【ライブ写真ギャラリー】JO1DER SHOW 2025 WHEREVER WE ARE IN TOKYO DOME
2019年12月11日、オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』を勝ち抜いた11人でJO1は結成された。韓国で人気を博していた『PRODUCE 101』の日本版とのことで、オーディション時から注目度は高く、多くの人は彼らがスターダムを一直線に駆け上がっていくと思っていたことだろう。しかし、実際に蓋を開けてみると、予期せぬコロナ禍突入という現実が待ち受けていた。2020年1月、2月に行われた『JO1 1ST FANMEETING』でこそ、実際にJAM(JO1のファン呼称)と顔を合わせることが出来たが、以降はオンラインを通してお互いの存在を感じる日々が続いていく。
そんななかでも、腐らず諦めずJO1は活動を続けてきた。自分たちを見つめ、自分たちらしさを探り、一歩ずつスタイルを築いてきた。そうして積み上げてきた軌跡が、東京ドーム公演2日間で10万人を動員という花を咲かせたのだ。
東京ドーム公演では、2024年11月から開催してきた『JO1DER SHOW 2024 'WHEREVER WE ARE'』の内容をリビルド。REMIXやメドレー、ダブルアンコールを含む全35曲で、約4時間にも及ぶショータイムを作り出した。しかも、本公演は一部のユニット曲を除いて、生バンド編成でのパフォーマンスという大盤振る舞い。
今ツアーから”JO1DER SHOW”というタイトルを掲げ、コンセプチュアルなライブを展開し始めたJO1。初回となる『WHREVER WE ARE』は、その名の通り「どこにいてもJO1は傍にいる」と感じさせると共に、この5年間の歩みを彷彿とさせる構成となっていた。
車に乗りこんだメンバーが、ハイウェイのような道を颯爽と走り抜けていくオープニング映像からライブはスタート。VTRには”KOBE”や”SHIZUOKA”、”LA”といった看板も映りこみ、今回のツアーで彼らが進んできた道のりを感じさせる。巨大なドーム型の建物に車が突っこむと、いよいよスペシャルショーの始まりだ。
大勢のダンサーによる華やかなイントロダクションを経て、『第75回NHK紅白歌合戦』でも歌唱した「Love seeker」を投下。ステージの至るところに配置されたポップアップからメンバーが姿を現わすたびに、会場内には歓声が沸き起こる。JAMの気合も十分なようで、1曲目にも関わらず、ハツラツとしたコールがパワフルに鳴り響いた。
〈Let it go wonderland〉で封切られる「HAPPY UNBIRTHDAY」、〈未知の世界へ go up〉と力強く刻む「Move The Soul」、〈それじゃ未開の地へ〉とかます「GrandMaster(JO1 ver.)」と連投。生バンドの演奏に乗せ、自由自在に歌のニュアンスを操っていく姿には、いかに彼らが1曲1曲と真摯に向き合ってきたかを感じざるを得ない。
集団美の才を、遺憾なく発揮
ふたつ目の映像では、嵐のなか車を走らせるメンバーの姿が映し出される。どうにかダイナーに到着した彼らは、水槽のなかに浮かぶ船に惹きつけられ水の世界へ。水中のような空間を11人で歩き、水泡が弾けたのをきっかけに再びライブパートに舞い戻った。
水色の光が降り注ぐなか、ダンスで魅せ誘われたのは〈二人出会ったあの場所へ〉戻りたいと紡ぐ「ICY」だ。振り付けの角度や音の感じかた、トメハネのタイミングなど、些細なところにまで意識の張り巡らされたカルグンム(※精密な群舞)は圧巻。JO1の強みのひとつである集団美の才を、遺憾なく発揮していった。

©LAPONE ENTERTAINMENT
この日初となるMCでは、メンバーがひとりずつ自己紹介をしていく。トップバッターとなった金城碧海は「ついに東京ドーム公演ということで、みんな拍手おめでとう!」と呼びかけ盛大なクラップを巻き起こした。大平祥生は、いないいないばあのように顔を覆ってから、キラキラした効果音に合わせて、Wピースのにっこり笑顔へ。
「Black Out(JO1 ver.)」では〈君がどこにもいないよ〉と切ない声色を伸びやかに響かせ、「Love & Hate」では止められない想いを告げながら艶っぽい表情で惹きつける。輝かしいスタートから、急に君がいない世界へ放りこまれ、トンネルを抜け出して新しい物語を始めようとする楽曲の流れは、希望に満ちたデビューだったにも関わらず、突如としてコロナ禍に直面し、暗中模索で自分たちの道を切り開いてきたJO1の歩みを連想させる。川尻・佐藤景瑚・豆原一成による「EZPZ」では、どんな現実だって楽勝に蹴散らしていくと言わんばかりに強気なオーラを放つ。ダンサーを引き連れて、ネクタイを緩めながら花道を歩いていく佐藤は、国すらも動かしてしまいそうな貫禄だ。ビートチェンジを乗りこなし、三者三様のダンススタイルを開花させ、勇ましい姿をステージに刻んだ。
3つ目の映像では、時空を超えてテレビの世界へ。トークショーや天気予報、バラエティー、音楽番組など、様々なことにチャレンジしていく11人の姿が映しだされた。ステージに明かりが戻ると、DJブースに佇むようにして豆原が登場。「お前ら、いけますか!」と焚き付け、「JO1DER SHOW DJ STAGE」を先導していく。川尻×川西、金城×白岩、鶴房によるユニットアクトも投入され、東京ドームは巨大なクラブハウスさながら。トリでは6人で「Eyes On Me(feat.R3HAB)」をぶちかまし、オーディエンスを盛り上げつくした。

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青春の瑞々しさが煌めくステージ
わちゃわちゃとしたMCを仕切り直すかのように、「そろそろ次の曲へ行きたいと思うんですけど」と口にする白岩。そして、嘘のない言葉で想いを語っていった。「会社と一緒に0からスタートしました。デビューして2年間、人の前でパフォーマンスすることがなかったです。いっぱい失敗しました。もう無理かなって、向いてないんじゃないかなって思いました。なんで人の好きっていう言葉はなかなか信じられないのに、人に1回嫌いって言われたらすぐに信じてしまうんだろうって思いました。でも、そんな辛い想いをするのは、僕たちJO1だけでいいと思います。僕たちを支えてくれているJAMのみんなを、僕ら11人は一生愛すことを誓います。
白岩らしい真摯なメッセージを経て導かれたのは、眠っていた感情と内に秘めた想いを呼び覚まし、この先に広がる新しい世界で咲き誇りたいという思いがこめられている「Blooming Again」。メンバーはセンターステージで一列に広がり、胸に手を当てたり視線を落としたりしながら、言葉では伝えきれない気持ちを歌に注ぎこんでいく。全国ツアー時には、この流れで〈僕らの夢叶えられるさ〉と希望を寄せる「Be With You(足跡)」に繋げられていたが、東京ドーム公演では〈隣に居れば 言葉交わせれば これ以上の幸せ 見つけられそうにない〉と語り掛ける「君のまま」へチェンジ。東京ドームに立つという夢を叶えた彼らだからこそ、改めてJAMに贈りたい想いもあったのだろう。
しっとりしたムードに包みこまれた場内で、たったひとりセンターステージに残った河野は、メインステージに現れたバス停のようなセットに向かって真っすぐに歩きだす。用意されていたヘッドホンをつけて音楽の世界に潜りこむと、アカペラで「Be There For You」の出だしを歌いあげた。舞台上には、大平・白岩・鶴房・與那城も姿を現し、王道ロックサウンドをエモーショナルに乗りこなす。シャボン玉もフワフワと舞い上がり、青春の瑞々しさが煌めくステージとなった。
一段とメリハリのついたステージングで進化を証明
いよいよライブも終盤戦へ。映像パートのラストでは、車の修理や爆弾解体、フェンスを開ける鍵探しなど、数々の難問に挑んでいく様が描かれる。11人で力を合わせて困難を乗り越えると、再び車に乗りこみ新たな道へ走り抜けていく。連なるようにして、映し出されたのはCHACHAZのナンバープレートを付けた赤いキャデラック。VCRから抜け出てきたかのように、本物の赤いキャデラックに乗って登場した2人は、紙袋を被った覆面スタイルで外周をぐるりと巡ると、途中でもう一人がバックステージ側のベンチから現れ合流する。最終的に覆面を脱ぎさり、川西、木全、金城の3人だとわかると、「Hootie with the Hot tea」を投下。吹き上がる炎と共にヒップなナンバーの初披露を果たし、会場を沸かせた。
ここからライブは、ラストスパート。おどろおどろしいシンセサイザーが引き連れてきた「JO1DER SHOW 2025 REMIX」により、さらなるブーストをかけていく。「Speed of Light」で妖艶な表情を覗かせたかと思えば、「REAL」では群舞の美しさを誇示し、「Trigger」ではしっかりと個人の魅力を解き放つ。瞬く間もなく移り変わっていくビートに適応し、即座に楽曲の世界観へ没入していくバイタリティの高さは驚嘆だ。息つく間もなく全9曲を駆け抜け、デビュー5周年を迎えたJO1の強さを魅せつけた。
本編のラストを飾ったのは、「僕たちがやがてクラシックになる」という強い意志がこめられた大ヒット中の最新曲「BE CLASSIC」。大樹のように凛としたオーラを放つJO1には、エネルギッシュで生命力に溢れた楽曲がよく似合う。待ってましたと言わんばかりにJAMのコールも轟き、一体感のある空間を作り出したのだった。
アンコールに突入すると『WHEREVER WE ARE』を表すようなフロートに乗ったメンバーが、ステージの上手と下手に分かれて再登場。「Test Drive」を歌いながら、目の前にいる一人ひとりと視線を合わせていく。やると決めたら本気で臨み、ふとした瞬間には茶目っ気たっぷりな顔を見せてくれるのもJO1の魅力のひとつ。佐藤が木全にキスをするようなムーブをした際には、客席から黄色い歓声が立ち上った。「NEWSmile」を含む全3曲のメドレーで外周を巡りきり、ロックアレンジがクールな「無限大(INFINITY)2025」へ。月日を積み重ねるなかで洗練されてきたパフォーマンスには、ひとりひとりの魅力もグループとして強さも共存。一段とメリハリのついたステージングで、この5年間の進化を証明したのだった。

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MCでは、ライブを一緒に盛り上げてきたバンドメンバーとダンサーを紹介。そして、JO1ひとりひとりからメッセージが伝えられていく。金城が言葉を選ぶようにして「本当にたくさんの人に支えられて、僕たち11人はここに立てています。そういう気持ちを僕は一生忘れないで。もっと東京ドームよりも、もっと大きな場所へ、世界へ、羽ばたいていきたいなって心から思います」と展望を語れば、川尻は「70点の日があっても、120点の日があっても、間違いなく毎日前に進んでいます。僕たちもそうやって、前に進んで進んで進んで、東京ドームに来ました。間違いなく前に進んで、ここに旗をさしました」と涙をこらえながら言葉を零す。木全は、デビュー当初からすごく成長できたと話し、優しいまなざしを客席に向けながら「やっぱりJAMがずっと支えてきてくれたからなんだなって思って」と想いを述べた。
「Go to the TOP」の叫び声とともに大団円
アンコールのトリには、ベストアルバム『BE CLASSIC』の収録曲を決めるため、ファン投票を実施した際に、1位となった「飛べるから」を披露。ドキュメンタリー映画主題歌としてリリースされた当時は、金城が活動休止をしていたこともあり、3年越しに11人でのライブ初歌唱となった。彼らから発せられる言葉は真っすぐに飛び、会場の奥のほうまで広がっていく。歌唱中に思わず金城が涙をこぼし、川西が駆け寄って肩を抱く一幕も。ファンと会えない時間も、仲間が側にいない時間も越え、手探りで泥臭く進み続けてきた彼らが持つ、懐の深い優しさが表現に宿る。與那城が「ここから始まります。終わりじゃないです。まだまだJO1、Go to the TOPしていくので、よろしくお願いいたします」と挨拶をし、アンコールを結んだのだった。
すでに大団円といった雰囲気だが、まだまだ東京ドーム公演は終わらない。直前のしんみりした空気はステージ裏に全部置いてきたかのように、やんちゃな表情を浮かべてポップアップからお出ましだ。與那城にお姫様抱っこされた鶴房が「ビジュいいじゃん!」と流行りのワードを繰り出せば、豆原は敬愛する仮面ライダーのように参上。そして、メンバー全員が作詞に参加したファンソングである「Bon Voyage」を導いた。スクリーンには歌詞が映し出され、11人の紡いだ言葉たちがより鮮明に届けられる。最後にはセンターステージに集合して円陣を組み、会場一体となって「Go to the TOP」と叫び、約半年間をかけて磨き上げてきた『JO1DER SHOW 'WHEREVER WE ARE'』を締めくくった。
JO1にとって初のコンセプチュアルライブとなった『WHREVER WE ARE』は、まさに5年間の集大成といっていいだろう。セットリストは、煌びやかなスタートから暗中模索の時代へ、そして再びJAMと会える環境を手にいれて、活動がブーストした彼らの軌跡を想起させる。それと同時に、VCRなどを交えて描かれていくストーリーは「どんな困難だって乗り越えて、必ずJAMに会いにいく」と謳っていたように思えてならない。そこにJAMがいるのなら、水のなかにだって、テレビの世界へだって、宇宙にだってJO1は飛び立っていく。時には不調になってしまうことも、大きな壁に直面することも、ヒリヒリする決断を迫られることも、扉を開ける鍵がわからないこともあるだろう。そんな場面に遭遇したとしても、11人で力を合わせて”すべてを正解にして”いく。これまでそうしてきたように、これからもそうしていくのだと、約束してくれているように思えてならないのだ。
ライブ後のスクリーンには「My youth is forever with you. WHEREEVER WE ARE Thank you, JAM 私の青春は あなたと共に どこにいても。JAMありがとう! Love JO1」のメッセージが表示されていた。彼らはきっとこの先も、人生のなかで一番眩しい時間を更新し続けていってくれることだろう。終わらない青春の先でどのような未来が待っているのか、今から楽しみでならない。

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