LOW IQ 01による20th Anniversary The Extravaganza公演が2019年11月30日、東京・新木場STUDIO COASTで行われた。本公演のタイトル通り、LOW IQ 01のソロ活動の20周年を記念するプレミアムなライブとなった。


開演時刻を少し回ったところで、LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERSがステージに登場。「LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERS! あ! ば! れ! ろー!」とLOW IQ 01が叫ぶと、最新アルバム『TWENTY ONE』収録の「Every Little Thing」からライブがスタート。冒頭から客席ギリギリまで近寄って、20周年を祝う「いっちゃーん!(LOW IQ 01の愛称)」の声援を感じにいくLOWQ IQ 01。演奏しながらその場でグルグル回ったり、渡邉忍(G.)日向秀和(Ba.)との掛け合いも見られる。「Snowman」では盟友BRAHMANのTOSHI-LOW、「MI-O-TO-SHI」では共演者の細美武士もステージに登場し、ともに曲を歌い上げる。ラストには、SUPER STUPID時代のナンバー「WHATS BORDERLESS?」も披露されるなど、自身がMCで放った「主役がオープニングアクトですから!」の言葉通りの豪華な演出となった。

LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」

2番手はBRAHMAN。SEと共にメンバーが登場すると大きな歓声が。先ほどとは種類の違う熱気が会場に漂い、混沌としたアツさを魅せる。TOSHI-LOWが曲に合わせて何度も空を殴り、蹴る荒々しさは鬼のような気迫だ。「SPECULATION」「不倶戴天」の混沌とした盛り上がり、「Answer For…」の会場一人一人に語りかけるような静けさからサビへの爆発的な盛り上がりは圧巻であり、曲の最後には客席にTOSHI-LOWが定番のダイブをする。同じくダイブしてきた客と盛り上がってじゃれているような、争っているような危うささえもTOSHI-LOWが体現するロックの魅力だ。
客席の中で3曲を披露すると、「20年前にLOW IQ 01が死んで、もし生きていたら……」と、生きていた場合の仮定の話としてLOW IQ 01との思い出を語り、会場から大きな笑いも生まれた。敬意を示してSUPER STUPIDの「WHATS BORDERLESS?」をカバーすると、LOW IQ 01も登場し、異様な熱狂が生まれた。「生まれ変わった21年目のLOW IQ 01もよろしく。新しく生まれ変わるには新しい仲間が必要なんだ。」と語ると、細美と共に「今夜」を披露。LOW IQ 01が仲間からの愛される様子が伝わってくる一幕となった。

LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


3番手はSCAFULL KING。同じ時代のシーンを生き抜いた盟友であり、LOW IQ 01がソロ活動開始からメジャーデビュー前まで使用していたMASTER LOW名義のバンドでSCAFULL KINGのメンバー達も参加していたなど長い付き合いがある。カウントともに1曲目「SAVE YOU LOVE」が始まると、ボーカル、トロンボーン、サックスが絡まり合い、勢いのあるライブが始まる。ダイブで前に流れ込んできたお客さんをメンバーがステージに上げて一緒に踊るシーンもあり、お祭りのどんちゃん騒ぎとなった。2曲目「Brighten Up」ではボーカル・田上修太郎もトランペットを持ち、管楽器隊の間奏パートで大きな歓声が上がる。その後は、それぞれ楽器を離してマイク片手に暴れ出すシーンも、さらにLOW IQ 01も現れてSUPER STUPIDの「SUPER STUPIDⅡ」をカバー。SCAFULL KING単体でもLOW IQ 01の楽曲「NO SHAME」もカバーし、管楽器の音色はLOW IQ 01の20周年を祝うファンファーレのようにさえ聞こえた。
こういったサプライズに会場のテンションもマックスまで上がり、スカバンドの陽気な雰囲気に包まれた。

LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


4番手はMONOEYES。スターウォーズのテーマをSEに、細美武士が酒のボトルを片手に入場。「死ぬ気でやりたいだけなんですよ、なので付き合ってもらっていいですか」との一言から「When I Was A King」へ。その爆発力は圧巻だった。ギターの戸高は、ダイブで流れてくるファンに、戯れるようにタッチしにいく姿が印象的だったし、スコットマーフィはベースを客席に伸ばしてファンに触れさせるなど楽しむ姿勢も忘れない。「Two Little Fishes」では、ハットを被りステッキを持ちLOW IQ 01風(細美にはマイケル・ジャクソンみたいと揶揄される)の格好をしたTOSHI-LOWも現れ一緒に歌唱するシーンも。「俺が先輩だと認める人は2つの条件の1つを満たした人だけなんだよ。飯を奢ってくれた人か、人生で大切なことを教えてくれた人。01さんは人生で大切なこと教えてくれた人なんだよ」。MCで細美はそう語り、01との絆を感じさせた。ラストの「Borders & Walls」では、細美がTシャツを脱ぎ捨て、同曲を作詞作曲したスコット・マーフィがステージ中央に立ち、圧巻の勢いでライブを駆け抜けた。
ギターを置き観客に向けてガッツポーズを見せる姿は、細美のライブの満足感と当日のイベントを楽しんでいるようであった。

LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


そして、トリを飾るのはLOW IQ 01 & MASTER LOW。黒ハットに赤チェックのシャツ、ステッキを持った01が登場。1曲目は「YOUR COLOR」。当日LOW IQ 01が演奏した曲の中でも特に落ち着いた楽曲からの始まりに少々驚いたが、穏やかでハッピーな曲調からは20周年のお祝いの雰囲気が滲み出る素敵な立ち上がりとなった。「Hangover Weekend」で一気にエンジンをかけ、ステージを楽しそうに駆け回る。「WAY IT IS」ではサビのキャッチーさに相まって、会場からシンガロングが起こり、4曲目「Chances」へと続けて踊り続ける。

「今日本当に最高の仲間が集まってくれてると思うのよ。世代とか関係ねえし。ここまで来れたのは皆のおかげだと思います。あとはサイコーの仲間がいっぱいいてくれたこと。この20年、その前にSUPER STUPIDって仲間がいてくれたってこと。
この歳になってさ、音楽に生きると思わなかったからさ、どうもありがとう。最後まで楽しんでって」

そうLOW IQ 01が語ると「Delusions of Grandeur」の勢いのあるドラムのイントロが流れ、「踊れ踊れ!」と煽りながら会場のギアをもう一段階上げていく。同曲ではLOW IQ 01のサイコーの仲間であるTOSHI-LOWと細美がステージに現れて、客席にダイブする場面も見られ、大盛り上がりとなった。

LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


「皆やることはめちゃくちゃだけどガチガチになりすぎない。これくらいがちょうどいい」。これはLOW IQ 01がMCで語った言葉だが、この器の大きさこそ、20年間仲間に好かれ続けてきた彼の真髄ではないだろうか。仲間を大事にしていて人に好かれる彼の魅力が、言葉の端々から感じられる。ステージ上のLOW IQ 01はロックバンドマンであり、エンターテイナーでもある。軽やかなステップと巧みなトーク、カッコ良さと愛くるしさが混ざった不思議な魅力を20年間、いや、それよりも前からずっと持っていたのかもしれない。「So EASY」では、客が笑顔で肩を組んで円になるサークルモッシュも起こり、観客の楽しそうな笑顔が見られる雰囲気になった。

「50になるまで音楽が出来たらいいなと思ってて、50になったらのんびりして好きなことやってって思ってたけど…… こんなの止めらんないよね! もっともっとやった方がいいよね! 世の中めちゃくちゃ頑張っても結果が出せない人もいて、運よくラッキーパンチでやってたまたまやっていける人もいてね。なんだろうな、今までラッキーパンチだけでやってきました! どうもありがとうございました!」と肩の力が抜けるようなことを言った矢先に、バンドメンバーの計らいで会場ではスマホライトの点灯によるサプライズが。
「最近年取って涙腺弱くなったかな、本当にありがとう!」と言って、「NEVER SHUT UP」、「WHAT A HELLS GOING ON」と続けて披露。「FIREWORKS」ではLOW IQ 01がサックスの演奏も披露し、それに合わせて共演者が皆ヒゲダンスをしながらステージに現れ大団円の中、本編は終了した。

LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


アンコール中、いやLOW IQ 01がステージにいる間、必ず会場のどこかから聞こえる「いっちゃーーーん」とまるで友達の名前のように彼の愛称を叫ぶ声が響き、ファンにも彼の親しみやすさが伝わっているのだろう。それこそがLOW IQ 01の魅力の一つなのだと感じた。

アンコールMCは、TOSHI-LOWと細美によるトークでスタート。本日出演した仲間(市川芸人と称される)とのコントのようなトークの後に、「皆もうちょっとだけ付き合って!」と新日本プロレス「G1 CLIMAX 29」のテーマ曲にもなった「Shine」を披露。ドラムセットの前に共演者が集まり、01の演奏を見届けるという微笑ましい場面が見られた。西口プロレスの中邑珍輔(新日本プロレスの中邑真輔のそっくりさん)も飛び入り登場。「RULES」ではSTRAIGHTENERのGt/Voホリエアツシが、「Little Giant」ではHUSKING BEEのGt / Vo磯部正文などが、続々とステージに飛び入り登場。ゲスト達と一緒に楽曲を披露する。LOW IQ 01もどんどん楽しくなっていきビールを一気飲みしたり、共演者も踊り始めたりと、カオスな状態になっていった。そんなステージも微笑ましく見えたし、往年のファンなら尚更嬉しく思うだろう。


LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」


Wアンコールでは、Gtにフルカワユタカ、Drにダゼこと山﨑聖之を迎えたLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSが急遽出演。「今日皆さ、SUPER STUPIDの曲いっぱいやってくれてるからさ、やらないわけにはいかないのよ。今日遊びにきてくれてたユタカとダゼに急遽お願いしてさ」と、「WHATS BORDERLESS?」、「SUPERSTUPIDⅡ」をサプライズ披露し、最後まで盛り上がり続けた。

色々な仲間とバンドをやってきて、その度に仲間に愛されて囲まれながら20年以上もロックバンドの第一線走り続けてきたLOW IQ 01のステージングからは、彼の確かな実力と天性の人の良さを感じられ、非常に愛に溢れたライブだった。

撮影:Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

<イベント情報>

LOW IQ 01
「20th Anniversary The Extravaganza」
2019年11月30日(土)東京・新木場STUDIO COAST

=セットリスト=

LOW IQ 01 & MIGHTY BEAT MAKERS
1. Every Little Thing
2. Snowman
3. Swear
4. Luster
5. Miracle
6. MI-O-TO-SHI
7. Thorn in My Side
8. Go
9. Billy the Boo
10. WHATS BORDERLESS?

BRAHMAN
1. SWAY
2. GOIN DOWN
3. BASIS
4. Speculation
5. BEYOND THE MOUNTAIN
6. 不倶戴天
7. Answer For…
8. 警醒
9. 鼎の問
10. WHATS BORDERLESS?
11. 今夜
12. FLYING SAUCER

SCAFULL KING
1. Save You Love
2. Brighten Up
3. THE SIMPLE ANGER
4. PEPSI
5. Lyin Ass Bitch
6. LUNCH IN THE JAIL
7. NO SHAME
8. YOU and I, WALK and SMILE
9. No Time
10. IRISH FARM

MONONEYES
1. Run Run
2. Like Weve Never Lost
3. Free Throw
4. Interstate 46
5. When I Was King
6. Roxette
7. 明日公園で
8. Two Little Fishes
9. My Instant Song
10. Borders & Walls

LOW IQ 01 & MASTER LOW
1. YOUR COLOR
2. Hangover Weekend
3. WAY IT IS
4. Chances
5. Delusions Of Grandeur
6. T・O・A・S・T
7. So Easy
8. MAKIN MAGIC
9. Never Shut Up
10. WHAT A HELLS GOING ON
11. FIREWORKS

EN
1. Shine
2. RULES
3. Little Giant

EN2
1. WHATS BORDERLESS?
2. SUPERSTUPIDⅡ

<ライブ情報>

LOW IQ 01
「DRUMMERS SESSION VOL.2」 
2020年2月20日(木)新代田 FEVER
時間: OPEN 18:30 / START 19:30
料金:3500円(消費税込み)ドリンクオーダー別
ARTISTS
B.Vocal:LOW IQ 01 G.Cho:フルカワユタカ
Drums:
福田”TDC”忠章 (FRONTIER BACKYARD/SCAFULL KING)
山﨑聖之 (fam/The Firewood Project/The Yasuno N°5 Group)
一瀬正和(ASPARAGUS/MONOEYES)
RONZI(BRAHMAN)
柏倉隆史(toe/the HIATUS

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS
LIVE TOUR 2020

2020年4月19日(日)西川口Live House Hearts
2020年5月9日(土)福島Outline
2020年5月10日(日)仙台MACANA
2020年5月16日(土)千葉LOOK
2020年5月23日(土)岡山CRAZY MAMA 2nd Room
2020年5月24日(日)福岡Qublick
2020年5月31日(日)水戸LIGHT HOUSE
2020年6月7日(日)静岡UMBER
前売:3500円ドリンク代別 オールスタンディング

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS +

2020年5月30日(土)名古屋BOTTOM LINE
2020年6月6日(土)心斎橋Music Club JANUS
2020年6月14日(日)渋谷WWW-X
前売:4000円 ドリンク代別 オールスタンディング

LOW IQ 01 LIVE TOUR 2020 オフィシャル先行 
2020年1月26日(日)23:59 まで
受付URL:https://w.pia.jp/t/lowiq01-of/
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