新しい元号は“自慰”に決定!?

今、このゲンコーは退院して自宅で書いている。2019年3月18日。病院へは外来という形で月に1度ほど電車&徒歩で通院。

実は今日の午前中も行ってきたばかり。検査結果は問題ナッシング。転移なし、と。素晴らしい日々だ……。帰りの電車の中刷り広告はユニコーンの新作。ベタだ。

もう、こういうプロモ展開って昭和&平成なんだろう。

つーか、本紙が配布されているのが4月1日なら歴史的な日。新しい元号の発表。やっぱり、“自慰”になったのかな? わくわく。

ちなみに、新しい元号である“自慰”を待たずに「ロケンロー」とせっかちにあの世に旅立ってった人も……。

4月1日まであと2週間くらい。

これからもまだ増え続けるような予感がする。平成から自慰へと。その心構えが出来ていないと50代以降は振り落とされていくような気がしてならない。「平成の次? 何でもいい」って人に新しい自慰の毎日はきつい気がする。

どうしてみんな癌じゃないのか?

さて、先週の続き。もう、さくっとスピーディーに自慰伝は今回からプッチRe乳輪。軽快にポンポンとカジュアルにいきます。

文字が小さいのは良くない。反省。

前回の最後、“自分が癌であると医者に告げられたらまず誰にどんな形で報告すべきか?”について次号で書くと約束したので今回はそれについて。

2018年7月20日に口腔底癌であると医者に宣告されたオイラ。カラカラと音のする真っ白な頭で部屋に戻り、まず最初にやったことは……眠った。とにかく寝てから考えようと。

朝早く起きて自転車で病院まで行ったので体力的にもボロボロでベッドに横たわると眠りはすぐにやってきた。それは妙に現実味のある生々しい眠りで現実と夢の中を行ったり来たり。エアコンをギンギンにかけて寝たのにもかかわらず大量の汗をかいて起きた。

あ、夢じゃなかったんだ……

目が覚めてオイラはひどく、それはもう本当に酷く落ち込んだ。オイラ、癌になっちゃったんだ、って。いや、夢だ嘘だ! そう思いたかったオイラは再度、眠ることにした。

けれども、眠りはもうやってこなかった。

ボ~~ッと天井を眺める。白かったはずの壁のクロスはまっ茶。もう16年もここに住んでるんだもんな、と。16年で癌になっちゃった……泣くかな? って、ドラマチック涙待ち。現実は泣けてさえもこなかった。

「どうしてみんなは癌じゃねーんだよ!?」

オイラは思わず強く声に出した。どうしてオイラが? 他の人でいいじゃんかさ。オノチンもキクちゃんも癌じゃないじゃん。

ヤメてる酒にさえ手を出す気分になれなかった。「癌か……ちと重い。どうしよ? 困ったな」。ベッドの上でひとり言。

でも、リアルに自分が死ぬかもしれない、ということは1ミリも考えなかった。センセーから細かいことは聞いてない。いや、聞いたかもしれないが忘れてしまった。

第8回「ミネタくんの言葉に救われて 翔くんの言葉に背中押され...の画像はこちら >>

「口腔細胞を採取され癌と宣告された腫瘍」

優先順位を決めて癌連絡すべし

癌宣告1日目。決まっているライブとレコーディングのことが気になった。中止にするかキャンセルにするか? つーか、手術してすぐに治ってライブとかレコーディング出来るのかしらん? 癌って……間違いでしょ? そうだ、きっと間違いだ。だったら出来る。

ううっ。とりあえず、♪レコード会社、♪レコーディング・エンジニア、♪ライブハウス。3人に電話で連絡をすることにした。

3人とも運良く捕まった。「あのですね、実は癌になっちゃったみたいで……手術とか入院でスケジュールが難しくなっちゃったんですよ。アハハハハ」と電話でオイラ。みんな、シーーーーーン。沈黙。リアクションは暗い。そりゃそっか。

怒られるかと思ったけど、みんな「わかりました。まずは身体を最優先に考えてください」と。「どうしてくれるんだよ!」とキレる人はいなかったので安心した(笑)。

「どうして癌になんかなるんですか? 無責任ですよ! ライブ(レコーディング)も前から決まってたことなんですから、やってもらわないと困ります。体調管理も仕事のうちですからね。わかってます!?」な~~~んて言われたらDOしようか? とビビってた。

とりあえず3人ではあるけれど癌であることを話すと少し落ち着いた。って、癌? 癌なのか、オイラ?(涙) まだじぇんじぇん認めてはいない誤診100パーセント気分時期。

このノリで仕事もプライベートも含め皆に自分が癌になってしまったことを知らせようと決める。善は急げ。こういうことは早い方がいい。って、善じゃねーよ、癌だよ!

癌は急げ。

今日中に癌のお知らせひな型<定型文>を作って、それをコピーしてラインやメールで送ればいい。でも、自分で「私、この度、縁あって癌になりました。引き続きよろしくお願いいたします」っていうのも……。

おかしいだろ~~~~~?(笑)

オイラ人生初のヤフーニュースが癌告知

癌か……なんて考え込んでいると、別件でオリコンのUくんから電話が入った。癌になってしまったことを話す。すると、ニュースにしませんか? と。アハハハハ。商魂たくましいな。さすがだ。ま、オイラの癌ネタなんて商売にならないけど。

ニッキンタマと連動させてニュース出しをすれば最終的にヤフーニュースにも載ると。運良く明日はオナニー記念日<7月21日>。そのタイミングでデッカイ打ち上げ花火をあげましょうなんて話。泣けてくる。

その話のったーーーーーー!

この辺からオイラの癌ビジネスがスタートw

Uくん曰く、癌ネタはSNSニュースの中でも重宝がられるらしい。ランキング上位になることも多く美味しいネタだとか。ホメられた。あまり嬉しくはない。まだ、オイラ、癌と宣告されてから数時間しか経ってない……。

癌の自分に慣れない(涙)。

でも……

「わあった。とりあえずやってみるうぅぅ」と癌宣告されたばかりのウブなオイラ。言われた通りにする。癌初心者なもんで。

癌告知文言を書き、そして、ニッキンタマで詳しく癌について1万字近く書く。もう、この辺は猛烈な勢いで書いていたと思う。うりゃーーーーーーー! とか叫びながら。

明日の<オナニー記念日>を<癌記念日>に変えるため書きまくる。時間との勝負だ。癌との勝負はその後(笑)。

電話でひたすら泣かれたり念仏唱え……

≪関係者に送った癌告知≫

0721<オナニーの日>

癌<ガン>になっちゃいましたーー(笑)。

宣告が昨日で、オナニーな今日なんで、先のことなどクルクルパーです。

いろんなことがわかり、決まり次第にまた改めて連絡します。

やれることはやれる範囲内でとは思ってますが、相手が相手なだけに……。

取り急ぎ、お伝えしないといけない人には……と、思い。

文面コピーで失礼ッス。ちと脳内クルクルパーで限界ッス。

口腔底癌。厄介ですがやっつけます!

イノマー

第8回「ミネタくんの言葉に救われて 翔くんの言葉に背中押された」

「悪戯と思われてもおかしくない内容」

2018年7月21日のこと。

どんな気持ちで送ってたんだろう? 忘れた。でも、コピーした文言を貼り付け&送信。夢中になって繰り返した。頭は真っ白だったと思う。何も考えていなかった。自分が癌になってしまったことすらも忘れてた。

オイラが癌になったということを告知するための原稿を自分で書く(笑)。アハハハハ。どこまでも、何があってもイノマーだよなあ。

DIY

大切な人たちに、オイラが癌になったことをニュースで知られるのがヤだった。ちゃんと自分からお知らせしないと、って。

どうにかこうにか間に合った。

まず最初にミネタくんにメールをして、その後にハルさん。ふたりともラインをやっていないので携帯メール(笑)。アハハハハ。いまどき、携帯メールってw

でも、このふたりに「癌になっちゃった」って伝えたことによってマブで肩の力が抜けた。ホッと一息。もう大丈夫、って思えた。何だろうね?(笑)。気が楽チンポになった。

あとは勢いでドドドドドっと。携帯アドレス名簿の上から下までメール、ラインを送りまくる。家族とメンバーは敢えて後にした。

多くの人から返信が届いた。みんな、驚き、心配してくれていた。申し訳ないことをしてしまった、と落ち込む。

電話がかかってきてひたすら泣かれたりもした。エガちゃんからは毎日のようにリンリン。ひたすら念仏を聞かされたこともw

第8回「ミネタくんの言葉に救われて 翔くんの言葉に背中押された」

「心配という意味では家族よりもオイラの癌のことを気にかけてくれた超友情(涙)」

最初に返信メールが来たのはハルさんだったような気がする。電話をくれたのはミネタくん。マネージャーの江口くんとも話した。

オナマシの最新アルバム『オナニー・グラフィティ』の帯コメントでも使わせてもらったミネタくんの言葉にオイラは救われた。「面白くなってきましたね? これからッスよ」

このことに関してはもう既にいろんなところで話し、書かせてもらったので割愛。

BAKA IS NOT DEAD!!

氣志團の翔くん(綾小路翔)からも返信が届いた。真夜中だったと思う。ステキな一言。嬉しくってとびあがった。癌になって良かったとすら思った(笑)。

「BAKA IS NOT DEAD!!」

オイラはオイラなりの解釈で受け取った。

「こんなもんじゃねー

オイラを誰だと思ってんだよ!?」

ミネタくんの言葉に救われて、翔くんの言葉に背中押された。

オイラにピッタリの言葉。オイラのバックボーンなんかも知っている翔くんならではの絶妙な名言チョイス。

パンクスからバカへと。オイラなりの素晴らしい成長。これでいいのだ。これしかない。

中指を立ててた10代。中指を舌の付根に突っ込まれる今のオイラ。どっちもどっちだ。目くそ鼻くそ。アハハハハ。

翔くんに「ありがと。いただいちゃいます」と返す。すると、「どうぞ」と(笑)。なんかツーカー。長いこと会ってないのに……。

やるっきゃないんだよな、と。癌になって改めて思わされた。自分が癌になってしまったことをみんなに告知、ゲロっちゃうことで癌を面白く、笑いにかえないといけない。

難しいんだけどね。痛々しいと思われちゃうじゃんかさー。ムリしちゃって、って。ヤだね、それ。そんなこと全然ないのに。癌になって、無理なんかしない! っちゅーの。

オイラの中でオナマシ20周年は大きくふたつに分かれていた。そのひとつが20周年記念アルバム。そして、もうひとつは……ふふふ。

そのカギは翔くんからもらった言葉にあるのかもしれない。鍵は誰が握ってるのか? 鍵は誰が握ってるのか?<J(S)W>。

「BAKA IS NOT DEAD!!」

 良い言葉だ。2019年のこれからの指針、テーマとなる言葉。オナマシ20周年の合言葉。

バカは死なない。死んだりして(笑)。

第8回「ミネタくんの言葉に救われて 翔くんの言葉に背中押された」

「Tシャツにしたところ完売(笑)」