実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するプラットフォーム「MODE」が、2025年を締めくくる年内最後のプログラムとして、NYミニマル・ミュージック界の重鎮、アーノルド・ドレイブラット(Arnold Dreyblatt)によるアンサンブル・プロジェクト「The Orchestra of Excited Strings」の来日公演を12月18日(木)に開催する。

NYミニマルの巨星アーノルド・ドレイブラット、8年ぶりの来日公演まもなく ジム・オルーク&石橋英子もアンサンブルに参加

アーノルド・ドレイブラット

異彩を放ち続ける巨星が8年ぶりの帰還

アーノルド・ドレイブラットは、ポール・オリヴェロスやラ・モンテ・ヤングらに師事し、トニー・コンラッドらと共に活動した、NYミニマル・ミュージック・シーン第二世代を代表する作曲家。


70代半ばに差し掛かった現在もその創造性は加速しており、2023年には自身のプロジェクトでの傑作『Resolve』を発表。さらに先月(2025年11月)には、現代USインディ/実験音楽シーンのリズムを更新し続けるバンド、Horse Lordsとのコラボレーション作品を名門RVNG. Intl.からリリースしたばかりだ。

ジム・オルークやオーレン・アンバーチといった現代の才人たちが最大級のリスペクトを送り、若手バンドとも共振し続ける彼は、今なお実験音楽の最先端で異彩を放っている。

ベルリン×日本、5人の「超豪華」アンサンブル

アーノルド・ドレイブラットにとって2017年のSuperDeluxeおよびCCA北九州での公演以来、実に8年ぶりとなる待望の来日公演となる今回のステージのために用意されたのは、2025年の締めくくりにふさわしい超豪華なアンサンブル編成だ。

ベルリン拠点の鬼才コンラッド・スプレンガー(Konrad Sprenger)、多様なコラボレーションで知られるギタリスト/即興音楽家のヨアヒム・シュッツ(Joachim Schütz)に加えて、ドレイブラッドの長年のコラボレーターであるジム・オルーク、そして世界的な活躍を続ける石橋英子の5名による特別編成のパフォーマンスは、二度と再現不可能な必見の音楽体験となるだろう。

会場は東京・赤坂のゲーテ・インスティトゥート東京。2025年の音楽体験の締めくくりとして、これ以上ないプログラムを、ぜひ目撃してほしい。

NYミニマルの巨星アーノルド・ドレイブラット、8年ぶりの来日公演まもなく ジム・オルーク&石橋英子もアンサンブルに参加

左からコンラッド・スプレンガー、ヨアヒム・シュッツ

出演者・関係者からのコメント

◎ジム・オルーク
NYミニマルの巨星アーノルド・ドレイブラット、8年ぶりの来日公演まもなく ジム・オルーク&石橋英子もアンサンブルに参加


アーノルド・ドレイブラットは、かつて自身や同じ方向性を持つ作曲家たちの音楽が生み出す魔法について、これ以上ないほど的確に語っている。
「それはまるでジャグリングのようなものだ。下で何かをすると、上で何かが起こる。」
彼の音楽は、舞台上のスポットライトから視線をそらし、私たちが見過ごしがちな 「絶え間なく動き続ける響きの雲」へと導いてくれる。

◎石橋英子
NYミニマルの巨星アーノルド・ドレイブラット、8年ぶりの来日公演まもなく ジム・オルーク&石橋英子もアンサンブルに参加


15、6年ほど前、私はジム・オルークさんから耳の訓練を焼き鳥屋、あるいはスタジオなどで受けていました。この曲知ってるか?と聞かれて「知らない」と答えるとスパーン!と愛のムチならぬ愛のスカーフによるしばきがございました。
その度にメモってレコードを購入していたものです。
そして、「知らない」と答えた中でも、しばかれる速度、強さ、その時のオルーク氏の目つきが鋭角的であったもの、それがアーノルドさんの『Animal Magnetism』でした。
早速家で聞いて愕然としたのをおぼえています。
楽器のもつ呪縛的な特性からかけ離れた、しかし歴史を感じざるを得ない、錬金術的でエレガントで上質なパンク音楽だと思ったからです。
「なぜもっと若い時にこれを知らなかったのか!」と過去の自分をしばきたくなるくらいでした、、、、。
そんなアーノルドさんの音楽を生で聴くことのできる皆さんはとてもラッキーだと思います。
ぜひ!

◎オーレン・アンバーチ

最高峰の倍音とハーモニクスが、思わず足を踏み鳴らしたくなる「真のロック」と融合している!
アーノルド・ドレイブラットの伝説的な音楽は、拳を突き上げたくなる高揚感と、完全なトランスへと導く美しさを合わせ持つ唯一無二の完璧な組み合わせだ。
これを愛さずにいられる理由なんてあるだろうか?

◎マイク・クベック(SuperDeluxe)

アーノルド・ドレイブラットの久しぶりの来日公演すごく楽しみです!
自分は2017年12月、西麻布スーパー・デラックスで開催したソロとアンサンブルの二日間で念願の生演奏をやっと聴くことができましたが、8年の間は長すぎました。
今回は本当に素晴らしいアコースティックサウンドを持つゲーテ・インスティトゥート東京のホールで聴ける豪華メンバーとのコンサートです。
是非、皆さんに体験して欲しいです。

◎青栁伸吾(Art into Life)

今尚、名作として語り継がれる初のリーダー・アルバム『Nodal Excitation』(1982)から41年、その最初期作のインスピレーションとの対話という形で制作された2023年LP音源『Resolve』。ニューヨーク・ミニマルミュージック・コンポーザー第二世代であるアーノルド・ドレイブラットは、メディア・アートと作曲を並行しながら革新的なアプローチを行って来た。


自身の作品を演奏する事を目的に79年に設立した「ジ・オーケストラ・オブ・エキサイテッド・ストリングス The Orchestra of Excited Strings」は、現在まで多くのアルバムを残しているが、その殆どは過去の録音をアーカイヴする形式が取られ、2000年以降の録音はほぼ作品化されていない。その様な流れの中、『Resolve』には新編成のカルテットで取り組んだ2019、2020年の新録が纏められている。初期のクラシカルな楽器編成とは異なるものの、強靭な推進力を踏襲しつつ躍動の強い反復を表現する事に成功した傑作盤だ。

この度MODEのプログラムとして、氏が率いる「ジ・オーケストラ・オブ・エキサイテッド・ストリングス」が8年振りに来日する。上記アルバムの編成メンバーであるアーノルド・ドレイブラット、コンラッド・スプレンガー、ヨアヒム・シュッツに加え、本公演では石橋英子、ジム・オルークも加わる。この稀有な編成が実現する瞬間に立ち会う事を強くお薦めしたい。

NYミニマルの巨星アーノルド・ドレイブラット、8年ぶりの来日公演まもなく ジム・オルーク&石橋英子もアンサンブルに参加

The Orchestra of Excited Strings

NYミニマルの巨星アーノルド・ドレイブラット、8年ぶりの来日公演まもなく ジム・オルーク&石橋英子もアンサンブルに参加

Arnold Dreyblatt The Orchestra of Excited Strings
WITH Konrad Sprenger / Joachim Schütz
SPECIAL GUESTS: Jim O'Rourke / 石橋英子
日時: 2025年12月18日(木) OPEN 18:00 / START 19:00
会場: ゲーテ・インスティトゥート東京(東京都港区赤坂7-5−56)
チケット: ¥5,500(e-plusにて販売中)
http://eplus.jp/arnolddreyblatt_toes

出演:
Arnold Dreyblatt (Excited Strings, Composition)
Konrad Sprenger (Percussion, Electronics)
Joachim Schütz (Guitar)
Jim O'Rourke (Special Guest)
石橋英子 (Special Guest)

詳細・最新情報:
MODE公式Instagram(@mode.exchange)
https://www.instagram.com/mode.exchange/
編集部おすすめ