大阪出身のロックバンド・ハンブレッダーズが初めて主催するGALAXY PARK(通称:ギャラパー)が、10月19日に大阪城ホールにて開催された。「自分の人生を豊かにしてくれた音楽、そして自分が生まれ育った大阪という街に、バンドで何か恩返しが出来ないだろうか」という思いを胸に始まったこの企画。
現在ライブハウスシーンで活躍する次世代ロックバンドにとっての新たな目標や、バンドを始めるきっかけとなるイベントにもなればともYouTubeで話していた。また関西のライブハウスで育った彼ららしく、インディーズ時代から付き合いのあるHOLIDAY!RECORDSやFM802で活躍するラジオDJ樋口大喜などが会場BGMやフードに関わり、対バンのみならず随所に関西ライブシーンへの愛を感じるイベントとなっていた。この記念すべき初回にはハンブレの盟友とも言える8組が集結し、見事SOLD OUTを記録。そんな超満員の中で見せたハンブレ含む9組のライブをレポートする。(遊津場)

16:00~@PARK STAGE ハルカミライ

ライブハウスシーンに新たな遊び場爆誕、ハンブレ主催フェス<GALAXY PARK>レポ

ハルカミライ(Photo by 堤 瑛史)

特に鮮烈なインパクトを残したのが「アストロビスタ」。歌い出しの歌詞を〈眠れない夜に私 大阪城ホールに来たんだ〉と替えて歌った橋本学(Vo)は、ハンブレッダーズのライブにおけるお決まりの台詞「スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました」を引き合いに出しつつ、「俺は上のほうにいた」「ぶいぶい言わせてた」「でも、クラスの端にいる奴にも話しかけにいくいい奴だった」と自身の学生時代を振り返り、「だから、これからも付き合ってちょうだいよ」と告げた。そして再び〈眠れない夜に俺は ハンブレッダーズを聴くんだ〉と歌詞を替えて歌い、「ムツムロは孤独な歌が多いけど、そのおかげで今日みたいな居場所があるんだよな!」と会場に力強く呼びかけた。並々ならぬ大歓声。突き上がる無数の拳。その熱く輝かしい光景を見た橋本が、「同い年の奴らが、こうやってでけえことやってると刺激もらいます」と呟いた一幕も忘れられない。(松本侃士)

セットリスト
1. 君にしか
2. ファイト!!
3. カントリーロード
4. ファイト!!
5 俺達が呼んでいる
6. フルアイビール
7. 春のテーマ
8. ウルトラマリン
9. PEAK'D YELLOW
9. アストロビスタ
10. 世界を終わらせて
11. エース

16:15~@SCHOOL STAGE ナードマグネット

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ナードマグネット(Photo by 渡邉一生)

ギャラパー公式Xのコメントで予告した通り、須田亮太(Vo.Gt)は登場時に2014年のライブ後にハンブレからもらった2ndデモCDをフロアに見せたり、『プロムクイーン』の演奏前には「大昔にムツムロくんがカバーしてくれた」、『FREAKS & GEEKS』の曲中では「でらしがこの曲褒めてくれた」と関係性の見えるセットリストでライブを展開。ハンブレが「大阪のバンド史上1番良い曲」と何度も話した『Mixtape』も<We are infinite!>の大合唱で大盛り上がり。
『YOUR NEW FAVORITE BAND』では「まっちゃん! 吉野! 見てるかー!」とハンブレ元メンバーの名前を叫ぶ場面もあったが、それも彼らじゃないとできないだろう。話したいことは積もるほどあることも感じさせつつ、30分にしっかり8曲詰め込み、2014年より凄みを増した”ヤバいバンドの生き様”を見せ続けた。(遊津場)

セットリスト
1. 僕しか知らない
2. THE GREAT ESCAPE
3. プロムクイーン
4. FREAKS&GEEKS
5. C.S.L.
6. Mixtape
7. YOUR NEW FAVORITE BAND
8. ぼくたちの失敗

16:50~@GALAXY STAGE キュウソネコカミ

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キュウソネコカミ(Photo by 松本いづみ)

GALAXY STAGEの幕開けを告げるにふさわしいナンバー「GALAXY」からスタート。ヤマサキセイヤ(Vo・G)は、東京に行ってもブレずに活動を続け、しかも地元・大阪でフェスを立ち上げたハンブレッダーズの男気を称賛した上で、「これを機に俺たちは『GALAXY PARK』にしがみつき続けていく」「たまに小さい箱に呼んでボコボコにする夜を作っていく」と宣言。その後も一斉ジャンプとコール&レスポンスを次々と巻き起こし、「DQNなりたい、40代で死にたい」では、最前ブロックの観客の上に立つヤマサキが、木島をステージに呼び込む。木島は、「筋斗雲」と書かれた黄色の板に乗り、神輿のように担がれながら観客の頭上でヤマサキと合流。きっと木島にとって一生忘れられない思い出になったはず。「ムツムロが好きな曲って言ってくれた曲」であるという「私飽きぬ私」は、両バンドの共振性を感じられる曲で、特にグッときた。(松本侃士)

セットリスト
1. GALAXY
2. ネコカミたい
3. 変な踊り
4. The band
5. ビビった
6. DQNなりたい、40代で死にたい
7. 私飽きぬ私
8. 家

17:20~@SCHOOL STAGE KOTORI

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KOTORI(Photo by 渡邉一生)

「もうハンブレッダーズには僕ら演奏で見せるしかないんで!」という横山優也(Vo.Gt)の言葉通り、圧倒的なスケールを感じさせる演奏で何度も会場から魂溢れる拳と絶叫シンガロングを引き出したKOTORI。確かにYouTubeで言っていた通り、ハンブレとアプローチは違うのかもしれないが、少年性とノスタルジーを感じさせる音楽で今日ここにいる全員を一人として置いていかない音楽をしているのは同じだった。この2組は参加していたスペシャ列伝ツアーがコロナで中止になるなど苦しい経験も共にしてきた。そんな夜を何度も超えてきての、その時からハンブレが好きな曲だという『トーキョーナイトダイブ』の響きは格別だ。
最後の『SKY』の前には「青空も宇宙も、これからも一緒にハンブレと飛び回って、皆で良い景色を見に行きたいと思います」とも。是非これからも一蓮托生でお願いします!(遊津場)

セットリスト
1. RED
2. Masterpiece
3. 秘密
4. TND
5. ジャズマスター
6. 素晴らしい世界
7. SKY

17:40~@PARK STAGE 岡崎体育

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岡崎体育(Photo by マスダレンゾ)

驚くべきことに、バンド編成でライブが幕を開ける。ベースはでらし(ハンブレッダーズ)、ギターは須田原生(Bentham)、ドラムは鈴鹿秋斗(夜の本気ダンス)。快活なバンドサウンドを背に受け、自身もエレキギターをかき鳴らしながら「なにやってもあかんわ」「Hospital」を熱唱する岡崎体育の姿が非常に新鮮で、何よりとても楽しそう。MCでは、バンドを組んだ3人と一緒に、スタジオに入って練習したり、その後カウンターに並んでラーメンを食べたりしたことを振り返りつつ、「バンドっていいな」と感慨深げに語った。しかし、それは壮大な前振りに過ぎず、続く「FRIENDS」では、お馴染みの"メンバーの人数によってギャラが折半される"くだりでこの日の出演バンドをいじりまくり、ハンブレッダーズに対しても、「ギャラはパー(=GALAXY PARK)みたいなもんなんだよ」と容赦なくいじり倒してみせた。ラストの「Q-DUB」も大爆笑&熱狂の嵐だった。(松本侃士)

セットリスト
1. なにやってもあかんわ
2. Hospital
3. フランスパンゲーム
4. FRIENDS
5. XXL
6. Q-DUB

18:25~@SCHOOL STAGE ズーカラデル

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ズーカラデル(Photo by 渡邉一生)

吉田崇展(Vo・G)が、「漂流劇団」の歌詞を〈ハンブレが大阪城ホールを埋めたって また次の幕が上がる〉と替えて歌うという、とてもエモーショナルな幕開け。次に、鷲見こうた(B)が「大いなるGALAXYに祈りを捧げましょう」と呼びかけ「ムーンライトにお願い!」へ。続けて、ハンブレッダーズを讃え上げる意味を込めて「大喝采」を披露。鷲見は、2016年から始まったハンブレッダーズとの交流の日々を振り返りつつ、友達であり仲間である彼らにリスペクトを表明。そして、初開催の同フェスについて、「みんながずっとついていきたくなるような1日になるよう頑張ります」と力強く宣誓した。
次に披露されたのは、吉田いわく「ムツムロ君が褒めてくれた曲」であるという「ダダリオ」。ズーカラデルの熱い想いが共有されたからだろうか、後半からラストにかけて、一体感と高揚感がさらに際限なく高まり続ける展開が続き、胸が熱くなった。(松本侃士)

セットリスト
1. 漂流劇団
2. ムーンライトにお願い!
3. 大喝采
4. ダダリオ
5. ポイントネモ
6. シーラカンス

18:30~@GALAXY STAGE KANA-BOON

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KANA-BOON(Photo by 松本いづみ)

大量のタオルが回るなどブチ上げた前半。そこからMCで谷口鮪(Vo.Gt)は他のメンバーには愛してると言った後に「木島はタイプじゃない」とイジると、木島が出てきてひと盛り上がり。谷口が「覚えとけよ!」と言った後の『ないものねだり』の曲中では「木島のこと好きです」と言って(モニターに映った木島もピース)、木島の名前でコールアンドレスポンスも行った。
最後のMCで谷口は「ハンブレの好きなところ1位は真面目なところ」と話し「これから先もお互い真面目同士、10年、20年と長い付き合いをやっていけたらなと思います。もしハンブレがちょっとロンリーな時には俺たちが駆けつけます。可愛い後輩、何があってもKANA-BOONが守ります」と伝えてからの『まっさら』は圧巻の一言。演奏後の「ハンブレの先輩、ロックバンドKANA-BOONでした」という言葉と姿から滲み出る覚悟と矜持を忘れることはない。(遊津場)

セットリスト
1. シルエット
2. SUPERNOVA
3. ソングオブザデッド
4. ないものねだり
5. スターマーカー
6. まっさら

19:20~@PARK STAGE マカロニえんぴつ

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マカロニえんぴつ(Photo by 堤 瑛史)

ハードさとソフトさ。モダンさとレトロさ。様々な感触のあるサウンドにはっとり(Vo.Gt)のエモーショナルなボーカルが合わさると、ホール規模でも近距離で強く訴えかけられているように感じさせる。
MCではしのぎを削ってきた希少な同世代バンドとして「刺激を受ける」と言いつつ、GALAXY PARKという名前にしたことに「このXとYがカッコよかっただけだと思うの」とイジるところに仲の良さも感じた。中盤以降も「同級生こんだけカッコいいことできるぞ!と肩ブン回してる状態」という言葉通り、一層ギアを上げてバラエティに富んだ楽曲を繰り出した。それは「俺の方が強いカード出せるぞ!」とハンブレとのカードゲーム対決を楽しんでいるようだった。最後は「もう呪われてしまったので、お前らと同じようにこれからもずっとロックバンドやります」と伝えてからの『ミスター・ブルースカイ』。天井も雨夜空も突き抜ける開放感だった。(遊津場)

セットリスト
1. いつか何もない世界で
2. レモンパイ
3. 化け物
4. 愛のレンタル
5. はしりがき
6. ヤングアダルト
7. ミスター・ブルースカイ

19:30~@SCHOOL STAGE SEVENTEEN AGAiN

ライブハウスシーンに新たな遊び場爆誕、ハンブレ主催フェス<GALAXY PARK>レポ

SEVENTEEN AGAiN(Photo by 渡邉一生)

力強く躍動する渾身の3ピースサウンド、輝かしい響きを放つヤブ(Vo・G)の歌に呼応するように、天高く拳を突き上げ、懸命に声を重ねていく観客。その光景は、いつものライブハウスの景色そのもの。ヤブは、自分たちが主催する「リプレイスメンツ」に、「またハンブレッダーズに出てもらえるように頑張ります」と決意を表明。その後も3人は、壮絶な轟音を介して観客との熱烈なコミュニケーションを重ねていく。終盤、ヤブは、ハンブレッダーズの「銀河高速」を聴いた時、「マジで俺の歌だ」と思ったことを振り返った。彼はその時、そんな歌を作るハンブレッダーズに対して「すげえな」と思ったと同時に、本当に欲しいものは自分で作るしかないと自身を奮い立たせたという。最後に披露された「シュプレヒコール」の〈新しい流れ見たいのならば 君自身が成るしかない〉という歌詞が、先のMCと相まって特に深く胸に刺さった。
(松本侃士)

セットリスト
1. STAY GOLD
2. ダイヴ
3. 世界は君たちを変える事は出来ない
4. 想像力ばかり育ちすぎどこにも行けなくなった
5. 絶対男じゃイヤなんだ
6. ピリオド
7. リプレイスメンツ
8. 戦争はおわりにしよう
9. シュプレヒコール

20:10~@GALAXY STAGE ハンブレッダーズ

ライブハウスシーンに新たな遊び場爆誕、ハンブレ主催フェス<GALAXY PARK>レポ

ムツムロアキラ(Photo by 堤 瑛史)

主催者として常に会場を歩き回り、開場前には弾き語りライブも行った。SNSもリアルタイムで頻繁に更新し、開演後には出演者のライブをずっと見守ってきた。そんなここまでの頑張りを労うように、リハーサルでステージに現れた時点で会場全体から4人に大きな拍手が起こった。そのリハーサルも『ライブハウスで会おうぜ』で大盛り上がりだった。

そして本編。改めて大歓声で迎えられて「スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました。地球のハンブレッダーズです。よろしくお願いします! 何とかここまで辿り着きました。ありがとうございます!」とムツムロアキラ(Vo.Gt)が挨拶と感謝を告げ、1曲目は『グー』。早速4人と会場全体との合唱となり、大量のグーが掲げられる。ukicaster(Gt)はお立ち台に片足を乗せながらギターを響かせ、でらし(Ba.Cho)はお客さんから発せられる膨大なエネルギーを余すことなく受けるように動き回りながら演奏する。軽やかにかつクリティカルなリズムを生み出す木島(Dr)のドラムも1日の疲れを忘れさせる。
その後もホールの一体感は増していき、クラップやグーだけでなく、歌詞に合わせてピースやパーもしっかり対応。1人1人の指先が輝いて見える美しい景色だった。曲が終わって残響と拍手の中「どこを探しても見つからなかったんで、自分達のフェスを作りました。ありがとう、ハンブレッダーズです」と改めてムツムロが挨拶した後、「元々一人ぼっちの登下校から来ました」と伝えて『DAY DREAM BEAT』へ。歌詞が紡がれるたびに、お客さん1人1人がそれぞれの”あの頃”の記憶とリンクしていき、サビになるとその昔の自分と一緒になって衝動的に拳を上げて歌っている。同時に「あの時の宇宙の景色って、今日のことだったんだ」と噛み締めている表情にも見えた。基本上手側のでらしは、途中下手側にも移動して音を届けていく。それをukicasterが座ってギターを弾きながら見てるのも、なんか良かった。ラスサビ前半は大合唱。それにムツムロは「ありがとう」と伝えると、より力を込めて歌い上げ、しっかり撃ち抜いた。

ライブハウスシーンに新たな遊び場爆誕、ハンブレ主催フェス<GALAXY PARK>レポ

でらし(Photo by 堤 瑛史)

演奏が終わると会場全体からメンバーに向けて呼びかける声が響く。ただ話し始めるとスッと静かになる。さすが真面目なバンドの真面目なファンだと思った。ムツムロは「GALAXY PARK、自分達的には今年1番の大イベントだったんですけど、何とかここに僕たちが立っているということは、めちゃめちゃ大きな失敗とかもなく、何とかここまでは成功しているようです。皆さんのおかげです。ありがとうございます!」と感謝する。拍手が鳴り響くと「やったー! 良かったー!」と安堵し「楽しかったですか?」と問いかけると、大きな歓声が返ってきた。「ホンマは聞きたくないんですけどね。バンドの普段のライブとかではね。今日は主催者としての人格でいっぱい聞きたいことがあって…楽しかったですか? なら良かった! マジでなら良かったですわ、ホンマ…」と安堵と喜びと感謝が止まらない4人。そして「皆最高のライブでした!」と出演者に、「昨日の深夜24時からこの会場を作るために搬入しています。マジで皆さんのおかげでできてます」とスタッフにも感謝を伝えた。「オファーしたバンドが皆出てくれたんですよ。1組も断られてないんです。これって愛でしかないと思うんですよ。今日は大々的にプロモーションをしたわけでもないんですけど、無事に成功しまして。それも第1回のどうなるか分からないイベントを皆さんが信じてくれたっていう、これも愛だと思います。この世界に愛に勝る力はないって確信しました! ありがとうございます!」とムツムロは伝えた。

ライブハウスシーンに新たな遊び場爆誕、ハンブレ主催フェス<GALAXY PARK>レポ

ukicaster(Photo by 堤 瑛史)

そしてイントロが鳴り出し「好きな踊り方で踊ってください」と『DANCING IN THE ROOM』を始める。ステージ上の大きなミラーボールも輝き出して、リラックスしたリズムが大阪城ホールをダンスホールに変える。自由なのはでらしとukicasterも一緒で、2人は隣のPARK STAGEの方まで移動。コーラスがあるのでサビで慌てて戻るのが可笑しかった。続けて「音楽の前では関係ない。君が1人とか、恋人がいるとか、友達がいるとか、目の色とか、肌の色とか、価値観が違うとか、話す言語とか、音楽の前では絶対に関係ないって、今日改めて思いました。俺がギターを爆音で鳴らす時に、堪らず君の心臓をビリビリさせてやる!」と伝えて『⚡️』をプレイ。モニターにムツムロのタッピングが映ると、早速ビリビリする会場。体を駆け巡る電流は次第に強くなっていき、体全身でレスポンスを返していく客席を受けて、さらに4人のスパーク度も上がっていく。これはライブハウスのままの相乗効果だ。アコースティックライブの時に「ここは唯一大阪城が見えるライブハウス」と話していたが、きっちりライブハウスに変えていることが、この曲が作った景色と「ビリビリした?」という問いかけへの反応で改めて見せつけられた。

ライブハウスシーンに新たな遊び場爆誕、ハンブレ主催フェス<GALAXY PARK>レポ

木島(Photo by 堤 瑛史)

「ありがとうしかないです。気の利いた言葉が出てこない」と幸せで溢れているムツムロ。「大阪城ホールでフェスをやるというのは、なかなかないことだと思うんで、自分達の好きなバンドを呼んでやりたいなと思ってやってきました。こうやって大阪を盛り上げられたことに嬉しいなと感謝してます。俺は高校の文化祭の2次会でカラオケに行ったんですけど、Mr.Childrenのバラードを歌って誰よりも盛り下げたことがあるんですけど、今そのクラスメイトの誰よりも大阪を盛り上げてる自信があります。ありがとう!」と話すと会場からも拍手と「ありがとう!」が響き渡る。そして「みんなここに集まっている人は1つになることはなくて、でも限りなく1つになる状態になることはできる。それが音楽の魔法やと思ってます。孤独の大きさは違うし、キャパシティもみんな違うから、同じ気持ちに別にならなくてもいい。ただ同じ気持ちになったような錯覚が音楽の魔法だと俺は思っています。『ちょっとロンリー』という新曲を聴いてください」と話して同曲を披露。でらしのボーカルも交えながら、ユニークとユーモアのあるフレーズや歌詞を時折”君”を指差して届ける。その歌詞の中には<無きゃ作る! 楽しいこと><フェス作って盛り上げる地元><今だけここが世界の中心!>というのもあって、テンションが上がらずにはいられない。最後には各パートのソロ演奏も決まり、「ありがとう、愛してます!」とムツムロが伝えた。

最後にメンバーから一言ずつ。ukicasterは「やって良かった! またやろう!」。木島は「マジで良い景色です。袖とかに出てくれた人も沢山いて、そういう光景が美しいなと思いながらライブしてました。本当に1日ありがとうございました!」。でらしは「対バンのみんな、良いライブありがとう! そして本当に来てくれた皆さんのおかげで素晴らしい1日になりました。本当にもうありがとうしかありません!」。最後にムツムロが「もっかい聞いとこ。楽しかったですか? またやったら来たいですか? 忘れないんでよろしくお願いします!」と伝えた。そして「これからもずっとロックバンドであり続けたいと思います。たとえ時代がHIPHOP主流になろうと、TIkTokに夢中になろうと、僕はこうやって直接会うのが好きやし、ロックバンドとして音楽を鳴らすのが好き。4人で音楽を鳴らすのが好きだからステージに立ってます。バンドバンド言ってたら体育さんに申し訳ない気もするけど体育さん、も今日バンドやったから、バンド最高やなと思った日でした。ありがとうございました!」と感謝を伝え「俺の曲であり、皆の曲であれば良いなと心からそう思います」と最後に『銀河高速』を演奏。暗くも広大なアリーナとスタンドにいる1人1人の笑顔や涙の輝きの広がりを銀河と呼ばずになんと呼ぼうか。4人もよりエモーショナルな演奏と歌唱を全身全霊で届け、最後はムツムロが珍しく「歌え!」と叫んで、最高のシンガロング。最高潮のままライブは終了した。

そのまま「やりきったー!」と叫び、充実感のある表情の4人。そして「1個だけ発表ある」と話し、木島のドラムロールの後、2026年5月24日にムツムロの地元・吹田市の万博記念公園にて『GALAXY PARK in EXPO』の開催を発表した。これに最大限の喜びと祝福を見せるアリーナとスタンド。「さっきまた来たいって言ってたよね?」「言質取りましたね」とイタズラっぽく言う4人。そして最後は4人で感謝を伝え、「吹田で会いましょう」と告げて、第1回のGALAXY PARKは終了した。

演者はもちろん豪華だし、一線級のライブを浴び続けたが、何か物凄く派手な演出があったわけでもないし、それこそ彼らが大事にする京都のボロフェスタのように手作り感もある人の温かみが感じられるフェスだった。

また、演者同士の仲の良さとライバル関係のどちらをもしっかり感じられて、あくまで対バン企画ライブの延長線上にあったようにも思えた。見に来ていた多くの後輩のバンドマンも「この銀河の1つの星になりたい!」と強く思ったことだろう。大阪発のハンブレッダーズがこれからのロックシーンを引っ張るリーダーとしての適任性を非常に感じた夜だった。万博記念公園では、どんな星々が揃うのか。今から楽しみである。(遊津場)

セットリスト
1. グー
2. DAY DREAM BEAT
3. DANCING IN THE ROOM
4. ⚡️
5. ちょっとロンリー
6. 銀河高速
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