2018年にデビュー以降、圧倒的な実力とビジュアル、さらに楽曲制作も行うセルフプロデュース能力でK-POP界で大きな存在感を示してきたi-dle。2019年の日本でのデビュー以来、初となる日本ツアー『2025 i-dle first japan tour [ 逢い-dle ]』を開催。
ここでは初日となる10月4日のさいたまスーパーアリーナでの公演をレポートする。

【ソロ写真ギャラリー】2025 i-dle first japan tour [ 逢い-dle ]

日本のアニメファンであることを公言しているソヨン。まさにその世界観が表現されている、アニメと実写のオープニングVCRからスタートすると、センターステージにロッカーが。そこから飛び出してきたミヨンが「なに? ここはどこ⁉」とかわいく登場し、大きな歓声を浴びながらもネボボ(ファンネーム)に向かって「私の友達みませんでしたか…?」とメンバーの名前を呼ぶと、メインステージに4人が登場。そこに嬉しそうに駆け寄るミヨンはとっても嬉しそう! さらに割れんばかりの歓声に包まれたまま『どうしよっかな』がスタートすると、清涼感溢れるステージで客席を笑顔で包み込み、そのままの勢いで始まった『傷つくのは嫌いだから』では、ソヨンが歌詞の通りパンをくわえる。ジェスチャーから始まり、5人がそれぞれビジョンに大きく映し出され楽曲の物語をしっかりと伝えていく。こんなにも繊細な物語性のある楽曲を、パワフルなパフォーマンスとともに届けられるのはさすが。

まだまだ終わらない夏を感じさせるような『Klaxon』でさらにテンションを上げたあと、5人が並び日本語で挨拶がスタート。頼れるマンネのシュファが「ここで聞くネボボの声も大きくていい感じです! もう一度聴いてみましょうか? みんな! 叫べ~!」と煽ると大きな声が上がりすでに会場は大盛り上がり。なによりも、全員がしっかりと日本語でコメントを用意してくれたことに愛が伝わってくる。さらにウギが、ソヨンの方を向き、「ここにアニメオタクがいますよね⁉」と声をかけコンセプトの紹介をお願いすると、ソヨンは「この”逢い-dle”というタイトルには大事な意味が込められています。それは”日本のネボボに会うための冒険”という意味です!」と説明。
その後オープニングのミヨンのお芝居を再現するなど、クールなだけでない、わちゃわちゃと楽しむ姿も見せ、会場のネボボたちはすでに大満足。

その後『Wife』ではガラリと空気を変え、全員が腕を組み客席を見つめ、それぞれが強い言葉のラップで繋ぎながら会場のネボボたちを圧倒すると、「何様なの」という言葉からスタートする『Uh-Oh (Japanese ver.)』では音を叩きこんでいくようなパフォーマンスを見せ、ダンスブレイクではウギの強さとシュファの強烈な魅力、そこからクールに登場するソヨンに心を奪われていく。オープニングの清涼感溢れる姿とはギャップ溢れる姿に、彼女たちのさらなる可能性を感じることができる。

続く『DUMDi DUMDi (Japanese ver.)』ではクールとキュートがミックスされた緩急漂うパフォーマンスに、まるで彼女たちと共にドリームランドにいるような幻想的で最高に楽しい空間を作り、メンバー全員が手をつなぎ円陣を組む『Girlfriend』では、i-dleも、ネボボもみんなで笑顔に。

i-dle、日本ツアーで魅せたセルフプロデュースの真髄

Photo by YOSHIHITO KOBA、アンザイミキ

日本ツアーだからこそ、日本のネボボを楽しませたいという想いで作られたユニットステージでは、ミヨンがMVに出演し話題となったTENBLANKの『永遠前夜』をカバー。RADWIMPS野田洋次郎氏が紡いだ難しい音数の日本語を、原曲の熱い雰囲気とはまた異なり、優しくて温かい歌声を美しい花々に包まれながら、語るように歌い上げ、続くソヨンは、「ずっと歌ってみたかった」というアニメ『デジモンアドベンチャー』の『Butter-Fly』をチェックのミニスカートにライダースジャケットを羽織り、マイクスタンドで嬉しそうに、力強く歌い上げるだけでなく、後半からはギターをかき鳴らしていく。その姿はとてもクールで、無邪気さを感じさせながらも、曲へのリスペクトに溢れている。

そして、ミンニとウギ、シュファが”何が好き~?”で大バズとなった『愛♡スクリ~ム!』をいつもとはまったく違う可愛すぎるワンピースとヘッドアクセを身にまとい登場し、見事にあざとくかわいいステージを披露。曲中、ネボボのざわめきが止まらないままステージを終えると、まったく異なる衣装に身を包んだ5人が並び、それぞれ嬉しそうに感想を言い合うと、そのままミンニが「私たちのいつもとは違う姿もお見せしたいと思います」と話し、「愛せなかった世界へ永遠にじゃあね」がスタート。5人がこの曲に想いを乗せ、伝える姿がビジョンを通し、すべてのネボボに伝わった温かい瞬間だった。

彼女たちの魅力のひとつはコンセプトの表現能力。ビジョンに『LATATA』と赤い文字で描かれ、『LATATA(Japanese ver.)』が始まり、多くのダンサーとともに真っ赤な衣装に身を包んだ5人が登場すると、ネボボのコールが響き渡っていく。
ドラマティックなサウンドに、圧倒的なエナジーと美しさを同居させたパフォーマンスで一気に引き込み、サビでは炎が上がりさらに温度を上げると、一転、青い光の中、垂れ下がる幕の奥から美しいシルエットでダンスを魅せる姿から『HANN(Japanese ver.)』が始まると、それぞれの個性がしっかりと伝わってくる。ウギの愛らしさにミヨンの華麗さ、シュファのしなやかな存在にミンニの親しみやすい愛おしさ、そして圧倒的なソヨンの主人公感がパフォーマンスから溢れ、大陸的なステージングとそのすべてが重なりあった神々しい美しさに目を奪われていく。

i-dle、日本ツアーで魅せたセルフプロデュースの真髄

Photo by YOSHIHITO KOBA、アンザイミキ

かと思えば『Senorita(Japanese ver.)』では、燃え上がるようなステージで魅せる印象的な表情で視線を奪い、ステージ上で真っ赤な衣装から真っ白な衣装に早着替えを披露し大きなインパクトを残していく。言葉を失うほどの世界観にネボボが染まっていると、ウギが「このステージたちは、本当にi-dleに夢中になるしかない! ネボボたちも呪文にかかりましたね?」と的を射たコメントを残し、大きなため息を誘った。するとミンニは「次のタイトルは”無敵”なので、この曲でもっと盛り上がりましょう!」とロックテイストの『Invincible』でパワフルに魅せていくと、ミヨンが「私たちが皆さんの前に行くからね!」と言い、『Allergy』『Never Stop Me』とそれぞれがトロッコで客席を周り、ずっと会いたかったネボボのすぐ近くまで行き、笑顔を交換し合っていた。

i-dle、日本ツアーで魅せたセルフプロデュースの真髄

Photo by YOSHIHITO KOBA、アンザイミキ

ミヨンが「こんなステージならいくらでも遊べると思います!」と言う通り、ネボボたちも大興奮! そのままラストスパートに入り、それぞれが小さなバッグを持ち、『MY BAG』を歌いながらセンターステージまでの花道をウォーキングする姿は最高にクール。ミンニの美しい歌声が強く鳴り響くなかウギが低音で攻め、そこにシュファが華麗な花が咲いていくように歌う姿はとても印象的。全員が立つだけで画になる、強烈なオーラに感動していると、たたみかけるように『TOMBOY』のイントロが開始。すると一気にネボボのコールが始まり、それにこたえるように圧倒的なパフォーマンスを見せ、会場はひとつに。まだまだ休ませることなく『Queencard (Japanese ver)』では会場が大きく揺れるほど盛り上がり、ウギが「みんな一緒に!」、ミンニが「もっと強く!」と煽り、ここまで楽曲たちを支えてきたバンドメンバーを紹介し、ソヨンが「最後はi-dleらしくもっと熱く行きましょう!」と叫び、爆発的に勢いのある『Good Thing』で盛り上げ本編は幕を閉じた。

i-dle、日本ツアーで魅せたセルフプロデュースの真髄

Photo by YOSHIHITO KOBA、アンザイミキ

アンコールでは『どうしよっかな』をRemix ver.として再度披露。ラストのMCではそれぞれがファンへの想いを言葉にすると、最後に『Tung-Tung (Empty)』では”まだやりたいことはたくさんあるし”とライブへのメッセージのような歌詞で心を掴み、ドラマティックな『Neverland』で全員が一列になり感謝を伝え、ステージを去った。


爽やかで親しみやすい姿から圧倒的で近づくことのできない迫力のある姿、さらにはコンセプチュアルで非現実的な姿を楽しませてくれた、最高に素敵な一夜だった。早くも彼女たちの2度目の日本ツアーが楽しみで仕方ない。

i-dle、日本ツアーで魅せたセルフプロデュースの真髄

Photo by YOSHIHITO KOBA、アンザイミキ

文:吉田可奈

i-dle「2025 i-dle first japan tour [ 逢い-dle ]」

2025.10.4
さいたまスーパーアリーナ

SET LIST
01.INTRO+どうしよっかな
02.傷つくのは嫌いだから ※Fate (Japanese ver.)
03.Klaxon
04.Wife
05.Uh-Oh(Japanese ver.)
06.DUMDi DUMDi(Japanese ver.)
07.Girlfriend
08.永遠前夜(Forever Eve)- MIYEON
09.Butter-Fly(デジモンアドベンチャー OST) - SOYEON
10.愛♡スクリ~ム!- MINNIE, YUQI, SHUHUA
11.愛せなかった世界へ永遠にじゃあね
12.LATATA(Japanese ver.)
13.HANN(Japanese ver.)
14.Senorita(Japanese ver.)
15.Invincible
16.Allergy
17.Never Stop Me
18.MY BAG
19.TOMBOY
20.Queencard(Japanese ver.)
21.Good Thing
22.どうしよっかな(Remix ver.)
23.Tung-Tung(Empty)
24.Neverland
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