自分たちの演奏とお客さんの熱で成り立つライブ

──初のフランス公演を含め、オランダ、UKと廻る『YAMETATTA TOUR』が今年2月に行なわれ、現地では大歓迎を受けたようですね! 初めて訪れる場所、何度目かとなる会場、それぞれに関して、バンド自身としては、どんな手応えを感じましたか? また、今回のツアーを通じて特に印象深かったのはどんなことだったでしょう。

あっこりんりん:手応えとかは一本一本夢中でわからないです。とにかく自分の殻を破りたい、自分たちの音一つ一つを感じ切って放出したいというのが目標でした。

でも初めて行ったフランスや1回しか行ってないオランダで、曲を知っているファンが多く来ていてびっくりしたし、感動しました。フランスのフェスで親子が楽屋に来て、小学生くらいの男の子が私たちのレコードを持って大喜びで目をキラキラさせていたのを見て、私たちがフランスに来ると聞いて駆けつけてくれたんだなあ、この日を楽しみにしてくれていたんだなあと思って涙が出そうになったし、誰かにそういうふうに思ってもらえるバンドをしていることが幸せだなと思いました。

よよよしえ:ツアー中はライブに必死で比べることができるほどライブの熱量等を冷静に考えられないので、どうだったかは正直わからないです。ただ毎回熱狂的な奴らが来て楽しんでくれてるのはほんとに嬉しいです。日本もそんな感じになってきてるのも感じてるのですが、やっぱり海外でのライブはお客さんが各々「われが主役や!」と言わんばかりに踊りまくってる様が最高で、ステージから見てても「よっしゃぶちかましたろ!」と気持ちを掻き立てられます。ただ、今回のツアーは熱狂が過ぎてケガしてる子とかが出ちゃって、それはめちゃくちゃ悲しかった。

私たちのライブは自分たちの演奏とお客さんの熱で成り立ってるので、いつでもどこでも愛と思いやりのあるモッシュピットを心がけたいですね。

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ひろちゃん:今回のツアーでは初めての国、会場も多くあったのでやはりポカーンとした様子でいる初見の方、すべての会場に来てくれたいつもの方、いろんな姿が見れて面白かったです! どの会場でも若いお客さんが増えたな、と思いましたね。モッシュの激しさは今までで一番だったと思います!

かほキッス:『YAMETATTA TOUR』は私にとって2度目のヨーロッパ・ツアーでした。前回は客席を見る余裕がなかったのですが、今回はどこの会場でもお客さんがぎゅうぎゅうだったのが印象深かったです。3つの会場でチケットがソールドアウト、最終日のScalaではお客さんの数が過去最高でした。おとぼけビ~バ~を楽しみにしてくれている方が年々増えてるのは本当に嬉しいです。

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全員が仕事を辞めてバンドに専念しようと決意

──タイトルに『辞めたった』と掲げてある通り「退職して初のツアー」ということで、心境的にも新鮮な感覚があったのではないかと思います。全員が仕事を辞めて、ミュージシャン/バンドに専念しようと決意するまでの経緯について、聞かせてください。

あっこりんりん:2019の『SXSW』で、レーベルのジョージ(※おとぼけビ~バ~が所属する「Damnably」は、George GarganとJanice Liの2人によって運営されている)に「いくらあれば生活できるの?」と訊かれて、当時の月給を答えました。そうしたら「今は無理だけど、いつかはいけるよ! がんばろう!」と言われて。そんないつかはいけるなんていう可能性が自分にあるなんて衝撃を受けました。

 その日泊まるホテルは4人部屋だったので、みんなで「さっきのはびっくりしたなあー、でも遠慮してちょっと少なめに言うたもんな!」とか話してたら、突然よしえちゃんが「でも私、全然いい! 全然もっと少なくても仕事辞める!」と言って。びっくりしました。

というのも、よしえちゃんが一度新卒で就職して東京に行ってしまい、私はバンドがやりたかったけどそれぞれの人生があるしそんなことは言えないし、もちろん私も食っていけるとは思ってなかったし、就職して。で、数年後やっぱりバンドやりたいって戻ってきてくれて、「仕事しながら長く続けよう!」というスタンスでやってきたので、よしえちゃんはその気持ちのままだと思ってました。

 海外に出ておとぼけのことを面白いって言ってくれる人がこんなにいるんだと知ってから、仕事を辞めて挑戦したいという気持ちは持ってましたが、私が曲書けなかったら迷惑かけるし、みんなが生活できなくなるし、と自信もなくて。みんな仕事辞めてまではついてきてくれないだろうと正直思ってました。だからよしえちゃんの言葉はピストルで撃たれたような、クヨクヨしてた頭がパーンってはじけるような感覚で、同時にめちゃくちゃ嬉しかったです。一度しかない人生、これでいいの? いま行かないで後悔しないか? とずっと悩んでいたから、「絶対こんなチャンス誰にでも来るもんじゃないし、乗ったほうがいいよね!」とその気持ちも共有できて嬉しかった。

かほちゃんとひろちゃんにもどう思う?と恐る恐る聞いたら、普通にOKって言ってくれて。このバンドを尻込みさせてたのは私だったんだなと思いました。

 日本に帰ってから、ジャニスとジョージに「やっぱりプロでやっていきたいから仕事を辞めようと思う! 来年のツアーを組んでほしい」と頼みました。ジャニスは「めっちゃプレッシャーやわ」ともこぼしてましたが、今はいいタイミングだと思うと言ってくれました。そのあとダウンタウンミュージック(出版社)からも一緒に仕事がしたいとメールが来て、いろいろと時間をかけて打ち合わせしながら退職に至りました。

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よよよしえ:2019年の『SXSW』の話があっこちゃんからも出ましたが、もともとはと言うと新卒で入った会社を一度辞めてまして、その仕事を退職するまでは「普通に働いて親安心させて結婚とかしちゃったりすることが幸せなんだろうな」とマジで考えていたクソお花畑脳みそ野郎だったんですけど、まあ冷静に考えればそれが本当に幸せかどうかは人それぞれじゃないですか。

 で、その会社に入社したまでは良かったんですけど、仕事はクソ、人付き合いはパワハラ上司のみ、友達もいない、仕事も私生活もハイパーめちゃくちゃ、なんも信じられへんみたいな状況が続いて。結果、仕事も辞めてあらゆるものをなくしたんですけど、その時に唯一待っててくれたのがおとぼけビ~バ~で、「あ、私、これしか残ってないし、あっこちゃんがこのバンドやりたいって言うてる限り私はこのバンドに私を捧げよう」ってなったのがおとぼけをマジのマジで続けていくきっかけの一つでした。究極を言うと、あっこちゃんに「このバンドにお前いらない」ってなったら全然身を引くレベルでやっています。あんまりそう見えないと思うけど。

 で、その決意後はわりとすぐに再就職ができて、みんなも正社員で働いてたのでその時のスタンスとしては仕事をやりながらというのはあったのですが、自分的には一度おとぼけビ~バ~に自分を捧げる決意をしてたので、仕事を辞めることには何の抵抗もありませんでした。あと、単身で求める生活の質(QoL)も他のメンバーと比べてかなり低いので、失うものが何もなかったっていうのもちょっとはあるかもしれません。

ただ、再就職した先がほんとにホワイトで、職場の人みんなが応援してくれてたのと、とにかく居心地が良く「仕事って楽しいな~」って思える場所だったので少し惜しいなという気持ちは正直ありました(笑)。今でも会社の自慢を友達にしちゃう時があるくらい良い会社でした。

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ひろちゃん:あっこちゃんにどう? って訊かれた時、私はアルバイトだったこともあり、「仕事にこだわりないし! バンドして辞められるなら最高!」と正直、少し軽い気持ちだったと思います。徐々に新しい環境への不安を感じ始めた時、暗い声で母親に電話をしました。その時「そんなことまで考えてるの!」と大笑いされ、そういえばこの人、楽観的だった…私もそうなってみるか、と楽しむ覚悟ができたのを覚えています。仕事も確かに楽しかったし、充実していましたが、バンドしてる自分とどちらが好きか? ってなったら当然今の自分で。未来の自分にわくわくしながら生きていける人生をもらえたことは本当に嬉しいです。あっこちゃんにやりたいことがある限り、私はおとぼけビ~バ~でいたいなと思います。

かほキッス:『SXSW』のホテルで話した時、仕事を辞めることについては何の躊躇いもなく賛成しました。当時、バンドに加入して約1年半でしたが、活動の中でしっかり手応えを感じていましたし、集中したいと思う時もあったので、バンドに絞ることに対して不安はなかったです。私自身、周りの環境を変えることもあまり抵抗がないので、帰国後はすぐ準備に取り掛かりました。いつでも個人練習ができるように音楽スタジオの近くに引っ越したり、貯金のために転職したり。

 それまで務めていた会社も好きで選んだ仕事だったので、離れるのは寂しかったです。でも、やってきた経験は減らないし、これからは想像できない経験ができる。行ったことない場所にも行ける! 10年、20年経ったら自分はどうなってるかな!?と想像すると寂しい気持ちは消えてわくわくに切り替わりました。これからが本当に楽しみです!!!

 また、バンド活動に力を入れることに対していろんな方に応援してもらえたこともエネルギーをもらいました。バンド活動をしているといろんな人に支えてもらっていることを実感します。私もどんな形でもいいのでおとぼけビ~バ~の活動が誰かのパワーになれるように、調子良くやっていきたいなと思っています。

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バンドのことだけを考えればいいのは嬉しい

──現時点で、バンド活動にはどのような変化が起きていますか?

あっこりんりん:自分としてはやっぱりプロになって本数も増えるので、体調管理と声に対してめちゃくちゃ気を遣うようになりました。スタジオにはいっぱい入れるし、考えることもバンドのことだけを考えればいいというのは嬉しかったです。

 今は京都と大阪間の電車移動を避けるために練習も自粛しているので、ラインや電話でどういうことをやっていくか、毎日のように連絡を取り合っています。

よよよしえ:人生で2つ目の仕事を辞めてからもしばらくは手続きやらなんやらでバタバタとしてて、その流れでツアーが始まったのでツアーが終わるまではけっこう目まぐるしい日々を過ごしてました。こっちに帰ってきてコロナの問題がかなり大きくなりだして、3月27日・28日に東京2デイズを予定してたのですがキャンセルを決断。自分が何よりも楽しみにしてたぶん、これがほんと残念でした。ヨーロッパ・ツアー中に急遽決めたライブだったので周りにもいろいろと手伝ってもらってたのと、何よりヨーロッパ・ツアーから帰ってきた私たちを楽しみにしてくれてた人に申し訳ないなという気持ちでした。

おとぼけビ〜バ〜【前編】- とにかく今は「次なんかできへんかな」の精神で!乞うご期待!

 とにかく今は「次なんかできへんかな」の精神で日々過ごしております。常に楽しいこと考えるスタンスです! 乞うご期待で(基本的に課金で楽しいやつ)。直近で言うとおとぼけビ~バ~でnoteを始めました。インタビュー自体お声をかけていただくことも少ないので、自ら発信するスタイルでいこうかと。これも課金スタイルなのですが、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。

ひろちゃん:ツアーを終えて帰国してからは自粛もあり、時間ができたので音楽に触れる時間がかなり増えました。ベースを楽譜に起こしたりバンドのコピーしてみたり、高校生の時にやっていた練習をもう一度してみたり。その様子を少しSNSにもあげていければいいなと思ってます。あとは今回のツアーで2つのフェスに出て、こんなバンドがいるんやと感動するような出会いもありました。そこからかなり音楽を聴くようになったと思います。私にとっては一番大きな変化です。

かほキッス:今はコロナの影響でスタジオ練習でさえできない状態なのですが、できることを探してどんどん活動したいです。

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ロンドンのBBCセッションはマジで最高でした!

──ロンドンでは、かのBBCでスタジオ・ライブ・セッションも実現しました。現場ではドン・レッツも同席していましたが、いわゆる「BBCセッションズ」はバンドにとってどんな体験でしたか? BBCのスタッフは、とても作業が早いという話を聞いたことがあります。大変だったこと、やりやすかったことなど感想を教えてください。

あっこりんりん:私だけ仕切られたボーカル・ルームに閉じ込められてのレコーディングで、初めての録り方だったのですごく緊張しました。でも初めての方法でみんなで集中して、いいテイクが録れたので良かったと思います。ミックス・ルームのスピーカーが良すぎるのもあると思いますが、ラフミックスの段階で良すぎてびっくりしました。BBCのエンジニアに褒めてもらえたことは自信になりました。ドン・レッツが普通に遊びに来て普通に私たちの動画を撮って、普通に私たちのミックスを聴きながら足でリズムを取っていて、意味わからんなと思いました。

よよよしえ:BBCセッションはマジで最高でした。超いい経験。セッティングの段階では「声ぜんぜん聴こえねえ…」など不安面が多々あったのですが、みんなで向かい合って一発録りすると、「えー! こんなにいい音出ちゃう!?!?!?」ってな感じで普段の5割増しでギターもかっこよくなった気がします(一発録りと言うてますが、「シルブプレ」に関してはめちゃくちゃギター直した)。うちらがやりたい感じとかバランスをばっちりわかってくれていて、プロフェッショナルってすげえな! とただただ感嘆。スタジオで聴いた音源も爆音ということもあり、かなり良かったのですが、ラジオから流れた音源もこれまた良くて感動しました。BBCにはドン・レッツが夫婦で遊びに来てくれて、彼がその様子を撮ってくれました。この映像、もちろんドン・レッツしか今は見れへんのですが、その場でちょっと見ただけでもほんまにイケてる映像で…!(みんな衣装じゃなくてジャージ姿なのになぜかイケてるんです)いつかドン・レッツ監督で長編ミュージック・ビデオ作ってくれたらなー!

おとぼけビ〜バ〜【前編】- とにかく今は「次なんかできへんかな」の精神で!乞うご期待!

ひろちゃん:レコーディングの時は少し緊張していて、どんな雰囲気で曲が録れているかわからず不安だったのですが、仕上がりを聴いてとても感動しました!理想的な音!私は英語が苦手なのですが、やりたいことを汲んでくれてとてもやりやすかったです。

かほキッス:とても良い体験ができたと思います。作業スピードの速さと技術は言わずもがなですが、一番の収穫は初めて見るドラムのミュートの仕方をエンジニアさんから学べたことです。BBCセッションの次のライブから取り入れさせていただきました。ありがとうございました!

──「BBCセッションズ」は数多くのアーティストが作品化してきています。オンエアされたテイクを聴いて、どれもすごく良いと感じましたが、将来的にCDなどにしていく考えはないですか?

あっこりんりん:何も考えてなかったです!(笑)いいアイデアですね!

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お笑いから受けた深すぎる影響

──BBCでも演奏された「呼ばんといて喪女」は、テレビドラマ『猪又進と8人の喪女~私の初めてもらってください~』の主題歌として提供されました。外部からの依頼に応える形での作詞・作曲というのは、いつもとは少し違う取り組み方になったのではないかと想像しますが、いかがでしたか?

あっこりんりん:その通りで、自分は人から依頼されて曲を書くなんて無理だと思っていました。さらば青春の光のマネージャーさんから頼み事があるから電話すると連絡があって、内心これは…私に頼み事なんて作曲依頼しかない…と察していたので、めっちゃOKしたいけど無理な仕事かもしれん、どうしようと悶々としながら電話を待ってました。実際お話を聞いて、私の思うようにやっていい、口出しはしないと言ってくださったのと、テーマが「喪女」で、女の負の感情を唄うなら君しかいないと言われて、ぜひやらせてくださいと答えました。

 電話で軽く話のあらすじを聞いた時にすでに「喪女って誰が決めてくさんねん」と思って、その目線で書くことに決めてました。20秒くらいのオープニングなのでちょっきりで提出したいと思ったのと、地上波で聴こえてこないようなハウリングをさせたいとか、曲のイメージは電話を切った時点でありました。ちょうど依頼が来る前に「いかんせん難ありの女ですから…」という、自分はこんなに欠点だらけだけど頑張って生きてるんだよう! という歌を書きかけだったのでタイミングがめちゃくちゃ良かったのもあります。

 一番ネックだったのが締め切りがあったことでした。いつも自分のタイミングでできひん時はできひんで寝かせたりしてたのが今回は通用しなかったので、毎日この曲のことばっかり考えて眠れませんでしたが、スタジオでそんなに煮詰まることもなく予定通り仕上がってホッとしました。

──他のミュージシャンやバンドからよりも、お笑いからの影響について積極的に語られていますが、どのようにハマってきたのでしょう? 自身の音楽を通じた表現に、お笑いの影響が反映しているという自覚を持ち始めたのはいつ頃からでしたか?

あっこりんりん:こないだ亡くなった志村けんさんのドリフ、だいじょうぶだぁから始まり、ごっつええ感じ、吉本新喜劇、baseよしもと等々、小さい頃から常にお笑いはそばにありました。志村けんさんが自分の根本にあったなんて当たり前すぎて自覚なかったですもんね、めちゃくちゃ影響受けてます。だから自覚とか本当にごく最近やと思います。なんで音楽聴く気にならへん時もお笑いは見れてしまうんやろうとか。ごく普通に笑った後に、なんでこんなに楽しい掛け合いのテンポなんやとかツッコミの言葉選びなんやとか、演技力とかトーク、間の取り方一つとっても、なんて芸人さんはすごいんだと尊敬してます。スタジオで「(芸人名)の(ネタ中のセリフ)と同じイントネーションねんけど」とみんなにメロディを教えたりとか。DNAみたいな、お笑いはもう体に染み込んでしまってるからあんまよくわからないです。

おとぼけビ〜バ〜【前編】- とにかく今は「次なんかできへんかな」の精神で!乞うご期待!

よよよしえ:大阪でテレビをつければよしもとの芸人さんを見ない日はないので、まずはそこからの影響でした。ハリガネロックとロザンの漫才が衝撃的に面白かったことがきっかけで、テレビ欄にハリガネロック・ロザンがないか探すようになり、夕方にやっていた『べえぇす!』『?マジっすか!』というところから『吉本超合金(F)』『クワンガクッ』などの深夜番組を見るようになりました。一通りテレビで満足できなくなった頃からbaseよしもとの芸人さんが出演する深夜ラジオを聴くようになり、そこで音楽に少しずつ興味をもつようになりました。小学校高学年から中学3年間の間は1日5時間以上ラジオに費やしていました。お気に入りの番組で麒麟のラジオ(『金曜生です麒麟です』)があり、そこで麒麟の川島さんがくるりが好きだということを知り、そこからどっぷりくるりにハマり、高校生の時に立命館大学を目指すようになりました。

 なので、麒麟のラジオを聴いていなければ立命館大学に進学していませんでしたし、もちろんおとぼけビ~バ~は結成されてなかったので、私のバンド道を決めたのは麒麟の川島さんといっても過言ではないです。『KOYABUSONIC』で一度ご挨拶をさせていただいたのですが、緊張のあまりそのお礼を言えなかったことを今でも悔やんでいます。

おとぼけビ〜バ〜【前編】- とにかく今は「次なんかできへんかな」の精神で!乞うご期待!

ひろちゃん:小学生の頃から家に帰ったら録画していたお笑い番組、中学生の時は寝る前に『GOYODA』という芸人さんが日替わりでパーソナリティを務めるラジオを毎日聴き、高校生になるとbaseよしもとに週2、3回は通い、完全にお笑いにどっぷりな学生時代を送っていました。その頃、芸人さんの出囃子で知ったバンドがたくさんあって、たとえば私はかまいたちが好きだったので今でもAlaitz Eta Maiderの「Amets bat」は聴いています。出囃子に使われていた曲を聴くと、バンドより先に芸人さんの顔が浮かんでしまいますね。

かほキッス:私は小中学生の頃にお笑い好きな姉の影響で吉本新喜劇や爆笑オンエアバトルなどを見て過ごしました。そして高校生になって劇団ヨーロッパ企画に出会い、それからずっとファンです。思い返せばヨーロッパ企画のおかげで私の文化の世界が一気に広がった気がするので、いろんな面でかなり影響を受けていると思います。言葉選びが面白すぎるので、いつも本公演を見ながらセリフを覚えて、帰り道に一生懸命思い出しながら帰るのをもう何年も繰り返しています。

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後編に続く!