【写真を見る】女性メンバーを「性奴隷」に
Onisionについては2019年に複数の暴行およびグルーミング容疑が持ち上がっていたが、実際に法的措置が取られたのは今回が初めて。ローリングストーン誌は現在37歳のOnision(またの名をグレッグ、あるいはジェイムズ・ジャクソン)にコメントを求めたが、返答は得られなかった。だが本人は、暴行およびグルーミング行為の容疑をずっと否定している。原告のレジーナ・アロンソさんによると、ジャクソンと配偶者のルーカスはチャンネルの知名度を利用して、アロンソさんを14歳から17歳まで「言いくるめて」、「いやらしい」メッセージや裸の写真を送らせていたという。訴状によると、3人はやがて交際するようになったが、ワシントン州にあるジャクソンの自宅に誘い入れた際、アロンソさんを性行為に引き込もうとしたそうだ。2人との関係が原因で、アロンソさんは「心身ともに」深刻なダメージを受けたと主張している。
ジャクソンがYouTubeを始めたのは2006年で、2010年にはOnision名義で「Banna Song」やパロディコントなど複数の動画を投稿し、その名を知られるようになった。彼はとくに若いフォロワーから受けがよく、訴状の言葉を借りれば、「ボディイメージ、外見、自分らしさ、自殺思考」をテーマにした動画で、「アイデンティティやセルフイメージに疑問を抱く、あるいは答えやアドバイスを求める」若い女性たちを魅了した。人気が最高潮に達した2010年代にはさらに複数のアカウントを運営し、メインとなるOnisionのYouTubeページの購読者は200万人を下らなかった。だがこれほどの規模のクリエイターにしては珍しく、ファンとの密な交流が彼の一番の売りで、個人フォーラム経由でのメッセージや「評価」用の写真を送るようファンに呼びかけていた。
2012年、ジャクソンは17歳のルーカス(通り名はいくつかあるが、訴状では以前使われていた名前で特定されている)とメッセージのやり取りを始めた。ルーカスもOnisionの元ファンで、2012年に結婚してからはチャンネルの目玉コンテンツになっていた。
すでに削除された動画のスクリーンショットには、YouTubeからの声明が映っている。「当社としても、プラットフォーム外で児童の安全に関わる行為がたびたび報告されていることを懸念しています。YouTubeパートナープログラムのポリシーにあるクリエイターの責任に関するガイドラインに違反しており、コミュニティに甚大な害を及ぼしかねません。ガイドラインでも、コミュニティに悪影響をもたらす言語道断な行為は認めない、と記載されています。したがって、貴殿のチャンネル(Onision、OnisionSpeaks、UhOhBro)を無期限でYouTubeパートナープログラムから除外し、今後一切課金は認めません」
今回の訴状では、YouTubeも被告として名前が挙がっている。
「OnisionをはじめとするYouTubeパートナーは、免罪符のもと好き勝手にふるまっていました。さらに最悪なことに、YouTubeは加害者として知られていたユーチューバーOnisionを宣伝する一方で、児童に対する誘惑行為、グルーミング行為、搾取を助長し、そこから利益を得ていました」。ハバ法律事務所の共同経営者リサ・ハバ氏は8日付の声明でこう述べた。「YouTubeはこうした被害を全て防げたはずでしたが、どういうわけか金儲けに走り、Onisionがグルーミング行為、果ては搾取目的で、いたいけな子どもに目をつけ、かどかわし、誘い込む逃げ場をあたえたのです」
ローリングストーン誌のコメント要請に対し、OnisionとYouTubeからすぐに返答は得られなかった。
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