サマーソニック東京会場のプレスエリアで、オフィシャルメディアであるRolling Stone Japanがメタルな友達=通称「メタトモ」をゲストに迎えて「メタトモ」の輪を広げるBABYMETALのラジオ番組「メタラジ!」とコラボ取材を敢行。UK発の新世代ロックバンド、HOT MILKのハン・ミーとジム・ショウとの対談を実施した。
ラジオは既に23日(土)にオンエアされたが、ここでは放送されなかったやり取りを公開する。地元マンチェスターにまつわるトピックから、海外ツアーでの観客の違い、さらには”音楽を通じた対話”の意義まで、両者が語り合った内容は世代や国境を越えて響くはずだ。

【画像】BABYMETALがサマーソニックで体現した「メタルのその先へ」

ーHOT MILKは英マンチェスター出身ですが、BABYMETALも2016年と2025年にマンチェスターでライブをしました。何か思い出はありますか? またHOT MILKの2人は2016年は何をしていましたか?

SU-METAL:初めてレッド・ホット・チリ・ペッパーズさんのサポートをさせていただいたのがUKツアーだったんですが、一番思い出に残っているのは、その最後がO2アリーナでの公演だったことです。その日は私の誕生日が近くて、ドラムのチャド(・スミス)にお祝いしてもらいました。そのときに「またここに戻ってきます」と会場のみんなに向かって伝えたんですが、それが今年ヘッドラインショーという形で実現して、本当に感慨深かったです。自分が言った言葉を実際に叶えることができて、とても嬉しかったですね。

ハン・ミー:2016年のことは正直あまり覚えてないの。昨日のことすら忘れるくらいだからね(笑)。当時はよくライブハウスで働いたり、地元の小さなバンドを観に行ったりしていて。ローカルの音楽を応援するのが好きだったから、その頃もマンチェスターのどこかにはいたと思う。でも残念ながらBABYMETALのショーには行けなかった。
たぶんすぐ近くにはいたんだけどね。でもこうして今、出会えているのは嬉しいわ。

ーマンチェスターという街はどんな音楽的・文化的インスピレーションを与えてくれる場所ですか?

ハン・ミー:マンチェスターの音楽シーンといえば、今はやっぱりダンスミュージックが大きいかな。エレクトロニック、ドラムンベース、テクノやハウス。私たちもよく行くのが「Warehouse Project」っていうビッグレイヴで、大きな倉庫で開かれるイベントなんだ。ツアーから帰ってくると、そういう場で思い切り解放されるのがリフレッシュになる。私たちはロックもダンスも何でも好きだから、その要素を音楽にブレンドしようとしているんだよね。

MOAMETAL:私たちにとってもヨーロッパ、とりわけUKは「第二の故郷」のような安心感があります。

ハン・ミー:マンチェスターは本当に最高の街だと思う。素晴らしい音楽の歴史があるし、未来もある。すごくウェルカムな場所でもあるけど、もちろん”正しい人たち”に対してだけね(笑)。

ジム・ショウ:イングランド北部はみんな温かくてフレンドリーなんだ。
知らない人同士でも普通に話しかけるし、そういうコミュニティの感覚やユーモアが大事にされている。

ハン・ミー:ロンドンではなかなか味わえないものだと思う。

ーHOT MILKはアメリカやヨーロッパを広くツアーし、観客の反応や文化の違いを体感しています。BABYMETALも世界各地のフェスや単独公演を経験してきました。海外ツアーで印象に残った観客の反応や、文化による違いについて語ってください

ハン・ミー:これは自分の得意分野なんだ。ちょっと文化人類学者みたいに、観客の反応を文化ごとに観察するのが好きで。やっぱりアメリカの中でも地域によって全然違うんだよね。イーストコーストはすごくクレイジーなんだけど、ウェストに行くとちょっとクールで、”クールすぎる”くらい落ち着いてる。そういう違いを見るのはすごく面白いし、刺激的。だって、もしどこに行っても観客が同じ反応だったら退屈でしょ? 

ジム・ショウ:ヨーロッパとアメリカ、日本でもまったく違うんだけど、それが本当に楽しいんだ。新しいことを試してみて、何がハマるのか探っていける。そういう違いを全部楽しめるのが素晴らしいと思うし、それこそが人間の面白さなんだと思うよ。


MOMOMETAL:やっぱり海外と日本ではライブの雰囲気が全然違いますね。盛り上がり方というか、海外はすごく自由だなと感じます。日本だとタオルを回す文化がありますけど、海外で「タオル回して」と言うと、手を大きく振ったり、Tシャツを脱ぎ出す人がいたり(笑)。小さな子どもを肩車して楽しんでいるお父さんもいて、そういう光景を見ると温かいな、優しいなと思いますし、国ごとの違いを楽しめるのがすごく面白いですね。

ージムさんは「一番大事なのは会話を始めること。同意で終わらなくてもいい」、ハンさんは「中間地点を見つけ、届く方法を探す」と別のインタビューで語っていました。BABYMETALも、音楽やパフォーマンスを通じて異文化間の橋渡しをしてきましたよね。音楽を通して”対話”を生むために、お互いに意識していることはありますか?

ジム・ショウ:とても大事なことだと思う。というか、まさにそれこそが僕らがここにいる理由なんだよね。僕らが日本に来られるのも音楽のおかげだし、BABYMETALも同じで、音楽を通じて世界中を旅して、さまざまな景色を見ることができる。それは僕らにとっても、ファンにとっても本当に大切で、特別なことだと思う。

ハン・ミー:音楽って、魂のリズムそのものなんだ。
どんな文化にも必ず音楽があるし、言葉の壁を超えて伝わっていく。ある言語の曲を聴いて「いい曲だ」と感じたら、それはもう”いい曲”なの。歌詞の言語が何であれ、いい曲はいい曲。それだけで十分ってことね。

SU-METAL:私たちはずっと日本語で歌っているので、海外に出た当初は「この音楽が本当に伝わるのかな」という不安がありました。でも実際には言葉を越えて音楽が響いていて、たとえ「ジャンルは何だ」と言われることがあっても、メタルに対して本気で向き合っている姿勢がライブを通して伝わっていると感じます。言葉にするのは難しいけれど、心と心が直接つながっている感覚があるんです。ライブの面白さは、同じ会場でも毎回まったく違う体験になること。そして世界中のさまざまな場所で公演をするからこそ、「今日はどんな出会いや出来事があるんだろう」とワクワクできるし、その積み重ねの中で私たちの音楽が育っていく感覚もあります。だからこそライブは特別な場所だと思いますね。

MOAMETAL:それから、HOT MILKを知ったのは実はNEX_FESTの時で、会場の客入れの時に流れていた曲がきっかけでした。ずっと耳に残っていて、「このバンドは誰なんだろう」と思っていたんです。
まさかこうして対談できるなんて当時は想像もしていなかったので、本当に嬉しいです。

ハン・ミー:それは嬉しい。誰が流してたのか、探してお礼にフルーツでも送らなきゃ(笑)。

ーこの時代、自分の話をちゃんと聞いてもらうって結構たいへんだと思うんですけど、どうするのがいいと思いますか?

ハン・ミー:大声で叫ぶことよ。「ハロー!」って一度叫んで、ダメならもう一回(笑)。私は結構アグレッシブで、要求も強いタイプだからね。「ほら、私を見て!」って感じで。まあ、実際はかなり”おちゃめ”なの。人生のあらゆる場面でちょっとずる賢く、ちゃっかりやってきたところがあって、そのおかげで今BABYMETALと一緒に話せてるんだから、ある意味それで上手くいってるんだと思う。

ジム・ショウ:あと、言葉によっても人って変わるよね。僕の友達に韓国人がいるんだけど、英語を話している時と韓国語を話している時ではまるで別人みたいなんだ。イントネーションやスラングの使い方も違うし、言語がその人のキャラクターを変えるんだと思う。


BABYMETAL×HOT MILK、サマソニ東京独占対談「音楽は国境を超える」

Photo by Masato Yokoyama

HOT MILK
https://www.sonymusic.co.jp/artist/Hotmilk/

BABYMETALのメタラジ!
https://www.tfm.co.jp/metaradi/
パーソナリティ:BABYMETAL
毎週土曜19:30~19:55 TOKYOFMでオンエア
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