【画像】シンガーズハイ、Zepp Shinjuku公演(全9枚)
豪華絢爛なエンターテインメントショーの幕開けを思わせるSEが鳴り渡る中、一人ずつメンバーがステージイン。既にして、並々ならぬ歓声。そして、「エイトビート」によって、今回のライブの熱き口火が切られる。まずは、内山ショート(G・Vo)が、「急遽ワンマンになりました」「ハンブレッダーズの分まで一生懸命演奏して、一生懸命歌を届けていきたいと思います」と宣誓。4人の熱烈な気概を受け、さっそく会場全体から熱いハンズクラップが巻き起こり、サビでは無数の拳が高く突き上がる。そして、ほりたいが(G・Cho)が放つ渾身のギターソロに大きな歓声が起こる。怒涛のコールが巻き起こった「エリザベス」、「踊れ踊れ踊れ踊れー!」という呼びかけを受けて観客が自由に身体を動かして応えた「Kid」を含め、いきなりクライマックスが訪れたかのような熾烈なオープニングパートだった。

最初のMCで、内山は、この日ハンブレッダーズとの対バンが叶わなかったことについて、「めちゃくちゃ悔しいです」と胸の内の想いを明かし、それを受けてフロアから「がんばれー!」という歓声が送られる。そして、ムツムロ以外の3人が自分たちの楽屋に挨拶に来てくれたエピソードを伝えつつ、この日のライブに足を運んでくれたハンブレッダーズのファンへ丁寧に感謝の想いを伝えた。続けて、ほりが、この日、対バンが叶わないことが分かってからすぐに開演前のプレイリスト(ハンブレッダーズの楽曲だけで構成されていた)をセレクトしたことを振り返りつつ、ちょうど3年前の4月23日に初めてムツムロとukicasterに出会ったこと、だからこそ、この日に対バンを行うことに深い思い入れがあったことを伝えた。
まるで堰を切ったように熾烈なバンドサウンドが激流の如く流れ出した「僕だけの為の歌」を経て、2度目のMCへ。内山は、「皆さんは、音楽聴く上で何が大事ですか?」と問いかけた上で、「僕はメロディだと思ってまして。メロディ作っている人間として、波長が合う人間がいると嬉しい」と告げる。そして、ムツムロっぽい感じのメロディであることに作った後に気付いたという「エイトビート」の一節をエレキギターの弾き語りで歌ってみせる。「なんか分からん?」「ちょっとぽくない?」という問いに会場から大きな拍手が送られる。そして、「共通するもの、見つけて帰らせることができるんじゃないかなと思っています」と語り、もともとこの日のセットリストに入っていなかったという「climax」を披露。普遍的な感情に豊かな輪郭を与えるような、親しみ深く美しいメロディが、非常に際立った一曲だ。そしてそれは、続けて披露された「情けな」もしかりだ。「サーセン」では、内山がギターを下ろし、ハンドマイクで歌い上げる。
次のMCパートで、内山は、今回のライブから先ほどのハンドマイクスタイルを導入したことを伝え、「成長したいですからね、バンドとして」と告げた。そして、太陽のように眩しい存在である先輩バンドたち(言うまでもなく、その中にはハンブレッダーズも含まれている)への憧れとリスペクトを込めて、最新曲「サンバースト」を披露。ハンドマイクで、時おり前かがみになったり、台の上に立ったりしながら、エモーショナルな歌声を堂々と轟かせていく内山の姿が忘れられない。何より、リリースされたばかりの新曲にもかかわらず、既にこの曲が爆裂的な熱狂を生むライブアンセムと化していたことに驚かされた。

ここで内山がギターを持ち、怒涛のラストスパートへ突入。三三七拍子に合わせ、フロアから壮絶なコールが轟いた「パンザマスト」。「ノールス」では、ほりが、自身のギターソロで、ハンブレッダーズ「フィードバックを鳴らして」のソロのフレーズをマッシュアップしてみせ、熱烈な大歓声が会場全体から巻き起こった。「愛の屍」では、内山が、「ハンブレッダーズと共演する日を信じてやり続けます」と宣誓を届ける一幕も。本編ラストの曲は、「STRAIGHT FLUSH」。りゅーいち(Dr)が左手を天に向けて高く突き上げ、この日何度も更新されてきたはずの熱狂のピークが、さらに何段階も更新されていく。間奏では、ほりが、鮮やかなタッピングを駆使した煌びやかなギターソロを炸裂させ、アウトロでは、みつ(B・Cho)の豪快なソロプレイがハイライトをかっさらっていく。
終演後には、ハンブレッダーズの「グー」がスピーカーから流れ、帰ることなくその場にとどまり続けた観客が大合唱する一幕もあった。今回、自分たちだけの力でZepp Shinjukuを堂々と掌握してみせたシンガーズハイが、いつかハンブレッダーズと対バンした時、いったいどんな熱烈なアクトを見せてくれるのか。また、ハンブレッダーズは、いったいどのように4人を迎え撃つのか。期待して、両者の対バンが実現する日を待ちたい。
セットリスト
1. エイトビート
2. エリザベス
3. Kid
4. ニタリ
5. 純
6. かすみ
7. 明日にはきっと
8. 僕だけの為の歌
9. climax
10. 情けな
11. サーセン
12. サンバースト
13. パンザマスト
14. ノールス
15. 愛の屍
16. STRAIGHT FLUSH
EN1. daybreak