このツアーは、お客さんから募集した「ライブで演奏してほしい楽曲」のリクエストを元に作り上げるもの。池森秀一(Vo)山根公路(Key)の2人体制となり、ちょうど一年前にシングル「ミライからの光」で再始動したDEEN。その後もニュー・アルバム『NEWJOURNEY』、ラブソング・セルフカバーのベスト・アルバム『Ballads in Love -The greatest love songs of DEEN-』をリリースする等、精力的な活動を行ってきただけに、2020年の幕開けとなるツアーに注目が集まった。前日の29日(水)に続いて行われた東京公演は、クールなAORが場内に流れる中、いよいよ開演。壮大なSEと共に暗闇の中でステージに上がるメンバーたちが拍手で迎えられライブがスタートした。サポート・ミュージシャンのギター、ベース、ドラムを加えた5人編成で、どっしりとした迫力のある演奏を聴かせる。神秘性を感じさせるようなオリエンタルテイストを纏ったオープニングだった。

Photo by 荒川 潤
「みなさん、「DEEN LIVE JOY-Break22 ~All Your Request~」へようこそ!、最後までゆっくり楽しんでいってください!」。池森の第一声に続き、次々とリクエストによる楽曲が披露されていく。デビュー曲であり大ヒット曲の「このまま君だけを奪い去りたい」や、2013年のベストアルバムに収録された「言葉で伝えたくて」等、新旧の楽曲を織り交ぜてのステージとなっていた。バンドの演奏はアップテンポの曲もバラードも、一貫して力強く、曲ごとに様々な表情を見せる。とくに、タイトなリズム隊に乗って何度も炸裂したハードなギターソロと、対照的にバラードで聴かせるアコースティック・ギターの繊細な響きは魅力的だった。

山根 公路(Key)Photo by 荒川 潤

池森 秀一(Vo)Photo by 荒川 潤
途中、「リクエストをもとに初めてセットリストに反映させたツアーです。みなさんの心に、DEENの曲たちは届いていますか?」との池森の呼びかけに、万雷の拍手が贈られた。曲がたくさんあるということで、投票にもバラつきが出た様子。そんな中から、シングルになっていない曲、隠れた名曲などを聴かせるコーナーもあり。ギターがアコギのボディを叩き、パーカッシブなフレーズでイントロを奏でる。押尾コータローをフィーチャリングしてリリースされた「Smile Blue」だ。バラードに酔っていた観客たちも、総立ちになって手拍子を送る。池森がノリノリで客席を煽った「眠ったままの情熱」、アニメ『ドラゴンボールGT』エンディングテーマとして大ヒットした9枚目のシングル「ひとりじゃない」等、アッパーな曲たちで会場には大きな一体感が生まれ、最後まで大いに盛り上がった。また、山根のバースデーでもあった前日の1月29日から配信スタートとなった最新シングル曲「そばにいるだけで」も披露され、早くもファンの心をキャッチしている様子だった。
池森が後半のMCで行った「みなさんからのリクエストを見て、改めて良い曲がいっぱいあるなと思いました」との言葉に、会場中が歓声と拍手に包まれたように、ロックナンバーもバラードも、代表曲も意外な曲も、メロディが際立つ曲ばかり。演奏と歌のクオリティの高さが、その楽曲をより鮮明に聴かせていた。

Photo by 荒川 潤
ライブツアー「DEEN LIVE JOY-Break22 ~All Your Request~」は、2月24日(月祝)Zepp Fukuokaまで全6公演が行われる。
<ライブ情報>
DEEN
「LIVE JOY-Break22 ~All Your Request~」
=ツアー日程(終了分は割愛)=
2020年2月11日(火・祝)仙台PIT
2020年2月21日(金)Zepp Nagoya
2020年2月22日(土)Zepp Namba Osaka
2020年2月24日(月・祝) Zepp Fukuoka
ツアー詳細はDEENオフィシャルホームページ(http://www.deen.gr.jp/)より