2022年からTikTokやInstagramを中心にオリジナル曲と洋邦さまざまな楽曲の弾き語りカバー動画を投稿し、総再生回数は500万超を記録。心の震えをそのまま放出したような歌声で多くの人々を引き付けているシンガーソングライター、Aki。
─高校は軽音学部に所属していたそうですが、最初に好きになったアーティストは誰ですか?
Aki:小学校の頃、家のパソコンで音楽が聞けるようになって、そこでまず℃-uteの「大きな愛でもてなして」とBerryz工房の「ギャグ100回分愛してください」にハマりました。MVのコンセプトやハロー!プロジェクトではの見せ方にすごく惹かれて。今はハロプロからは離れてしまったんですが、その2曲だけはたまに聞きたくなります。私の中では日本を代表するアイドル曲ですね。その後、中学生の頃にRADWIMPSの「叫べ!」を聞いてバンド系も聞くようになって、RADWIMPSやONE OK ROCKが好きになって、歌が好きだったこともあり、高校で軽音楽部に入りました。
─軽音ではボーカルをやっていたんですか?
Aki:ボーカルをやる気満々で入ったんですけど、なぜかベースをやることになり、その後「ドラムが足りないからやってほしい」と言われて、だったらちゃんとやらなきゃと思ってドラムを習い始めました。高3で「私歌がやりたいんだった」って気付いて(笑)。でも誰もバンドを組んでくれなかったので、独学で弾き語りを練習してやり始めました。
─オリジナル曲を作り始めたのも同じタイミングだったんですか?
Aki:そうですね。ある程度弾き語りができるようになった頃、「歌がうまい」と言ってもらえることが増えて。自分が作った曲でも認められたいっていう承認欲求が出てきて、見よう見まねで歌詞を書いてメロディをつけ始めました。その時は誰に披露するわけでもなかったです。
─2022年にSNSでカバー動画やオリジナル曲を上げ始めたきっかけは何だったんでしょう?
Aki:歌うことはずっと好きだったんですが、現実的に社会人にならなきゃいけなくなって。でもそれがうまくできなくて、一回歌うことも曲を作ることもやめたタイミングがありました。人付き合いが元々苦手っていうこともあって、働いたり、誰かと遊んだり、普通のことがうまくできなくて、全部やめちゃおうと思ったんです。その頃TikTokを知って、「ここならどうせ誰も見ないし、何やっても恥ずかしくないや」と思ってカバー動画を上げ始めて、その流れで自分が作ったメロディの動画も上げ始めました。自分が思っていることを正直に歌にした曲を上げたら再生数がちょっと伸びたんですよね。それで、「もっと作ってみよう」という気になってオリジナル曲が増えていきました。
─自分が作った曲に対して他の人から反応があるというのはどうでしたか?
Aki:コメントを読んでると「共感してくれてるな」っていう感覚があって。私の曲は共感できない方が幸せな曲が多くて。
─明るい感情の曲ではないですよね。
Aki:そうですね、明るい感情の曲も作ってみたんですが、綺麗ごとは言わずに自分の本心をさらけ出した曲の反応の方が多かったので、「そういう人は他にもいるんだ」と思いました。
─その頃投稿していたのは、今リリースされている曲ですか?
Aki:1stシングルの「秘密の」は最初ではないんですが、多分2曲目とかに上げた曲です。ボロボロの音質でサビだけ上げたんですが、反応してくれる人が多くて、コメント欄を見ると歌詞に感じ取ってくれるものが多い印象がありました。リリースさせてもらえることになって、アレンジを上口浩平さんにお願いしたんですが、「悔いがないよう思ったことをちゃんと伝えよう」と思いながらも、「上口さんが得意な部分は絶対に任せたほうがいい」と思って制作に臨みました。上口さんはすごく丁寧に話を聞いてくださる方で、擬音語とかをいっぱい使いながら自分の想いを伝えたんですが(笑)、しっかり汲み取ってくださって。アレンジされた「秘密の」を聞いたときに、「こんなにちゃんと曲になるんだ」と思って感動しました。
「秘密の」「編み目」「みちわたる」の流れに込められた想い
―「秘密の」は自分が抱える秘密を描いた曲で、過去の後悔や秘密を持ったまま歌っていくという決意を感じましたが、そういう想いはあったんでしょうか?
Aki:そうですね、「過去を忘れよう」ってよく言いますが、私の中では過去は事実としてあったものだから消せないものだと思ってるんです。大事なものじゃないとしても持ったまま、自由に歌えよ、生きろよっていう思いが込められています。薄い支えみたいなイメージで終盤の歌詞を書きました。
─アートワークも含めてクリエイティブのディレクションも担当されているそうですが、「秘密の」のMVはモノクロ映像でAkiさんの目線のアップから始まり、ひたすら海辺にいるAkiさんを追っていくような内容になっています。どんなイメージがあったんでしょう?
Aki:このMVの監督をしてくれている人は元々私の初期のリスナーだった人なんです。
─その後、「編み目」と「みちわたる」がリリースされました。サウンドがどんどん躍動的になっている印象がありますが、このリリースの流れにはどんな想いがあったんですか?
Aki:「編み目」は力があるサビにすることは決めていました。「秘密の」と比べてMVでもたくさんの色を使っていますし、世界観が広がっているけど温かい雰囲気の曲っていうイメージがありました。「みちわたる」のコンセプトは脱出で、次へ進むためには、どうしても何かを捨てなきゃいけない、変わらなきゃいけないと思っていて。
─この3曲を作ることで昇華したい気持ちが何かあったんですか?
Aki:この3曲を出したら出し切った感覚になるんじゃないかと思ったんですが、今でもメモ帳に言葉は溢れていて、ボイスメモにメロディがたくさん残っていて。これから生きていく中で新しい発見もあるだろうし、私も変わっていくと思うので、曲は出していくんだろうなと思っています。
─日常的にメロディや歌詞を溜めているんですか?
Aki:そうですね。電車の中とかでヘッドフォンやイヤホンで音楽を聞いて自分の世界に浸ることが多くて。そこから急に世の中を見てみると、ガラッと気持ちが変わるんです。そこで言葉が生まれてきて、すぐにメモしています。信号待ちしてるときやお風呂に入ってるときも出てきますね。だからいつも携帯を持ち歩いてます。
─自分の世界に浸って、そこからパッと社会を見るとどんな気持ちが生まれてくることが多いんでしょう?
Aki:怖さを一番感じます。人と関わるのが苦手ですし、人に対して「怖い」と思って足踏みしちゃうんです。でも実際に人に関わってみると全然印象が違って、「私は人に対して偏見の目で見ちゃうんだな」と思ったりします。
─「みちわたる」で力強く外に踏み出す気持ちを歌ったことは大きかったと思いますか?
Aki:そうですね。今思うとあの歌を作ってるときやMVを撮ってるときは違う自分になっていたと思います。
─「みちたわる」のMVは広大な空の下で、力強く踏み出していくようなAkiさんの姿が印象的でした。
Aki:あのMVを撮影したのはすごく暑い日でしたね。満ちわたる前の自分を表現したかったので、自分の意志で水も飲まずに、ノーメイクで肌はボロボロで唇もガサガサで髪もボサボサの状態で撮影したんです。周りのスタッフには止められながら(笑)。自分で見ても「ひどい顔だな」と思うんですけど、やってよかったです。好きなMVだし好きな曲です。
─今、共振を覚えるアーティストというと誰ですか?
Aki:ヨルシカさんです。
「秘密の」
Aki
配信URL:
https://FilterProject.lnk.to/Himitsuno
「Amazon プライム広告:アーバンジャングル」 ※「秘密の」がCM曲として使用されている
■SNS
TikTok:https://www.tiktok.com/@aki_chan_00
YouTube: https://youtube.com/@aki_chan_0
Instagram: https://www.instagram.com/aki_chan_0/
今年1月、1stシングル「秘密の」をリリースしたことを皮切りに、「編み目」「みちわたる」と計3曲を発表している。ループするピアノが響き、ゆっくりとエモーションを高めるサウンドに乗せて、過去の後悔や心の奥にこびりつく秘密を消さずにそのまま抱えながら歌っていこうという想いを放つ「秘密の」から始まったAkiの物語。「編み目」で「まだ まだ ただ 続くの」と歌い、「みちわたる」で「舟は進む 脚は速く 明日が明ける 事も待てないみたいだな」と歌い、新たなフェイズに進むことを示唆している。Akiにとっての人生初インタビューを行なった。
─高校は軽音学部に所属していたそうですが、最初に好きになったアーティストは誰ですか?
Aki:小学校の頃、家のパソコンで音楽が聞けるようになって、そこでまず℃-uteの「大きな愛でもてなして」とBerryz工房の「ギャグ100回分愛してください」にハマりました。MVのコンセプトやハロー!プロジェクトではの見せ方にすごく惹かれて。今はハロプロからは離れてしまったんですが、その2曲だけはたまに聞きたくなります。私の中では日本を代表するアイドル曲ですね。その後、中学生の頃にRADWIMPSの「叫べ!」を聞いてバンド系も聞くようになって、RADWIMPSやONE OK ROCKが好きになって、歌が好きだったこともあり、高校で軽音楽部に入りました。
─軽音ではボーカルをやっていたんですか?
Aki:ボーカルをやる気満々で入ったんですけど、なぜかベースをやることになり、その後「ドラムが足りないからやってほしい」と言われて、だったらちゃんとやらなきゃと思ってドラムを習い始めました。高3で「私歌がやりたいんだった」って気付いて(笑)。でも誰もバンドを組んでくれなかったので、独学で弾き語りを練習してやり始めました。
─オリジナル曲を作り始めたのも同じタイミングだったんですか?
Aki:そうですね。ある程度弾き語りができるようになった頃、「歌がうまい」と言ってもらえることが増えて。自分が作った曲でも認められたいっていう承認欲求が出てきて、見よう見まねで歌詞を書いてメロディをつけ始めました。その時は誰に披露するわけでもなかったです。
─2022年にSNSでカバー動画やオリジナル曲を上げ始めたきっかけは何だったんでしょう?
Aki:歌うことはずっと好きだったんですが、現実的に社会人にならなきゃいけなくなって。でもそれがうまくできなくて、一回歌うことも曲を作ることもやめたタイミングがありました。人付き合いが元々苦手っていうこともあって、働いたり、誰かと遊んだり、普通のことがうまくできなくて、全部やめちゃおうと思ったんです。その頃TikTokを知って、「ここならどうせ誰も見ないし、何やっても恥ずかしくないや」と思ってカバー動画を上げ始めて、その流れで自分が作ったメロディの動画も上げ始めました。自分が思っていることを正直に歌にした曲を上げたら再生数がちょっと伸びたんですよね。それで、「もっと作ってみよう」という気になってオリジナル曲が増えていきました。
─自分が作った曲に対して他の人から反応があるというのはどうでしたか?
Aki:コメントを読んでると「共感してくれてるな」っていう感覚があって。私の曲は共感できない方が幸せな曲が多くて。
─明るい感情の曲ではないですよね。
Aki:そうですね、明るい感情の曲も作ってみたんですが、綺麗ごとは言わずに自分の本心をさらけ出した曲の反応の方が多かったので、「そういう人は他にもいるんだ」と思いました。
─その頃投稿していたのは、今リリースされている曲ですか?
Aki:1stシングルの「秘密の」は最初ではないんですが、多分2曲目とかに上げた曲です。ボロボロの音質でサビだけ上げたんですが、反応してくれる人が多くて、コメント欄を見ると歌詞に感じ取ってくれるものが多い印象がありました。リリースさせてもらえることになって、アレンジを上口浩平さんにお願いしたんですが、「悔いがないよう思ったことをちゃんと伝えよう」と思いながらも、「上口さんが得意な部分は絶対に任せたほうがいい」と思って制作に臨みました。上口さんはすごく丁寧に話を聞いてくださる方で、擬音語とかをいっぱい使いながら自分の想いを伝えたんですが(笑)、しっかり汲み取ってくださって。アレンジされた「秘密の」を聞いたときに、「こんなにちゃんと曲になるんだ」と思って感動しました。
「秘密の」「編み目」「みちわたる」の流れに込められた想い
―「秘密の」は自分が抱える秘密を描いた曲で、過去の後悔や秘密を持ったまま歌っていくという決意を感じましたが、そういう想いはあったんでしょうか?
Aki:そうですね、「過去を忘れよう」ってよく言いますが、私の中では過去は事実としてあったものだから消せないものだと思ってるんです。大事なものじゃないとしても持ったまま、自由に歌えよ、生きろよっていう思いが込められています。薄い支えみたいなイメージで終盤の歌詞を書きました。
─アートワークも含めてクリエイティブのディレクションも担当されているそうですが、「秘密の」のMVはモノクロ映像でAkiさんの目線のアップから始まり、ひたすら海辺にいるAkiさんを追っていくような内容になっています。どんなイメージがあったんでしょう?
Aki:このMVの監督をしてくれている人は元々私の初期のリスナーだった人なんです。
全然人がいないTikTokライブにコメントしてくれて、やりとりしたことがあったんです。「秘密の」のMVを作ることになったとき、自分の意図が伝わりながら、視覚的にも楽しめるようなものを作りたいと思って。そこで「あのリスナーの人、映像関係のお仕事をやってたな」と思って自分から声をかけたんです。声をかけるのはタダなので(笑)。そうしたら、「すごく良い曲だしやるよ」って言ってくれて、打ち合せをして、海に撮影に行きました。12月の海に入ったんですが、一緒にカメラを持って飛び込んでくれたことで、ありのままの感情が撮れたと思います。フィクション感が強いものは好きではないので、綺麗な海の情報をあまり入れたくなくて、ナチュラルなモノクロの映像にしました。「良い物を作りたい」っていう想いから、編集するときは監督さんとバチバチに意見をぶつけ合いましたね。
─その後、「編み目」と「みちわたる」がリリースされました。サウンドがどんどん躍動的になっている印象がありますが、このリリースの流れにはどんな想いがあったんですか?
Aki:「編み目」は力があるサビにすることは決めていました。「秘密の」と比べてMVでもたくさんの色を使っていますし、世界観が広がっているけど温かい雰囲気の曲っていうイメージがありました。「みちわたる」のコンセプトは脱出で、次へ進むためには、どうしても何かを捨てなきゃいけない、変わらなきゃいけないと思っていて。
痛みが伴う人生っていうものを見せていきたいと思いました。「秘密の」「編み目」「みちわたる」っていう3曲の流れで、徐々に強さを出していくようなイメージがあったんです。「みちわたる」という曲名には「道を渡る」っていう意味と「満ちていく」っていう意味、両方があります。乾いた心を満たすことで次に進むっていう想いがありました。
─この3曲を作ることで昇華したい気持ちが何かあったんですか?
Aki:この3曲を出したら出し切った感覚になるんじゃないかと思ったんですが、今でもメモ帳に言葉は溢れていて、ボイスメモにメロディがたくさん残っていて。これから生きていく中で新しい発見もあるだろうし、私も変わっていくと思うので、曲は出していくんだろうなと思っています。
─日常的にメロディや歌詞を溜めているんですか?
Aki:そうですね。電車の中とかでヘッドフォンやイヤホンで音楽を聞いて自分の世界に浸ることが多くて。そこから急に世の中を見てみると、ガラッと気持ちが変わるんです。そこで言葉が生まれてきて、すぐにメモしています。信号待ちしてるときやお風呂に入ってるときも出てきますね。だからいつも携帯を持ち歩いてます。
─自分の世界に浸って、そこからパッと社会を見るとどんな気持ちが生まれてくることが多いんでしょう?
Aki:怖さを一番感じます。人と関わるのが苦手ですし、人に対して「怖い」と思って足踏みしちゃうんです。でも実際に人に関わってみると全然印象が違って、「私は人に対して偏見の目で見ちゃうんだな」と思ったりします。
─「みちわたる」で力強く外に踏み出す気持ちを歌ったことは大きかったと思いますか?
Aki:そうですね。今思うとあの歌を作ってるときやMVを撮ってるときは違う自分になっていたと思います。
─「みちたわる」のMVは広大な空の下で、力強く踏み出していくようなAkiさんの姿が印象的でした。
Aki:あのMVを撮影したのはすごく暑い日でしたね。満ちわたる前の自分を表現したかったので、自分の意志で水も飲まずに、ノーメイクで肌はボロボロで唇もガサガサで髪もボサボサの状態で撮影したんです。周りのスタッフには止められながら(笑)。自分で見ても「ひどい顔だな」と思うんですけど、やってよかったです。好きなMVだし好きな曲です。
─今、共振を覚えるアーティストというと誰ですか?
Aki:ヨルシカさんです。
曲を聞けば聞くほど、ストーリー性が広がっていく感じがします。新曲の「忘れてください」も曲名だけで強く惹かれるものがありましたし、曲を聞いたらストーリーが深掘りできるようなものになっていて、さらにMVを見るともっと奥深さを感じて。でもまだまだ私が気付いていない面もあるんだろうなと思って、数分間の曲の中にそれだけの奥深さを詰め込められるってすごいなと思いました。曲を作っているn-bunaさんはどういう生活を送ってるんだろう?って気になりますね。
「秘密の」
Aki
配信URL:
https://FilterProject.lnk.to/Himitsuno
「Amazon プライム広告:アーバンジャングル」 ※「秘密の」がCM曲として使用されている
■SNS
TikTok:https://www.tiktok.com/@aki_chan_00
YouTube: https://youtube.com/@aki_chan_0
Instagram: https://www.instagram.com/aki_chan_0/
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