Rockon Social Clubが2025年12月24日(水)25日(木)の2日間に渡り、神奈川・横浜BUNTAIでライブツアー「KURE 5-56 Presents Rockon Social Club Tour 2025 FOREVER CALLING -Still Rockin-」のファイナル公演を開催。豪華ゲストを迎えたライブは熱狂的な盛り上がりとなり、ツアーを締めくくった。


本ツアーは、9月5日(金)東京・東京ガーデンシアターからスタート、東京、大阪、福岡、宮城、愛知、神奈川まで、全7会場18公演を巡ってきたもの。ツアー中の11月には、豪華アーティストとのコラボアルバム『THE SHOW MAN』もリリースされた。ツアーファイナルの横浜BUNTAI公演2日間には、このアルバムに参加したスペシャルゲストの出演も発表されており、多くのファンが詰めかけた。このレポートでは、24日(水)の模様をお届けする。

【画像】Rockon Social Club、ツアーファイナルの様子(全9枚)

開演時間の18時ちょうど、場内が暗転して「プンスカピン!(オーケストラver.)」が流れる中、Rockon Social Club (以下・RSC)のメンバー、成田昭次(Vo.Gt)、岡本健一(Gt.Vo)、高橋和也(Ba.Vo)、前田耕陽(Key.Vo)、寺岡呼人(Ba.Gt.Producer)、青山英樹(Dr)がステージに上がると、真っ赤なペンライトで埋め尽くされた客席が総立ちに。青山が「いくぞ横浜ー! ツアーファイナルだ!」と叫び、ライブは「Still Rockin'」からスタート。サングラス姿の成田から岡本へとボーカルがリレーされ、サビで全員の声が重なる。骨太なロックンロールが放つ波動は、大観衆と対峙してもなお圧倒する勢いだ。成田がゴールドトップのレスポールで、トリッキーなタッピングを交えたソロを見せる。バックに4菅のホーンセクションを配したド派手なロックショーが始まった。巨大なビジョンにメンバーがそれぞれ映し出され、「Foxy Lady」へ。高橋、岡本、成田が順番にリードボーカルを取り、前田が体を揺らしながらキーボードをプレイ。
ドラムのフィルからミディアムテンポの「ザ・ファイター」へと続き、高橋が「いくぞー! Hey Hey!」と煽るとペンライトを振って応える観客たち。序盤からバンドの音圧が広い会場を隅々まで支配した。

「OK、横浜! ようこそー! 今年最後のライブ、みんなで集まれるのはこれで最後だよ! 悔いなく盛り上がって行こうぜ! ニューアルバムの曲をお届けします! まずはこれから!」(高橋)。弾むリズムにわくわくさせられるポップス「Tangerine Kiss」(NOKKO & RSC) 。キャッチーなメロディをハーモニーで聴かせ、客席からの歌声や手拍子と合わさって賑やかで明るいムードに。男臭くもあり、かわいらしいメロディも似合うところは、大人の懐の深さだろうか。そんな印象をさらに感じたのが、続く「ポイントちょーだい」。ユニークな歌詞をキメもバッチリ、ハードエッジな演奏に乗せて会場を楽しませた。ブレイクしてメンバーたちが「ポイントちょーだい」と客席を煽ると、共感めいた合唱が沸き起こった。

続く「BACK IN THE CITY」では、岡本の表現力溢れる歌い出しから、成田、高橋が歌い継ぐ。間奏で成田~前田~岡本~サポートキーボードのデビン木下~寺岡~高橋から、最後に青山がソロで爆発的なドラムプレイを見せ、会場は大喝采に包まれた。バンドの一体感は、続くパンキッシュなナンバー「Rolling Thunder Baby」でも存分に発揮され、メンバーがステージ前に出て煽ると熱狂的な盛り上がりに。
勢いそのままに強烈なキックの連打が地を這う「Go To Hell」へ。ヘヴィメタルバンドを思わせるギターリフと豪快なリズムが、強烈な照明演出でさらに魅力を増していた。

Rockon Social Clubが横浜BUNTAIでツアー終幕、堺正章ら豪華ゲストと熱狂的大団円


ここで高橋に呼び込まれて、ゲストの綾小路翔がステージに登場。礼儀正しくステージと客席に一礼してメンバーと抱き合った。「はじめまして綾小路翔です! 俺、本当はみんなと一緒に客席でコブシを上げているはずだったのに、とんでもない奇跡が起きてステージにいます!」と興奮ぎみに語る。恐縮しまくりの綾小路について寺岡が、「今回、思いっきりベタなヤンキーソングにしようということで、翔君の作詞で、素晴らしい曲を僕たちと一緒にコラボしてくれました。翔君は(男闘呼組主演の映画)『ロックよ、静かに流れよ』が大好きなんだよね?」と紹介。綾小路は寺岡のことも中学の頃からの憧れだったと話し、「もう、全方位360度憧れで、生まれてから1番緊張してるかもしれません。”ミネさ”(映画『ロックよ、静かに流れよ』劇中で成田が演じている役名)がいる!と思って」とリスペクトを随所に表しつつ、いよいよ曲へ。「今世紀最高のラブソング!」と綾小路が紹介したのは、綾小路作詞・寺岡作曲による「愛死天流」。オーソドックスなロックンロールに乗せて綾小路が歌い出すと、岡本、成田へとマイクリレー。サビで大合唱となり、「愛してるぜ!」とハートマークを作る綾小路に客席から「キャー!」と歓声が湧き上がった。
さらに「愛死天流(愛してる) 璐薫狼琉(ロックンロール)」のサビ部分では拳を突き上げながら会場中が一体となった。

続いて「アルバム『THE SHOW MAN』がレコード大賞の企画賞を頂きました! 奇跡のようなコラボアルバムができましたので、みなさんの愛聴盤になってくれたら」と作品への想いを寺岡が伝えると、アルバム収録の中でも異色のコラボ、俳優として活躍する段田安則との楽曲「B•A•N」を披露。緩やかに人生の終着点を思わせる歌詞を歌うと、岡本がストラトでいぶし銀のソロを聴かせてその情景を描く。

曲が終わるとピアノが静かに流れ、舞台に登場したBARカウンターで岡本、高橋が「ウェルカム横浜!」と、乾杯して会話を始める。少しすると、「僕らが大好きな、野村義男先生!」とゲストを呼び込む。大声援に迎えられて、野村義男がステージに登場。野村からは、男闘呼組時代、合宿所にいるときにギターを教えてもらったそうで、今回のアルバム参加は久しぶりのセッションになったという。野村の「さっきから聴いてたけど、おまえら激しすぎ。もっと大人の曲できないの?楽器もあるし、やってみようか?」とのひと言から、セッションがスタート。野村、成田がギターでブルージーなフレーズを掛け合いどっぷりとブルースを弾きまくると、「バーボンロック」(アルバムでは⼤友康平 & RSCで収録)へ。ビジョンにはモノクロでステージのメンバーたちが映り、岡本、高橋が楽器を置いて味わい深いボーカルを披露。男闘呼組と、当時野村が所属していたThe Good-Bye、それぞれが活動した80年代頃の若さにはない、人生の酸いも甘いも嚙み分けた男たちのブルースが沁みる。
野村、成田がソロを弾き、岡本と高橋はワンマイクで歌い、前田がシブい佇まいで鍵盤を鳴らす。野村がステージを降りると、後輩、⻲梨和也とのコラボ曲「⻲の恩返し」へ。しっとりと、前田が奏でる鍵盤と成田のアコースティックギター弾き語りを中心に始まり、メンバー全員で言葉を紡いで大きな拍手を集めた。

Rockon Social Clubが横浜BUNTAIでツアー終幕、堺正章ら豪華ゲストと熱狂的大団円


余韻に包まれる会場にパイプオルガンが流れ、「わはははは! 盛り上がっているのか!? ここからが悪魔の時間だ!」と青山が突如告げると、どこからか聞き覚えのある声が。デーモン閣下らしき声とステージ上の青山とのとりとめのないやり取りに客席は爆笑、さらに「3度の飯より!?」「ジュ・テーム!」とコール&レスポンスで盛り上げるとデーモン閣下がRSCの演奏に乗ってステージに降臨。「死ぬほどジュ・テーム」(デーモン閣下&RSC)が披露された。真っ赤に染まる客席に身を乗り出しながら、唯一無二のボーカルで惹きつける閣下。ステージを行き交いメンバーそれぞれと絡みながら大観衆を扇動する閣下に、成田と岡本もメタリックなユニゾンフレーズで追随する。楽曲の最後に、「ジュテーム」のフレーズとともに、脅威のハイトーンを叫んだ閣下に驚きの声が上がった。「吾輩はこんなにストレートに愛してる、と歌う曲は初めてだ」と言いつつ微笑みを見せる閣下の雄姿に誰もがひれ伏した。高橋に、「どうですか、横浜BUNTAIは?」と訊かれた閣下は、「すごい盛り上がりだね。これからもまだ出てくるぞ! さっき大先輩(堺正章)のところに挨拶行ったら、30分も話し込んでしまった(笑)」と、バックステージの模様を明かして場内は爆笑。


Rockon Social Clubが横浜BUNTAIでツアー終幕、堺正章ら豪華ゲストと熱狂的大団円


ストレートなロックチューン「傷だらけの王者」では、高橋がベースを置いてボーカルに専念、寺岡がベースを演奏。キメを連発して会場の興奮を煽る。「OK横浜! まだまだいくぞ!」とハンドクラップを求める高橋。続いて寺岡が「ロックンロールは好きですか!?」と呼び掛けて、「I♡R&R」へ。ステージ端まで足を運び、客席に可能な限り近づきながらパフォーマンスするメンバーたちに、アリーナ、スタンドは大歓声に。ステージを動き回る岡本が前田のもとに駆けつけたりと、バンド間の楽しげな雰囲気も最高だ。

Rockon Social Clubが横浜BUNTAIでツアー終幕、堺正章ら豪華ゲストと熱狂的大団円


すると高橋が「ここで、我らの大師匠を紹介します! ミスター・エンターテイナー! ザ・ショーマン! 堺正章! マチャアキさん!」と、堺正章を呼び込んだ。「こんばんは! 1年前に初めてRSCと一緒にステージに立ちました! 1年間付き合ってると、素性がわかるものですが、みんな純粋に素敵な方なんですよ。だからみなさんに会うのが楽しみですごくうれしい」と胸の内を明かす。RSCメンバー1人ずつに声をかけ、寺岡の前に来ると「お名前なんとおっしゃいましたっけ?」とボケる堺。「去年と一緒!」と、1年前と同じボケを受けた寺岡は「井上順です」と粋な返しで対抗してみせた。「前回、メンバーにクリスマスプレゼントでスカーフをお贈りしたんですけど、そしたらみなさんすごく喜んでくれて。
…それはうれしいんだけど、誰もしてねえじゃねえか!」とメンバーを見渡してご立腹の堺に会場は大爆笑。今日、楽屋に入ったところRSCから堺へのクリスマスプレゼントのお返しがあり、「なにかな~と思ったら、ハムの詰め合わせでした」とさらにエピソードを披露して笑わせるなど、気心の知れたやり取りで和ませる。「みなさん、このまま年を重ねてほしい。僕はこの人たちを守りたい。これからも頑張ってやってください! 今日はどうもありがとうございました!」と帰ろうとする堺に会場中が笑いに包まれた。

堺正章メドレーを特別に披露した後、「いってみよう! プンスカピン!」と叫んでコラボ楽曲「プンスカピン︕」を披露。年齢を感じさせないエネルギッシュかつパワフルなボーカルは、RSCのロックサウンドにまったく引けを取らず。岡本、高橋、堺がセンターで並んで歌い踊り、オーディエンスも楽し気に振りを合わせるなど、最高の盛り上がりで本編終了となった。

ダイナミックなサウンドが際立つ男闘呼組の「この夜にすべてを」でアンコールがスタート。ストイックな「TENSION」から「禁断のエロキューション」へと幅広さを見せて一体になる。黄色いライトがステージを飛び交うと、始まったのは「TIME ZONE」だ。客席からはペンライトが一斉にステージへと向けられて、大歓声が沸き起こった。曲はメドレー形式で男闘呼組のデビュー曲「DAYBREAK」へと続き、サビに差し掛かると、会場中が声を合わせて一体に。大ヒット曲の披露で熱くなった客席から、曲が終わると万雷の拍手が起こった。寺岡のMCでメンバーが紹介へ。「(デーモン閣下と)夢の共演ができて、幸せな1日でした」(青山)「またお茶の間で会いましょう!」(前田)「ありがとうございました! また会いましょう」(岡本)「今年最後のライブ、幸せです! 愛してるぜ横浜!」(高橋)「今日はこんな特別な日に駆けつけてくれてありがとうございます! こんな素敵な12月24日は初めて味わいました。これからもよろしくお願いします!」(成田)。そして、高橋が「我らのスーパープロデューサー」と寺岡を紹介。「先日、名古屋のライブのあとに食事をしながら話したんですけど、”全てのきっかけは名古屋にみんなで集まったところからなんです。それが2020年。それから5年経って、まだ一緒にバンドをやれて、こんな素晴らしいお客さんの前でライブをやっているなんて、本当に僕たちは幸せな人間だ”という話をしていました。まだまだこの景色を、みなさんと一緒にずっと見続けさせてください! 2026年もよろしくお願いします!」と、実感の籠ったコメントに拍手が送られた。最後は野村義男が再びステージに上がり、超絶技巧のタッピングを披露すると、アルバム『THE SHOW MAN』で共演した「Still Rockin'」へ。オープニングでも聴かせたど迫力のハードロックを、野村の参加でさらにカオティックに解き放って、興奮の坩堝と化して幕を下ろした。エンディングでは、綾小路翔、デーモン閣下、堺正章も含めて出演者勢揃いで手をつなぎラインナップ。観客に感謝を伝えると、「プンスカピン!」が流れる中、盛大な手拍子に送られて終演となった。尚、Rockon Social Clubはコラボレーションアルバム『THE SHOW MAN』で企画賞を受賞したTBS「第67回 輝く!日本レコード大賞」(12月30日放送)に出演し、堺正章と「プンスカピン!」、亀梨和也と「亀の恩返し」で共演する。また、大晦日の『第76回NHK紅白歌合戦』の<放送100年 紅白特別企画>に、堺正章とともに出演することも決定している。

〈KURE 5-56 Presents Rockon Social Club Tour 2025 FOREVER CALLING -Still Rockinʼ-〉
Still Rockin'
Foxy Lady
ザ・ファイター
Tangerine Kiss
ポイントちょーだい
BACK IN THE CITY
Rolling Thunder Baby
Go To Hell
愛死天流(ゲスト:綾小路翔)
B•A•N
バーボンロック(ゲスト:野村義男)
⻲の恩返し
死ぬほどジュ・テーム(ゲスト:デーモン閣下)傷だらけの王者
I♡R&R
堺正章メドレー
プンスカピン!
この夜にすべてを
TENSION
禁断のエロキューション
TIME ZONE ~ DAYBREAK
Still Rockin'(ゲスト:野村義男)
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