石崎ひゅーいが、メジャーデビュー10周年を記念して、デビュー日の7月25日に東京・恵比寿リキッドルームにて、「石崎ひゅーい 10th Anniversary LIVE 『、』」を開催した。

【写真を見る】盟友・菅田将暉もゲストで登場したライブの様子

2012年7月25日リリースの、記念すべき石崎ひゅーいのデビュー曲であり、彼のライブには不可欠な「第三惑星交響曲」からスタートしたこの日のライブ。
公演タイトルは『-てん-』。丸10年の月日が経過したことを味わいながらデビュー曲から順に辿っていくようなセットリストとともに、会場に集ったオーディエンスものっけからかなりの熱量とハンドクラップで想いを返していく。

「バターチキンムーンカーニバル」「夜間飛行」と終わり、最初のMCでは「今日チケットが取れなかった人にも想いが届くように。祝われるのは恥ずかしいけれど、石崎ひゅーいの10周年、盛大に祝ってください!」と会場に挨拶した。

石崎ひゅーいの10周年、真夏の聖なる夜


続く「メーデーメーデー」での”いつかの僕を見つけてよ”という歌詞を聴きながら、誕生日にもクリスマスにもケーキも食べずにSOSを発信し、愛しているって叫びたい、と歌っていたいつかの彼が、今日は既に2曲目の曲間から「愛してるぜ!」と朗らかに叫んでいた姿と重なり、勝手にこちらまでぐっとくるものがある。誰かに見つけてもらえたから、つまり今日この会場に集まった人たちに見つけてもらえたから、思う存分に「愛している」と叫べる、10周年の石崎ひゅーいの姿があまりにもすがすがしい。


トオミヨウのピアノでなめらかに始まる「1983バックパッカーズ」では、オーディエンスが一緒に歌って声を出せない分も一手にステージ上で受け止めるからなのか、熱さと盛り上がりがますます増していくが、続く「カカオ」では一転して、「久しぶりにやる曲です」と石崎もギターを置く。「10周年、何したら喜ぶかなあって考えていたら最近眠れなかった」と、寝不足でこの日で迎えたことにMCで触れつつ、「夜、眠れない時にいちばんいい曲です」と「ナイトミルク」、今年リリースの「花束」、そして「おっぱい」と歌い上げた。

石崎ひゅーいの10周年、真夏の聖なる夜


「母親の葬式の歌(『第三惑星交響曲』)でデビューしてから10年、確固たる自信もありません。ずっと翻弄されっぱなしです。でも、みんながいてくれる。10年間の中で変わったことは、みんながいてくれて初めて石崎ひゅーいの音楽が完成する、ということ。
心の底から”あなた”に感謝しています」と深々と長く一礼する姿がとても印象的だった。そして、音楽仲間と素敵なスタッフのおかげでもあります。と、オーディエンスのみならず、バンドメンバー含め全方位に対してさらに深々とおじぎ。そして会場から巻き起こる拍手・拍手・拍手。

あまりにも温かで、かけがえのない瞬間

中盤では、デビューからずっとともに制作をしてきているバンドマスター、トオミヨウのピアノで「ひまわり畑の夜」、そして「きっと今日この日にみんなの前でやるために作ったんじゃないかって思います」と「天国電話」と「花瓶の花」を続けて披露。

曲が終わり、「ちょ、ちょっと待ってね」と石崎はなぜか一旦舞台袖にはけ「最高すぎて頭おかしくなってる」と笑いながら舞台に戻ってくる。
そして「ここから後半戦、次やる曲は友達の曲なんですけど……その友達と一緒にやってもいいですか」と切り出すと会場にもどよめきが起こる。そう、その友達といえば、この人しかいないだろうと誰もが合点のいったその瞬間、ふらりと「おめでとう、10周年おめでとう」と言いながら舞台上に登場したのは、菅田将暉。石崎が菅田に提供した「さよならエレジー」は、提供された菅田にとっても、それを制作した石崎にとっても大きな転機となった1曲といって間違いではないのだろう。そんな「さよならエレジー」と、こちらも大ヒットとなった「虹」を、立て続けに、ふたりでともに歌った石崎ひゅーいと菅田将暉。

この2曲はたしかに、菅田がサプライズで登場する話題性という意味でもこの日のハイライトであったはずだが、どちらかというと、最高の友達が駆けつけてくれたことに喜びが溢れる石崎を見て心から祝福する会場の心意気と、とにかく親密な雰囲気に満ち満ちた10周年のお祝い、というムード。「菅田将暉が来てくれて本当に嬉しそうな様子の石崎ひゅーいを見て、嬉しい」という会場の状態が、あまりにも温かで、かけがえのない瞬間だったように思う。


石崎ひゅーいの10周年、真夏の聖なる夜


そして、「10周年で大切な人と一緒に何かを作ろうと思って、菅田くんに声をかけさせてもらいました」と切り出す石崎。僕と菅田くんの足跡みたいな曲を作りたい、知らずしらずのうちに積もってきたものを曲にしようとした、というエピソードとともに、ふたりでの新曲『あいもかわらず』の配信リリースが8月頭にあることを明かし、さっそくふたりで初披露。

「3曲くらい違う曲になっていったよね」と菅田もエピソードを話し、ふたりの間には、これ以外にも実は世に出ていない曲がたくさんある、つまり数多のアウトテイクを共有している、ということも明かされた。「紹介したら終わっちゃう」と、名残惜しそうな石崎だったが、菅田は「楽しんで!」とシンプルにひとこと残してひらりと舞台を去った。

10周年ライブのタイトルに込められた意味

その姿を見送った後、石崎は「伝えたいことはもう伝えられました」と噛み締めつつ、この10周年ライブのタイトル「てん」に込めた意味もあらためて話した。『てん』とは、「、」「10」「天」。
歌という物語を自分はこの先もずっと書いて行こうと思っている。だからこそ「。」(句点)ではなく、途中という意味の「、」(読点)であること。そして「きっとこれからもギリギリの状態だろうけど、あなたが、その僕が書く物語の、主人公でいてください」と今日一番の強く確かな想いを言葉に込めた石崎。作られた当初は、ごく私的だったかもしれないものが、気づけば、ここにいるお客さんみんながそれぞれの物語として石崎ひゅーいの歌を生きている。その証明が、今日という日なのだということを、「今日はまだ一緒に歌えないから笑ってください、素敵な夜をありがとうございました!」という言葉とともに、最後の3曲で伝えきっていった。

振り返ってみると、本編のちょうど折返しで披露された2022年リリースの『花束』と、菅田との3曲をのぞけば、石崎ひゅーいの10年のうちの前半でリリースされた楽曲たちを中心に構成されていたこの日のセットリスト。
このデビューから圧倒的な”不在”を歌う人であった石崎ひゅーいが、”一生そばにいるから 一生そばにいて”という歌詞を書き、この生涯におけるある種の永遠性をも歌うようになったというこの大きな変化は、やはり菅田将暉という無二の友人との出会いがあってこそ、なのだろう。そしてリリースされた石崎と菅田のコラボレーション楽曲「あいもかわらず」。今回は「糸」での共演時とは名前の順番が入れ替わり、”石崎ひゅーい&菅田将暉”名義でリリースされた。

もう決してひとりではない石崎ひゅーいが、「ありがとう」「愛してる」「石崎ひゅーいと出会ってくれたあなたのことが好き」と目一杯の感謝と愛情を言葉にして会場にこれでもかと伝える姿はとても素直で美しく、ファンからもまた祝福をされ続ける拍手の応酬。「みんなのおかげで今日めっちゃ眠れると思います!」という言葉で幕を閉じた10周年のこの日は、まさに”真夏の聖なる夜”だった。

石崎ひゅーいの10周年、真夏の聖なる夜


【SET LIST】

1. 第三惑星交響曲
2. バターチキンムーンカーニバル
3. 夜間飛行
4. メーデーメーデー
5. 1983バックパッカーズ
6. カカオ
7. ナイトミルク
8. 花束
9. おっぱい
10. ひまわり畑の夜
11. 天国電話
12. 花瓶の花
13. さよならエレジー
14. 虹
15. あいもかわらず
16. アンコール
17. 僕がいるぞ!
18. ファンタジックレディオ

<ライブ情報>

石崎ひゅーい 10th Anniversary TOUR 『、&』(読み:てんあんど)
2022年10月5日(水)名古屋・ダイアモンドホール
料金 : スタンディング 6500円(税込)
2022年10月6日(木)大阪・BIGCAT
料金 : スタンディング 6500円(税込)
2022年10月13日(木)東京・Zepp Haneda (TOKYO)
料金 : 1Fスタンディング 6500円(税込)
開場/開演 18:00/19:00

※入場整理番号付
※今後の新型コロナウイルス感染状況によって、⾜元マークに⽴ってご観覧いただく場合がございます。予め、ご了承ください。
※お一人様4枚まで
※別途ドリンク代必要
※未就学児童入場不可

★先行受付情報
オフィシャルFC『人間図鑑』先行受付(抽選)
エントリー期間:8/9(火)20:00~8/16(火)23:59
当落発表・入金期間:8/19(金)15:00~8/22(月)23:00
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★一般発売
9/17(土)10:00~

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