リトルはすでに93件の殺人を自供しているが、このうち50件はFBIの暴力犯罪逮捕プログラム(ViCAP)で確認されている。
「何年もの間、サミュエル・リトル受刑囚は自分が絶対に捕まらない自信がありました。誰も被害者の行方を探していないと分かっていたからです」と、ViCAPの犯罪分析官クリスティ・パラッツォロ氏は声明の中で述べた。「彼はすでに刑務所で服役中ですが、FBIは被害者1人1人に正義を果たし――可能な限りすべての事件を解決することが重要だと考えています」
リトル受刑囚は2014年、1986年から1989年にかけて南カリフォルニアで起きた3件の殺人で終身刑を言い渡された。その数年後、彼はさらに数十件の殺人――1970年から2005年にかけて、12州で行われた100件近い殺人を自供し始めた。FBIいわく、これまで彼が捜査上に挙がらなかったのは、彼の被害者の大半が薬物の過剰摂取死や事故死で片付けられていたからだ――もう二度と発見されることがないであろう遺体もある。リトル受刑囚はホームレスや麻薬常習者、セックスワーカーらも手にかけていた。
今年初め、FBIは16件の生々しい似顔絵を一般公開した。まだ発見されていない被害者と思われる人々の似顔絵で、受刑囚自らテキサスの刑務所の独房で、記憶を頼りに描いたものだ。
「我々は、被害者の知人――家族やかつての隣人、友人など――が被害者だと気が付いて、当局の身元特定に重要な手掛かりを提供してくれればと期待しています」と、FBIの広報担当者シェイン・ブッチワルド氏は声明の中で述べた。「我々は、この女性たちに名前を取り戻し、遅まきながらも遺族の皆様に答えを提供したいのです。それが我々にできるせめてものことですから」
今現在FBIは犯人の自供に望みをかけている。
・マリアンヌ、またはメアリー・アン
リトル受刑囚は1970年代初頭、フロリダ州マイアミのとあるバーで10代のトランスジェンダーの女性と出会ったときの様子を詳しく語っている。数日後、別のバーで落ち合い、リトル受刑囚はハイウェイ27号線沿いで女性を殺害。エヴァーグレーズで死体を遺棄した。
・ルース
リトル受刑囚がルースと出会ったのは1992年から1994年の間、場所はアーカンソー州リトルロックの浮浪者のたまり場だった。2人は万引きや物販を販売しながら3日間ともに過ごした。リトルは束の間警察に逮捕された後、再び女性の下へ戻り、彼女を車に乗せ、リトルロックを出たところで絞殺した。彼曰く、死体はトウモロコシ畑の中またはその付近に捨てた。
・氏名不詳
1984年、オハイオ州ロレインからシンシナティに向かっていた道中、リトル受刑囚はストリップクラブの外で名も知らぬ女性と出会った。フロリダ州マイアミに会いに行くところだった女性は、そこまで乗せてくれないかと頼み、リトル受刑囚は承諾した。ケンタッキー州まで行ったところでリトル受刑囚は州間ハイウェイ75号線付近で丘陵地帯へ入り、女性を絞殺した。死体は小さな丘の上に置き去りにした。
・氏名不詳
90年代初頭、リトル受刑囚はラスベガスで1人の女性に出会い、モーテルの自室に連れ込んだ。そこで女性を絞殺し、死体をトランクに詰め、車でラスベガス郊外へ向かった。死体は坂の上から転がして捨てた。
・氏名不詳
90年代初期、リトル受刑囚はニューオリンズのクラブで被害者と出会った。彼女はバースデーパーティに出席していた。女性と一緒にクラブを出た後、リトル受刑囚は州間ハイウェイ10号線外れのリトルウッズへ彼女を連れてゆき、そこで殺害して死体を放置した。