【動画】「イスラエル国防軍に死を」コールの様子
この発言をめぐる物議に対し、ボーカルのBobby Vylan(ステージネーム)は後日Instagramに長文の投稿を行い、「言いたいことを言ったまで(I said what I said.)」とキャプションを添えて自身の発言を擁護した。
ヴァイランは、「賛同と憎悪の両方のメッセージが殺到している」と明かし、発言の動機には、自身の娘が学校給食に関するアンケートに答える様子が影響していると述べた。「彼女が自分の意見をはっきり口にする姿を見て、まだ希望はあるかもしれないと思ったんだ」と語っている。
「子どもたちに、自分たちが望む、そして必要とする変化のために声を上げるよう教えること。それだけがこの世界をよりよくする手段なんだ。大人になるにつれて、人生の重圧でその情熱の炎が弱まっていくこともある。でもだからこそ、未来の世代が私たちから受け取った”たいまつ”をしっかり掲げられるよう、私たちが模範となり、大きな声と目に見える行動で正しいことを示さなければならない。子どもたちには、私たちが街を行進し、地道にキャンペーンを行い、オンラインで組織し、与えられたあらゆる舞台で叫ぶ姿を見せよう。今日求めるのは学校の給食の改善でも、明日には外交政策の転換かもしれないのだから」
ボブ・ヴァイランは28日の午後、グラストンベリー・フェスティバルのWest Holtsステージに登場し、話題を呼んだKneecapのステージに先駆けてパフォーマンスを披露した。ボーカルのBobby Vylanは、ドラマーのBobbie Vylanと共に観客を率いて、「Free, free Palestine(パレスチナに自由を)」「Death, death to the IDF(IDFに死を、死を)」といったシュプレヒコールを唱えた。IDFとはイスラエル国防軍を指す。
フェス主催者、英首相らの反応
グラストンベリーの主催者であるエミリー・イーヴィスはInstagramで声明を発表し、「West Holtsステージでボブ・ヴァイランが発した発言に、私たちは強い衝撃を受けています」と述べた。彼女は続けて、「彼らのシュプレヒコールは明らかに一線を越えており、フェスティバルのすべての関係者に対して、グラストンベリーにおいて反ユダヤ主義、ヘイトスピーチ、暴力の扇動が容認されないことを緊急に再確認しています」と付け加えた。
同様の声明は、当該セットを生配信していたBBCからも発表された。BBCは、そのパフォーマンスをオンデマンドで後追い視聴できるようにはしないと明言している。「ボブ・ヴァイランのステージ中に発せられた一部の発言は、非常に不快で攻撃的なものでした」とBBC。「iPlayerでのライブ配信中、ステージ上で何が起きているかをそのまま反映する形で放送していましたが、極めて強い差別的な表現が含まれていたため、画面上には警告テロップを表示しました。現在、このパフォーマンスをオンデマンドで公開する予定はありません」。
イギリスの首相キア・スターマーも、ボブ・ヴァイランのパフォーマンスについて声明を発表。「このような忌まわしいヘイトスピーチには、いかなる言い訳も通用しない」と非難した。スターマー首相は以前、Kneecapがフェスティバルに出演を許可されたことにも批判的な立場を示しており、「私はKneecapに発言の場を与えるべきではないと言ったが、それは脅迫や暴力の扇動を行う他のアーティストにも同様に当てはまる」と述べたうえで、「BBCは、こうした場面がなぜ放送されることになったのかについて説明すべきだ」と付け加えた。
ボブ・ヴァイランのセットに続いて登場したKneecapは、この機会を利用してキア・スターマー首相を強く批判し、パレスチナ解放への支持を表明した。メンバーのMo Charaはステージ上でこう語った。「あなたたちの国――俺たちの国じゃないけど(※Kneecapは北アイルランド出身)――の首相は、俺たちに演奏してほしくないと言ったんだ。だからこう言うよ、ファック・キア・スターマー!」。
From Rolling Stone US.
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