中川翔子やVTuberのミライアカリへ楽曲提供を行なうなどマルチクリエイター/ヴォーカリストとしてウェブ上をベースに活動を続けてきた“ゆとり”が゛本名の“悠”として今回より活動をスタート。本人の誕生日である4月27日の18時に、最新ナンバー「カルマ」のMVを解禁。
同時に配信リリースも開始。 MVの制作は、ネット界隈で支持の高いイラストレーターのsakiyamaさんが担当。彼が、どんな想いを持って「カルマ」を完成させたのかアンケートインタビューという形を通して想いを伺った。

アンケートインタビュー

――これまでは"ゆとり"と"悠"二つの表情を使い分けてきましたが、「カルマ」の発売をきっかけに名義を悠に統一。その理由から、まずは教えてください。 悠:アーティスト活動と作家活動、それぞれがひと段落したので、かねてから自分の音楽活動の起点として節目になっている(やらしくも自分の誕生日なのですが)4月27日を前に、皆様への活動報告も兼ねて今後の動きを集約するために統一しました。 ――悠と名前を統一したことで、今後どう変わっていくのでしょうか? 悠:曲を頑張って作って発信する、という点でいうと特に今までと変わらないかもしれません。良い意味で。 ――これまでの流れを知らない方もいるかと思います。"ゆとり"と"悠"と分けて表現していた理由や、それぞれの違いも教えてください。今後、また別々になる可能性もあるのでしょうか? 悠:別々になる可能性はなく、「悠」のみになります。自分の今までの音楽活動は常になにかしらのコミュニティに属しておりましたので、一人としての立場で、武者修行的な意味合いも込めた上でそれまでの「悠」としてのカラーや先入観とは切り離して音楽を生み出したいという意志から、「ゆとり」として別人格且つ覆面の名義を立てました。
違いで言えば悠はボーカリスト・ドラマーなどのオンステージ、ゆとりは楽曲制作とその発信というインドアな活動がメインといったところでしょうか。 ――4月27日に最新ナンバー「カルマ」が配信リリースになります。この楽曲は、"ゆとり"として活動していたときの流れを受け継いだものとして受け止めて良いのでしょうか? 悠:そうなりますね。ゆとりとして積み上げたものを「悠」として応援してくださってきた皆様にもお届けできることを嬉しく思います。 ――「カルマ」を作るに当たっての狙いを教えてください。 悠:狙いというほどではないのですが、昔からどちらかというとダークで攻撃的な音楽性の方が好みでして、しかしそれはやはりキャッチーではないしもっと言うとあまり求められるものでも無いと思うので発信できる機会が中々ありませんでした。自らの名義であることをいいことに好きな音楽をやってしまえというのが正直なところです。もちろん今まで自分が作ってきたキャッチーな音楽たちも大好きなのでご安心ください笑 ――「カルマ」とは"人の業"のこと。それをテーマに選んだ理由が気になります。 悠:結局は自分自身の話ですね。音楽人生は良くも悪くも「業が深い」という部分があって、この曲でいうとやはり先述のダーク好きが影響して業の弊害みたいな側面を描いた結果になりました。 ――「カルマ」の冒頭の歌詞が、「屋上から黙ってテイクオフ 天国に着地なら成功」と衝撃的でした。
この歌で、悠さんは何を伝えようとしたのでしょうか?
悠:これもなにかメッセージがあるというより自分の思考や状況を反映しているのかなと思います。挙げていただいた冒頭の歌詞でいうと...音楽は夢を届ける仕事であり、また自分自身も夢を強く描かなければいけないお仕事ですが、例えば最終的に夢を終わらせるかどうか、その決断を下すのは必ず自分自身だと思っていまして、とても辛いものでありますから自害を迫られるようなものだなと感じる時があります。その一方で表面では華やかに夢を演じ続けているわけですから、「ゲームに興じているが敗者は自害する」という情景を連想し描きました。 ――人の心は裏腹だと思います。わかっていながら落ちてゆく人たちもいます。もちろん、裏腹な心情を相手に理解して欲しいと暗に求める人もいます。「カルマ」からは、そんな裏腹な気持ちも見えてきました。その辺の心情を描こうという意図もあったのでしょうか? 悠:おっしゃる通りです。しかしこれも意図というより、僕自身を反映しただけなので図星に見透かされてしまっていて恥ずかしい気分です(笑)。ただ歌詞が難解だと言われることが多いので、コンセプトが伝わってよかったです(笑)。 ――「カルマ」は、とてもスリリングでサスペンス&ホラーな表情を持って歌が進んでいきます。その緊張感を持った様に強く惹かれます。
曲調的な狙いもあったのでしょうか?
悠:自分の好きなディミニッシュ(和音の種類)を多用するギターロックを作りたいというのが先にあり、そこからネバーランド症候群的な歌詞にしたいという着想が生まれ、サーカスのような、古びたテーマパークのような雰囲気が欲しいという連想が生まれました。ハープシコードやアコーディオンが登場するのはそのためですね。楽曲の着想時点から歌詞・編曲・歌唱・ドラムプレイに至るまで自分で世界観を構築出来るのは一つの個性かなと思っています。 ――完成した「カルマ」のMVについての、悠さんなりの想いや感想、見どころも聴かせてください。 悠:自分自身の描く世界とsakiyamaさんが描写する世界、まさしく代弁してくれているという点と想像とは全く違ったという点が瞬間ごとに見事に折り重なり、このMVと合わさって初めて「カルマ」が完成したと言っていい出来だと思っています。裏話として完成した音源にsakiyamaさんがつけてくださったMVを見て衝撃を受け、これではダメだと自分の歌だけ再度全て録り直しました。素晴らしい刺激をくださり本当に感謝しています。 ――「カルマ」の「ここに注目して欲しい」というポイントがあったら教えてください。 悠:とにかくMVを見ていただいて歌詞と絵とあわせて皆様なりの解釈を楽しんでいただけたらと思います。 ――悠さんとして、これからどんな風に表現の道を描いてゆくのか。これからについて聴かせてください。 悠:ドラム、歌、作詞、作曲を全て発信したいです。
今回のカルマはいわばその第一歩ですので、皆様の反応をありがたく受け取りながら次作への英気を養っていきたいと思います。 ――今は、自粛ムードが世の中を覆っています。こんな時代に、今、悠さんが伝えたい/届けたい想いがあったらお願いします。 悠:情けないですが、とにかくお互い無事生きて乗り越えられることを祈るばかりです。 ――悠さんにとっての表現とは…。 悠:血を武器に変える能力 TEXT:長澤智典
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