ベッドルームを飛び出して世界に名を馳せ、ミツキ、フィービー・ブリジャーズ、ケイシー・マスグレイヴスなどと共にツアーを廻り、インディー・ロック界でもっとも熱烈に愛されるシンガーソングライターのひとりとなったソフィー・アリソン。デビュー・アルバム『Clean』を2018年にリリースし、翌2019年に初来日。2020年の『color theory』、OPNことダニエル・ロパティンをプロデューサーに起用した2022年の『Sometimes, Forever』を経て、2024年の最新アルバム『Evergreen』も広く絶賛された。
6年ぶりの再来日を記念して、来日ツアーへの想いを語ったショートインタビュー、今回のライブで中軸を担う『Evergreen』の制作背景を語ったロングインタビューの二本立てをお届けする。
左からソフィー・アリソン(サッカー・マミー)、mei ehara
INTERVIEW-1
ジャパンツアーの展望、mei eharaへの共感
ー昨年10月に『Evergreen』を発表してから1年が経過しました。ツアーやフェス出演を通じて、このアルバムに対してどんな反応や新たな発見がありましたか?
ソフィー:このアルバムの曲をライブで演奏し、ファンがそれに共鳴してくれるのを見るのは本当にうれしいことです。『Evergreen』はとても親密な作品で、その親密さはライブでも感じられると思います。
お気に入りの収録曲を挙げるなら「Driver」と「Lost」ですね。「Driver」はとにかく演奏していて楽しくてワクワクするし、「Lost」はとても美しくて、かつ繊細な感情を表現できるところが気に入っています。
ー今回の日本公演では、どんなステージが期待できそうでしょうか?
ソフィー:『Evergreen』の曲を中心に、これまでのアルバムからもそれぞれ数曲ずつ演奏する予定です!
ー今回は6年ぶりの来日ツアーになります。前回の来日時に印象に残っている出来事や、今回楽しみにしていることがあれば教えてください。
ソフィー:前回日本に行ったときは、本当に楽しかったです。
ー日本の音楽も聴いたりしますか?
ソフィー:そこまでたくさん聴くわけではありませんが、フィッシュマンズ、石橋英子さん、青葉市子さんといったアーティストは大好きです。今回のツアーサポートにmei eharaさんを選ぶ前に彼女の音楽を聴いて、とても気に入りました。彼女のライブを観るのが楽しみです。
mei eharaが今年9月にリリースした最新アルバム『All About McGuffin』
INTERVIEW-2
『Evergreen』で追求した「かつてないほどのリアル」
ソフィー・アリソンの故郷テネシー州ナッシュビルでの密着取材で、最高傑作ともいえるアルバムを作るなか、どのようにして喪失と向き合ったのかを語ってくれた。
Text by Angie Martoccio
Photographs by Cedric Jones
装飾を削ぎ落とした「むき出しの感情」
ソフィー・アリソンはトヨタ・ヴェンザのハンドルを握り、ルームミラーにはコインほどの大きさの半透明のクリスタルが揺れている。ナッシュビルのベリーヒル地区を走りながら、彼女は車を減速させ、花々が美しく植え込まれた郊外の一軒家に目を留めた。「昔はお母さんにすごくイラッとしてたの」と彼女は言う。「母は運転中にスピードを落として、『この家、すごくきれい』『あの木にいる鳥、かわいいわね』なんて言うの。私は『運転してよ、ビッチ!』って感じで(笑)。でも今は、私がそれをやってる。
そんな気づきにたどり着くまで、一生をかける人もいるだろう。だが、サッカー・マミーとして活動するソフィー(1997年5月生まれ)は、20代後半にしてその境地に達しているようだ。大人になるというテーマは、この晴れた10月の故郷での一日でも何度も話題に上ったし、最新アルバム『Evergreen』全体にも通底している。彼女は胸をえぐるような一曲「Dreaming of Falling」でこう歌う。〈人生の半分はもう過ぎてしまって/残りの半分もいつの間にか変わってしまった〉
「こう言うとすごくメロドラマチックだけど、実際そんな感じなの」と、彼女はその日の夕方、大きな湯気の立つチキン・フォーの丼を前に語った。「かつていた場所にはもう戻れないし、どうあがいても変えられない。過去は過去のまま。でも時間が経つうちに、今のこの形の中にも幸せを見つけられるようになる」
これこそがサッカー・マミーの二面性だ。「運転してよ、ビッチ!」と切り返すような瞬発力のあるひと言を放つ人物が、同時に、取り返しのつかない変化や喪失を繊細に描くソングライターでもある。だからこそ、彼女はティーンエイジャーの頃、ベッドルームで録った曲をBandcampにアップしはじめて以来、熱狂的な支持を集め続けてきたのだ。そしてキャリアの幕開けからほぼ10年を経た今、『Evergreen』はこれまでで最も率直な作品となった。痛みを赤裸々に記録した、まさにシンガーソングライター然としたアルバムであり、そこには隠し立てのない、むき出しの感情がある。
これまでソフィー・アリソンは、ディストーションの効いたシンセからフロッピーディスクまで、さまざまな音の実験を試みてきた。しかし『Evergreen』では、そうした装飾をすべて削ぎ落とし、あたたかみのあるフルートやストリングスのアレンジにわずかに寄り添うのみ。ここに来てはじめて、彼女は自らの最強の武器、”声”を前面に押し出している。
「ソフィーのすばらしいところは、感情を包み隠さず伝えられるところだ」と、アトランタで『Evergreen』をプロデュースしたベン・H・アレンは語る。「彼女の感情はすべてそのまま表に出ている。隠し立てがない。このアルバムは喪失、悲嘆、脆さについての作品だ。そういう曲が誠実でリアルに響くためには何が必要なのか──そして、彼女の感じていることを聴き手がどうすれば心から共有できるのか──それを突き詰めていったんだ」
ソフィー・アリソンの素顔
ソフィーはかつて2002年式のフォードのピックアップトラックに乗っていたが、それは2023年の夏に壊れてしまった。新しいハイブリッドトラックを買おうかとも考えたが、どうにもピンとこなかったという。「マッチョで、ゴツくて、ちょっとダサい感じがして」と彼女は言う。もっとも、彼女ならそれすら乗りこなせただろう。「巨大なマッスルカーをブンブン乗り回すこともできたのにね」と冗談めかして笑う。
代わりに、彼女は昨年6月にヴェンザを購入した。以前から乗っているスバル・アウトバックと2台体制だ。どちらの車も、長年のパートナーでありサッカー・マミーのリードギタリストでもあるジュリアン・パウエルと共有している。「新しい車のほうが燃費もいいし、今ではどっちもスバルに乗りたがらないの」と彼女は笑う。「この車がちょうどいいバランスなんだよね」
その言葉はとても理性的で、落ち着いていて、責任感さえ感じさせる──だからこそ、ギターを前面に押し出した『Evergreen』のシングル曲「Driver」との対比が際立つ。そこではソフィーが、車を恋愛のメタファーとして使いながら、張りつめた緊張感を描き出している。〈あなたが望むなら、私が運転する〉と彼女は歌い、やがてその声は陰りを帯びる。〈彼はもう私を離れない/たとえ離れたくても、逃げ道なんてない〉
「Driver」は、長く続く愛を歌うという点で稀有なロックソングだ。刹那的な恋に負けないほどのドラマを宿している(同じく昨年リリースされたワクサハッチーの「Right Back to It」も、その好例だろう)。「私はいつも道に迷ってばかり。曲がるべきところをよく間違える」と彼女は言う。恋愛を”運転”になぞらえながら、こう続けた。
彼女は続ける。「悲惨な恋愛ドラマを見るのは大好きだけど、実際に自分の人生でそんなことを望んでるわけじゃない。みんなが本当に求めているのは”理解されること”なんじゃないかな。自分のことをちゃんとわかってくれて、心のレベルでつながれる人がほしいんだと思う」
住宅街の道を抜けながら、車内のスピーカーからはブリトニー・スピアーズの「Piece of Me」が流れ、そのあとにはジュリアナ・ハットフィールド・スリーの『Become What You Are』から何曲かが続く。ソフィーは、自分の物語が始まった場所を案内してくれた。「生き地獄みたいだった」と彼女が形容する中学校。かつて幽霊を見たとほぼ確信している墓地。高校時代にオーナーの息子が「ぶっ飛んだレイヴ・パーティー」を開いていたという、今は閉店した中華料理店ラッキー・バンブー。
しばらく走ったあと、私たちは「Sam & Zoes」という、木のぬくもりが感じられる可愛らしいカフェに立ち寄った。ソフィーはもう何年もここに通っているそうで、いつも頼むのはアイス・ダーティチャイだという(コーヒーには普段アーモンドミルクを使うけれど、このドリンクだけは普通のミルクで飲むのが一番おいしいらしい)。
私たちは店の前のポーチ席に腰を下ろした。ソフィーは黒いセーターにドクターマーチンという、全身ブラックの装い。
お気に入りのドリンクをひと口すすり、ブルーベリーマフィンを少しかじりながら、彼女はこのあと行く予定のラドナー湖の美しいトレイルについて話してくれた。サギが見られるらしいが、バードウォッチングが趣味というわけではない。「カッコいいとは思うけど、正直そんなに興味ない」と笑う。「でもまあ、年を取ったらそうなるかもね」。その後、結婚や子どもについて話を振ると、彼女は同じように率直で、どこか含みのある返答をした。最近、そうしたことを少し考えるようになっているのかもしれない。
「年を重ねるごとに、自分が変わってきたなと思う。若いころは興味がなかったことに惹かれるようになってきた」と彼女は穏やかに語る。その言葉自体が、まるでこれから書かれる歌詞の一節のように聞こえる。「いまは”趣味の時間”ね。家にいるときは自由な時間がたくさんある。ライブやツアーではめちゃくちゃ忙しくなるけど、家ではほとんど孤独。それが私にとってはいちばんバランスが取れてるの。集中するか、完全に自由でいるか──そのどっちか」
そんな自由な時間には、望遠鏡で星を眺めるのが好きだという。冗談めかして「アマチュア天文学者よ」と笑うソフィー。映画もよく観るほうで、一日に何本も観ることもある。インディー系の映画館ベルコート・シアターに行くこともあれば、自宅で観ることもある。最近では『ビートルジュース』の新作続編や、オーブリー・プラザ主演の『マイ・オールド・アス ~2人のワタシ~』、そしてデミ・ムーアとマーガレット・クアリーが出演する衝撃的なホラー映画『サブスタンス』を観たそうだ。
後者について彼女はこう語る。「序盤はもっと削ってもよかったと思う。”女性の老いとフェミニズム”ってテーマを前面に出しすぎてたかな。そこまで叩き込まなくてもいいと思うの。テーマとしてはもう新鮮さがないし。でも途中からボディホラーに振り切れてからは最高だった。あのあたりでやっと、『あ、これは本当にいい作品だな』って思えたの」
一方で、2006年のティーン向けコメディ『モテる男のコロし方(John Tucker Must Die)』に関しては、彼女ははるかに寛大だ。最近作ったLetterboxdのアカウントでこの作品に★5をつけ、コメントはただひと言「Yes.」だけ。「完璧なの」と彼女は笑う。「年に3回は観てる。欠点なんてひとつもない。10点満点中10点」
「喪失」を歌にする
私たちはラドナー湖の西側駐車場に到着し、ビジターセンターを抜けていく。そこには南北戦争時代の遺物(160年前の銃弾や、どこか不気味な写真)から、アカオノスリの教育映像、さらには鳥の鳴き声が流れるトイレまで揃っている。天気は典型的な秋──日陰は凍えるほど寒く、日向はやわらかく暖かい。ソフィーは「存在するすべての木にアレルギーがある」と言いながらも、この場所にはよく足を運ぶのだという。私たちは2マイルほどのトレイルに出て、シカやカメ、もちろんたくさんのサギたちに出会った。
そのうちの一羽、堂々とした姿のサギを見たとき、ソフィーの記憶がよみがえる。「母もここに来てね、ズームで撮った写真を送ってくるの」と彼女は笑いながら言う。「で、私は『こんなひどい写真見たことない! 全然近くにいるのに!』って返すの」
『Evergreen』全体には”喪失”の影が差しているが、ソフィーはその背景となった出来事について詳しく語ることを避けている。彼女はこれまでも、母親のがん闘病について何度か触れてきた。とくに2020年のアルバム『Color Theory』ではそのテーマが色濃く表れていた。(〈愛しても足りない/終わるころにはあなたは土の下にいる〉──当時、彼女はそう歌っていた)。今回の『Evergreen』でも、タイトル曲における〈2年経った今も、私はまだすべてを思いめぐらせている〉という一節や、「M」での〈あなたが恋しい/玄関の前で鍵の音を待つ忠実な犬のように〉という痛切な歌詞を聴けば、彼女がどんな時間をくぐり抜けてきたのかは、容易に想像がつく。
幸いなことに、サッカー・マミーの熱心なファンたちは、ソフィーが悲しみと向き合うための時間を尊重している。「彼女のプライバシーを深く尊重しているので、見知らぬ立場の自分があれこれ憶測を語るつもりはありません」と、あるファンはRedditに書き込んでいた。「親を失うことは過酷な経験です。もし彼女(=母親)が亡くなっているのなら、どうか安らかに。そしてソフィーとその家族が癒しを見つけられますように」
ソフィーは、そんなファンの存在に感謝しているという。「みんな、私が差し出すものをいつだって真剣に受け取ってくれる」と彼女は言う。とはいえ、自分が世界に何をどこまで共有するかという線引きは、簡単なことではない。
彼女はこれまで、音楽でもインタビューでも、自身の不安や鬱について率直に語ってきた。2022年のアルバム『Sometimes, Forever』では、シルヴィア・プラスの自殺をモチーフにした楽曲を歌い、「正直、なぜ彼女がそうしたくなったのか、想像できてしまう自分がいた」と筆者に語ったこともある。それでもソフィーは、”ミュージシャンには正直であることが求められる”という風潮については、複雑な思いを抱いているのだという。
「みんな、そういう話題をしたがるけど、いざ助けが必要になったときに、ちゃんと理解してくれる人はほとんどいない」と彼女は言う。「音楽の世界ではメンタルヘルスの問題がよく語られるようになったけど、私自身がそのことを話すと、いつも気分が良くないの。人に聞いてもらうために、自分のとても個人的でプライベートなことまでさらけ出す必要なんて、本当はないはず」。彼女はまた、活動を一時的に止めることがキャリアに及ぼすリスクも十分に理解している。「”メンタルヘルスのために休む”って決めたところで、成功に近づくわけじゃない」と付け加える。「心の病なんて、スケジュールには組み込めないもの」
『Evergreen』のプロデューサー、ベン・H・アレンは、彼女から制作の相談を受けた時点ですでにサッカー・マミーのファンだったという。「最初の電話で1時間くらい話し合った。アルバムのこと、そして彼女の母親のこともね」とアレンは振り返る。「そのとき、彼女が抱えている喪失の強さ、感情の深さをはっきりと感じた。それは胸に迫るものだったよ。彼女の曲の前では、ただ謙虚になるしかなかった」
最終的に、彼女をいちばん幸せにするのは、まさにその強烈な感情を歌にし、ステージで表現することだ──『Evergreen』の多くの楽曲でそうしているように。「この作品の核にあるソングライティングにはすごく誇りを感じている」と彼女は語る。「これまではいつも、変わったことを試したり、型を破るようなプロダクションにわくわくしていた。でも今回は、ちゃんと”自分らしい”と感じられるものにしたかったの。ほんとうに正直な作品にね」
フルートやストリングスといった穏やかな音色を除けば、サウンドはきわめてミニマル。『Evergreen』は、まるで彼女がまだニューヨーク大学を中退する前、Bandcampに自作曲をアップしていた頃への原点回帰のようでもある。その後、彼女はフルタイムのミュージシャンとなり、2018年に鮮烈なデビュー作『Clean』を発表した。「今でもBandcamp時代の曲をリクエストしてくれる人たちがたくさんいる」と彼女は言う。「この新しいアルバムは、あのころとつながっている気がする。ただ曲を書く──それ以上の野心を持たずに音楽と向き合っていた、あのころの純粋さ。その感覚がまた戻ってきたように思うの」
ありのままの日常、将来のビジョン
インディー・ロック界でもっとも愛される声のひとりでありながら、ソフィー・アリソンの暮らしはいたって普通だ。ナッシュビルではファンに気づかれることも多いが、日常生活に支障をきたすほどではない。「”もうこれ以上有名になりたくない”とか、そういうことを思ってるわけじゃない」と彼女は言う。「でも、このくらいの規模なら、まだ自分らしくいられるの」。友人の多くは、音楽活動を始める前からの付き合いだそうだ。「夜の9時半に誰かと出かけてないときは、キャンドルを灯してお風呂に入って、雨の音を流しながら早めに寝てる」と笑う。
音楽業界の人とはそこまで頻繁に連絡を取らない。ツアーで一緒になった仲間──Bullyのアリシア・ボグナノ、スネイル・メイルのリンジー・ジョーダン、ササミ・アシュワース、そして昨夏エリオット・スミスの「The Biggest Lie」を共にカバーしたフィービー・ブリジャーズくらいだ。「みんなが住んでるような大都市に住んでないから」とソフィーは言う。「じゃあFaceTimeで延々しゃべるの?って話でしょ。私、電話でのコミュニケーションが苦手なの。あんまりテキストも送らないし、誰かに電話をかけることもほとんどない」
一方で、同じナッシュビル出身のアリシア・ボグナノとは、ツアーがないときに顔を合わせることもある。「ツアーを仕事にしてると、地元の友だちとの関係を保つのが難しい」とアリシアは話す。「でもソフィーがいると、”よし、2カ月ツアーに出るけど、戻ったら一緒に映画行こう”って言える。それがすごくありがたい」
映画デートにはちょっとした”お決まり”があるとアリシアは言う。「ソフィーはコカ・コーラ味のアイススラッシュ、私はブルーラズベリー味を頼むの。で、毎回ちょっとした論争になんだよね。ソフィーは『ブルーラズベリーのアイスは、顔中に食べ物をつけた子どもが飲むもので、コーラ味のほうが大人っぽい』って言うの。それに私は『そんなのナンセンス!』って返す(笑)」
筆者とソフィーの7時間にわたるひとときは、ナッシュビル西部のシャーロット・アベニュー沿いを中心にいくつもの場所を巡った。ヴィーガンではないのに、コーヒーショップ「Headquarters」でヴィーガンデザートを楽しみ、古本屋「Rhino Booksellers」では、2002年刊行のシェリル・クロウの伝記『No Fool to This Game』を手に取った。彼女は子どものころ、シェリル・クロウをはじめ、ブリトニー・スピアーズ、ケリー・クラークソン、ヒラリー・ダフといった2000年代初期のポップスターたちを敬愛していたという(7歳のときに初めて行ったコンサートはヒラリー・ダフだったと、このあとバーで話してくれた)。
巨大なショップ「Great Escape」に立ち寄る。そこはヴィンテージのテレビゲームからレコード、コメディ『The Kids in the Hall』シーズン1のDVDまで、あらゆるものを扱う宝庫のような店だ。ソフィーは棚をざっと眺めながら古い映画コーナーへ進み、彼女お気に入りのホラーセクションに案内してくれる。「『ハムナプトラ』がホラーに入ってるの、これで2回目よ」と、1999年の大ヒット作のDVDを手に取りながら言う。「これはちょっと納得いかないな。私なら”ファンタジー”に入れる。『インディ・ジョーンズ』をホラーに入れないでしょ?」
次に彼女が手に取ったのは、クリステン・ベル主演の2006年の映画『パルス』。「これ、買わなきゃいけないかも」と笑う。酷評されたテクノホラー映画だが、「ジュリアン(※パートナーのジュリアン・パウエル)とずっと冗談で言ってるの。”実はめっちゃいい映画だったらどうする?”ってね」
その日の締めくくりは、ホットピンクのピクニックベンチが並ぶおしゃれなカクテルバー「Ottos」の裏庭テラスで、チップスとケソをつまみながらの時間だった。ソフィーは髪を耳にかけ、顔をこちらに向ける。顔周りの金髪のハイライト部分──いわゆる”マネーピース”──は6週間ごとにブリーチして染め直しているという、手のかかるスタイルだが、そろそろ変え時かもしれないと感じているようだ。もしかして、2020年の『Color Theory』期に見せていたツインテールに戻す?「いや、それはない」と彼女は笑う。「あの頃は、そういう気分だっただけ」
『Evergreen』は、サッカー・マミー名義での4作目のアルバムだ。この名前はもともと、彼女がまだ無名だった頃に冗談でつけたTwitterのハンドルネームだったという。ソフィーは、将来的には自分の本名で作品を発表する可能性もあると考えている。「年を重ねたら、いつかは変わると思う」と彼女は言う。「サッカー・マミーとしてずっとやっていくわけじゃないしね。ちょっと若々しすぎる名前でもあるし。40歳になった自分を想像してみてよ──『そう、私はサッカー・マミーです!』って(笑)。」
2025年を皮切りに大規模なワールドツアーが始まる予定だが(※取材は前年実施)、彼女はそれをまったく気負っていない様子だ。新しい車と同じように、ツアーの旅路にもバランスを見出しているのだろう。「毎晩、バスの寝台に潜り込むのは私が一番早いの。ベッドにこもって本を読んだり、Nintendo Switchで遊んだりね」。
「この仕事が好きなのは、頭を使って”仕事をしている”って考えなくていいところ」と彼女は言う。「ただ毎日ステージに立って演奏する。それだけでいいの。ここにいられること──それがすべて」
From Rolling Stone US.
SOCCER MOMMY JAPAN TOUR 2025
2025年12月2日(火) 大阪・LIVE HOUSE ANIMA
2025年12月3日(水) 東京・LIQUIDROOM
Guest: mei ehara(東京公演のみ)
OPEN 18:00 START 19:00
スタンディング 前売り:¥7,000(ドリンク代別)
詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=4442


![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)








