。その後の活動を簡単にアップデートしてください。
MAX:元気でやってるよ。基本ずっと2ndアルバムの制作で忙しくしているんだけど、先に発表した「ラヴ・ミー・レス」が世界中で好評だったり、ONE OK ROCKのTakaと「ライツ・ダウン・ロウ」のニューヴァージョンを作ったり、それでもう2週間もしたら日本に行くことになっていて、すごく楽しみ!(編注:電話インタビューは9月6日に実施)
―「ラヴ・ミー・レス」の他に「アシッド・レイン」もリリースしましたね。あなたにとって、これらはどんな2曲?
MAX:どっちもこれから発表するニューアルバムからの曲で、すごい自信作。MVの制作も超楽しかった。曲だけでなく、全体として曲の世界観をクリエイトしたかったから、黄色をテーマにして。それは僕にとって希望や幸せや良いエネルギーを表す色なんだけど、普段から毎日のように身につけている色だから、ビデオでも重要な役割を果たしているし、あちこちに出てくるんだ。あの2曲はエネルギー的には似ていると思う。
次のアルバムは全体にそうなんだ。良いエネルギー、良いヴァイブス、そしてストーリーは前向きで楽観的。僕の今の人生そのものだ。ファンのみんなも共感してくれると嬉しいな。特に日本で。
―今まで以上に踊れて、ソウルやR&Bを感じさせる2曲でした。
MAX:そうだね。例えば「ライツ・ダウン・ロウ」なんかは踊れるけどスロウでエモーショナルな曲。それに対して新曲はアップテンポで楽しいヴァイブスのものが多くなっている。そういう気分なんだよ。
―イエローな気分?
MAX:実際、今も黄色のスーツを着てるし。
―そうなんだ! ビタミンカラーですね。
MAX:いいね、それ、ビタミンカラーって!
―「ラヴ・ミー・レス」のビデオには、奥さんのエミリーも出ていましたね。
MAX:そう、そう、すごく楽しい撮影だった。僕の親友のアリが僕のやることなすことが気にくわない元カノの役をやっていて、妻のエミリーは最後に恋人役で出てくるんだけど、他に実際の僕の両親も出演していて、正にファミリー映画。大好きな友達や家族が勢ぞろいしているんだから、撮影もそりゃあ楽しかった。監督はテイラー・スウィフトの「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」で最近MTV VMAで大賞を獲ったばかりのドリュー・カーシュ。彼は作品もだけど仕事の仕方がすごくエネルギッシュで色彩豊かで、今回コラボレーションできて本当に嬉しかった。
―ニューアルバムは今どのくらい進んでいる?
MAX:ショウや取材がなければ毎日のようにスタジオに入って、いい感じで作業を進めているよ。自分では完成までもう少し、というところまで来ていると思っているんだけど、これでいいかな、と思うたびに新しい曲が2つも3つも思い浮かんできて、そっちの方が先に書いた曲よりいいんだよ。だから、やっぱりもっと書いてみようかな、となってしまう。できたものを受け入れて、愛することを覚えなきゃ、と思うんだけど、とにかく可能な限りベストなものを求めてしまうんで……でも、そうだなあ、85%はできてるんじゃないかな。
―そうですか。もうタイトルは決まっていて『House Of Divine』というそうで。
MAX:いや、実はたぶん変えると思う(笑)。
―あ、そうなんですね(笑)。
MAX:確かにそのタイトルで考えていたんだけど、その後、黄色のエネルギーをテーマにしようと決めて、また更に曲を書いたんで、それとは違うタイトルになると思う。でも今日は教えない。次に話す時に教えてあげるよ(笑)。
―わかりました。では、日本で話題の「ライツ・ダウン・ロウ feat. Taka from ONE OK ROCK」の話を。実現の経緯から教えてください。
MAX:Takaと知り合ったのは3年ぐらい前、アメリカでのことなんだ。彼がツアーで僕が住んでいるニューヨークに来た時、対バンのIssuesも僕の友達で、だからショウを観に行って、そこで紹介された。彼のことも彼のバンドのことも僕は何も知らなくて、もちろんライブも初めて観たけど素晴らしくて、終わってから少し話をしたらすごくいい人で。愉快なことが大好きで、お互い小さいのに笑い声がデカイところも似てて。
MAXとIssuesの共演ライブ。2016年のAPMAs(パンク/ラウドシーンのミュージック・アワード)にて。
―(笑)。
MAX:僕も背は低い方だから。でも、2人とも同じようなことでゲラゲラ笑えてさ。それですぐ意気投合したんだ。あっという間に友達になった。その後、僕が初めて日本に行くことになって、Takaに「日本にいる? 会いたいな」ってメールしたら東京の案内役を買って出てくれたんだ。あんな優秀なガイドは初めてだよ。おかげでスシもサシミも最高のものを食べられたし、ラーメンもいい店に連れて行ってもらったし、みんなで伝統的な装いで祭に行ったり、ホント、最高だった。その祭に向かう車の中で……なんか、伝統的な日本の祭で、場所も名前も覚えてないんだけど、みんなでキモノを着て車に乗って、そこでTakaが「ライツ・ダウン・ロウ」を歌い始めたんだ。ただ何となく、ね。
それがすごく上手かったから「いいじゃん、一緒にやろうよ、あの曲の新しいヴァージョンを一緒に作ろう!」って、その場で僕から持ちかけたんだ。彼は「マジ? いけると思う? できたら光栄だけど」と。そして彼が取り掛かったものが、ようやく陽の目を見るわけ。彼が日本語で歌ってるんだけど、見事だよね。彼は世界でも有数の美声の持ち主だと僕は思うよ。というのが、今回のニューヴァージョン実現の経緯。
―友情が先だったんだ。
MAX:そういうこと!
―彼らのことは知らなかった、と言っていましたが、出会ってからアルバムを聴いたりはしましたか。聴いていたら、どんな感想を?
MAX:何よりも先にライブを観てしまったから、そのスゴさはすぐわかったよ。でも、その後、音源も聴いたし、あと、東京はじめ日本全国のスタジアムでライブをやっている映像を観てものすごく圧倒された。初対面のTakaはどっちかっていうと優しくて謙虚な人、という印象だったのが、ステージに上がったらある意味別人というか……驚異的だよね。ありったけのエネルギーを注いでロックスターになっていく。ステージ上に謙虚さの居場所なんか無いからね。ああいう、ステージのペルソナに生命を吹き込む感じは、僕にもTakaにも共通する資質だと思う。そうやって後からどんどんファンになっていった感じだよ。その方が、先にファンになってから知り合うよりずっといい。
ONE OK ROCKが今年2月にリリースした『Eye of the Storm』収録曲「Wasted Nights」
―確かに。彼は、あなたの音楽についてはどんなことを言っていましたか。
MAX:今話したように東京ではありがたいことにずっとTakaが案内してくれたんだけど、その間、何かにつけて「男性では君の声が世界で一番好きだ」とか「ライツ・ダウン・ロウはいい曲だね」とか、ずーっと言ってくれてて、こっちはもう、そもそも僕の曲を彼が知っててくれたことが驚きだったのに、そんなに褒めてもらってすっかり恐縮しちゃったよ。あんまり2人で褒めあってばかりいたから、僕の妻が「ここは私、ヤキモチを焼くところ? あなた達、愛し合ってるとか?」って言い出したくらい。
―(笑)。
MAX:ははは。「そんなんじゃないよ、お互いの音楽に対して熱くなってるだけだ」って説明したんだけど、うん、嬉しかったよ。
―車の中でTakaが歌ったのは英語でしょう?
MAX:そう、英語でサビのところを歌ってた。だから「新たに日本語でヴァースを書いてみたら?」って僕から提案したんだ。そして彼が翻訳したわけ。クールだよね。
―それで、実際のコラボレーションはどうやって? 一緒にスタジオに入ったのか、ネット越しのやりとりか。
MAX:うん、その旅が終わって僕はこっちに戻り、あとは遠距離コラボだよ。彼らは、こないだリリースされた最新アルバムの録音中でそもそもスタジオにいたし、通訳の人が付いていたからオンラインでああだこうだとやりながら完成させた。
―期間としてはどれくらい?
MAX:変な話、2018年の12月、いや、11月には終わってたんだ。何だかんだ、1年前のコラボレーションってことになる。ただ、すぐリリースするつもりはなくて、ちょうどお互いに新しい素材があったから、そっちで手一杯で。それが、少し余裕ができたところで「そういえば、あれはどうなった? 出そうよ。何かやり方を考えよう」ってことになり現在に至ってる。作ってからしばらく経ってしまったけど、寝かせておいた価値はあると思うよ。
―日本語版の感想を教えてください。
MAX:「ライツ・ダウン・ロウ」という曲は、ここまでとても素敵な旅をしてきた。スペイン語のヴァージョンがあったり、別のフィーチャリング版があったり。僕は自分がソロアーティストだから、色んな人と組んでコラボレーションすることに興味があって、この曲だけでも色々トライしてみたわけだけど、ヴァージョン違いを並べた時に思うのは、やっぱり本物の愛の曲であることは変わらないな、ってことで。あれ、僕が妻のために書いた曲だから。
―そうですよね。
MAX:うん。あの曲を歌ってプロポーズしたんだ。それくらい深い愛のこもった歌だから、どんな言語に翻訳されて誰が歌った新しいヴァージョンになろうと、嘘のない、深くて情熱的なメッセージは変わらない。そこがあの曲の特別なところだと思う。それが翻訳を通じてより広く伝わっていくなら、こんなに嬉しいことはないよ。Takaも自分の解釈で僕のメッセージを日本語に置き換えてくれたんだと思うから、そんな彼の気持ちも考えながら聴くと今までで一番スペシャルなヴァージョンにも思える。日本のみんながどう思うか、僕も楽しみだ。
―奥様としては複雑かしら。自分のための曲がみんなの曲になってしまって(笑)。
MAX:実は、最初はそう感じていたみたいだよ。おかしいよね。でも、色んな人がプロポーズに使ったり結婚式に使ったりするのをみているうちに、彼女もだけど僕自身も、そのメッセージの広まり具合に……沢山の人が自分の人生に当てはめて曲のメッセージをシェアしあっているということがわかって、すごくこう……超越した曲だな、と思うようになったんだ。書いた人とそれを当てた相手だけでなく、こんなにも特別な形で広まっていくなんて。それは音楽の素晴らしさでもあるし、正に真の愛の形なんじゃない? ここ数年、あの曲の広まりに僕は本当に恐縮していて、今回、Takaが謙虚な姿勢で取り組んでくれたおかげで誰もが喜べる結果が生まれたと感謝しているんだ。
―間もなく日本に来るということでしたが、Takaと日本で共演できたらお互いにとても良い結果になりそう。
MAX:そうだよね。それができたらいいけど、今はまだ調整中で何とも言えない。少なくとも、僕が日本に行くからにはTakaと会わないわけにはいかないんで(笑)、もしかしたら何かやれるかも。
―でも、この曲を通じてTakaのファンにあなたが紹介されることは確実に期待できますよね。
MAX:そうあってほしいと思う。
―ONE OK ROCKもしてみれば、その逆を期待するだろうし。
MAX:それはどうだろう、彼らは既にアメリカでツアーしてかなり成功しているから。でも、そうなれば嬉しいね。
―他に日本のアーティストやミュージシャンで知っている人、コラボレーションしてみたい人はいますか。Takaの紹介で知り合った人とか、います?
MAX:Takaに紹介してもらったのは最高のスシとラーメンぐらいだよ。
―(笑)。
MAX:彼の周囲のナイスな人たちとの出会いはもちろんあったけど。今後も日本に行ったら彼に案内してもらうつもりだから、これから何かそういう出会いがあるかもね。あと、ニューヨークでは逆に僕がガイドにならないといけない。精一杯頑張らせてもらうよ(笑)。
―わかりました。ありがとうございます。あと、新作のことについて少しだけ。全体の雰囲気と、共演者、共作者について現時点で言えることがあればお願いします。
MAX:うん、全体の雰囲気は活気があってソウルフル。「ラヴ・ミー・レス」や「アシッド・レイン」のようなアップテンポなダンス曲、という意味でのソウルな感じと、それこそ魂のこもった生々しくてエモーショナルな歌い上げ系のバラードもあって、どっちもとにかくエネルギッシュなので、次はそれを是非、ライブでも伝えたいと思っているんだ。そこまでやって、テーマの全体像が見えるんじゃないか、と。あ、あと前向きさ。これも大事なテーマだ。愛や希望や光を見出せるストーリーの曲が揃っている。コラボレーションに関しては、友人のキム・ペトラスとの「ラヴ・ミー・レス」のニューヴァージョンを今日、発表したところなんだけど、アルバムにもワクワクするようなフィーチャーが山ほど入っていて……まあ、今日のところは謎のままにしておくけど。
―(笑)。
MAX:キム・ペトラスの他にも、僕のリトル・パーティ・ピーポーが大勢参加する予定だから、楽しみにしてて。
―わかりました。いい子で待ちます。
MAX:ははは。
―前作との一番の違いは何でしょうか。
MAX:そうだなあ……前のアルバムでは僕、すごく実験したんだよね。色んなプロデューサーと組んで色んなことを試して、それはそれでとても楽しかった。今回は、実験性という意味ではさらに上を行っているんだけど、全体のサウンドには前より一貫性がある。プロデューサーの数も減らして、すべての曲がもうちょっと繋がりを持つようにした、というのが僕にとっては大きなポイント。今回のアルバムで是非やってみたかったことでもあるんだ。全体を聴いた時に一貫した流れの中で楽しんでもらえるアルバムになっているんじゃないかな。前作ももちろん自信作だけど、今回はランダムに聴いても、通しで聴いても楽しめるアルバムになるはずだ。
―ありがとうございました。最後に何か、ファンの皆さんに言っておきたいことがあれば。
MAX:辛抱強く待っていてくれて、本当にありがとう。約束するよ、僕にできる最高のアルバムを作ろうと頑張っているから、作っている僕もだけど、きっとみんなにも同じくらい楽しんでもらえる作品になると思う。今、聴いてもらえるシングルの「ラヴ・ミー・レス」と「アシッド・レイン」は気に入ってくれたかな。それと、Takaの新しいヴァージョンで「ライツ・ダウン・ロウ」も楽しんでもらいたい。もうすぐまた会えるのが楽しみだよ。アリガトゴザイマス!

〈Taka from ONE OK ROCK コメント〉
出会いはNYでした。ONE OK ROCKがIssuesのアメリカツアーに参加した時のNY公演にMAXが遊びに来ていて、そこでボーカル3人同士で話したのがきっかけです。
Tyler(Issuesのフロントマン)から色々な話を聞いたりする中で、後日MAXが日本に来るということがわかって。その時夏だったので、MAXと奥さんと僕の友達と一緒に麻布十番祭りに遊びに行ったんです。その行きの車内で彼の曲「ライツ・ダウン・ロウ」を鼻歌で歌っていたら、「もしこの曲歌えるなら一緒に歌わない?」と聞かれて、僕も好きな曲だったのでこのfeaturingが生まれました。
彼のパフォーマンスと、ソウルフルな歌声と、とても好きなアーティストの1人です。この曲、彼がこれから日本やアジアで自分とfeaturingしたことによってもっと知られていけば、友達としてとても嬉しいです。

MAX
「ライツ・ダウン・ロウ feat. TAKA from ONE OK ROCK」
試聴・購入リンク:
https://SonyMusicJapan.lnk.to/LightsDownLowMAXTAKA
MAX日本公式サイト:
https://www.sonymusic.co.jp/artist/max/
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