2月11日、神奈川・Kアリーナ横浜にてNovel Coreが自身初となるアリーナ単独公演『”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama』を行なった。「頭の中に存在する ”アイデアの遊園地” への招待」というテーマが如く、様々な楽曲や表現がステージ上で繰り広げられ、Novel Coreの頭の中を覗いているかのような同公演の様子をレポートしたい。


◎この記事はセットリストのネタバレを含みます

【ライブ写真を見る】『”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama』(計12点)

開演時間になると、「”BRAIN LAND”へようこそ。ただいまより、オープニングセレモニーを開始いたします」とNovel Coreのアナウンスが聞こえてくる。オーディエンスのクラップに合わせてダンサーとハウスバンドのTHE WILL RABBITSが登場したところで、Novel Coreがセンターステージにポップアップで登場。「Kアリーナ、遊ぶ準備できてるか!」と「Welcome To My Brain」でライブをスタートさせる。初っ端から熱いパフォーマンスに引き込まれるように、会場中の手が上がっていたのが印象的だ。「独創ファンタジスタ」が続き、会場からは大きな声が上がっていく。乗りに乗っている客席を見て、Novel Coreは上機嫌に「最高じゃねぇか、Kアリーナ!」とニヤリ。ダンスブレイクを入れたり、アドリブでフェイクをしたり、自身も楽しんでいるようだ。「規模はデカくなったけど、圧倒的に1対1でやらせてもらいます。今の俺らが一番カッコいいけどね」と語って始まった「A GREAT FOOL」では、曲中でフリースタイルラップを披露。続けて「おい、このジェットコースター時速300kmどころじゃねえぞ?」という言葉で始まった「PANIC!」で、さらにオーディエンスを沸かせていった。

Novel Core / Welcome To My Brain from ”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

一気にオープニングパートを駆け抜けたところで、「俺のライブ初めて見るよって人?」と客席に問いかける。
それを見たNovel Coreは「安心してください。全然大丈夫! 帰る時全員OUTER(Novel Coreのファンの呼称)だから!」。同公演はもちろん、これまでも素晴らしいライブをやってきた彼だからこそ言える言葉だ。さらに「デカい会場だけど、ライブハウスに変えられると思っています。早速だけど走り回ろうか。ちゃんと道開けといてくれよ?」と客席へ。「ex」、「LOVE SONG」でライブハウスと変わらない距離感でOUTERたちと遊んでいった。センターステージに戻ったところで「大歓声でお迎えください。Aile The Shotaのふりをする、Novel Core」とユーモアに溢れた曲振りをして、Aile The Shotaとのフィーチャリング曲「HAPPY TEARS」へ。オーディエンスもクラップをしたり、歌ったり、手を左右に振ってみたり。全員でハッピーな空間を作っていった。

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

MCでは「ロックもヒップホップもポップスもやってみたり、踊ってみたり、踊らずに歌ってみたり、いろんな音楽をやっていると『あいつ中途半端だな』って言われることがいっぱいありました。
悔しかった」とこれまでを振り返る。「みんなも夢や目標を立てて突き進んでいる道中、なにか言う人がいたら俺が自信を持ってこう言わせてもらいます。『何様なんだよお前』」とOUTERへ語り掛けて「カミサマキドリ」へ。こうしたMCから曲へ繋いでいく様が相変わらず美しい。そして、一気にロックパートに移行したことからもNovel Coreの脳内には様々なジャンルの音楽が詰まっていることが伝わってきた。先程までとはまったく違うアーティストのライブのようで、まさに”カオスなアミューズメントパーク”だ。さらに「No Way Back」から「RULERS」と徐々にラップ要素を感じられる楽曲に繋がっていったところで「DOG -freestyle-」へ。そしてステージに残ったDJ KOTAと2人で「SHIKATO!!!」、「No Stylist」とバチバチのラップを聞かせていった。

クールな空気が会場を包んだところで、「やっとこの曲やれるぜ!」と大流行した性格診断に絡めた楽曲「TYPE」へ。カラフルな照明とユーモアに溢れる楽曲で、一気にポップな空気に変わっていく。さらに、誰もが一度は耳にしたことがあるHoneyWorksの「可愛くてごめん feat. ちゅーたん(早見沙織)」をリミックスした「可愛くてごめん -KAWAII GANG Remix-」で盛り上がっていく。ここで緑の光で会場が包まれ、「SWAG IN YOUR AREA feat. Novel Core」のイントロが。
照明が明るくなると、ステージには「Dr.SWAG」の2人がサプライズで登場。Dr.SWAGとともにダンスも披露し、オーディエンスを沸かせていった。「サプライズのあとはラップのスキルテストしようぜ」と「SKILL TEST」をスタートさせると、フィーチャリングのDABO、Charlu。さらに同楽曲のオープンヴァース企画から選出されたQONN、IKAMIKAIも登場。5者5様のラップで魅了していった。

ダンサーたちによるパフォーマンスを挟み、THE WILL RABBITS、ギターを持ったサウンドクリエイターのJUGEMがステージに戻って来る。センターステージに登場したNovel Coreが放ったのはツインギター仕様でアレンジされた「CHAOS」。さらに「UNDEFEATED」、「BABEL」と続き、オーディエンスを休ませる気はさらさらない様子。「このセクション、ラストの曲です。新曲です」と、2月12日0時に配信リリースする『LOVE U + MISS U』にも収録されている「僕の大切な映画 feat. who28」を披露すると、フィーチャリングしているwho28もステージに登場し、顔を見合わせながら歌詞を紡いでいった。

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

大歓声に包まれながら「楽しいね。すでにもう1公演やりてぇもんな。
追加公演やる?」とNovel Core。「それはこの盛り上がりを聞いてからだな、行こうぜ」の言葉を合図に「MF」のイントロが。その時点で悲鳴にも似た歓声が起こっていたが、BE:FIRST・SHUNTO、RYOKIが登場するとさらなる盛り上がりを見せる。それぞれ圧倒的な存在感を見せ、「SHUNTO、RYOKI。集まってくれた皆様にお辞儀しないとね」で「OJIGI feat. SHUNTO (BE:FIRST), RYOKI (BE:FIRST)」へ。SHUNTOとRYOKIは、パワフルなパフォーマンスでその場を一気に掌握していく。ラストはダンサーも登場し、迫力あるステージングを見せていた。思わず「すご……」と声が漏れてしまうほどのステージに拍手せずにはいられない。

熱気冷めやらぬ中、亡き父のためにも毎年ライブ会場の規模を大きくしていきたいと語るNovel Core。そして、「父親の命日にレコーディングが入って、お墓参りに行く予定だったけど親父だったら『レコーディング行けよ』って言うなと思って。その時に作った曲、歌わせてもらっていいですか」、「よかったら携帯のフラッシュライトでステージを照らしてくれたら嬉しいです。空の上から見た時に親父が褒めてくれると思うんで。
大事に歌わせてもらいます」と語って「EVE」を披露していく。客席からのフラッシュライトで照らされながら、涙を流しながら、歌うNovel Coreの姿が美しい。間違いなく空の上からも見えているはずだ。そして「これは俺が頑張り続けているもう一つの理由、あなたの曲です」と「Right Here」をOUTERに贈っていく。そのお返しと言わんばかりに「Hey, Rainy」ではどこからともなくクラップが起こり、一緒に歌い、手を上げていくOUTER。そこにはNovel Coreとの絆が見えていた。

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

「ずっと」を披露したところで、いよいよラストスパートへ。タオルを振り回す「BYE BYE」、その流れを汲んでの「One, Two, Three」と続くと、「俺、この曲大好きなんだよね。OUTERに向けて書いた曲だから!」と笑顔を見せて「Green Light」へ。「やばい、俺みんなのこと好きすぎるかもしれない!」、「楽しい!」と言いながらパフォーマンスする姿は、集まったOUTERたちをも笑顔にしていたはずだ。続く「WAGAMAMA MONDAIJI」でも「愛しているよ」と愛を伝えていくNovel Core。ラストナンバーは「また皆さんのもとに帰ってこれますように」という言葉で始まった「I Think I Guess」。
明るくなった客席を見渡しながら、声を聴きながら、思いが乗った歌を届けて本編に幕を下ろした。

アンコールでは「TYPHOON」、「SORRY I'M A GENIUS」を披露。歌もラップもダンスも惜しみなく披露していく。「SORRY I'M A GENIUS」のラストでは、ステージいっぱいにダンサーと横一列に並んでダンス。以前インタビューで「かなり踊れるようになった」と語っていたのを見たことがあったが、まさにその言葉通り、ダンサーたちとぴったり揃ったダンスを見せていた。THE WILL RABBITS、ダンサー、ゲストがステージに全員集合して記念撮影をすると、同公演のDVD&Blu-rayが発売決定したこと、EP『LOVE U + MISS U』のリリース、5月から全国16ヶ所を巡る全国ツアー『”BACK TO AGF” TOUR 2025』が開催決定したことを告知。さらに、12月にアルバムを出せるように制作を進めるという宣言も。2025年も全力疾走していくであろうことを予感させていた。ラストは「俺らをいろんなところに連れて行ってくれた曲で終わりたいと思います」と「THANKS, ALL MY TEARS」。まさに〈完璧なラストシーン〉を見せて記念すべきアリーナ公演は終演を迎えた。

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

Novel Coreがアリーナで感涙 バンド・MC・ダンスで示した「カルチャーが交わる場」

Photo by Satoshi Hata

Novel Coreの脳内が垣間見えた『”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama』。彼の脳内はジャンルレスな音楽、たくさんの仲間たち、OUTER、そして愛に溢れていた。そして、それらの1つでも欠けていたらこのライブは作れていなかったのではないだろうか。そんなことを思わされるライブであった。
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