「Light of Day」の歴史の最初の15年間、ブルース・スプリングスティーンのサプライズ出演は、ほぼ当然の約束事のようなものだった。彼は2000年に開催された、パーキンソン病やその他の神経変性疾患と闘うこの非営利団体の第1回イベントでパフォーマンスを行い、その後もほぼ毎回戻ってきて、同団体の最も強力な擁護者の一人となった。しかし、ここ10年間の開催で彼が姿を見せたのはわずか2回だけで、それも「Light of Day」の20周年と25周年を祝う盛大な祝典の時だけだった。
現地時間1月17日、ニュージャージー州レッドバンクのカウント・ベイシー・シアターで開催された第26回「Light of Day」に彼がやってくるという保証は、どこにもなかった。例によって、ラインナップに彼の名前はなかった。それでも、グー・グー・ドールズのフロントマンであるジョン・レズニック、ドラマラマ、ウィリー・ナイル、ジョー・ドゥルソ&ザ・ストーン・キャラバン、ジェームス・マドック・バンド、ウィリアムズ・オナー、ファンタスティック・キャット、そしてロウ・カット・コニーを一目見ようと、会場は満員の観衆で埋め尽くされた。
午後9時を回った頃、劇場内に「スプリングスティーンが会場にいる」という囁き声が広がり始めた。その直後、彼はステージに登場した。ウィリー・ナイルと共にアンセム「One Guitar」を演奏し始めると、館内には「ブルーーーース!」という叫び声が響き渡り、ファンはステージへと押し寄せ、会場中のほぼ全ての携帯電話が一斉に宙に掲げられた。
その後に演奏するという困難な役割を担ったレズニックだったが、彼はグー・グー・ドールズの名曲「Slide」「Black Balloon」「Broadway」、そして誰もが待ち望んでいた「Iris」のソロ演奏で観衆を沸かせ、会場全体を大合唱に包んだ。「あんたたちは、クソみたいなTEDトークを聴きに来たんじゃないだろ」と彼は客席に語りかけた。「だが、俺たちは今、面白い時代に生きている。
スプリングスティーンには、そんな懸念は微塵もなかった。ジョー・グルシェッキー&ザ・ハウスロッカーズと共に「The Promised Land」を演奏する直前、彼は率直な思いを吐露した。「俺はこの曲を、アメリカの可能性への賛歌として書いた」と彼は言った。「今、俺たちは信じられないほど危機的な時代を生きている。アメリカ合衆国がこの250年間掲げてきた理想と価値観が、近代においてかつてないほど試されている。
彼は続けた。「もし君たちが法の力を信じ、誰も法の上に立つ者はいないと信じるなら、重武装し、覆面をした連邦軍がアメリカの都市に侵入し、我々の同胞に対してゲシュタポのような戦術を使っていることに反対するなら、そして、抗議するというアメリカ人の権利を行使したことで殺されるようなことがあってはならないと信じるなら、大統領にメッセージを送ってくれ。あの街の市長が言ったようにだ。ICEはミネアポリスからとっとと失せろ、とな。この曲を、君たちと、3人の子供の母親でありアメリカ市民だったルネ・グッドの思い出に捧げる」
このスピーチは耳をつんざくような歓声と、政治的信条を異にする人々からのわずかな不満の声に迎えられた。しかし、スプリングスティーンとハウスロッカーズが深夜過ぎまで続く全14曲の猛烈なセットを披露したため、不満を漏らす者はほとんどいなかった。まずゲイリー・U.S.・ボンズがステージに加わり、1981年のカムバック・ヒット曲「This Little Girl」と「Jole Blon」を披露。その年齢を感じさせない驚異的なエネルギーと活気を見せつけた。「ボンズはファッキン86歳だぞ!」とスプリングスティーンは観衆に言った。「俺より10歳も年上なんだ!」
出演者全員で大合唱、「Thunder Road」で終演
ボンズが退場した後、彼らは「Darkness on the Edge of Town」「Lucky Town」「Johnny 99」、そしてスプリングスティーンとグルシェッキーが共作した「I'm Not Sleeping」「Pumping Iron」「Never Be Enough Time」などの数々の楽曲を叩きつけた。いつものことながら、スプリングスティーンが長年の相棒や、固い絆で結ばれた労働者階級のバー・バンドとジャムを繰り広げる姿を見るのは、スリリングな体験だった。彼は写真家のダニー・クリンチを二度もマイクの前に呼び寄せ、即興のハーモニカ・ソロを演奏させた。
1983年のクラレンス・クレモンズのアルバム『Rescue』に初収録された「Savin' Up」の躍動感あふれる演奏の前に、スプリングスティーンは観客を爆笑させるネタを披露した。「CNNを見ていたら、ロック界に5人目の億万長者が誕生した、それはビヨンセだって流れてきたんだ」と彼は言った。「俺は思ったよ、『よし、5人目のクソ億万長者か。一体あとの4人は誰なんだ?』ってな。1人目はポール・マッカートニーだと言っていて、彼が10億ドル持っているのは俺も知っている。次は……確かポール・サイモンだった。彼も持っているかもしれない。だが、ついに俺の名前が出てきた。何がムカつくって、持ってないのに、俺が10億ドル持ってるって言われることだよ! 持ってりゃいいなとは思うさ。なのにあいつらは言い続ける。あいつらが分かってないのは、俺にはパートナーがいるってことだ。
長年の伝統に則り、その夜の最後には出演者全員がステージに戻り「Light of Day」を合唱。その後、30年間にわたりパーキンソン病と闘っている「Light of Day」の創設者、ボブ・ベンジャミンのためにバースデーケーキが運び込まれた。スプリングスティーンは、アコースティック・ギターによる「Thunder Road」でその夜を締めくくった。
スプリングスティーンの今後のスケジュールは白紙だが、今年中のどこかでソロ・アルバムのリリースが期待されている。ツアーの計画は依然として謎に包まれている。しかし、「Light of Day」は間違いなく2027年1月に戻ってくるだろう。ファンが2014年のアルバム『High Hopes』に収録されているマニアックな曲「Frankie Fell In Love」をリクエストすると、スプリングスティーンは「来年な」と答えた。「あのクソったれな曲を練習しなきゃいけないからな」
From Rolling Stone US.
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