ラッパーとしても、MC・タレントとしても、時代のアイコンとしても、無限の輝きを放つ韓国のヒップホップアーティスト、イ・ヨンジ(Lee Youngji / 이영지)。今夏にサマーソニック出演を控え、5月にリリースされた星野源のニューアルバム『Gen』へのフィーチャリング参加も話題を集めている。
自身の声とラップ、ステージに懸ける情熱、星野源とのエピソード、日本への思いなど多岐にわたる質問を投げかけると、終始飾らない言葉で応えてくれた。

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You'll find Korean version after Japanese one. Here's the link.


自分のメッセージを多様な形で

―ヨンジさんは「高等ラッパー3」(韓国のラップサバイバル番組)で一躍注目の存在となりました。ラップを始めてわずか半年で優勝し驚きを呼びましたが、最初はラップのどのような部分に魅せられたのでしょうか。

ヨンジ:正直に言うと、当時はラップへの関心よりも”友達に注目されたい”という思いが一番大きかったです。「高等ラッパー」は同年代に一番人気がある番組だったので、「これに出たら友達が喜ぶかな」と。なので、当時は自分のラップのどこがいいのかも全くわかっていませんでした。

―心地よいハスキーボイスや高速フロウ、圧倒的な声量など、ヨンジさんのラップは誰もが認める魅力があると思います。現時点ではご自身のラップの強みをどう捉えていますか?

ヨンジ:私は幼少期から、声量が他の人より3倍くらい大きくて(笑)。伝える力そのものが生まれつき強いほうだと思うし、そこがラップでも生かされている気がしますね。あと、私は話したいという欲が強く、子どもの頃から1人でずっとしゃべっていたので、声が枯れ気味なんですよね。そこからユニークなラップのトーンが生まれていると思います。

―デビュー後は楽曲制作に悩む日々が続いたそうで、5年の時を経て、2024年6月に初EP「16 Fantasy」をリリースしました。
「16 Fantasy」にはR&Bのムードを濃く感じますし、ロックやポップスへの愛情も深く、ラッパーやヒップホップアーティストという枠で括りきれない存在になりつつあると感じます。

ヨンジ:私の活動を丁寧に見てくださってありがとうございます。サバイバル番組で優勝してデビューしたあと、自分の中にずっと「本当にこの道を歩んでいくのか?」という不確かな気持ちがありました。でも音楽を作り続けるうちに、「私、意外といろいろなことができるのかもしれない」と思うようになって。今はまだ、いろんなことを試している段階ですね。ヒップホップという枠に収まらず、自分のメッセージを多様な形で伝えていきたい。「16 Fantasy」でも、私が伝えたかったことを様々なジャンルに落とし込みましたし、これからもそういうやり方を続けていくと思います。でも、自分は一番何が上手かと聞かれたら、「ラップです」と答えたいですね。

―伝えたいメッセージが音楽の中心にあるということですが、楽曲制作はどんな順序で進めていますか?

ヨンジ:まだ自分でトラックを作るスキルがないので、様々なプロデューサーさんからトラックをいただいているんですが、聴いた瞬間に直感的に浮かんだものを作品に反映することが多いです。それで自然とジャンルの幅が広がっているんじゃないかな。最近も「16 Fantasy」の時と同じく、メモ帳に書き溜めておいたアイデアをもとに、思いついたことをそのまま即興的に形にしています。制作は上手くいかない日のほうが多いですね。
そういう日は1人で叫んで泣いて、作業部屋で寝てしまう。すると夢の中で曲を作っていることがあって、起きてからそれを実際に形にすることもあるんです。そうして作った作品のほうが、意外と良い反応をもらえたりするんですよね。

―目を覚ましてからもはっきりと記憶しているのはすごいですね。ちなみにそうして完成した楽曲とは?

ヨンジ:『SHOW ME THE MONEY 11』で披露した「NOT SORRY (feat.pH-1)」です。大きなテーマは固まっていたけど、細部の表現がなかなかうまくいかなくて。3日くらい悩み続けて「ああ、自分には才能がないのかも……」と泣きながら寝てしまったら、夢の中で「ママ、私ヒップホップ辞めたい」という歌詞がパッと浮かんできたんです。目覚めてから、そのまま書き出しました。

―ヨンジさんは常に楽曲へ自分の物語を投影していますよね。特にリスナーからの反響が印象的だった楽曲はどれでしょうか。

ヨンジ:これは「Small girl (feat. D.O.)」ですね。それまでも楽曲の中に自分の思いを反映させてきたけど、表に出しすぎないようにしていて、大衆に合わせた形に整えていたんです。
でも「Small girl」は私自身の恋愛経験──それもすごく落ち込んで、自尊心が一番低かった瞬間の気持ちを、”生”のままで形にした曲でした。3、40分くらいで一気に書き上げたんです。なので、あの曲を多くの方に好きになってもらえたことには正直驚きましたし、戸惑いすら感じました。

―「Small girl」は各チャートで1位を記録し、Billboard Global 200にもランクインするヒットとなりましたね。

ヨンジ:大衆って本当にわからないものだな、と感じました(笑)。でもおかげで、私の個人的な話が他の人に共感してもらえるということに気づけたし、「これからはもっとパーソナルなことを語ろう。無理に隠さなくてもいいんだ」と思えるようになって。そういう思いで今も創作しています。

―リスナーはヨンジさんの人間性に惹かれている方が多いと思うので、本音がにじむ曲が聴けるのはきっとうれしいと思います。ヨンジさんの音楽性や、スタイルに影響を与えたアーティストを挙げるとすると?

ヨンジ:たくさんいるので、絞るのは難しいですね。あまりにも強く影響を受けてコピーのようになってしまうのが怖いので、本当に憧れているアーティストの楽曲は、純粋に音楽として聴いて楽しむようにしています。音楽的にインスピレーションを受けているというよりは、むしろ彼らの生き方や、プロモーションの方法に刺激を受けることのほうが多いかもしれない。
例えばビリー・アイリッシュやSZAなどのポップアーティストは特に、彼女たちの成功の裏側を覗き見たいと、読んでいた本やインタビュー記事などをチェックしています。最近はK-POPアイドルの方々のプロモーションにも魅了されることが多いですね。例えばJENNIEさん(BLACKPINK)は最近のコーチェラのステージも含め、本当にカッコよくて! どうしたらあんなふうに文化的なインパクトを生み出せるのかを考えさせられます。

―ヨンジさんはBSS(SEVENTEEN)や、 i-dleのソヨンさん、IVEのユジンさん、EXOのディオさんなど、さまざまなK-POPアーティストとコラボされていますよね。ヨンジさん自身もアイドルファンですが、彼らとのコミュニケーションを通じてどんな刺激を受けていますか。

ヨンジ:K-POPアーティストの皆さんとは授賞式やステージでお会いする機会が多いので、自然と親しみを持っていて。例えるならば学校のクラスメイトのような感覚ですね。音楽性はもちろん、その方の人間性に惹かれて、コラボしてみたいと思うこともあります。一緒に作業しながら「なぜこれほどまで大衆に響く存在でいられるのか」というヒントや、キャリアをどう持続させていくのかなどを、自然と吸収させてもらっている気がします。

星野源とのコラボ、初の日本語ラップ

―星野源さんのニューアルバム『Gen』の収録曲「2」への参加も話題を集めています。ヨンジさんは以前から星野さんのファンであることを公言し、コラボしたい相手として名前を挙げていたので、ついに実現しましたね。

ヨンジ:こんなに素敵な形でコラボさせていただけて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです! 中学卒業後に日本旅行をした際、ちょうど星野源さんの「恋」が流行っていて、カラオケで歌ったら友人がすごく喜んでくれたんですよ。
昨年1月の日本公演でも、日本のファンの皆さんが喜んでくれるかなと思い、ステージで「恋」のパフォーマンスを披露しました。どうやらその映像をファンの皆さんが星野さんに届けてくださったようで、星野さんとの交流が始まったんです。

―コラボのオファーを受けた際はどう感じましたか? 星野さんももともとヨンジさんの曲をよく聴いていたと、インタビューで語っていましたね。

ヨンジ:そうなんです! 実は私はその事実を、星野源さんのインタビューを読んで、先日初めて知ったんですよ(笑)。本当に信じられなくて、びっくりです! 昨年12月に行った私のライブの開演前にわざわざ足を運んでくださって、初めて対面したんですが、本当に温かくて穏やかな方だと感じました。そしてお土産に、おいしいものや星野源さんのコンサートグッズを両手いっぱいに持ってきてくださって……「なんて優しい人なんだろう」と感激しましたね。その時いただいた黄緑色のTシャツは、最近もしょっちゅう着ています!

イ・ヨンジが語る 韓国の新世代アイコンが放つ声、星野源と日本への深い愛情


―「2」では日本語と韓国語を行き来するラップに挑戦しました。ヨンジさんには普段から日本語を積極的に使っている印象があって、日本への愛を感じるのですが、初の日本語ラップはいかがでしたか。

ヨンジ:日本への愛を語り始めると止まらないんですけど(笑)、私は本当に本当に日本が大好きなんです! 中学卒業後の8泊9日の旅行は、全財産をはたいて日本へ飛びました。今でもスケジュールに空きができたら、すぐに東京に遊びに行きます。音楽はもちろん、日本の漫画が大好きなんですよ。特に咲坂伊緒先生の作品を愛読していて、韓国語版の発売が待ちきれなくて……早く自分の力だけで原本を読めるようになりたいです。
コンサートでも、お客さんと通訳なしで会話できるようになりたい。……ああ、やっぱり止まらなかったですね(笑)。日本語の発音を面白いと感じていたので、日本語でのラップは、ずっとチャレンジしてみたかったことでした。でもいざ歌詞を書くとなると難しくて……今回は完全にPapago(翻訳アプリ)頼りでしたね。

―ヨンジさんが韓国語で書いた歌詞を、ご自身でアプリを使って日本語に訳し、リリックを仕上げていったのでしょうか?

ヨンジ:そうです。書いた歌詞を日本在住のタトゥーアーティストの友人に見てもらったら「まるで幼児が初めて口にした日本語みたい」と言われましたが(笑)、日本のファンの皆さんは、きっと私が日本語でラップするということ自体に意義を見出してくれるはずだと信じ、やり切りました。星野さんに歌詞を渡したら、最初は少し戸惑っていたようにも見えましたけど(笑)、最終的にすごく気に入ってくださったので、「間違ってなかったんだな」と安心しましたね。ちなみに仮タイトルは別のもので、私が歌詞を送ったあとに星野さんが「2」というタイトルを付けてくれたんです。星野さんが書いた「2人がいることで、1人ではなしえない特別なシナジーが生まれる」というパートが印象的でしたが、「そういうテーマでまとめてくれたんだな」と嬉しく感じました。

―ちなみにヨンジさんが好きな日本語は?

ヨンジ:「びっくりした!」です。日本で洋服を買いに行ったとき、私がハイテンションでずっとしゃべっていたら、店員さんに「びっくりした」と言われて。褒め言葉だと思い込んで、ずっと「びっくりした!」と連呼していたら、友人が意味を教えてくれて。そんな言葉だったのかと驚きました(笑)。それ以来お気に入りのフレーズですね。それと、坂口健太郎さんと食事をしたときに教えてもらった「難しい」という言葉も好きです。そのときもPapagoで翻訳しながら会話して少し大変だったのですが、坂口さんが「難しい」の意味を教えてくださってから好きになって、今でも困ったときはよく「難しいね~、難しいね~」と言っています(笑)。

サマソニへの想い「死ぬならステージの上がいい」

―今年はサマーソニックに出演されますね。昨年は台風の影響で来日ができなくなってしまったので、喜びもひとしおかと思います。

ヨンジ:本当に本当に出演したかったステージだったので、去年は残念でした。その分今年はもっと頑張ろうと、力を入れて準備をしています。とても大きなイベントで、私の好きなアーティストもたくさん出演されるので、日本の皆さんに「これがイ・ヨンジだ!」と印象を残せるパフォーマンスをお見せしたいですね。出演経験のある友人に話を聞くと、みんな「とにかく暑いから気を付けて!」と言うので、「ハンディファンを使ったパフォーマンスもいいかもしれないな」と考えたりしています(笑)。ラインナップの中では、以前から好きなちゃんみなさんの名前を見つけて嬉しかったです。ぜひパフォーマンスを拝見したいですね。そうそう、(フジロックに出演する)Creepy Nutsさんとのコラボレーションもずっと夢なんです。「私、『Bling-Bang-Bang-Born』をフルで歌えます!」って、Creepy Nutsのお二人にぜひ伝えてください!(笑)

―ヨンジさんのライブには本当に強大なエネルギーがありますし、以前にライブのVCRで「死ぬならステージの上がいい」と語っていましたよね。ステージへの並々ならぬ思いを感じます。

ヨンジ:「死ぬならステージの上がいい」という言葉は比喩ですが、私は心の底から思っているんです。正直、作曲よりもライブが好きだし、ステージは私の人生そのもの。子供の頃から人前に立ってパフォーマンスすることが何よりも好きでした。私にとって一番大切なのは、ライブの”流れ”。一度ステージに立ったら、観ているすべての人を自分と同じ流れに乗せないといけない。たとえイヤモニが聞こえなくなる、衣装がはだけてしまうなどのハプニングがあったとしても、絶対に動揺を表に出してはいけない。「死ぬならステージの上がいい」という言葉には、たとえ雷が落ちようと災害が起ころうと、何があっても最後まで絶対に歌いきるという覚悟を込めています。死ぬまでステージに立ち続けたいですね。

―ちなみに、ヨンジさんはダンスもとてもお上手ですよね。練習はどれくらいされているんでしょうか?

ヨンジ:いやいや! ダンスについてインタビューで語れるほどのレベルではないです!(笑)。でも子供の頃は、「自分が一番ダンスが上手い」と本気で思っていました(笑)。ダンス部に入っていて、他校で公演をしたり、オーディションを受けたりしていたんです。今は「踊る機会があれば踊る。楽しめればいい」というスタンスで、特に練習はしていないですね。ただダンスが上手い人への憧れは強いので、今もよくダンス動画を見て楽しんでいます。

―では最後に、今後のアーティストとしての理想像を教えてください。

ヨンジ:私は心からのメッセージを、しっかりと伝えられるアーティストになりたいです。そのメッセージが誰かの力や癒しになったら、とても嬉しいですね。あとは、たとえ不本意だとしても犯罪に関わらない人間でありたいし、慎重で誠実な生き方をしていきたいです。今後は歌もラップもダンスももっと上手くなりたいし、何より、言語能力をもっと高めていきたい。今は特に日本語と中国語を上達させたいのですが、それに限らずあらゆる言語を習得していくのが目標です。

SUMMER SONIC 2025
2025年8月16日(土)・17日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
大阪会場:万博記念公園
※イ・ヨンジは8月16日(土)大阪会場、17日(日)東京会場に出演
https://www.summersonic.com/

イ・ヨンジが語る 韓国の新世代アイコンが放つ声、星野源と日本への深い愛情


Interview
이영지:내 메시지를 다양한 형태로 전달하고 싶어요

래퍼로서도, MC·예능인으로서도, 시대의 아이콘으로서도 무한한 빛을 발하는 한국 힙합 아티스트 이영지. 올여름 서머소닉 출연을 앞두고 있으며, 5월에 발매된 호시노 겐(星野源) 의 새 앨범 『Gen』에 피처링으로 참여해 화제를 모으고 있다. 그녀에게 곡 작업의 과정이나 무대에 거는 열정, 호시노 겐 과의 일화, 일본에 대한 생각 등 다양한 질문을 던지자, 그녀는 시종일관 꾸밈없는 말투로 응답해 주었다.

 *

―영지 씨는 「고등래퍼3」(한국의 랩 서바이벌 프로그램)에서 단숨에 주목받는 존재가 되었습니다. 랩을 시작한 지 불과 반 년 만에 우승해 많은 사람들을 놀라게 했는데요, 처음에는 랩의 어떤 부분에 매력을 느꼈나요?

영지: 솔직히 말하면, 그때는 랩 자체에 대한 관심보다는 친구들한테 주목받고 싶다는 마음이 가장 컸어요. 「고등래퍼」는 또래들 사이에서 가장 인기 있는 프로그램이었기 때문에, ”이거 나가면 친구들이 좋아할까?” 하는 생각이 들었죠. 그래서 그 당시에는 제 랩의 어떤 점이 좋은지도 전혀 몰랐어요.

―편안한 허스키 보이스, 빠른 플로우, 압도적인 성량 등, 영지 씨의 랩은 누구나 인정할 만한 매력을 가지고 있다고 생각합니다. 현재 본인의 랩의 강점을 어떻게 생각하시나요?

영지: 저는 어릴 때부터 성량이 다른 사람들보다 한 3배쯤 컸어요(웃음). 전달력 자체가 타고나게 강한 편이라고 생각하고, 그게 랩에서도 잘 드러나는 것 같아요. 그리고 저는 말하고 싶은 욕구가 굉장히 강해서, 어릴 때부터 혼자 계속 말하고 다녔거든요. 그래서인지 목소리가 조금 쉰 편인데, 그런 부분에서 독특한 랩 톤이 생긴 것 같아요.

―데뷔 후에는 곡 작업에 대해 많은 고민이 이어졌다고 들었고, 5년의 시간이 지나 2024년 6월에 첫 EP 「16 Fantasy」를 발표하셨습니다. 「16 Fantasy」에서는 R&B의 무드가 짙게 느껴지고, 록과 팝에 대한 애정도 깊어져서, 이제는 래퍼나 힙합 아티스트라는 틀로는 다 담기지 않는 존재가 되어가고 있다는 생각이 듭니다.

영지: 제 활동을 그렇게 세심하게 봐주셔서 정말 감사해요. 서바이벌 프로그램에서 우승하고 데뷔한 이후, 제 안에는 계속해서 ”정말 이 길을 가는 게 맞을까?”라는 불확실한 마음이 있었어요. 하지만 계속해서 음악을 만들다 보니 ”나, 의외로 여러 가지를 할 수 있을지도 모르겠다”는 생각이 들더라고요. 지금은 아직 여러 가지를 시도해보고 있는 단계예요. 힙합이라는 틀에 갇히지 않고, 제 메시지를 다양한 방식으로 전하고 싶어요. 「16 Fantasy」에서도 제가 말하고 싶었던 것들을 여러 장르로 풀어냈고, 앞으로도 그렇게 해나갈 것 같아요. 그래도 ”가장 자신 있는 건 뭐예요?”라고 물어본다면, ”랩입니다”라고 말하고 싶어요.

―전하고 싶은 메시지가 음악의 중심에 있다고 하셨는데, 곡 작업은 어떤 순서로 진행하시나요?

영지: 아직은 제가 직접 트랙을 만드는 스킬이 없어서, 여러 프로듀서 분들께 트랙을 받아서 작업하고 있어요. 그런데 들은 순간 직관적으로 떠오른 것을 작품에 반영하는 경우가 많아요. 그래서 자연스럽게 장르의 폭이 넓어지고 있는 것 같고요. 최근에도 「16 Fantasy」 때처럼 메모장에 적어두었던 아이디어를 바탕으로, 떠오른 것을 그대로 즉흥적으로 곡으로 만들고 있어요. 작업이 잘 안 되는 날이 더 많아요. 그런 날엔 혼자 소리 지르면서 울다가, 작업실에서 잠들어버리곤 해요. 그러면 꿈속에서 곡을 만들고 있는 경우가 있는데, 깨어나서 그걸 실제로 구현해보기도 해요. 그렇게 만든 곡이 오히려 더 좋은 반응을 얻는 경우도 있더라고요.

―잠에서 깬 뒤에도 그렇게 또렷이 기억하고 있다는 게 정말 놀랍네요. 그렇게 해서 완성된 곡이 있다면 어떤 곡인가요?

영지: 『쇼미더머니11』에서 선보인 「NOT SORRY (feat. pH-1)」예요. 큰 주제는 정해져 있었지만, 세부적인 표현이 좀처럼 잘 안 풀렸거든요. 그래서 3일 정도 계속 고민하면서 ”아, 나 진짜 재능이 없는 걸까……” 하고 울면서 잠들었는데, 꿈속에서 ”Okay 엄마, 나 힙합 관둘게”라는 가사가 딱 떠올랐어요. 눈을 뜨고 바로 그걸 적었죠.

―영지 씨는 항상 자신의 이야기를 곡에 투영하고 있는 것 같아요. 그중에서도 특히 리스너들의 반응이 인상적이었던 곡은 어떤 건가요?

영지: 그건 「Small girl (feat. D.O.)」예요. 그전에도 제 마음을 곡에 담긴 했지만, 너무 드러나지 않도록 조절하면서 대중에 맞게 다듬어왔거든요. 그런데 「Small girl」은 제 연애 경험, 그것도 굉장히 우울하고 자존감이 가장 낮았던 순간의 감정을 날것 그대로 표현한 곡이에요. 한 30~40분 만에 쭉 써 내려갔어요. 그래서 그 곡을 많은 분들이 좋아해주셨을 때는 솔직히 놀랐고, 약간 당황스럽기도 했어요.

―「Small girl」은 각종 차트에서 1위를 기록하고, Billboard Global 200에도 진입하는 히트를 기록했죠.

영지: 대중이라는 건 정말 알 수 없는 존재라는 걸 느꼈어요(웃음). 하지만 덕분에, 제 개인적인 이야기도 다른 사람들에게 공감을 줄 수 있다는 걸 알게 되었고, ”앞으로는 더 개인적인 이야기를 해도 되겠구나. 굳이 숨기지 않아도 괜찮다”는 생각을 하게 됐어요. 그런 마음으로 지금도 창작을 하고 있어요.

―리스너들 중에는 영지 씨의 인간적인 매력에 끌리는 분들이 많기 때문에, 그런 진심이 묻어나는 곡을 들을 수 있다는 건 분명 기쁠 일일 것 같아요. 영지 씨의 음악성이나 스타일에 영향을 준 아티스트를 꼽는다면 누구일까요?

영지: 너무 많아서 딱 정하기가 어렵네요. 너무 강하게 영향을 받아서 마치 복사본처럼 되어버릴까 봐, 정말로 동경하는 아티스트의 음악은 순수하게 음악 그 자체로만 즐기려고 해요. 음악적으로 영감을 받는다기보다는, 오히려 그들의 삶의 방식이나 프로모션 방식에서 자극을 받는 경우가 더 많은 것 같아요. 예를 들어 Billie Eilish나 SZA 같은 팝 아티스트들에 대해서는, 그들의 성공 뒤편을 들여다보고 싶은 마음에 읽었던 책이나 인터뷰 기사 등을 자주 찾아봐요. 요즘은 K-POP 아이돌 분들의 프로모션 방식에도 많이 매료되고 있어요. 예를 들면 제니 님(BLACKPINK)는 최근의 코첼라 무대 포함해서 정말 멋졌어요! 어떻게 하면 저렇게 문화적으로 큰 임팩트를 만들어낼 수 있을까, 생각하게 돼요.

―영지 씨는 부석순(SEVENTEEN), i-dle의 소연 씨, IVE의 유진 씨, EXO의 D.O. 씨 등 다양한 K-POP 아티스트들과 콜라보를 하셨잖아요. 영지 씨 본인도 아이돌 팬이신데, 그분들과의 커뮤니케이션을 통해 어떤 자극을 받으시나요?

영지: K-POP 아티스트 분들과는 시상식이나 무대에서 자주 마주칠 기회가 많다 보니, 자연스럽게 친근함을 느끼게 돼요. 비유하자면 학교 친구 같은 느낌이랄까요. 음악성은 물론이고, 그 사람의 인간적인 매력에 끌려서 ”같이 작업해보고 싶다”는 생각이 들기도 해요. 함께 작업하면서 ”왜 이분들이 이렇게까지 대중에게 큰 반응을 얻는 존재일까”라는 힌트나, 커리어를 어떻게 지속해나갈 수 있을지에 대한 감각 같은 걸 자연스럽게 흡수하고 있는 것 같아요.

イ・ヨンジが語る 韓国の新世代アイコンが放つ声、星野源と日本への深い愛情


―호시노 겐(星野源) 씨의 새 앨범 『Gen』 수록곡 「2」에 참여하신 것도 큰 화제를 모았죠. 영지 씨는 예전부터 호시노 씨의 팬임을 공개적으로 밝혀왔고, 콜라보하고 싶은 아티스트로도 이름을 언급하셨는데, 마침내 그 바람이 이뤄졌네요.

영지: 이렇게 멋진 방식으로 콜라보를 하게 되어 정말 감사한 마음뿐이에요! 중학교 졸업 후에 일본 여행을 갔을 때 마침 호시노 겐 님의 「恋(코이)」가 유행하고 있어서, 노래방에서 불렀더니 친구들이 엄청 좋아했어요. 작년 1월 일본 공연에서도, 일본 팬분들이 좋아해 주시지 않을까 싶어서 무대에서 「恋(코이)」 퍼포먼스를 선보였어요. 그 영상이 팬분들 덕분에 호시노 님에게 전달되었다고 들었고, 그때부터 교류가 시작되었어요.

―콜라보 제안을 받았을 때는 어떤 기분이었나요? 호시노 겐 씨도 원래 영지 씨의 음악을 자주 들었다고 인터뷰에서 말했었죠.

영지: 맞아요! 사실 저는 그 사실을 호시노 겐 님의 인터뷰를 읽고서 처음 알았어요(웃음). 정말 믿기지 않을 정도로 놀랐어요! 작년 12월에 있었던 제 공연 시작 전에 일부러 찾아와 주셨고, 그때 처음 인사드렸는데 정말 따뜻하고 온화한 분이라는 느낌을 받았어요. 그리고 맛있는 음식과 호시노 겐 님의 콘서트 굿즈까지 양손 가득 선물로 챙겨와 주셔서… ”어떻게 이렇게 다정하실 수 있지?” 하고 감동했어요. 그때 받은 연두색 티셔츠는 요즘도 자주 입고 있어요!

―「2」에서는 일본어와 한국어를 오가는 랩에 도전하셨죠. 평소에도 일본어를 적극적으로 사용하시는 인상이 있고, 일본에 대한 애정도 느껴지는데요, 첫 일본어 랩은 어떠셨나요?

영지: 일본에 대한 애정을 말하기 시작하면 끝이 없는데요(웃음), 저는 정말 정말 일본을 좋아해요! 중학교 졸업 직후 전 재산을 털어서 일본에 8박 9일 여행을 다녀왔어요.지금도 스케줄에 여유가 생기면 바로 도쿄로 놀러 가요. 음악은 물론이고, 일본 만화를 정말 좋아하거든요. 특히 사키사카 이오(咲坂伊緒) 선생님의 작품을 애독하고 있는데, 한국어판 출간을 기다릴 수가 없어서… 빨리 제 힘으로 원서를 읽을 수 있게 되고 싶어요. 콘서트에서도, 통역 없이 관객분들과 직접 대화할 수 있으면 좋겠고요. …아, 역시 끝이 없네요(웃음). 저는 예전부터 일본어 발음이 재미있다고 느껴서, 일본어로 랩을 해보는 게 오랫동안 해보고 싶던 도전이었어요. 그런데 막상 가사를 쓰려니 너무 어려워서… 이번에는 완전히 Papago(번역 앱)에 의지했어요.

―영지 씨가 한국어로 쓴 가사를, 직접 앱을 사용해서 일본어로 번역하며 가사를 완성해 나가신 건가요?

영지: 맞아요. 제가 쓴 가사를 일본에 거주 중인 타투이스트 친구에게 보여줬더니 ”마치 어린아이가 처음으로 입에 올린 일본어 같다”라고 하더라고요(웃음). 그래도 저는 일본 팬분들이 제가 일본어로 랩을 한다는 것 자체에 의미를 느껴주실 거라고 믿었고, 그래서 끝까지 밀고 나갔어요. 호시노 겐 님에게 가사를 드렸을 때는 처음엔 살짝 당황하신 듯한 느낌도 있었지만(웃음), 결국엔 정말 좋아해 주셔서 ”아, 틀리지 않았구나” 하고 안도했어요. 참고로 원래 가제는 따로 있었는데, 제가 가사를 보내드린 후에 호시노 님이 「2」라는 제목을 붙여주셨어요. 호시노 님이 쓰신 ”두 사람이 함께하기에, 혼자서는 해낼 수 없는 특별한 시너지가 생긴다”는 파트가 인상 깊었는데, ”아, 그런 주제로 곡을 정리해주신 거구나” 하고 정말 기뻤어요.

―참고로 영지 씨가 좋아하는 일본어는 무엇인가요?

영지: 「びっくりした!」(빗쿠리시타!)예요. 일본에서 옷을 사러 갔을 때, 제가 엄청 하이텐션으로 계속 말을 하고 있었더니 점원 분이 ”びっくりした”라고 하시더라고요. 저는 그게 칭찬인 줄 알고, 계속 ”びっくりした!”를 연발하고 있었는데, 친구가 그 의미를 알려줘서 ”아, 그런 말이었구나” 하고 놀랐어요(웃음). 그때부터 제 최애 일본어가 되었죠. 그리고 사카구치 켄타로(坂口健太郎) 씨와 식사를 했을 때 배운 「難しい」(무즈카시이)라는 단어도 좋아해요. 그때도 Papago를 사용해서 대화하느라 좀 힘들었는데, 사카구치 씨가 ”難しい”의 뜻을 직접 설명해주셔서 그 이후로 좋아하게 되었어요. 지금도 곤란할 때면 자주 ”難しいね~、難しいね~”라고 말하곤 해요(웃음).

―정말 귀여운 에피소드네요(웃음). 올해는 서머소닉(SUMMER SONIC)에 출연하시죠. 작년에는 태풍 영향으로 아쉽게도 못 오셨는데, 그만큼 더 기쁘실 것 같아요.

영지: 정말 정말 서고 싶었던 무대였기 때문에, 작년에는 너무 아쉬웠어요. 그만큼 올해는 더 열심히 하자고 마음먹고, 힘을 쏟아 준비하고 있어요. 아주 큰 이벤트이고, 제가 좋아하는 아티스트들도 많이 출연하시니까, 일본 분들께 ”이게 바로 이영지다!”라는 인상을 남길 수 있는 퍼포먼스를 보여드리고 싶어요. 출연 경험이 있는 친구들에게 이야기를 들으면 다들 ”정말 더우니까 조심해!”라고 해서, ”핸디팬을 활용한 퍼포먼스도 괜찮을지도?”라는 생각도 하고 있어요(웃음). 라인업 중에서는 예전부터 좋아했던 챤미나(ちゃんみな) 님의 이름을 보고 기뻤어요. 꼭 무대도 보고 싶고요. 아, 맞다! (후지록에 출연하는) Creepy Nuts(크리피 넛츠) 님과의 콜라보레이션도 계속 제 꿈이에요. ”저, Bling-Bang-Bang-Born을 풀버전으로 부를 수 있어요!”라는 말, 꼭 Creepy Nuts 두 분께 전해주세요!(웃음)

―영지 씨의 라이브에는 정말 강력한 에너지가 있고, 예전에 한 공연 영상에서 ”죽는다면 무대 위에서 죽고 싶다”고 말씀하신 적도 있었죠. 무대에 대한 각별한 마음이 느껴집니다.

영지: ”무대 위에서 죽고 싶다”는 말은 비유로 들릴 수도 있겠지만, 저는 정말 진심으로 그렇게 생각하고 있고, 항상 그만큼의 각오로 무대에 서고 있어요. 솔직히 말해서, 작곡보다도 공연이 더 좋고, 무대는 제 인생 그 자체예요. 어릴 때부터 사람들 앞에서 퍼포먼스 하는 걸 가장 좋아했어요. 저에게 가장 중요한 건 공연의 흐름이에요. 한 번 무대에 서면, 보고 있는 모든 사람들을 저와 같은 흐름에 올려 놓아야 한다고 생각해요. 설령 인이어가 안 들린다든지, 의상이 풀어진다든지 하는 돌발 상황이 생기더라도, 절대 당황한 기색을 보여서는 안 돼요. ”무대 위에서 죽고 싶다”는 말에는, 벼락이 떨어지든 재난이 일어나든, 어떤 일이 있어도 끝까지 노래하겠다는 각오가 담겨 있어요. 죽을 때까지 무대에 서고 싶어요.

―참고로, 영지 씨는 춤도 정말 잘 추시잖아요. 평소에 얼마나 연습하시나요?

영지: 아뇨 아뇨! 춤에 대해서 인터뷰에서 이야기할 정도의 수준은 아니에요!(웃음) 그래도 어렸을 때는 ”내가 춤 제일 잘 춘다”고 진심으로 생각했었어요(웃음). 댄스부에 들어가 있었고, 다른 학교에 가서 공연도 하고, 오디션도 보러 다녔어요. 지금은 ”출 땐 추고, 즐기면 된다”는 스탠스라서 특별히 연습은 안 하고 있어요. 그래도 춤 잘 추는 사람에 대한 동경은 여전히 커서, 요즘도 자주 댄스 영상을 찾아보면서 즐기고 있어요.

―그럼 마지막으로, 앞으로 아티스트로서 어떤 모습이 되고 싶은지 알려주세요.

영지: 저는 진심 어린 메시지를 제대로 전달할 수 있는 아티스트가 되고 싶어요. 그 메시지가 누군가에게 힘이나 위로가 된다면 정말 기쁠 것 같고요. 그리고 아무리 본의 아니더라도, 범죄와는 관련 없는 사람이 되고 싶어요. 신중하고 성실한 삶을 살아가고 싶어요. 앞으로는 노래도, 랩도, 춤도 더 잘하고 싶고, 그 무엇보다 언어 능력을 더 키우고 싶어요. 지금은 특히 일본어와 중국어를 더 잘하고 싶지만, 그것에만 국한되지 않고 여러 언어들을 익히는 게 제 목표예요.

써머소닉 2025 (SUMMER SONIC 2025)
일정: 2025년 8월 16일 (토), 17일 (일)
도쿄 공연장: ZOZO 마린 스타디움 & 마쿠하리 멧세
오사카 공연장: 반바쿠 기념공원 (만국박람회 기념공원)
※이영지는 8월 16일(토) 오사카 공연장, 17일(일) 도쿄 공연장에 출연합니다.
공식 웹사이트: https://www.summersonic.com/
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