2010年代前半から圧倒的な存在感を放ち続けるオーストラリア出身のシンガーソングライター/プロデューサーのチェット・フェイカー(Chet Faker)ことニック・マーフィーが、約5年ぶりの新作『A Love For Strangers』をリリースした。

彼のこれまでのキャリアについては前回のインタビューに詳しいのでぜひ参照いただきたいが、とにかく2021年の前作『Hotel Surrender』は、彼にとって約6年ぶりのチェット・フェイカー名義の作品であり、鮮やかで明快なカムバック作だった。
それから5年、デビュー作『Built on Glass』の10周年記念盤とそれに伴うワールドツアーを経てリリースされたこの最新作『A Love For Strangers』は、前作から大きな変化を携えたアルバムとなっている。いや、原点回帰と洗練を兼ね備えた作品と言った方が正しいかもしれない。持ち前のポップセンスに、自らのミキシングによって見事にコントロールされた音のテクスチャーが生み出す親密な響きが混じり合い、懐かしくも新しい感覚がここには呼び込まれている。

そういった変化はどのように起きたのか。デビュー作から10年という節目、移住、父の死、そして辿り着いた『A Love For Strangers』(見知らぬ人への愛)というテーマについて、チェット・フェイカーことニック・マーフィーが古い録音機材への偏愛も交えながら語ってくれた。

原点回帰から始まる最新作への旅

ー最新作『A Love For Strangers』は前作『Hotel Surrender』からチェット・フェイカー名義で約5年ぶりのアルバムですよね。この5年の間にはデビュー作『Built on Glass』10周年を祝うワールドツアーもあり、ツアーでは日本公演もありました。かねてよりあなたにとって日本はお気に入りの場所だと伺いました。

ニック:日本には毎年行くようにしているんだけど、実は(取材日の)2日後にプライベートで日本に行くんだよ。大阪に飛んで、高野山でお坊さんたちと一緒に寺に泊まる予定でさ。特にツアーで忙しかったりすると常にいろんなことが起こってるから、休暇を取ってどこかに行って、携帯の電源を切ろうって思うんだよね。高野山ではまさにそれをするつもりなんだ。
経験上、日本は都会という顔と田舎や自然という顔を持っていると思う。日本からはその両方が同時に思い浮かぶんだ。

ー『Built on Glass』を振り返った経験から影響はありましたか?

ニック:ライブで演奏するとき以外、リリースした作品をじっくり聴く機会は少なかったりもするんだ。だからワールドツアーは、あのアルバムを改めて聴くためのとても良いチャンスだった。ある意味、初めて客観的に聴くことができたんじゃないかな。作ってからすごく時間が経っていたから、感情移入し過ぎずに聴くことができたんだよね。そういう意味で、自分の始まり、そして自分がどれだけ変わったのかを振り返るのは本当に興味深かった。そして同時に、忘れていたことをたくさん思い出させてくれたんだ。音楽のどんな部分が好きだったか、そこにはどんなインスピレーションがあったか、とかね。そしてそれが、新作の『A Love For Strangers』を完成させようとしていた時期と重なったのは本当にプラスだった。あのツアーでアルバムを振り返ることがなかったら忘れたままだったかもしれない音楽制作の方法がたくさんあったからね。今回の作品には、それが反映されているんだ。


ー拠点をニューヨークからツーソン(アリゾナ州)に移したと伺いました。何か理由があったんですか?

ニック:パンデミックの後、あの時期は世界がおかしくなっていくような感覚をみんなが持っていたと思うんだ。特にパンデミック以降のニューヨークは、僕にはちょっと耐えられなかった。10年近くも住んでいたんだけどね。とにかく引っ越したくなって、次にどこに行きたいかもわからないまま、ただ砂漠を選んだんだ。都会とは正反対に感じられたからさ。高層ビルもないし、人も多くない。広々とした空間と自然、そして太陽の光がたっぷりある。そういう環境が僕を幸せにしてくれるんだ。ツーソンを選んだ理由はそんな感じなんだけど、実は2カ月前に出身地のオーストラリアに戻ったところでさ。だから今はオーストラリアにいる。それを知ってる人はまだ少ないんだけどね(笑)。


ーそうなんですね! ニューヨークを出るとき、オーストラリアに戻る選択肢はなかったのかなと思っていたところでした。

ニック:ニューヨークを出た時点ではまだそれは考えていなかった。ある意味、ツーソンはオーストラリアに戻るための足がかりみたいなものだったんだと思うよ。

ー『A Love For Strangers』に、そういった環境の変化の影響はありましたか?

ニック:大きく影響してると思う。『A Love For Strangers』の曲の多くはニューヨークで書かれたんだ。それから街を離れて砂漠に入った。ツーソンには誰も知り合いがいなくてね。友達もいないし、ほとんど自分一人で生活していたんだ。あの静けさが、自分の中に抱えていた曲や経験を引き出し始め、このレコードを完成させるための誰にも邪魔されない場所を提供してくれたと思う。アルバムには鳥のさえずりのサンプルが入っているんだけど、それはツーソンの自宅の庭で録音したものだよ。ツーソンは渡り鳥が飛んでくる鳥の楽園として有名だからね。

父の死に導かれた「見知らぬ人への愛」というテーマ

ーパンデミック初期にお父様を亡くされたことも伺いました。
『A Love For Strangers』にはそんな悲しい別れを乗り越えていく過程、自らを癒す過程が刻まれているようにも感じました。

ニック:アルバムがすべて父についてだとは言わないけど、制作にはその要素が大きく関わっていたと思う。父が亡くなったことが、間違いなくこうした考え方になるきっかけだったからね。父のために書いた曲も入っていて、特に「Remember Me」はそう。「Can You Swim?」でも父について触れている。

僕の父親は複雑な人間だったんだ。良い人だったけど、ときには悪いこともした。だから変な感じでさ、僕は彼のことをよく知っていたはずなのに、彼が亡くなった後もたくさんの疑問が残ったんだよね。それが「人を愛しながらも、その人は他人である」というテーマを生み出したのかもしれない。彼はもちろん他人じゃなかったけど、疑問が残るという意味ではそういう部分もあったからね。「そんなことするなんて思いもしなかった!」なんて感じることも後から聞いたりしてさ。それは確実にアルバムに影響していると思う。
それが全てだったかはわからないけど、大きなインスピレーションになったのは間違いないよ。

ー『A Love For Strangers』(見知らぬ人への愛)というタイトルがアルバムのテーマでもあるということですよね。

ニック:このタイトルは、いろんなことに当てはまると思うんだ。さっき説明したように家族との関係や、ロマンチックな関係でも機能する。実際、アルバムの曲を書いていた時期にうまくいかなかった恋愛がいくつかあった。相手のことを深く知る前に恋に落ちることは意外とよくある。つまり、人は知らない人を好きになるってこと。僕はこの相手を完全に理解していなくても愛せるという概念にすごく興味を持ったんだ。恋愛的なものも、家族的なものも、あるいは完全に見知らぬ人に対する愛もすべて。話したことすらない通りすがりの人にさえ、ある種の愛を感じられるかもしれないという考えがとても面白いと思った。

このテーマは自ら選んだわけではなく、父の死や恋愛、パンデミックなど僕の人生に起きたことを通して自然と降りてきたんだ。そしてそれが、自分にとってプラスなものかもしれないとも思った。
特にパンデミックはすべての人にとって狂った状況で、人間同士の繋がりの感覚がだんだん持ちにくくなっていた時期だったから、なおさらそう感じたんだよね。

ーこのテーマはパンデミックが過ぎ去った世界にも必要なピースの一つに感じました。現在の世界はあなたからどのように見えていますか?

ニック:2026年が始まって間もないけどすでにクレイジーだよね(笑)。どこもかしこもめちゃくちゃ。つまり人生っていうのはこういうもので、困難じゃない人生なんてありえないってことさ。みんな何かしら経験するし、結局は死ぬ。それがすごく居心地が悪いって人もたくさんいるけど、もし受け入れて乗り越えられるなら、そうした方がいいんじゃないかと僕は思うんだ。自分が何をしているのかなんて、とどのつまり誰もわかっていない。ただ生きているだけで、その理由はわからないんだ。それに身近な人はいても、知らない他人の方が圧倒的に多い。だからそう……たしかに誰もが善人とは限らないけれど、それでも、存在しているできる限り多くの人々に対して愛という感情を見出す方法があると思うんだよね。世界をより良くするためだけじゃなくて、自分の人生をより良いものにするためにも。利己的とも言えるかもしれないけど、僕はそう思う。人々が物事とは不快なものだと理解して、それが人生の本質だと悟れば、僕たちはそれに対してどう対処するかを選択し始めるんじゃないかな。それが何かっていう答えはわからないけどね。

ー『A Love For Strangers』というテーマと一致したサウンドも魅力的です。特にサウンドの遠近感が印象的で、ミキシングにどのような意識を持って制作に臨んだのでしょう?

ニック:ポップスのミックスには、あるべき形やルールが山ほどある。でも、僕はレコーディングの時点で、そういうルールには耳を貸さず、今回は自分自身が聴きたいと思う音でアルバムを作り上げると決めていた。そこは『Built on Glass』の10周年記念盤を聴いたことが大きく影響したと思うよ。

加えて、このレコードの音響的な質感や響きを、自分の少年時代の音楽や意見、つまり90年代後半から2000年代初頭にラジオで流れていた音楽に近づけたいとも思っていた。当時は友達からもらったグランジ系の音楽も聴いていたし、叔母がくれたファットボーイ・スリムのCDも聴いていた。あと兄とよくPlayStationで遊んでいて、プレイしていたゲームの多くは日本製で、当時のゲーム音楽にも僕は影響を受けていたんだ。あの頃のゲーム音楽って、ブレイクビーツやジャングル系の音楽が使われていたからね。今回は、子どもの頃に音楽を聴いていたときの感覚をそのままレコードに詰め込みたかった。だからこそ、自分でミックスすることにしたんだ。いろんな影響がたくさん詰まっているけれど、それでも抱擁のような感覚を覚えるというか、安心感のある作品にしたかったんだよ。鋭すぎたり派手すぎるものにはしたくなかったんだ。

ーなぜこのタイミングでそういったノスタルジックな音に影響を受けたのでしょう?

ニック:父の死、それにデビュー作から10周年という節目があって、僕は振り返りの時期の真っ只中にいた。その上、今の世界では大きな混乱や困難がたくさん起きている。だから、もしかしたらもっと良かったと感じられた時代を今振り返るのは理にかなっているかもしれないと思ったんだ。自分の故郷のことを思うようにね。

正直、このアルバムを作っていた時期は16歳の頃を思い出していたんだ。パーティーしているときのこと、学校から歩いて帰る途中でヘッドホンで音楽を聴いていたときのあの感覚……。あの時期、音楽がどれほど自分にとって大切だったのか、今でもはっきりと覚えているよ。10代の頃って大きな感情に振り回されるもので、今思えばちょっと大袈裟でダサかったなと感じたりもするけど、初めて経験する感情ってすごく大切だと思うんだ。好きな人にキスをしたときの気持ちも、その人から振られたときの気持ちも。もし自分が若かったら、このレコードは僕にそんな感情を与えてくれる作品になったと思う。今回のレコードでは、その感覚を皆にも感じて欲しいんだ。

ーゲームは今でもやっているんですか?

ニック:(Nintendo Switchを見せながら)もちろん(笑)。PlayStationも未だにプレイするよ。ちなみに子どもの頃よく遊んでいたゲームがいくつかあってね。一つは『ボンバーマンワールド』、今でもあのサウンドトラックは最高だと思ってる。レコードにして発売すべきだよ(笑)。あともう一つは、兄がよくプレイしていた『アザーライフ アザードリームス』。あとはお決まりの『クラッシュ・バンディクー』とかかな。

ポスト資本主義時代に模索する新しい方法

ー過去の影響の大きい作品かと思ったのですが、同時代のアーティストの作品からの影響はあったりしますか?

ニック:あるよ。実は、僕はこれまで現代のアーティストからインスピレーションを受けることが自分にとってどれほど重要か気づいていなかった。ここ数年で本当に何からもインスピレーションを感じられない大きな空白期間があって。別にインスピレーションを与える音楽が存在しなかったわけではないけど、本当に心を動かされるような新しい音楽があまりなかったんだよね。でも今は違う。現代のアーティストの作品で大好きなものがたくさんあるんだ。今回のアルバムを仕上げている期間にMk.geeのレコードがリリースされたんだけど、あれは僕にとって大きな影響だった。あとは、Geeseやキャメロン・ウィンターの新作も好きだし、Nourished by Timeも大好き。彼はすごくクールだよ。

ー個人的には昨年のボン・イヴェールの『SABLE, fABLE』を思い出したりもしました。

ニック:嬉しいよ。ボン・イヴェールが大好きだからそれは褒め言葉だね。ありがとう。ボン・イヴェール、Mk.gee、キング・クルールとか、あの辺の名前が出てくるのは褒め言葉なんだ(笑)。

ーゲストは「Far Side Of The Moon」で素晴らしい歌声を披露している(メルボルンのバンド、Armlockの)Simon Lamのみで、『A Love For Strangers』のほとんどはご自身のみで制作していますよね。

ニック:実はサイモン以外にもいるんだ。友達のジェイクがストリングスをやってくれたり、DARKSIDEのデイヴ・ハリントンもベースとギターを弾いてくれた。でも、アルバムの大部分は自分だけで作ったと言えるね。砂漠に住んでいたからだと思う。ニューヨークには至る所にミュージシャンがいるけど、ツーソンは違ったから。だから、意識的な決断というよりは自然なことだったんだ。ニューヨークでの激動の数年を経て、砂漠で一人で静かにこのレコードを作り上げた。個人的なプロジェクトをやってるみたいな感覚だったね。

それにあの頃はサンプリングをたくさんやっていて、このレコードには90年代の音のサンプルがたくさん入っている。サンプリングの権利処理ってめちゃくちゃ大変だから、またそれをやりたいかって聞かれたらちょっとわかんないけどね(笑)。

ーアルバムジャケットにはあなたとエレキ・ギター、そしてそれと繋がった機材たちが写っています。『A Love For Strangers』を作り上げる上でキーとなった機材などはあったりしますか?

ニック:いくつかあるよ。まず一つは、僕が最初のアルバムと最初のEPで使っていたマイク。『Texture』や『Built on Glass』、フルームと作った『Lockjaw』の全曲で使ってたやつなんだけど、20ドルくらいで超安いのにリアルな音なんだ。そのあとは、ボーカルにはすごく良いマイクを使うようになったから、何年か使わなくなってたんだよね。でも今回のレコードで、またこれに戻った。

他にもまだあるんだけど、長くなっちゃうな(笑)。あと、ボーカルをスペースエコーに通してスプリングリバーブをかけたんだ。そして、90年代のブレイクビーツやプレイサンプルをたくさん使った。厳密には機材じゃないけど、90年代のサンプルCDから取ったものだから。

話しておきたい機材はあと二つあって。まず、カーツウェルのピアノ。これも90年代のもの。それから、実は安いギターもたくさん使った。TEISCOのKギターってやつで、実は日本製で、元々は60年代や70年代のもの。これもかなり安いんだけど、すごく特徴的な音色でね。そのギターを2000年代初頭のBOSSのミキサーに通して、エフェクターも同年代のものを使ったんだ。これも安価なやつなんだけど、そういった機材が僕の音作りの要素だった。曲に違和感を感じたら、そういう要素を加えることでアルバムに馴染むようにしていったんだ。

ー機材もノスタルジックなものを使ったんですね。

ニック:この前、ちょうどフルームに言われたんだ。「なぜそこまで古い機材にこだわるんだ? 俺には理解できない」って(笑)。「自分でもわからない。ただ古い機材が好きなんだ」って答えたよ。昔の機材ってとにかくクールなんだよね。

ー先ほどお気に入りのミュージシャンとしてアンチ資本主義的な要素を持つ素晴らしい作品を作ってきたNourished by Timeの名前も挙がりました。昔の機材や90年代の音に影響を受けていることもそうですが、資本主義に対抗する手段が過去の作品の中にある、昔の音楽だったり芸術の中には資本主義によって失われた部分がまだ残っている、というようなことを感じたりしますか?

ニック:そうだね。往々にして、僕たちは今まで持っていたものが良かったかどうか問うことなく新しいものを手にしていく。それに面白いもので、音楽は巨大化したがる。というか、作品が気に入られると、業界はもっと大きく、もっと良いものにしろと言ってくる。でも、僕はそうすべきだとは思わない。ときどき疑問に思うんだ。そうすることで何かを失ってるんじゃないかって。ミュージシャンは世界中を回って音楽を演奏するのが仕事だから難しい面はあるけど、僕たちは別の方法を考え始める必要があると思う。

実はこのアルバム以来、僕はコンピューターを使わずにレコーディングしているんだ。BOSSの録音機材で2000年か2001年製のものを持っているけど、それが何でもこなしてくれる代物でね。コンピューターも新しいプラグインもいらない。僕はその録音機材が大好きなんだ。音にも個性がある。

僕たちはポスト資本主義の時代に生きている。それはつまり、常に新しいものを買わずに、コミュニティを築き、クオリティを担保することがはっきりと求められているって話だと思うんだ。短くまとめるとこれが僕の答えだよ。

Chet Fakerが語る人生の本質、ポスト資本主義時代、スライ・ストーンとディアンジェロの影響

@CAPTURECHARLES

ー昨年はスライ・ストーンとディアンジェロが亡くなった年でもありました。2人はあなたの音楽に大きな影響を与えたのではないかと思います。

ニック:スライ・ストーンは史上最高のボーカリストだった。彼が亡くなった時は本当に悲しかったね。彼の曲は本当にたくさん聴いたよ。もちろん以前からずっと好きだったけど、パンデミックの時期に本格的にハマって、デモ音源をたくさん聴いた。2年間ほどスライ・ストーンとT・レックスしか聴かなかった時期があったくらいね。ボーカルでは、スライ・ストーンのスタイルを結構真似してるんだ。特にファンキーな曲での彼の歌い方をね。本当に遊び心があるボーカルスタイルで、僕の歌い方に大きな影響を与えたのは間違いないよ。

そしてディアンジェロ。特に彼は、僕が音楽を始めたばかりの頃、すごく官能的なR&Bをやっていて、僕に大きな影響を与えた。彼の音楽に込められたスウィング感は特に好きで、とにかくたくさん聴いていたんだ。21歳の頃、スネアをグリッドから少しズラして叩いていたのを覚えてる。あのスウィングを真似したかったんだけど、僕の場合は演奏してるというよりただズラしてるだけだった(笑)。でもそれが精一杯だったんだ、当時の僕にとってはね。2人とも安らかに眠ってほしい。本当に素晴らしいアーティストだった。

ー4月30日のロサンゼルス公演から北米ツアーもスタートするとのことですが、どのようなツアーになりそうですか?

ニック:その前にオーストラリアツアーもあるし、夏にはヨーロッパでの公演もいくつか控えているよ。今のところライブはトリオ編成で、僕と他の2人のプレイヤーで演奏する形になる予定。今回は初めて、「これをどうやってライブで演奏できるか?」というのを曲を書いている間ずっと考えながらアルバムを作ったんだ。これまでそんなことは一度もなかったんだけどね。最高のアルバムを作ることだけに集中したいから、いつもはライブのことは頭から追い出すんだ。でも実際にアルバムを完成させると、その曲で何年もツアーをやることになる。ライブで演奏するのが難しいと、その後が面倒なんだ(笑)。だから今回のアルバムは、ライブで演奏することを意識して書いたんだよ。日本でもまたライブできたらいいな。

Chet Fakerが語る人生の本質、ポスト資本主義時代、スライ・ストーンとディアンジェロの影響

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