Chevonが2025年6月30日、東京・Zepp Hanedaにて全国ツアー「Chevon Zepp ONE MAN TOUR .25 DUA・RHYTHM」の追加公演ファイナルを開催した。同ライブのレポートをお届けする。


【画像】Chevon、ツアーファイナルの様子(全13枚)

引き続き、Chevonの快進撃が止まらない。3人は、2024年をもって自分たちの活動における第一章を終了し、2025年から第二章に突入した。5月~6月にかけて敢行した全国ツアー「Chevon Zepp ONE MAN TOUR .25 DUA・RHYTHM」は、第二章の本格的な開幕を告げるもの。全公演がソールドアウトとなり、すぐに追加公演として、同ツアーにおける2度目のZepp OsakaBayside公演、また、Zepp Haneda公演が発表された。ツアー本編と同じように、この2公演も瞬く間にソールドアウト。今回は、並々ならぬ注目と期待が寄せられる中で開催された追加公演ファイナル、6月30日のZepp Haneda公演の模様を振り返っていく。

Chevon、第二章開幕を宣言したツアーファイナル「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」


超満員の会場。秘境の中で執り行われる混沌とした儀式を彷彿とさせるような荘厳なSEが、これからとんでもないライブが始まる予感と高揚感を際限なく引き立てていく。一人ずつメンバーがステージインするたびに沸き起こる大歓声。今回のライブの熱き口火を切ったのは、「革命的ステップの夜」だ。谷絹茉優(Vo)が「跳べますか!」と叫び上がるように問いかけ、それに応える観客の一斉ジャンプの繰り返しによってフロアが瞬く間に波打つ。「夏じゃ!」「ファイナルにふさわしい盛り上がり見せてください!」という呼びかけの後に披露されたのは、「ボクらの夏休み戦争」。
短期間でいくつものZeppを周ってきた故だろうか、Ktjm(G)、オオノタツヤ(B)、サポートドラマーの小林令が轟かせるバンドサウンドは一体感、重厚さ、鋭利さを極めていて、また、豪快にバウンスするバンドサウンドをしなやかに乗りこなすように歌う谷絹の歌唱は、これまで以上に壮絶なエネルギーを感じさせる。観客も負けじと、懸命に声を重ね、大きく手を掲げていく。なんて猛烈なエネルギーの往来だろう。

Chevon、第二章開幕を宣言したツアーファイナル「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」

谷絹茉優(Vo)

Chevon、第二章開幕を宣言したツアーファイナル「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」

Ktjm(G)

Chevon、第二章開幕を宣言したツアーファイナル「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」

オオノタツヤ(B)

「泣いても笑っても、ファイナル」「改めまして、我々がChevonと申します。どうぞよしなに」。谷絹の挨拶を経て、その後も次々と放たれていく新旧の楽曲たち。まさに総力戦だ。2021年リリースの1stアルバム未収録曲「マイペース」の歌い出しでは、フロアから驚きと喜びが混じったような大歓声が起きた。MCパートで、谷絹は、今回のZeppツアーを振り返りつつ、「Zeppは、ギリギリ一番奥まで顔が見える箱だと思います」と告げた。続けて、ここから本格的に幕を開けるChevonの第二章について、「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」と語った。そして、これから先どれだけバンドが大きくなっても忘れてはいけないことを備忘録のようにまとめて書いた楽曲「薄明光線」を披露。直前のMCの言葉と相まって、〈私があなたに手を差し伸べることが出来たなら〉という一節が特に深く心に沁みた。
「この曲で春にさよならをしましょう」という言葉と共に披露された「さよならになりました」と、「何回も、何回も、何百回もできるように」という祈りにも似た言葉を添えて届けられた「サクラループ」のコンボも深く胸を打つ名演だった。

谷絹は、「顔がよく見えるね」と感慨深げに語りつつ、これから先の歩みについて、息を吸って吐くように、春の次に夏が来て夏の次に秋が来て秋の次に冬が来るように、「売れます」と力強く宣誓。並々ならぬ大歓声。今後、会場の規模が今以上に大きくなっていくかもしれないことについては、「それを超える速さで大きくなっていく」と約束し、また、一番大切なのは心の距離であると丁寧に伝えた。

続けて、今回のツアータイトル「DUA・RHYTHM」に込めた想いについて語り始める。語源の「デュアリズム(dualism)」とは、二元論を意味する言葉。生と死、善と悪、光と影。あらゆる物事は、そうした背反する二つの原理によって構成される、という考え方が二元論であり、「DUA・RHYTHM」とは、「デュアリズム(dualism)」と「リズム(rhythm)」を掛け合わせた造語であるという。谷絹は、自分のことを憎む人がいるからこそ、自分に救われている人がいて、そのようにして世界の均衡が保たれているのかもしれない、と自身の考えを語り、自分を憎む人のことを恐れて中途半端なことをしてしまったら、自分に救われていた人を救えなくなってしまうかもしれない、と告げた。そういったことを、近年に限らず24年間ずっと考え続けてきたという谷絹は、目の前の観客に向けて、これからバンドが大きくなっていく中で、誰にも涙を流させはしないと力強く約束を結ぶ。

Chevon、第二章開幕を宣言したツアーファイナル「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」


そして、「このツアーをもちまして、我々Chevon第二章、『大行侵』して参ります」という宣誓を経て、「大行侵」を披露する。いつものように、圧倒的なライブパフォーマンスだった。
ただ、それだけではない。圧倒されるような感覚と、優しく包み込まれるような感覚、その両方を感じた。それは、バンドとしての強靭さと、誰一人置き去りにしない優しさの両立、と言い換えることもできるかもしれない。なんて頼もしい存在になったのだろうと思った次の瞬間に披露されたのは、ツアータイトル曲「DUA・RHYTHM」。ステージに大々的に掲げられている二元論の象徴・バフォメットの巨大な幕が鮮烈にライトアップされ、谷絹の咆哮が轟く。間違いなく、今回のライブにおける特別なハイライトの瞬間だった。

Chevon、第二章開幕を宣言したツアーファイナル「みんなの顔を見ながら進んでいきたい」


その後も、次々と放たれていく熾烈なライブアンセムたち。いよいよライブは終盤戦へ。「思いっきり力入れて、好きなように叫べますか」「伝説にすんのはあんたらだからな」「共依存でいこうや」。谷絹の呼びかけの後に披露された「Banquet」では、谷絹の歌と分かちがたく結び付く怒涛のコールが会場中から轟き、「乗りきれないまま死ぬのか、思いっきり出しきって明日死ぬのか、二つに一つじゃ」「思いっきり来いよ」というアジテーションの後に披露された「冥冥」では、地鳴りのような壮絶なシンガロングがフロアから巻き起こる。熱狂のピークは「光ってろ正義」でさらに更新され、いよいよ本編ラストの「セメテモノダンス」へ。ラストサビ前、谷絹は、「行けるところまで行こうと思います! 行けるところまでついて来てくれますか!」「最後、歌ってください!」「もう1回!」と全身全霊で呼びかけ、観客は、残されたエネルギーを全て出し尽くすように歌声を重ねてバンドの想いに応えてみせる。
「みんな、愛してます」「この先何があっても、今日のあなたたちのおかげで生きられる気がします」「これからも共依存でいきましょう」。

谷絹の溢れ出る想いが滲む言葉によって本編が締め括られ、アンコールでは、10月~11月にかけて「Chevon pre. よしなに ~全国編~」を開催することを発表。今回のライブ、および、今回のツアーを締め括ったのは、「ダンス・デカダンス」。谷絹は、〈僕はずっと君だけに命を賭すのだろう〉という歌詞の冒頭を「我々Chevonはずっと君だけに!」と替えて叫ぶように歌い上げてみせた。並々ならぬ熱気の中で迎えた、万感の終幕だった。第二章以降、きっとChevonは、これからも絶え間なく変わり続けていくのだろう。それでもきっと、大切なことは何も変わらない。そう強く確信した人は多かったと思う。変わらないまま、変わり続ける。そのようにして、Chevonの快進撃は、ここからさらに加速していくはずだ。

Photo by タカギユウスケ
X:@yusuke_mphoto
Instagram : @yusuke_mphoto

セットリスト
1. 革命的ステップの夜
2. ボクらの夏休み戦争
3. ノックブーツ
4. マイペース
5. 愛の轍
6. No.4
7. 薄明光線
8. ハルキゲニア
9. さよならになりました
10. サクラループ
11. 大行侵
12. DUA・RHYTHM
13. ですとらくしょん!!
14. 銃電中
15. Banquet
16. 冥冥
17. 光ってろ正義
18. セメテモノダンス
EN1. アイシティ
EN2. antlion
EN3. ダンス・デカダンス

<ライブ情報>

『Chevon pre. よしなに ~全国編~』
2025年10月7日(火)Zepp Sapporo w/ UNISON SQUARE GARDEN
OPEN 18:00/START 19:00

2025年10月19日(日)仙台GIGS w/ フレデリック
OPEN 17:30/START 18:30

2025年11月3日(月)Zepp Osaka Bayside w/ THE ORAL CIGARETTES
OPEN 17:30/START 18:30

2025年11月6日(木)Zepp Fukuoka w/ 須田景凪
OPEN 18:00/START 19:00

2025年11月11日(火)Zepp Nagoya w/ indigo la End
OPEN 18:00/START 19:00

2025年11月15日(土)Zepp Haneda【ワンマン公演】
OPEN 17:30/START 18:30

前売 ¥6,500

▼オフィシャル 先行
受付期間| 7月9日(水) 12:00 ~7月16日(水) 23:59
受付URL | https://l-tike.com/st1/chevon-hp-yoshinani2025
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