Arakezuri、ついに悲願のZepp Shinjukuのステージへ。11月の全国ツアー『Road to Zepp Shinjuku』を経て、1月11日、Zepp Shinjukuで敢行されたバンド史上最大規模のワンマンライブ『HERO's MISSION』。
これまで、『Road to LIQUIDROOM』『Road to O-EAST』というように、新しい目標を次々と掲げながら、時に挫折を味わいながらも、一歩ずつ愚直に前進し続けてきた彼らにとって、この日は長年の夢が叶った万感の一日となった。チケットは見事にソールドアウト。当日の会場は超満員。4人の夢は、同時に、これまで彼らと共に『Road to Zepp Shinjuku』を辿ってきた一人ひとりの観客の夢でもあり、それ故に会場には開演前から並々ならぬ熱気が満ちていた。この記事では、これまでの懸命な歩みが一つの美しい結実を迎えたメモリアルな一夜の模様をレポートしていく。はじめに結論から書いてしまえば、一つの夢を叶えた4人の姿だけではなく、彼らと共に夢を叶えてみせた一人ひとりの観客の姿も最高に輝かしい、そんなライブだった。以下、順を追って振り返っていきたい。

入場SEが鳴り渡る中、椿佑輔(Dr)、宇野智紀(Ba)、石坂亮輔(Gt)、そして、白井竣馬(Vo)がステージイン。そして、白井が「やろか、Zepp Shinjuku。やろかー!」「俺たちがここまで来れたんは、お前がヒーローでいてくれたからや」と告げ、「ヒーロー」へ。『HERO's MISSION』の幕開けを飾る楽曲として、これ以上にふさわしいナンバーはないだろう。白井は、歌い出しの歌詞の数文字を歌った後、すぐに歌を観客に託し、観客は彼の想いに応える形ですぐさま大合唱で返す。
そして白井が、〈こんな夜に〉の後の歌詞を替えて「お前に会いに来た!」と叫ぶと、まだ1曲目にもかかわらず並々ならぬ歓声が沸き立つ。さながらクライマックスの様相だ。続く「ドリーマービリーバー」では、コール&レスポンス、一斉ジャンプが次々とばっちりきまる。次の「素晴らしい人生」も、12月にリリースされたアルバムに収められていた新曲であるにもかかわらず、まるで長年にわたり親しまれ続けてきたライブアンセムのような熱烈な響きを放っていた。曲中、白井が「そばにいてくれ!」と呼びかけた「キーホルダー」も最高に熱かった。

Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

白井竣馬(Photo by イデタリク)

Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

石坂亮輔(Photo by イデタリク)

Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

宇野智紀(Photo by イデタリク)

Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

椿佑輔(Photo by イデタリク)

「まだまだいけるよね、まだまだやれるよね」「頼りにしてるぞ、よろしくー!」という簡単なMCを挟み、「たいせつ」へ。幾重にも重なる歌声。天高く突き上がる無数の拳。この時間、この空間こそが、何よりも「たいせつ」であるという揺るぎない実感を互いに確かめ合う4人と観客。続いて、一際激烈な響きを放つ「レイジー」へ。その熱量は、アルバムの新曲「RED」へと引き継がれ、さらなるカオティックな狂騒が生まれていく。一転して、同じくアルバムの新曲「ラブレター」では、軽快にはねる豊かなリズムによって、とびっきり開放的なフィーリングが会場全体にもたらされてゆく。
歴代の楽曲も、最新の楽曲も、全身全霊で謳歌していく観客の輝かしい姿を前に、白井は、感極まったような声で、「こんだけさ、頼りにしてもらって、『俺なんかが』『どうせ俺たちなんかが』なんて口が裂けても言えないです」「あんたの頼りになる。そんな音楽でいる。これからもずっと」と語った。そして、「月が綺麗だ」へ繋ぐ。最後に白井が告げた「どんな天気でも、あんたがおったら、月が綺麗だ」という言葉を含め、深く胸を打つ名演だった。

続けて、白井はこう語る。「特別な才能があると思ってなかった。でも、『すごい』『強い』『大丈夫』と言ってくれる人がいる。そんな言葉に背中を押されて、今日、Zepp Shinjukuに辿り着けました。だめでもともとの挑戦やったけど、たしかに俺は今ここで歌を歌えてる。ソールドアウトしたZepp Shinjukuで歌を歌えています」。そして、「だめでもともと」へ。
さらにエモーショナルに昂るバンドサウンドを推進力にして、白井は、まるで一人ひとりの観客に真摯に語りかけるように、または、熱く呼びかけ、問いかけるように歌を歌う。そして観客は、合いの手のコールをきめたり、壮大なシンガロングを重ねたりしながら、4人との音を通した会話に応答していく。あまりにも感動的な光景だ。2番のサビ前、白井が歌詞を替えて「Zepp Shinjukuで! 歌でも歌おう!」と叫んだ一幕も一際エモーショナルだったし、フロアを照らす光量マックスのライトを受けて全力で歌う観客の姿も最高に眩しかった。

Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

Arakezuri(Photo by イデタリク)

MCを経て、中盤のハイライトを担ったのが、アルバムの新曲の一つ「シンガロング」。またしても、歌い出しの歌詞の数文字の直後から巻き起こる特大シンガロング。そして、またしても、光量マックスのライトが一人ひとりの〈あなた〉を眩く照らし出す。続いて、「あんたの素顔を見せてくれ」という呼びかけから「素顔」へ。そして、「歌いに来たのは、あんたの主題歌!」という宣誓から「主題歌」へ。熱く美しいフロアの光景を前にした白井は、「ここまで、一歩ずつ一歩ずつ、あんたと来れたことを本当に誇りに思います」「この人生でよかったと思って死んでやるわ」と告げ、「結果論」へと繋ぐ。魂の震えそのもののような激情的な歌。全てのリミッターを外したかのように際限なく昂るバンドサウンド。
4人は、まるで、〈この人生でよかった〉という輝かしい実感を深く噛み締めるかのように、渾身のライブパフォーマンスを炸裂させていく。次の「時代」では、〈ロックバンド〉としての信念をZepp Shinjukuに深々と刻み付け、「ウルトラエール」では、「Zepp!」「最高!」のコール&レスポンスを何度も交わしてゆく。「くしゃみ」では、観客の一斉ジャンプの繰り返しによってフロアが波打ち、「ピースオブケイク」では、白井がフロアの最前列に突入し、観客に支えられながら熱唱。

Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

白井竣馬(Photo by イデタリク)

気付けば、残すところラスト1曲。本編最後の「必然」では、この日の一番を更新するような超特大シンガロングが巻き起こり、そして、再び光量マックスのライトが熱唱する一人ひとりの〈あなた〉を照らし出す。万感の終幕かと思いきや、とめどない観客の声に応える形でアンコールへ突入。白井が「俺たちの旅は終わらないんで、これからもライブハウスで待ってます」と語った後に披露されたのは、アルバムの新曲「あらすじ」。白井が、〈世話んなった会場もじきにSOLD OUT〉という歌詞を〈Zepp Shinjukuを無事にSOLD OUT〉と替えて叫ぶと、4人を祝福する熱い歓声が会場全体から飛び交う。「蕾」をもって真の終幕かと思いきや、最後の最後に「クアトリーセンチュリー」を追加で披露。光量マックスのライトが、4人を、そして、一人ひとりの観客を照らし出す中で迎えた感涙のフィナーレ。4人の、そして、彼らを信じて伴走する一人ひとりのファンの旅は、Zepp Shinjukuを新たなスタート地点として、2026年から新章へと突入していく。いつか必ず、〈九段下駅〉に辿り着く4人の勇姿を見たい。


Arakezuri、Zepp Shinjukuで迎えた悲願の夜、新章へと突入する新たなスタート地点

Arakezuri(Photo by イデタリク)

セットリスト
1. ヒーロー
2. ドリーマービリーバー
3. 素晴らしい人生
4. キーホルダー
5. たいせつ
6. レイジー
7. RED
8. ラブレター
9. 月が綺麗だ
10. だめでもともと
11. シンガロング
12. 素顔
13. 主題歌
14. 結果論
15. 時代
16. ウルトラエール
17. くしゃみ
18. ピースオブケイク
19. 必然
EN1. あらすじ
EN2. 蕾
EN3. クアトリーセンチュリー
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