【画像】『POP YOURS 2024』ライブ写真(全87枚)
2024年は1stアルバムにしてクラシックとなった『Remember Me?』をリリースし、多くのプロデューサーや客演アーティストたちとの制作だけでなく、パートナーであるRay Inoueとのチームワークも冴えているKaneee。今年2025年はさらなる進化と活躍が期待される存在として注目されている。
(『Remember Me?』は)
Ray Inoueと一緒にほぼ全部
自分たちで計画をして。いろんなことが
見えたアルバムになったと思います。
ー2023年にSTUTSのPOP YOURSのステージ、日本武道館のステージにも立つことになりましたが、あの大舞台では声もスゴく通っていたし、何よりも生き生きとしていたんですよね。緊張もしてなかったように見えましたが。
Kaneee いや、めちゃめちゃ緊張してましたよ。してたんですけど、ここでカマせば絶対に人生が変わるなという予感だけは確信してたので。正直、デカいステージでコケる人もいるじゃないですか。でもここで自分がいきなり出てぶちかましてやったら、絶対一気に波に乗るだろうなと思ってたので。
ー2024年の頭には、BAD HOPの「We Rich feat. G-k.i.d, Yellow Pato, Kaneee & KOWICHI」、DJ CHARI & DJ TATSUKIの「ALL FRIENDS (feat. Fuji Taito, Kaneee, eyden & DADA)」、DJ RYOWの「Factor feat. Kaneee, C.O.S.A.」など、大物アーティストへの客演が続きましたが、これはどのように受けて、どのように臨みました?
Kaneee めちゃありがたかったですね。特に自分が売れて波に乗ってたわけではなかったので。その時期の俺は自分の中ではポッと出のヤツというイメージだったんですけど、声がかかるのはうれしいなと思って。もちろん二つ返事でOKしましたよ。BAD HOPの作品に出て、MVもあるなんて、なかなか経験できないことだし、自分が初めてヒップホップを聴き始めた時、BAD HOPはその中にいたので。この人たちと一緒にやれてるということに対して、カマまさないといけないな、裏切れないなという気持ちと、良い経験をさせてもらったというのはスゴい大きいです。食ってやろうって言ったら悪く聞こえるかもしれないですけど、入れてもらった側という認識じゃなくて、俺も自分の世界戦をこの1曲にぶち込んだよというのが、ちゃんとみんなに伝わればいいなと思って。やることをやらないといけないと思いました。
ー2023年のPOP YOURSのSTUTSのステージの時の言葉通り、翌年2024年のPOP YOURSにも出演を果たしましたよね。
Kaneee 1回目のSTUTSさんの客演で出た時、手応えはあったので、来年もオファーは来るだろうなと思ってて。
ーその流れで出した1stアルバムですが、『Remember Me?』というタイトルには、数十年後の未来のリスナーにもこのアルバムを聴いてほしいという思いも込められているんですよね。最初のアルバムからクラシックを作るという気持ちが入っていたわけですね。
Kaneee それは最初からずっと変わってなくて。「ラップスタア誕生!」に出る前からクラシックを作り続けたいというのは目標の一つではあったので。どのアーティストにもアルバムの中で一発、バッチリ来る曲って絶対あるじゃないですか。1曲とは言わずに数曲、そういうバズを生める曲が欲しいなと思って。けっこう気合いは入ってるし、ちゃんと作ろうと思いましたね。
ーアルバムは17曲収録で、トラックメイカーも客演もいろいろいて、いろいろな曲があるのですが、やりたいことにとことん挑戦した感じですか?
Kaneee Ray Inoueと一緒にほぼほぼ全部自分たちで計画をして。彼が頭脳担当なんです。それこそZOTさんのトラックの「Need More」にしても、Elle Teresaが合うだろうから、Elleちゃんに声をかけてみようという感じで。プロデューサーはこういう人とやってみたいとか、客演は誰がいいとか、俺ら二人で一緒に作っていった感じです。今めちゃくちゃ活躍してるJIGGさんも快く引き受けてくださったし、ZOTさん、STUTSさん始め、いろんな有名なプロデューサーの人たちからトラックをもらったりと、良い経験させてもらえたなというのはスゴいあります。そう思いつつも、例えば自分の中でスゴくうれしいのは、「Life is Romance」という、アルバムの中でも目玉になった曲は、ありがたいことに一番最初のヒットの「Canvas」を超える勢いで、ビルボードのチャートにも入って、今もまだ聴かれ続けてるんですけど、タイプビートで作った曲なんですよ。それって夢があるなと思ったんですよね。タイプビートだったら誰でも曲を作れるじゃないですか。それでビルボードまで行けるんだなと思って。それが自分の今後の動きも含めて、いろいろ考えさせられる部分になりましたね。だから、いろんなことが見えたアルバムになったと思います。
ー「Life is Romance」は曲の持つムードが最高ですね。
Kaneee どの曲にしても海外に届くように作ってはいるので、海外っぽいって言われるのはスゴいうれしいです。
ーそういう意味では、「SHIBUYA」もそうですよね。昔は日本人が憧れた海外の、例えばNYの街を象徴するような曲があったけれど、海外の人が今大好きな渋谷を象徴するような曲ってなかったと思うので。
Kaneee まさにそういうテンションで作りました。インバウンドの人が日本に来ると、基本渋谷に集まってくるから。そういう人が聴いたらヤバいってなるし。アニメとまではいかないけどエレクトロな日本っぽいサウンドだなって、トラックを聴いた時に感じたから。あれもタイプビートなんですよ。
ー海外の人が行きたくなる渋谷を描いていますよね。でも同時に、〈明日には何もない街を Close〉というリリックには、海外の人にはわからない、日本人ならわかる、醒めた切なさみたいなものを感じました。
Kaneee その時けっこう映画を観てて。
ーあと、「Charming」のラテン感も良いですね。
Kaneee ラテン・ミュージックも好きで、レゲトンもけっこう聴きますね。変な話、ラテン・ミュージックを聴いてないのって、アジアの中ですら日本だけだと思うんですよ。日本の外に出ればどこでもラテン・ミュージックがかかってるし、今ラテン・アーティストってスゴい売れてるんですよ。そのジャンルをわからないのは良くないなと思って。陽気だから今の日本の感じには合ってないかもしれないけど(笑)。
ここまで世界を変えられるんだぜっていうのを、今年を第一歩にしていきたい
ーアルバムを聴くと、ヒップホップがベースにありながらも、音楽そのものが好きだというのが伝わってくるし、ジャンルを超えた普遍的なグッド・ミュージックの感じがするんです。奇を衒うことない、正統派のカッコ良さを感じるんですよね。
Kaneee 音楽性はあまり気にしてないし、気にする必要はないかなと思ってるタイプの人間なんですよね。もちろん美学はありますよ。自分と相方のRay、二人ともカッコいい音楽しか聴きたくないという美学があって。ヒップホップに付随するジャンルって、R&Bもオルタナティブもあるけど、その中での音楽性って要らないでしょと思ってて。カッコいい音楽をやるのがヒップホップだと思うし、自分はラッパーだからラップするし、リリックは当然ヒップホップのカルチャーに沿ったものであることには変わらないんですよ。俺はカッコいい音楽が作れればそれでいいし、そういう音楽をずっと聴いていたいし。自分が作ってる音楽もカッコいいと思ってから出してるんです。そういう美学はずっとあります。
ーリリックでもいろいろなことを歌っているのに、ネガティブな感じを一つも感じさせないんですよね。そこも今話した、ストレートに出しているところにつながるんですかね。
Kaneee リリックも何も意識してないですね(笑)。素直に出てくるものが基本メインですね。
ーRay Inoueとのチームワークについても聞きたいのですが。
Kaneee 俺から彼を取ったら、今の俺はいないぐらいの存在です。そこに関しては、今一番みんなに知ってほしいところではあります。二人で一緒に制作するというのは、「ラップスタア誕生!」の「Young Boy」の時からずっと変わらずやっていて。スタイリストも彼がやってるし。全部をひっくるめてプロデューサーなんです。トラック作りに関しては、これからのフェーズに入っていくところですけど、基本的にプロデュース、マネージメント、ディレクションはRayなんですよ。
ーワンマン・ライブは去年、東京と大阪でやっていますが、今年は4月10日にWWW Xでの「STAND OUT」が予定されていますよね〈※この記事は3月25日発売の「Rolling Stone Japan vol.30」に掲載されたものです)。
Kaneee 去年のワンマンは初めてだったから、とりあえず90分間どう切り抜けようかというのを多少気にしつつ、実際にステージに上がってみたらそんなんどうでもよくなって。最高!ってなったんです。自分が小さい頃に行ってて楽しかったライブみたいでしたね。今のライブはみんながスマホで撮るし、もちろん撮ってる人もいたけど、別にブレブレでも気にしないぐらい盛り上がって。自分のファンはこういう人たちで良かったなというのが実感できました。自分がカマしに行く、それを向こうも応えてくれる、じゃあもっとこうなっていってほしい、っていうのをずっとキャッチボールしてる感じで。今年のワンマンもスゴく楽しみです。
ーどんなワンマンを考えていますか?
Kaneee 具体的に何をやるかは言えないですけど。ワンマンに来る、イコール、ただチケットを見せて入って並ぶだけじゃなくて、他の人たちのライブには絶対にないような仕掛けが必ず何かしら出てくるので。来てのお楽しみですね。
ー今年のPOP YOURSは?
Kaneee 今はRayと二人で曲を作っていて。自分たちの力でやってみようってなってます。今までいろんな人が携わってくれて、いろいろ経験してきたし、ある程度こうすればこうなるというのは自分たちの中でもわかってきたので、それを俺らの力だけで動かしていきたい。今までは他の人たちに頼ってた部分も大きかったんですけど、これからは自分たち主体で動きたくて。曲たちもそうだし、POP YOURSのライブの中での仕掛けにしても、いろいろクリエイティブに考えていきたいし、企んでるところです。出演するメンツも熱いんですけど、帰った時に俺らの時間が一番余韻に残ってるよというぐらいのことをして、今年のPOP YOURSを飾りたいと思ってます。
ー2025年はどんな年にしていこうと思っていますか?
Kaneee 自分たちでどこまで行けるかですね。それで良い作品を残していきたい。ただ曲を出して、ただMVを撮って、監督さんに全部まかせてという作業をしたくなくて。今まで何回か作業っぽくなってたり、満足いってない作品もあったので、それをなくしたいし、自分の作品に嘘つかずにちゃんと真っ直ぐ向き合いたい。この曲は絶対にこういう映像が合うからこうしたいとか、それは全部自分たちで考えれば叶う話だし。それをどんどんやることで、しっかりと爪痕を残していきたい。それを俺一人じゃなくて、俺の相方のRayの頭脳を使いつつ、自分のパフォーマンス力を上げて。自分もアーティストだし、Rayも一人のアーティストだし。俺ら二人のアーティストがちゃんと融合して、ここまで世界を変えられるんだぜっていうのを、今年を第一歩にしていきたい。自分のキャリアで言うところの第3章みたいな感じですね。第1章が1st EPの『ICON』で、第2章が1stアルバムの『Remember Me?』だとしたら、第3章はこれからの俺らのスタイルなので、今年はそのチャレンジをやって。それをもっと見てる先に向けての発射台みたいな感じにできたらいいなって思ってます。
ー見ている先のことも聞きたいのですが。
Kaneee スーパーボウルですね(笑)。ケンドリック・ラマーのを観て、俺にもできるなと思ったので。できない理由なんかなさそう。ちゃんとやることをやって、日本の人だけじゃなく、世界の人も食らわせたらいけるっしょみたいな。これはみんなに言ってますね(笑)。
ースーパーボウルを目標にしている人、初めて聞きました(笑)。たまにグラミー賞を目標にする人はいますけど。
Kaneee グラミー賞は獲れると思うんですよ。これも謎の自信みたいなもので。直近のBillboard JAPAN HOT 100にしても、ちゃんと自分はラッパーですと言ってるのは自分しか入ってなかったし。もちろんファンや周りの人の協力があるからこそですけど、それが今のこの3年経たない段階でできるのなら、キャリアをどんどん重ねれば重ねれるほど近くなっていくと思うんです。
『Remember Me?』
Kaneee
配信中
https://kaneee.lnk.to/RememberMe
POP YOURS 2025
日程:2025年5月24日(土)・5月25日(日)
時間:開場9:30 / 開演11:00
会場:幕張メッセ国際展示場9~11ホール
出演者:
DAY1:5月24日(土)
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DAY2:5月25日(日)
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OPENING DJ
MARZY
(A to Z)
チケット:Sold Out
YouTube生配信
DAY 1 https://www.youtube.com/live/cnn17Qch2Iw
DAY 2 https://www.youtube.com/live/akuYSyDd0D8
オフィシャルサイト:https://popyours.jp/