第92回アカデミー賞ノミネート作品が発表された。最多ノミネートを果たしたのは『ジョーカー』で、『1917 命をかけた伝令』、『パラサイト 半地下の家族』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』と『マリッジ・ストーリー』も主要部門で複数のノミネーションを獲得している。『パラサイト 半地下の家族』、『ジョーカー』、『1917 命をかけた伝令』が米現地時間2月9日に開催される第92回アカデミー賞で作品賞をはじめとする複数の部門で競い合うことになった。上記3作品に加え、作品賞には『フォードvsフェラーリ』、『アイリッシュマン』、『ジョジョ・ラビット』、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』、『マリッジ・ストーリー』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がノミネートされた。今年の賞レースをリードするのは、合計11部門でのノミネートを果たした『ジョーカー』だ。ノミネーションには、監督賞(トッド・フィリップス監督)、主演男優賞(ホアキン・フェニックス)、脚色賞(トッド・フィリップスとスコット・シルバー)が含まれる。それに対し、『1917 命をかけた伝令』と『アイリッシュマン』はともに10部門でのノミネーションを獲得。『1917 命をかけた伝令』のサム・メンデス監督と『アイリッシュマン』のマーティン・スコセッシ監督が監督賞にノミネートされる一方、ともに『アイリッシュマン』に出演したアル・パチーノとジョー・ペシが助演男優賞を競い合う。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、10部門にノミネートされる結果となった。レオナルド・ディカプリオが主演男優賞、ブラッド・ピットが助演男優賞にノミネートされるなか、クエンティン・タランティーノ監督は監督賞と脚本賞の両方へのノミネーションを獲得。同様に高評価を得たのは『パラサイト 半地下の家族』で、6部門にノミネート。同作は、作品賞に加えて国際長編映画賞にもノミネートされ、ポン・ジュノ監督も監督賞と脚本賞にノミネートされている。『アイリッシュマン』のスコセッシ、『ジョーカー』のフィリップス、『1917 命をかけた伝令』のメンデス、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のタランティーノ、『パラサイト 半地下の家族』のジュノと、監督賞にノミネートされた全員が2年連続で男性であるのは特筆に値する。主演男優賞部門では、第77回ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞を受賞した『ジョーカー』のホアキン・フェニックスがダブル受賞を狙いながらも、『Pain and Glory(原題)』のアントニオ・バンデラス、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のディカプリオ、『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバー、『2人のローマ教皇』のジョナサン・プライスと競い合う。対する主演女優賞は、『ハリエット』のシンシア・エリボ、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』のシアーシャ・ローナン、『スキャンダル』のシャーリーズ・セロン、『ジュディ 虹の彼方に』のレニー・ゼルウィガー、『マリッジ・ストーリー』のスカーレット・ヨハンソンのバトルとなる。スカーレット・ヨハンソンは『ジョジョ・ラビット』で助演女優賞にもノミネートされるという、レアなダブルノミネーションを達成。助演女優賞部門では、『リチャード・ジュエル』のキャシー・ベイツ、『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーン、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』のフローレンス・ピュー、『スキャンダル』のマーゴット・ロビーと競い合う。助演男優賞部門には、『アイリッシュマン』に出演したパチーノとペシ、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のピット、『A Beautiful Day in the Neighborhood(原題)』のトム・ハンクス、『2人のローマ教皇』のアンソニー・ホプキンスが名を連ねている。音楽に関しては、『ジョーカー』のスコアを手がけたチェロ奏者・作曲家のヒドゥル・グドナドッティルが第77回ゴールデン・グローブ賞の作曲賞受賞に続き、アカデミー賞の作曲賞受賞という歴史的偉業に挑む。それに対し、ランディ・ニューマンは『マリッジ・ストーリー』で作曲賞に、『トイ・ストーリー4』の劇中歌「君のため」で歌曲賞(主題歌賞)に、とダブルでノミネーションを獲得した(歌曲賞には、『ライオン・キング』のビヨンセと『キャッツ』のテイラー・スウィフトというお馴染みのヒットメイカーたちが意外にも含まれていないことに注目)。そのほかにも『ロケットマン』からエルトン・ジョンの「(Im Gonna) Love Me Again」、『Breakthrough(原題)』からダイアン・ウォーレンの「Im Standing With You」、『アナと雪の女王2』からクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペスの「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」、『ハリエット』からジョシュア・ブライアン・キャンベルとシンシア・エリボの「Stand Up」がノミネートされた。第92回アカデミー賞ノミネート作品は以下の通り。作品賞『フォードvsフェラーリ』『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『マリッジ・ストーリー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』主演男優賞アントニオ・バンデラス『Pain and Glory(原題)』レオナルド・ディカプリオ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』アダム・ドライバー『マリッジ・ストーリー』ホアキン・フェニックス『ジョーカー』ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』主演女優賞シンシア・エリボ『ハリエット』スカーレット・ヨハンソン『マリッジ・ストーリー』シアーシャ・ローナン『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』シャーリーズ・セロン『スキャンダル』レニー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』助演男優賞トム・ハンクス『A Beautiful Day in the Neighborhood(原題)』アンソニー・ホプキンス『2人のローマ教皇』アル・パチーノ『アイリッシュマン』ジョー・ペシ『アイリッシュマン』ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』助演女優賞キャシー・ベイツ『リチャード・ジュエル』ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』スカーレット・ヨハンソン『ジョジョ・ラビット』フローレンス・ピュー『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』マーゴット・ロビー『スキャンダル』監督賞マーティン・スコセッシ『アイリッシュマン』トッド・フィリップス『ジョーカー』サム・メンデス『1917 命をかけた伝令』クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』脚色賞スティーブン・ザイリアン『アイリッシュマン』タイカ・ワイティティ『ジョジョ・ラビット』トッド・フィリップス、スコット・シルバー『ジョーカー』ダスティン・ダニエル・クレットン、アンドリュー・ランハム『黒い司法 0%からの奇跡』グレタ・ガーウィグ『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』アンソニー・マッカーテン『2人のローマ教皇』脚本賞ライアン・ジョンソン『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』ノア・バームバック『マリッジ・ストーリー』サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ『1917 命をかけた伝令』クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン『パラサイト 半地下の家族』長編アニメーション賞『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『失くした体』『クロース』『Missing Link(原題)』『トイ・ストーリー4』短編アニメーション賞『Dcera(原題)』『Hair Love(原題)』『Kitbull(原題)』『Memorable(原題)』『Sister(原題)』作曲賞ヒドゥル・グドナドッティル『ジョーカー』アレクサンドル・デスプラ『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』ランディ・ニューマン『マリッジ・ストーリー』トーマス・ニューマン『1917 命をかけた伝令』ジョン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』歌曲賞(主題歌賞)ランディ・ニューマン『トイ・ストーリー4』より「君のため」エルトン・ジョン『ロケットマン』より「(Im Gonna) Love Me Again」ダイアン・ウォーレン『Breakthrough(原題)』より「Im Standing With You」クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス『アナと雪の女王2』より「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」ジョシュア・ブライアン・キャンベル、シンシア・エリボ『ハリエット』より「Stand Up」撮影賞ロドリゴ・プリエト『アイリッシュマン』ローレンス・シャー『ジョーカー』ジェアリン・ブラシュケ『The Lighthouse(原題)』ロジャー・ディーキンス『1917 命をかけた伝令』ロバート・リチャードソン『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』長編ドキュメンタリー賞『アメリカン・ファクトリー』『The Cave(原題)』『ブラジル 消えゆく民主主義』『娘は戦場で生まれた』『Honeyland(原題)』短編ドキュメンタリー賞『In the Absence(原題)』『Learning to Skateboard in a Warzone(原題)』『眠りに生きる子供たち』『St. Louis Superman(原題)』『Walk, Run, Cha-Cha(原題)』短編実写映画賞『Brotherhood(原題)』『Nefta Football Club(原題)』『The Neighbors Window(原題)』『Saria(原題)』『A Sister(原題)』国際長編映画賞『Corpus Christi(原題)』(ポーランド)『Honeyland(原題)』(北マケドニア)『Les Misérables(原題)』(フランス)『Pain and Glory(原題)』(スペイン)『パラサイト 半地下の家族』(韓国)編集賞『フォードvsフェラーリ』『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『パラサイト 半地下の家族』音響編集賞『フォードvsフェラーリ』『ジョーカー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』録音賞『アド・アストラ』『フォードvsフェラーリ』『ジョーカー』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』美術賞『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『パラサイト 半地下の家族』メイクアップ&ヘアスタイリング賞『スキャンダル』『ジョーカー』『ジュディ 虹の彼方に』『マレフィセント2』『1917 命をかけた伝令』衣装デザイン賞『アイリッシュマン』『ジョジョ・ラビット』『ジョーカー』『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』視覚効果賞『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アイリッシュマン』『1917 命をかけた伝令』『ライオン・キング』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』