2025年も、毎年の年末恒例となっている過密な全国ツアーを見事に完遂してみせたUVERworld。年末のツアーがそうであるように、クリスマス当日に日本武道館でライブを行うことも彼らにとって大切な恒例イベントとなっていて、今年は、「UVERworld 2025 WINTER TOUR "BOOM GOES THE WORLD"」の一環として、「~PREMIUM LIVE on Xmas 2025~」(昼の部・夜の部)を開催。
特別な演出の数々によって彩られた、年に一度のクリスマスライブ。この記事では、夜の部の模様をレポートしていく。

会場には、サンタの帽子やコスチュームを身に付けた観客が多数。開演前の会場を照らすライトの色は赤と緑。また、オープニングSEは、鈴の音とTAKUYA∞(Vo)が歌う「Last Christmas」を織り交ぜた特別なアレンジ。まさに、クリスマスライブならではの光景&演出だ。

赤と緑のレーザーが無数に放射される中、真太郎(Dr)が豪快なドラミングをかまし、メンバーが一人ずつステージイン。そして、誠果(Sax・Manipulator)が高らかにサックスを奏で上げ、「ナノ・セカンドAX」からライブが幕を開ける。TAKUYA∞が「やっちまおうぜ、おい。最高のクリスマスを迎えにいこうぜー!」と力強く呼びかけると、ライブ開幕直後とは思えぬほど大きな歓声が会場全体から轟く。

「今日という日をUVERworldと過ごすことを選んでくれてありがとう」「あなたのクリスマス、最高のものにしてやるよ」。TAKUYA∞の感謝と宣誓の言葉の後に披露されたのは、「NO MAP」。
曲中、真太郎のドラムセットが180度回転。ドラムセットに乗ったTAKUYA∞は、本来はステージの真裏にあたる北側の観客たちに向けて「最前列だね」と呼びかける。続けて、「何年一緒に俺たちクリスマス過ごしてんだろうね」「今日はさらに離れられない理由をつくれるような夜にしましょう」と告げ、「51%」へ繋ぐ。レア曲の投下を受け、会場の各所から歓喜の声が飛び交う中、TAKUYA∞は、ラストの〈離れられない理由を1つずつ増やしていこう〉という歌詞を〈今日ここで増やしていこう〉と替えて歌ってみせた。言うまでもなく、とてつもない盛り上がりだ。

UVERworld、日本武道館に刻んだ2025年のクリスマスライブ

(Photo by 鳥居洋介)

この日がライブ初披露となった「If...Hello」の後、TAKUYA∞は、数日前の横浜アリーナ公演でとんでもない熱狂を叩き出したことを振り返った。その上で、今回のクリスマスライブでは、その時とは違った闘い方をすることを宣言。ここから、いつものライブではなかなか披露されることのないバラードが立て続けて届けられていく。「a LOVELY TONE」、「此処から」、そして、"楽しむための音楽"だけではなく、"日々の嫌な出来事を乗り越えられる強さを与える音楽"を届けると宣誓した上で、「白昼夢」を披露。激烈なサウンド、鮮烈なメロディに乗せて歌い届けられる〈悲しい過去を忘れさす歌じゃなく 悲しみに立ち向かえる歌を〉〈夜空の月は満ち欠け星も見えない そんな闇の中でも 明日を照らす 君と共にある歌を〉という決意の言葉が、深く胸を打つ。特別な瞬間の連続だったこの日のライブの中でも、屈指のハイライトだったと思う。

MCパートでは、真太郎が「序盤からバラード聴いてもらいましたけど……もうないです。
ここからぶち上げたいと思います」と不敵に告げる。その言葉のとおり、猛烈に炎が噴射する中で〈完全に空間を制圧し〉てみせた「MMH」からライブが再開。そしてここから、2000年代の楽曲が立て続けてドロップされる。イントロが鳴った瞬間に一際大きなどよめきが起きた「激動」。季節外れの真夏のパーティーチューン「シャカビーチ~Laka Laka La~」では紙吹雪が鮮やかに舞い、そして、TAKUYA∞が「クリスマス、これやんなきゃ始まんねえし、終われねえだろ、聴かしてやれ、信人!」と叫び、信人(B)がベースリフを炸裂させ、そのまま「energy」へ。克哉(G)と真太郎は北側を向いてプレイ、TAKUYA∞と信人はステージ中央の先端へ繰り出し、彰(G)は北側の通路を闊歩しながら観客と熱く親密なコミュニケーションを交わしていく。続けて、「PHOENIX AX」へ。レーザーと炎が飛び交う中、観客の〈絶唱〉のようなコールが幾度となく轟き続ける熾烈な展開、圧巻だ。

UVERworld、日本武道館に刻んだ2025年のクリスマスライブ

(Photo by 鳥居洋介)

次に披露されたのは、現時点では未リリースの新曲「EVER」。自分が気付いていない"好き"を見つけてほしい、という渾身のメッセージに、強く奮い立たされた人はきっと少なくなかったと思う。「そうやって見つけていこう。そして、クリスマス一番のハイライトを、このライブで見つけてほしい」。
そう呼びかけたTAKUYA∞は、ここで一度退場。そして、克哉、彰、信人、真太郎、誠果による音のメッセージ「High Light!!」へ。5人のサウンドに重なる観客の壮大な合唱。ここからライブは熱烈なクライマックスパートへ突入していく。

「Home 微熱39°C」、「神集め」、「SHAMROCK」という2000年代の楽曲3連打の後に披露されたのは、現時点では未リリースの新曲「ZERO BREAKOUT POINT」だった。創造性の爆発、としか形容しようのない超弩級のミクスチャーロックを受け、さらに沸き立つ観客。この曲の間奏で、TAKUYA∞が、「俺は、俺たちしか作れない音楽を作りたいんだよ。お前らもそれが聴きたいんだろ、おい!」と叫んた一幕も忘れられない。圧倒的だった。

いよいよラスト2曲。誠果が奏でるサックスに導かれ、満を持して「IMPACT」が投下される。「屋根なんて突き破れ」「破っちまえ、破っちまえ」。
容赦なく煽り続けるTAKUYA∞。際限なく高まり続けていく観客の大合唱。ラストサビ前、TAKUYA∞は「信じてるよ」と呼びかけ、最高の更新を託された観客の大合唱はさらに壮大な響きを放つ。まさに限界突破。ラストの1曲は「EPIPHANY」。TAKUYA∞は最後に「メリークリスマス!」「新しい時代に足跡つける、俺たちがUVERworld、よろしくどうぞ!」と叫び、今年のクリスマスライブは並々ならぬ熱狂の中で大団円を迎えた。

UVERworld、日本武道館に刻んだ2025年のクリスマスライブ

(Photo by 鳥居洋介)

セットリスト
SE. Last Christmas~ TYCOON
1. ナノ・セカンドAX
2. NO MAP
3. 51%
4. If...Hello
5. a LOVELY TONE
6. 此処から
7. 白昼夢
8. MMH
9. 激動
10. シャカビーチ~Laka Laka La~
11. energy
12. PHOENIX AX
13. EVER
14. High Light!!
15. Home 微熱39°C
16. 神集め
17. SHAMROCK
18. ZERO BREAKOUT POINT
19. 零HERE
20. IMPACT
21. EPIPHANY

<書籍情報>

UVERworld、日本武道館に刻んだ2025年のクリスマスライブ

Rolling Stone Japan vol.30増刊 特別版(発行CEミュージッククリエイティブ)

媒体名:Rolling Stone Japan UVERworld 25th Year SPECIAL COLLECTORS EDITION
発売日:2025年12月4日(木)
定価:3,000円(税込)
ISBNコード:9784484148175
Cコード:9473
雑誌コード:66092-92
寸法:A4変 W232mm×H297mm 
ページ数:100P(予定)
封入付録:デジタル特典:表紙アザーカット+メンバーソロカット
※初回生産限定付録
発行元:CEミュージッククリエイティブ株式会社
発売元:株式会社CEメディアハウス
※UVERworld 2025 WINTER TOUR "BOOM GOES THE WORLD"
愛知・広島・横浜・東京・福岡公演にて会場での販売も予定しております。
▶︎会場特典:ポストカード(予定)

発売中:こちら / オフィシャルECサイト
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