「LOCALGREEN FESTIVAL '25」が2025年11⽉8⽇(⼟)と9⽇(⽇)に、神奈川県・横浜⾚レンガ倉庫にて開催される。Life with Greenをコンセプトに、グリーンとグッドミュージックが楽しめるフェスティバルとして2018年にスタートした同フェスティバル。
今年20周年を迎えた「GREENROOM FESTIVAL」の兄弟フェス的存在として、「緑が増えれば、海も⼭も、街も綺麗になる。緑が増えれば、もっと楽しく、もっと美味しく、⽣活が豊かになる」という理念とともに、グッドミュージックやさまざまなカルチャーを発信している。本記事では、「LOCALGREEN FESTIVAL'25」の楽しみ⽅、これからの展望について、オーガナイザーである釜萢直起から話を訊いた。

―2025年の「LOCALGREEN FESTIVAL」の出演者ラインナップには、どんなテーマやコンセプトがあるんでしょう?

釜萢:ブッキングの軸として、⼟曜⽇のヘッドライナーがウルフルズさん、⽇曜⽇がASIAN KUNG-FU GENERATIONさんというところからスタートしました。ウルフルズさんには昨年も出演していただいたのですが、パフォーマンスが本当に素晴らしくて。今年は満を持してヘッドライナーとしてお願いしました。ASIAN KUNG-FU GENERATIONに関しては、やはり横浜を代表するバンド。フェスのテーマでもあるローカルという⾔葉にもぴったりですし、地元・横浜のバンドで最後を締めくくるという意味でも、今年の「LOCALGREEN FESTIVAL」を象徴するようなブッキングになったと思います。

「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす

ウルフルズ

「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす

ASIAN KUNG-FU GENERATION

「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす


―他の出演者を⾒てみると、ヒップホップからジャズやソウルをルーツに持つようなアーティスト、さらにはNovel Coreのような新進気鋭のアーティストまで、かなり幅広いラインナップだと感じます。そこはどのような考えで決められたのでしょうか。

釜萢:基本的にジャンルにはこだわっていなくて。「LOCALGREEN FESTIVAL」も「GREENROOM FESTIVAL」と同じく、”グッドミュージック”をテーマにしています。
その時代、その瞬間に聴くべき⾳楽、観るべきアーティストをオールジャンルで選んでいくというスタンスです。今年で⾔えば、SHISHAMOさんもそうですし、本当にジャンルの垣根を越えて、良い⾳楽を届けられるアーティストを集めています。

―”グッドミュージック”という基準には、釜萢さんの⾳楽体験やルーツが⼤きく関係していると思うのですが、ご⾃⾝の⾳楽的ルーツはどのあたりにあるのでしょうか。

釜萢:中学⽣の頃は、洋楽から⼊っていきました。ニルヴァーナレッド・ホット・チリ・ペッパーズなど、当時のロックバンドが⼤好きで。そこが⾳楽にのめり込んだ最初のきっかけですね。その後、オーストラリアに留学していたこともあって、オーストラリアの⾳楽カルチャーにすごく影響を受けました。だから「GREENROOM FESTIVAL」でも、タッシュ・サルタナをはじめとするオーストラリアのアーティストを多くブッキングしているのは、個⼈的なルーツにもつながっていると思います。

―ちなみに、今でも海外のフェスなどには⾜を運ばれるんですか?

釜萢:アメリカの「コーチェラ・フェスティバル」や、タイの「ワンダーフルーツ」など、気になるフェスにはできる限り⾏くようにしています。現地の雰囲気やカルチャーを肌で感じるのはすごく刺激になりますね。

―ここ数年で、特に印象に残ったフェスやイベントはありますか?

釜萢:タイの「ワンダーフルーツ」はとても印象的でした。まず驚いたのは、みんなラインナップを⾒て来ているわけではないということで。
フェスとレイブカルチャーがすごく良いバランスで融合していて、出演者⽬当てではなく、フェス⾃体を楽しみに来るというスタンスなんです。⽇本では、どうしてもラインナップが集客の中⼼になりがちですが、「ワンダーフルーツ」ではフェスそのものの世界観や空気感に⼈が集まっている。あれはすごく刺激を受けましたね。

―そういう意味では、「GREENROOM FESTIVAL」も、フェスそのものにファンが付いている印象があります。リピーターの多いイベントという印象も強いのですが、そのあたりはどう感じていますか?

釜萢:少しずつですが、毎年リピートしてくれるお客さんが確実に増えているのを感じます。⼤きな要因として無料エリアの存在があると思います。まず無料でふらっと遊びに来て、「楽しかったから来年はチケットを買って中にも⼊ってみよう」という流れが⽣まれている。そうした循環が少しずつ定着してきていて、「夏の前の恒例イベント」「秋の⾚レンガでの集まり」みたいな、同窓会的な存在になりつつあるのかなと思います。

―公式サイトを拝⾒すると「LOCAL MARKET」「GREEN MARKET」「VINTAGE MARKET」「LOCAL FOOD」といったカテゴリがあります。それぞれ、どのようなお店や内容になるのか教えていただけますか?

釜萢:まず「LOCAL FOOD」は、今年は18台のフードトラックが出店します。地元・横浜や湘南、東京エリアのお店を中⼼に、メキシカン、バーガー、ハンバーグ、ハッシュド系など、多彩でスタイリッシュなフードトラックが並びます。⾒た⽬も味も楽しめるラインナップになっていますね。


―これらのフードは無料エリアでも楽しめるんですか?

釜萢:はい。基本的にマーケットやフードは無料エリアに設けていて、どなたでも楽しめます。

「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす


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―他のマーケットについても教えてください。

釜萢:「GREEN MARKET」は約10店舗の植物屋さんやボタニカルショップが出店します。お気に⼊りの植物や観葉植物、サボテンなどを⾒つけて持ち帰ってもらえたら嬉しいですね。「VINTAGE MARKET」も同じく10店舗ほど出店予定で、古着屋さんが中⼼です。バンドTシャツやミリタリージャケット、ヴィンテージ雑貨など、⻑く愛されるモノをテーマに選んでいます。そして「LOCAL MARKET」では、協賛企業のブースや、⽊⼯ブランドのTIMBER CREWなどが出展します。フェス全体のテーマである⽊や⾃然とリンクするような出店者を意識していて、環境省の啓発ブースやセレクトショップなども参加予定です。

「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす


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―無料エリアで誰でも気軽に楽しめて、その先に⾳楽の有料エリアが広がっていく構成なんですね。

釜萢:はい。11時に会場がオープンして、ライブは12時からスタートします。
⾳楽もマーケットも、1⽇を通して⼼地よく過ごせる時間を意識しています。

―初めて「LOCALGREEN FESTIVAL」に⾏ってみようかなと考えている⽅に向けて、フェスの楽しみ⽅を教えていただけますか?

釜萢:まず、「LOCALGREEN FESTIVAL」の特徴のひとつが、ステージ同⼠の距離がとても近いことなんです。2つのステージを対にして設置していて、移動がほとんどいらないので、⾒ようと思えばすべてのライブを最初から最後までしっかり観ることができます。⼤規模な会場ではないからこその⼀体感がありますし、ライブの合間には、フードトラックやマーケットなど、⾚レンガ全体を回りながら1⽇を通して楽しんでほしいです。⾳楽だけでなく、空間そのものを味わってもらえたらと思います。

―11⽉開催ということで、⼣⽅には⽇が落ちてきますよね。その時間の移ろいも、このフェスならではの魅⼒なのかなと感じます。

釜萢:横浜の⾚レンガは、昼・⼣⽅・夜と時間帯によって雰囲気がまったく変わるんです。昼の爽やかな空気から、⼣⽅のオレンジ⾊の空、そして夜のライティングが映える時間帯へと、1⽇の中で何度も表情を変える。5⽉の「GREENROOM FESTIVAL」は18時、19時になってもまだ明るいですが、11⽉のローカルグリーンは17時頃には⽇が沈み始めます。その分、照明や光の演出も映えるんですよね。そうした季節感やムードの変化も、ぜひ楽しんでもらいたいです。


「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす


―ここで⼀緒にタッグを組んでフェスを作っているクリエイティブマンプロダクションから、インタビューに同席されている坂⼝さんに「LOCALGREEN FESTIVAL」や「GREENROOM FESTIVAL」の魅⼒を聞きたいと思います。

坂⼝:「GREENROOM FESTIVAL」と「LOCALGREEN FESTIVAL」って、単に季節が違うだけのフェスじゃないんですよね。今⽇の釜萢さんの話を聞いて改めて思ったのは、「GREENROOM」はサーフカルチャーを軸に海の側⾯を伝えていて、「LOCALGREEN」はそこから緑や街の側に広がっていく。つまり、最終的に海へとつながっていく循環の中にあるということ。コンセプトがすごく明確に分かれている。僕は「GREENROOM FESTIVAL」は⽇本を代表するフェスのひとつだと思っています。僕らの会社では弊社クリエイティブマンプロダクション代表の清⽔がつくりあげた「SUMMER SONIC」などもやらせてもらってますが、我々にとっても、カルチャーの完成度や空気感の美しさという点で、本当に特別な存在です。そんなフェスに携われていることを光栄に思っています。

―坂⼝さんからみた、釜萢さんという⼈物についても教えてください。

坂⼝:釜萢さんの素晴らしさは、コンセプトが⼀切ブレないところ。どんな局⾯でも信念を曲げない。その胆⼒や芯の強さがあるからこそ、フェスとしての持続性が保たれていると思います。
逆に、⾳楽やカルチャーに対する⽬的や熱意が無いと、続いていかないとも思っているので。でも、「LOCALGREEN FESTIVAL」や「GREENROOM」はそうじゃない。根底にある理念がしっかりしているから、年を重ねるごとに厚みを増されていますよね。

―「LOCALGREEN FESTIVAL」のフェスとしての魅⼒についても聞かせていただけますか?

坂⼝:印象的なのは、無料エリアの存在ですね。実は僕らが福島でやらせてもらっている「LIVE AZUMA」というフェスでも僭越ながら憧れの上で参考にさせてもらっているんですが、あのエリアの完成度は本当にすごい。無料で訪れた⼈たちの満⾜度もとても⾼くて、「次はチケットを買って中も観たい」と⾃然に思わせる雰囲気になっている。これは他のフェスにはなかなかない強みです。「LOCALGREEN FESTIVAL」のアーティストブッキングに関しても、釜萢さんが全体のトーンやイメージを持たれている。サマソニもそうですが、やっぱりフェスの世界観ってオーガナイザーの”⼈”で決まる部分が⼤きいと思うんです。やはり釜萢さんのビジョンと情熱は本当に⼤きい。チーム全体の雰囲気がとにかくピースフルなんです。現場のスタッフの皆さんが本当に良い空気を持っていて、全員がカルチャーを理解している。そういうフェスって、実は⽇本でも稀有だなと思っていて。だから社内社外の先輩⽅が培ってくださった歴史の中で、僕⾃⾝もほんのほんの微⼒ながらこのフェスに関われることがすごく嬉しいし、「GREENROOM FESTIVAL」や「LOCALGREEN FESTIVAL」は⽇本のフェスの中でも本当に素敵な存在だと思っています。

―まさに、持続していくカルチャーとしての強さがありますよね。

坂⼝:たとえばビーチクリーンや環境保全の活動もそうですが、1年やって終わりでは意味がない。継続していくことで初めて意識や⾏動が変わっていく。そういう続けることの⼤切さが、このフェスの根底にはあると思います。海や緑をきれいにしたいという想いは、地球の未来や、そこで暮らす⼈たち、お客さんや家族、⼦どもたちの未来へとつながっていくものです。その理念がぶれていないからこそ、このフェスは他と圧倒的に違うし、存在そのものがポジティブなんですよね。

「LOCALGREEN FESTIVAL '25」⾳楽からフード、マーケットまで2日間楽しみ尽くす


―釜萢さんは、これまで「GREENROOM FESTIVAL」と「LOCALGREEN FESTIVAL」を開催してきた中で、「やっていてよかった」と特に感じた瞬間はありますか?

釜萢:「GREENROOM FESTIVAL」も「LOCALGREEN FESTIVAL」も、海外と国内、両⽅のアーティストが出演するのが特徴なんです。その中で、国や⾔葉の違いを超えて⾳楽やカルチャーが通じ合う瞬間があるんですよね。それを感じると、本当に感動します。今年の「GREENROOM FESTIVAL」でも、たとえばジェイコブ・コリアのステージでのオーディエンスの反応を⾒ていても、改めて思いました。⾳楽って、⾔葉を超えて⼈の⼼に届くんだなって。ジェイコブ⾃⾝も、海や⾃然の⼤切さを⾳楽で発信し続けているアーティストですし、そういうメッセージを⼀緒に届けられることに⼤きな喜びを感じます。「GREENROOM FESTIVAL」と「LOCALGREEN FESTIVAL」、春と秋で”海”と”緑”という2つのテーマを軸にしながら、⾳楽を通して環境やカルチャーの価値を伝えていけるのは、本当に幸せなことだと思っています。

―2つのフェスは中⻑期的な視点で続いていくプロジェクトのように感じます。釜萢さんご⾃⾝、今後の展望や構想はどのように考えていらっしゃいますか?

釜萢:基本的には「GREENROOM FESTIVAL」と「LOCALGREEN FESTIVAL」の2つを両輪として、これからも継続していきたいと思っています。その中で、もしチャンスがあれば、みなとみらい全体を使ったようなスケール感のあるイベントにも挑戦してみたいですね。

<イベント情報>

LOCALGREEN FESTIVAL '25
⽇程:2025年11⽉8⽇(⼟)9⽇(⽇)
会場:横浜⾚レンガ倉庫
OPEN 11:00 START 12:00 CLOSE 21:00
住所:神奈川県横浜市中区新港1丁⽬1
主催:ローカルグリーンフェスティバル実⾏委員会
後援:J-WAVE、FMヨコハマ
出演:
11⽉8⽇(⼟)
ウルフルズ
Jeremy Quartus (Nulbarich)
iri
SIRUP
JP THE WAVY
スカート
eill
MONO NO AWARE
Novel Core
DJ KOCO aka SHIMOKITA
DJ Mitsu the Beats
DJ KENTA
DJ KRO
11⽉9⽇(⽇)
ASIAN KUNG-FU GENERATION
PUNPEE & BIM
MONKEY MAJIK
SHISHAMO
⽔曜⽇のカンパネラ
TENDRE
I Dont Like Mondays.
ザ・おめでたズ
Billyrrom
grooveman Spot
YonYon
Minnesotah
MASATO

チケット好評発売中 https://localgreen.jp/tickets/
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