開演時間になり、場内の明かりが落ちると同時に荘厳な音が流れ、スポットライトがステージを青く染めた。
続いてYUが「Ladies and Gentlemen.今日は君たちの心に火をつける」と告げて、2曲目は「FIRE」へ。3曲目「Shadow」ではSHUKIのパワフルなドラミングで始まって、そこにCHOJIの妖しいギターとKENJIの華麗なベースラインが乗り、YUのスケール感とスモーキーな歌声が合わさって、アダルトなステージングで魅了した。次曲「WOLF VIBES」は「ツアーファイナル! お前らの声を聞かせてくれ!」と言って、コール&レスポンスで会場の一体感とグルーヴを創出した。
YU(Vo)
4曲を間髪入れずに届けたところで、改めてYUがマイクを握る。「あっという間に『TOXIC TOUR』のファイナルを迎えさせていただいております。初のZeppツアー、各所を回って最高状態で君たちの前に立っています。今日はみんなの日常を忘れさせましょう」と声高らかに宣言。そして、不敵な笑みを浮かべて「我々はいつも冷静、そしてクールに社会の荒波を乗りこなしていく。you know what? my name is……MR.CLEVER」と言って「MR.CLEVER」を投下した。そこから滑走路を走るように、ライブはさらに勢いを増していく。
KENJI(Ba)
CHOJI(Gt)
MCに入りCHOJIは観客に「最後まで力を振り絞っていってください」と話し、SHUKIは「僕ら史上、一番準備に時間をかけたツアー」と本ツアーに賭ける思いを説明。KENJIは「僕らはデビュー11周年が経ったんですけど、そのすべてが『TOXIC TOUR』に詰まっています」と意気込みを話した。
「With you」「Change」を演奏すると、ここで珍しい演出を見せた。SHUKIがステージ中央に移動し、MPCを使って巧みなビートメイキングを披露すると、そこにKENJIも加わり2人でセッションをして大きな歓声が上がった。そしてCHOJIも参加し、YUが「まだまだ行けるかい?」と言って「Freaky boy」が始まった。フロアではみんなが手を叩きながら思い思いのステップを踏み、アイドラの音楽に心と身を預けて酔いしれる。興奮した場内を見ながらYUは歌を飛ばした「We're on the dance floor」(私たちはダンスフロアにいる)と。その後は「LEMONADE」「kiriがないですわ」とアーバンなダンスナンバーを連発し、気づけばライブは終盤を迎えた。
SHUKI(Dr)
YUは晴れやかな表情でマイクを握った。「この日のために我々はガムシャラに走ってきました。今日はみんなと一緒に騒いで、最高にエネルギーをもらった。
4人がステージを後にすると、すぐにアンコールが起きた。「ここからは撮影可能」というアナウンスが流れると、みんなが携帯を取り出してステージにカメラを向けた。再び4人がステージに姿を見せて、一発目に届けのはSnow Manに提供した「LOVE TRIGGER」。何度も熱狂の沸点を更新させる4人には、国内外のステージで鍛え抜いた力量を感じた。
KENJIはこの日、何度も嬉々とした表情で「楽しい」と口にした。「僕ら11周年を迎えて良いことばかりじゃなくて、大変なこともあったんですけど、こうしてみんなとライブで騒ぐたびに、バンドをやっていて良かったなと思えるんですよ。もっと大きな舞台に立って、さらに大きなI Dont Like Mondays.を皆さんにお届けしたいと思っています」と伝えた。
SHUKIは去年の10周年で様々な試みをして、これまで支えてくれたファンに感謝の気持ちを返そうとしたが、まだまだ返し足りなかったという。「だからこそ、今回のZeppツアーは本当にやれる限りを尽くそうと思ったんです。多分、過去イチ準備をするのが早かったんじゃないかな。このライブでしか使わない演出や音を色々と用意して、いざツアーが始まってからも、毎ライブが終わるたびに『これで良いのか?』『もっと良くできないか?』と話し合いを繰り返した結果がコレなんですけど……楽しかったですか?」とフロアに尋ねると、満面の笑みで「楽しかった!」と声が返ってきた。
CHOJIは「最高やなぁ、ほんまに。今日はカメラもたくさん入っていて緊張感がある状況でしたけど、すごく良い演奏をしたし、みんなの気持ちも届いて超良い夜だったんじゃないか、と本当に思います」と晴れ晴れとして顔で充実感を話した。CHOJIはこの日のために、MCで何を話そうか数日前から考えていたが、しっくりくる言葉が浮かばなかったそうだ。「感謝を伝えたい気持ちが、生きてきた中で1番みなぎっているんだよね。もう爆発しそうなんだけど、どうも言葉が足りない感じがしていて。
YUは「TOXIC TOUR」を通して、ライブとは何かを今一度考えたという。「結局は音楽の”生演奏の場”なんですけど、生演奏を届けるだけでは僕は満足できなくて。それ以上の何かをみんなにぶつけて、みんなも僕らにぶつけて、その化学反応を感じ合う。明日から始まるそれぞれの人生を、この日を糧に進んでいける場になったら良いんじゃないかなって。そう思ってステージに立たせていただきました」。
YUは宙を見て、誰かを思い浮かべるように再び話し始めた。「知っている人もいるかもしれないですけど、『TOXIC TOUR』の初日・札幌公演が終わった後に、僕の祖母が亡くなりました。94歳だったので大往生。
そんな彼らは12月に新曲「切ないラブソングはいらない」の配信リリースが決まっており、12月12日に東京・Spotify O-nestでリリースパーティ「”切ないラブソングはいらない”夜」を2部構成で開催することが決まっている。まだまだ、アイドラの2025年は終わらない。
Official HP https://idlms.com/


![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)








