霜降り明星・粗品が9月6日(土)、恵比寿ガーデンプレイスザ・ガーデンホールで開催された特別公開授業「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック 粗品特別講義」に登壇。2026年4月に開校予定の音楽専門校「バンタンミュージックアカデミー POWERED BY ユニバーサルミュージック」の入学検討者約200名を対象に、特別講義を行なった。


テーマは「作詞作曲から感覚的コード進行、SNSの使い方まで」。作詞作曲、コード進行、音楽の流行と時代の流れ、という3つの項目を軸に、パワーポイントを用いながら鍵盤やギターを手に、約70分の講義を行なった。

冒頭では「正解がないので選択肢を提案したい」「技術以外の話は粗品の感覚なので通常よりひねくれている」「粗品は音楽で売れていない」といった注釈を提示。「売れていないなりにもがいている自分だからこそ伝えられることがある。等身大で話します」と語った。

粗品が10代学生たちに真摯に語った、作詞作曲、コード進行、音楽の流行と時代の流れ


まず取り上げたのは、作詞作曲を担当したアニメ『青のオーケストラ』エンディング曲「夕さりのカノン feat.『ユイカ』」。歌詞をモニターに映し、表現の工夫や押韻の踏み方、言葉選びといった制作面について具体的に解説した。<文房具と時計 交互に見てる>というフレーズについては、「授業中の退屈さ、もうすぐ部活が始まる時間を描きたかった」と説明。「歌詞は、日常的なことをまわりくどく表現できる。意味が分からなくても勝手に解釈してくれるから攻めていい」と、受講者たちの背中を押した。

続く作曲のパートでは、コードを先に決めてからメロディを当てる手法を紹介。キーボードとギターを用いながら「コードとは何か?」から丁寧に解説した。
また「いまの音楽は不協和音が気持ちいいというところまで来ている」と語り、自身の楽曲で使用している分数オーギュメントについても触れた。

粗品が10代学生たちに真摯に語った、作詞作曲、コード進行、音楽の流行と時代の流れ


話題は「音楽の流行、時代の流れと売れるためのアプローチ」へ。受講者に「めっちゃ売れたい?」「ちょっと売れて飯が食えればいい?」と問いかけつつ、2025年の音楽業界での戦い方を具体的に解説した。売れるためにはタイアップやTikTokが非常に重要であるとし、事務所やレーベルによるタイアップ枠の活用や、その影響力についても現実的な視点で語った。

「それらは決して悪いことではない」と前置きしつつ、「心を殺して売れるか、自分を貫いて飯を食うか、なんとなく考えておいたほうがいい」と助言。「いまは一億総大チャンス時代。だが、いずれ壁にぶつかる。そのとき今日の講義を思い出してほしい」と受講者に伝えた。

続いて質問コーナーへ。美容師として成功したいという18歳の美容学生からの問いに対し、粗品は「尊敬する人をぶちのめさなければいけない」と語り、「そのために誰よりも努力すること。同業者の誰よりも美容に時間を割くこと。もっと言えば、誰よりも寝ない、遊ばない、酒を飲まないこと」と具体的にアドバイスを送った。
「どこまでもストイックにやる。それがいつか自信になる。結果が出なくても、自分は誰よりも努力した、作品もある、あとは運だけ、という状態にする。一番準備できて努力できている自分に酔うこと。それが自信につながり、体調も整い、好循環になる。もちろん健康には気を配るべきだが、天下を獲るにはリスペクトを持ってさしに行くしかない」と熱いメッセージを語った。

粗品が10代学生たちに真摯に語った、作詞作曲、コード進行、音楽の流行と時代の流れ


講義後の囲み取材では、アーティストとしての目標を問われ「ずっと目標がなかったんですが、最近できました。自分らしい音楽をやることです」とコメント。「多くのアーティストを見て学び、自分でもライブや作品を重ねる中で、粗品にしかできない音楽を形にしたい」と抱負を語った。

最後に、バンタンミュージックアカデミー入学を検討する人へのメッセージとして「芸能や芸術、エンタメ系の養成所は胡散臭いというイメージがある。でも、そう言う人は結局途中で辞めた人たち。そして、音楽の専門学校は技術的に学べる要素が多い。
例えば発声の授業など、必要なことを体系的に教えてもらえる。だから、芯を持って、やる気はあるんだけど何から始めていいかわからないだとか、原動力がある!でもちゃんと習いたいんだとか、とにかく売れたい、でも順序を踏みたいっていう、音楽に真摯に向き合える方々、ぜひ入学をおすすめします」と語った。

粗品が10代学生たちに真摯に語った、作詞作曲、コード進行、音楽の流行と時代の流れ


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