I Dont Like Mondays.が10月26日に東京・Zepp DiverCityCityにて、自身初となるZeppツアーのファイナル「I Dont Like Mondays. TOXIC TOUR 2025」を開催した。

開演時間になり、場内の明かりが落ちると同時に荘厳な音が流れ、スポットライトがステージを青く染めた。
YU(Vo)がマイクに近づき「I get so jealous」と発して「jealous」を伸びやかに歌い上げると、会場から大きな歓声が起きて第一声でZepp DiverCityを優雅で甘美な都会のオアシスに変えた。1曲目からCHOJI(Gt)、KENJI(Ba)、SHUKI(Dr)と順にソロ演奏を見せると観客の熱気は急上昇し、煌々としたムードでライブは幕を開けた。

続いてYUが「Ladies and Gentlemen.今日は君たちの心に火をつける」と告げて、2曲目は「FIRE」へ。3曲目「Shadow」ではSHUKIのパワフルなドラミングで始まって、そこにCHOJIの妖しいギターとKENJIの華麗なベースラインが乗り、YUのスケール感とスモーキーな歌声が合わさって、アダルトなステージングで魅了した。次曲「WOLF VIBES」は「ツアーファイナル! お前らの声を聞かせてくれ!」と言って、コール&レスポンスで会場の一体感とグルーヴを創出した。

I Don’t Like Mondays.初のZeppツアー完結、Zepp DiverCityで示した更なる可能性

YU(Vo)

4曲を間髪入れずに届けたところで、改めてYUがマイクを握る。「あっという間に『TOXIC TOUR』のファイナルを迎えさせていただいております。初のZeppツアー、各所を回って最高状態で君たちの前に立っています。今日はみんなの日常を忘れさせましょう」と声高らかに宣言。そして、不敵な笑みを浮かべて「我々はいつも冷静、そしてクールに社会の荒波を乗りこなしていく。you know what? my name is……MR.CLEVER」と言って「MR.CLEVER」を投下した。そこから滑走路を走るように、ライブはさらに勢いを増していく。
YUのファルセットがロマンティックな夜を作り上げる「Sin City」からシームレスに「カ ミ ナ リ」へと繋ぎ、KENJIのベースで始まった美しさと哀愁が同居した「Summer Ghost」で前半戦を締め括った。

I Don’t Like Mondays.初のZeppツアー完結、Zepp DiverCityで示した更なる可能性

KENJI(Ba)

I Don’t Like Mondays.初のZeppツアー完結、Zepp DiverCityで示した更なる可能性

CHOJI(Gt)

MCに入りCHOJIは観客に「最後まで力を振り絞っていってください」と話し、SHUKIは「僕ら史上、一番準備に時間をかけたツアー」と本ツアーに賭ける思いを説明。KENJIは「僕らはデビュー11周年が経ったんですけど、そのすべてが『TOXIC TOUR』に詰まっています」と意気込みを話した。

「With you」「Change」を演奏すると、ここで珍しい演出を見せた。SHUKIがステージ中央に移動し、MPCを使って巧みなビートメイキングを披露すると、そこにKENJIも加わり2人でセッションをして大きな歓声が上がった。そしてCHOJIも参加し、YUが「まだまだ行けるかい?」と言って「Freaky boy」が始まった。フロアではみんなが手を叩きながら思い思いのステップを踏み、アイドラの音楽に心と身を預けて酔いしれる。興奮した場内を見ながらYUは歌を飛ばした「We're on the dance floor」(私たちはダンスフロアにいる)と。その後は「LEMONADE」「kiriがないですわ」とアーバンなダンスナンバーを連発し、気づけばライブは終盤を迎えた。

I Don’t Like Mondays.初のZeppツアー完結、Zepp DiverCityで示した更なる可能性

SHUKI(Dr)

YUは晴れやかな表情でマイクを握った。「この日のために我々はガムシャラに走ってきました。今日はみんなと一緒に騒いで、最高にエネルギーをもらった。
11年が経って、また新たに見えたものがあります。そんなI Dont Like Mondays.をこれからもよろしく!」と声を飛ばすと、フロアから歓声が起きた。「まだ、騒ぎ足りていないんじゃないですか? 今日は日頃のストレスを全部ここにおいて帰ってくれ!」と言って歌ったのは「空の青さにみせられて」だ。「いいかい東京! 今日一番のジャンプをするんだ」と呼びかけて、観客は両手を上げて高く飛んだ。「空の青さにみせられて/鳥たちは今日も羽ばたいてる/そんな風に君と僕とで/ふたりで愛を繋いでいこうよ」のフレーズを体現した光景が目の前に広がっていた。本編のラストに選んだのは「Beautiful Chaos」。まばゆい光が会場を包み、4人の強靭な音がぶつかってビッグバンのような強大なパワーを放っている。それはまさに美しいカオティックで、すべての感情が浄化されていく感覚を味わった。

4人がステージを後にすると、すぐにアンコールが起きた。「ここからは撮影可能」というアナウンスが流れると、みんなが携帯を取り出してステージにカメラを向けた。再び4人がステージに姿を見せて、一発目に届けのはSnow Manに提供した「LOVE TRIGGER」。何度も熱狂の沸点を更新させる4人には、国内外のステージで鍛え抜いた力量を感じた。


KENJIはこの日、何度も嬉々とした表情で「楽しい」と口にした。「僕ら11周年を迎えて良いことばかりじゃなくて、大変なこともあったんですけど、こうしてみんなとライブで騒ぐたびに、バンドをやっていて良かったなと思えるんですよ。もっと大きな舞台に立って、さらに大きなI Dont Like Mondays.を皆さんにお届けしたいと思っています」と伝えた。

SHUKIは去年の10周年で様々な試みをして、これまで支えてくれたファンに感謝の気持ちを返そうとしたが、まだまだ返し足りなかったという。「だからこそ、今回のZeppツアーは本当にやれる限りを尽くそうと思ったんです。多分、過去イチ準備をするのが早かったんじゃないかな。このライブでしか使わない演出や音を色々と用意して、いざツアーが始まってからも、毎ライブが終わるたびに『これで良いのか?』『もっと良くできないか?』と話し合いを繰り返した結果がコレなんですけど……楽しかったですか?」とフロアに尋ねると、満面の笑みで「楽しかった!」と声が返ってきた。

CHOJIは「最高やなぁ、ほんまに。今日はカメラもたくさん入っていて緊張感がある状況でしたけど、すごく良い演奏をしたし、みんなの気持ちも届いて超良い夜だったんじゃないか、と本当に思います」と晴れ晴れとして顔で充実感を話した。CHOJIはこの日のために、MCで何を話そうか数日前から考えていたが、しっくりくる言葉が浮かばなかったそうだ。「感謝を伝えたい気持ちが、生きてきた中で1番みなぎっているんだよね。もう爆発しそうなんだけど、どうも言葉が足りない感じがしていて。
<中略>言葉では上手く伝えられんけど、僕にはレスポールというギターがあるからね。何より、俺がギターを奏でて、3人が歌って演奏して、クルーとして作り上げた今日のステージで何か感じてもらうことが、すべてじゃないかなって。もはや言葉は要らないなって。1本1本のステージが僕の全て……そういう答えに行きつきました」と万感な思いを口にした。

YUは「TOXIC TOUR」を通して、ライブとは何かを今一度考えたという。「結局は音楽の”生演奏の場”なんですけど、生演奏を届けるだけでは僕は満足できなくて。それ以上の何かをみんなにぶつけて、みんなも僕らにぶつけて、その化学反応を感じ合う。明日から始まるそれぞれの人生を、この日を糧に進んでいける場になったら良いんじゃないかなって。そう思ってステージに立たせていただきました」。

YUは宙を見て、誰かを思い浮かべるように再び話し始めた。「知っている人もいるかもしれないですけど、『TOXIC TOUR』の初日・札幌公演が終わった後に、僕の祖母が亡くなりました。94歳だったので大往生。
僕は世の中の孫では婆ちゃんと一緒にいる時間が長かっただろうから、すごくラッキーな孫だなと思います」。そんなYUは祖母から教わったことがある。「”仕事”の仕を”志”と書いて、それを志事にしなさい。志を高く持った志事を生涯かけてやり通しなさい。いかなる時も愛と勇気を持って前進せよ、というのが婆ちゃんの言葉です。今、天国にいると思いますが、その言葉を自分の中で消化して、改めてI Dont Like Mondays.のフロントマンとしての志事を生涯かけてやり通したいと思います。俺らはこのツアーを通してまだまだ伸び代あるな、と思いました。なので、みんなも自分たちの可能性を信じて、また明日から”輝く明日”を作ってください」。メンバーそれぞれが感動的な思いを伝えてラストは「PAINT」「WE ARE YOUNG」を演奏し、有終の美を飾った。

I Don’t Like Mondays.初のZeppツアー完結、Zepp DiverCityで示した更なる可能性


そんな彼らは12月に新曲「切ないラブソングはいらない」の配信リリースが決まっており、12月12日に東京・Spotify O-nestでリリースパーティ「”切ないラブソングはいらない”夜」を2部構成で開催することが決まっている。まだまだ、アイドラの2025年は終わらない。

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