【写真を見る】映画史を支えた”名脇役”の決定的瞬間15
1. 『アラバマ物語』(1962)
デュヴァルの映画デビュー作。ブー・ラドリーはほとんど台詞がないにもかかわらず、作品の核心を担う重要人物だ。社会から隔絶された”恐怖の対象”でありながら、実は子どもたちを救う存在。ラストの無言の視線に込められた優しさと誇りは、彼の演技スタイルの原点といえる。わずかな仕草と存在感だけで観客の感情を動かすこの演技は、デュヴァルが後に確立する”静の表現”の完成形をすでに示していた。Brian Tallerico
2. 『雨のなかの女』(1969)
©EVERETT COLLECTION
コッポラとの初仕事。役自体は小さいが、魅力と不穏さを同時に漂わせる存在感を発揮。後に続く”威圧的な父親像”の片鱗も見える、重要なキャリア初期の一作。画面に登場する時間は短いながら、観客の記憶に残る強さがあり、彼の「場の空気を変える力」が早くも際立っている。David Fear
3. 『M★A★S★H マッシュ』(1970)
©20THCENTFOX/EVERETT COLLECTION
融通の利かない軍医フランク・バーンズを演じ、コメディの中で”真面目すぎる男”として笑いを生む。
4. 『ゴッドファーザー』(1972)
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冷静沈着な相談役トム・ヘイゲン役で、シリーズの均衡を支える存在に。激情に満ちたファミリーの中で理性を体現し、「忠誠」と「家族」の意味を体現する人物として強い印象を残す。派手さはなくとも、この作品に不可欠な柱だ。感情を抑えた演技だからこそ、裏切りや葛藤の瞬間に深い痛みが滲み出る。物語の倫理的重心を担う重要な役割だった。B.T.
5. 『トゥモロー』(1972)
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寡黙な農夫を演じ、完全に役へと溶け込む変身ぶりを見せた隠れた傑作。演技というより”そこに生きている人間”のように感じさせる、彼の本領が発揮されている。方言や身体性までも自然に馴染ませ、文化そのものに入り込むようなアプローチは、俳優としての探究心の高さを物語る。D.F.
6. 『ザ・アウトフィット』(1973)
©EVERETT COLLECTION
兄を殺された元犯罪者がマフィアに復讐する物語。強い意志と執念を持つ男を、爆発的なエネルギーで体現し、ハードボイルドな魅力を示した。
映画史に残る”戦争映画の象徴”
7. 『ネットワーク』(1976)
©EVERETT COLLECTION
冷酷なテレビ局幹部フランク・ハケットを演じ、企業社会の無慈悲さを象徴する存在に。利益至上主義の怪物としての説得力は圧倒的で、現代にも通じるリアリティを持つ。冷静さの裏に潜む暴力性をにじませることで、”成功者の狂気”をリアルに可視化した点が、この役を特別なものにしている。Tim Grierson
8. 『地獄の黙示録』(1979)
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「朝のナパームの匂いは最高だ」の台詞で知られるキルゴア中佐役。豪放で狂気的でありながら、戦争に執着する複雑な心理を滲ませ、単なる誇張を超えた人間像を作り上げた。一見カリカチュアのような人物に、妙な現実感と魅力を与えたことで、映画史に残る”戦争映画の象徴”となった。B.T.
9. 『グレート・サンティニ』(1979)
©ORION PICTURES CORP/EVERETT COLLECTION
家庭でも軍隊式の規律を押し付ける父親を熱演。暴力的で支配的な人物ながら、その裏にある不器用な愛情も感じさせ、初のアカデミー主演男優賞ノミネートを獲得した。観る者に不快感と共感を同時に抱かせる難役を成立させ、父性の光と影をリアルに描き出した点で高く評価されている。D.F.
10. 『テンダー・マーシー』(1983)
Robert Duvall in 'Tender Mercies.'
落ちぶれたカントリー歌手の再生を描き、アカデミー主演男優賞を受賞。歌唱も自ら担当し、静かな誠実さで”贖罪と再生”を体現したキャリア屈指の名演。
11. 『カラーズ』(1988)
©ORION PICTURES CORP/EVERETT COLLECTION
ベテラン警官として若手と対比を成す存在に。経験に裏打ちされた落ち着きと説得力で、物語に現実感を与えた。
派手なアクションではなく、言葉や態度で”生き残る術”を示す姿が、リアルな警察像として印象に残る。K.G.
晩年における集大成的パフォーマンス
12. 『ロンサム・ダヴ』(1989)
©CBS/EVERETT COLLECTION
自由奔放なカウボーイ、ガス・マクレーを演じ、人生の喜びと哀愁を体現。この役は本人が”キャリア最高の仕事”と語るほど重要で、世代を超えて愛されるキャラクターとなった。ユーモアと哲学を併せ持つ人物像が物語に温度を与え、観る者に”生き方”そのものを問いかける深みを持つ。D.F.
13. 『ランブリング・ローズ』(1991)
©NEW LINE CINEMA/EVERETT COLLECTION
善良で誠実な父親役。大げさな演技に頼らず、細やかな仕草で人間性を表現し、作品全体の土台を支える存在となっている。控えめな演技だからこそ説得力があり、他のキャストの感情を引き出す”受けの演技”の巧みさが際立つ。B.T.
14. 『アポストル』(1997)
©OCTOBER FILMS/EVERETT COLLECTION
脚本・監督・主演を兼ねた野心作。罪を犯した伝道師の再生を描き、カリスマ性と弱さを併せ持つ人物像を熱演。
15. 『ゲット・ロウ』(2009)
©SONY PICTURES CLASSICS
孤独な老人が自分の葬式を生前に開くという異色作。長年の後悔を語るモノローグは圧巻で、晩年における集大成的パフォーマンスとなった。静かな語りの中に積み重なった人生の重みがにじみ出し、”告白”をひとつのドラマとして成立させる力量を改めて示した。D.F.
from Rolling Stone US
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