【写真ギャラリー】kurayamisakaライブ写真まとめ
チケットは即日ソールドアウト。超満員のリキッドルームに、まずはゲストのHomecomingsが登場。この日のサポートドラムは、kurayamisakaが敬愛し、今年2月に対バンが実現したThe Novembersの吉木諒祐だ。序盤に福富優樹(Gt)が「ザカ(kurayamisaka)は去年の僕らのツアーに出てもらってから、新しく友達ができた感じがめっちゃ嬉しくて。このライブもずいぶん前から誘ってくれて、すごく楽しみだった」と伝えたあと、「先週The Novembersと対バンした時のドラムはザカの堀田(庸輔)だった」と、その繋がりを喜んだ。最新アルバム『see you, frail angel. sea adore you.』に収録された「angel near you」や「ghostpia」といった楽曲を、轟音のシューゲイズサウンドで届けていく。重厚な新曲の披露もあり、ラストは「blue poetry」を叩きつけた。
kurayamisakaの5人が登場し、円になって手を合わせて「ウォイ!」と気合を入れる。その後は恒例の清水正太郎(G)による口上だ。「今日はお越しいただきありがとうございます。リキッドルームの、こんな満員のところで演奏できるなんて3年前は思ってなかったですが、張り切って演奏したいと思ってます。

Photo by Tatsuhito Takagi

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演奏と歌が一旦止まり、さらに凄まじい轟音で塗りたくられたのは「cinema paradiso」。清水とフクダリュウジという2人のギタリストが向き合い、互いに勢いよくギターを弾き鳴らす。楽器隊のアグレッシブな演奏に対し、内藤のボーカルは少しもぶれずに叙情的な音像を創出していく。その不思議なコントラストはkurayamisakaならではだ。

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個人的には、渋谷CLUB QUATTROでのワンマン以来、約4カ月ぶりとなるkurayamisakaのライブだったが、パフォーマンスのキレが増大し、それに呼応するようにオーディエンスの熱量も凄まじかった。阿左美倫平による長いベースソロから「seasons」へ。kurayamisakaの楽曲の中でも随一の陽性のメロディを宿した楽曲で、2000年代のオルタナとJ-POPが共存するサウンドに満員のオーディエンスが拳を上げた。内藤がキャッチーなメロディを歌う横で、清水とフクダと阿左美が激しく頭を振りながらギター/ベースを弾き倒すというコントラストはやはり見ものだ。

Photo by Tatsuhito Takagi

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内藤はHomecomingsに対し、「去年のクアトロツアーに誘ってくれたのは、びっくりするような出来事でした。演奏を観たらあまりにもかっこよくて感動して、今でもその感覚が残っています。

Photo by Tatsuhito Takagi

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5人の最初のオリジナル曲であり、サビがSNSで拡散された「farewell」を披露したあと、清水は「kurayamisakaを知ってる人なんて、世間では職場やクラスに一人いるかいないか、もっと少ないと思うんです。でも、その”ひとりいるかいないか”の人たちがここに集まってソールドアウトということで、本当にありがとうございます。そしてぜひ、ご学友や同僚の方にkurayamisakaを教えてあげてください」と語りかけた。
そこから清水が、自身の在籍するバンド・せだいの「modify Youth」のカバーを演奏すると告げると、客席からは歓声が上がった。清水の歌とギター、堀田のシンバルの音だけが響き渡り、内藤にボーカルをバトンタッチすると同時に、一気にバンドアンサンブルが厚くなる。ツインボーカルの後ろで阿左美は腕をブンブン振り回したり、ノリノリで踊ったりと、目を引く動きを見せた。
最後に重大発表も、メモラブルな一夜の終焉
「jitensha」の間奏で内藤がメンバーを紹介し、「これからもどうぞよろしくお願いします」と言ったあと、永遠に続くのではないかと思うほどの長い轟音アンサンブルへ。

Photo by Tatsuhito Takagi
アンコールで再登場した5人。清水が待ちきれないといった様子で、「ずっと言いたかった重大発表があります。来たる2025年秋、kurayamisakaの1stフルアルバムが発売されます!」と告げると、地響きのような歓声が巻き起こった。メンバーが拳を突き上げると、Oiコールが巻き起こり、場内はお祭り状態に。
「タイトルは『kurayamisaka yori ai wo komete』。12曲入り、46分十何秒。昨今のシーンを考えると長いですが、こだわりぬいて作ったアルバムです。めちゃくちゃ自信作です。時代を変えることは難しいかもしれないけど、時代を超えることはできると思っています。今はkurayamisakaを知らなくても、20年後とかに中古ショップの棚で見つけてもらって、その子に衝撃を与えられたら死んでもいいです」と語ると、客席からは大きな拍手が送られた。
「僕たちも、そうやって中古ショップの500円コーナーでたまたま買ったCDで、魂が吹っ飛ぶような衝撃をもらって、ここまで執念深くバンド活動を続けている身なので、そうありたいです。アルバムの最後に入っている『あなたが生まれた日に』という曲をやって終わりたいと思います。本当に今日はありがとう」。性急なアンサンブルが突っ走り、内藤と清水の歌が乗る。緩急のあるたくさんのフックが宿ったアンサンブルに、内藤のセリフのような歌が乗り、やがて終幕するというカオティックだがストーリー性のある最新曲で、メモラブルな一夜を締め括った。
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Photo by Tatsuhito Takagi

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〈セットリスト〉
1.theme(kimi wo ommote iru)
2.cinema paradiso
3.seasons
4.metro
5.sunday driver
6.farewell
7.modify youth
8.ハイウェイ
9.jitensha
10.sekisei inko
en.あなたが生まれた日に

kurayamisaka
『kurayamisaka yori ai wo komete』
2025年9月10日リリース
予約:https://lnk.to/kurayamisaka_yori_ai_wo_komete
〈収録曲〉
1. kurayamisaka yori ai wo komete
2. metro
3. sunday driver
4. modify Youth
5. nameless
6. evergreen
7. sekisei inko
8. weather lore
9. ハイウェイ
10. theme (kurayamisaka yori ai wo komete)
11. jitensha
12. あなたが生まれた日に
kurayamisaka tte, doko? #6「くらやみざかより愛を込めてツアー」
2025年9月27日(土)仙台・FLYING SON
2025年10月4日(土)札幌・BESSIE HALL
2025年10月11日(土)福岡・Utero
2025年10月24日(金)名古屋・CLUB QUATTRO
2025年10月25日(土)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2025年11月9日(日)神奈川・川崎CLUB CITTA'
チケット購入:https://eplus.jp/kurayamisaka/

FUJI ROCK FESTIVAL '25
2025年7月25日(金)、26日(土)、27日(日)
新潟県・湯沢町 苗場スキー場
※kurayamisakaは7月25日(金)出演
公式サイト:https://fujirockfestival.com