【画像を見る】J-HOPE、米ローリングストーン誌による撮り下ろし写真
6月14日、世界的人気を誇るK-POPボーイズグループ・BTSのメンバー7人は、今後はそれぞれのソロ活動に集中し、グループの礎を強化するための道としてソロプロジェクトを探求していくと発表した。「こうしたやり方のほうが、BTSはもっと強くなると思います」と、BTSが新章への突入を発表した際、グループのラッパー/ソングライター/ダンサーのJ-HOPEはコメントした。BTSの宣言から約1カ月がたったいま、J-HOPEはソロ活動のトップバッターとして10曲を収録したコンセプトアルバム『Jack in The Box』をリリースする。自身初のフル・ソロプロジェクトとなる本作では、アーティストとしての才能を発揮すると同時に、大好きなヒップホップへの敬意を表現した。
『Jack in The Box』は、きらめくチャイムの音やラジオのノイズをバックにしたナレーションとともに幕を開ける。機械のような声が語るのは、ギリシャ神話の”パンドラの箱”の物語。ここでは、パンドラという最初の人間の女性が「決して開けてはいけない」と言われた箱を開けてしまい、この世のあらゆる悪が飛び出したあとに残った”希望”(Hope)を見つける場面が語られる。希望は、「痛みや争いの最中においても人々に生き続ける意志を与える」とその声は語る。パンドラの箱の物語は、J-HOPEというアーティスト名のインスピレーション源でもある。「人々に生き続ける意志を与える」ことは、無理難題のように思えるかもしれない。だが、J-HOPEとBTSのメンバーたちが巨大なファンベースから得た反応を見る限り、J-HOPEは希望のシンボルとしてファンたちの期待に応えてきた。
だが『Jack in The Box』は、28歳のJ-HOPEがすべての望みを叶えたわけではないことを暗示する要素にあふれている。
R&Bとヒップホップに対する敬意
本作は、こうした問いかけによって緊張感を保っている。それと同時に、90年代から2000年代にかけてアメリカのラジオを席巻したR&Bとヒップホップに対するJ-HOPEの敬意が込められていることも明らかだ。
内省に満ちた「What if...」がオール・ダーティー・バスタード「Shimmy Shimmy Ya」の印象的なピアノの旋律とともに展開する一方、ロボットファンク風のうねるようなベースラインが特徴的な「STOP」では、”Stop”と繰り返されるコーラスが憂いの感情を盛り上げる。ヒップホップ・ソウル風の「Safety Zone」は、慰めの探求がテーマだ。曲の終盤でJ-HOPEは、R&Bジャムにふさわしい、美しい歌声を披露している。
10曲を収録した約22分の『Jack in The Box』は、短いながらもパワフルなアルバムだ。
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From Rolling Stone US.