悪魔崇拝主義(サタニズム)を標榜し、過激なライブパフォーマンスとコープスペイント(死化粧)で世界のメタル・シーンを席捲し、教会連続放火、暴動、果ては複数の殺人事件まで引き起こし社会問題にまで発展した、初期ブラック・メタル・シーンの中核的な存在となったバンド「メイヘム」(Mayhem)の狂乱の青春を描いた映画『ロード・オブ・カオス』が2021年3月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて劇場公開されることが決定した。

メガホンをとるのは、ブラック・メタルの父とでも言うべきバンド「バソリー」(Bathory)の元ドラマーであり、ローリング・ストーンズ、マドンナ、ポール・マッカートニー、メタリカなどのミュージックビデオも手掛けるジョナス・アカーランド。 当時のメタルシーン内部にいた監督ならではの演出と、関係者たちへの綿密な取材で“あの時代”の音楽と世界観を完璧に再現、メンバーの心情を繊細かつ大胆に活写した。 音楽を担当するのはポストロックバンドのシガー・ロス。メイヘムの楽曲の狭間、心揺るがす劇伴の数々を披露している。 主人公のユーロニモスを演じるのは、マコーレー・カルキンの実弟、ロリー・カルキン。準備に1年間かけ、役になりきった。ボーカルのデッドを演じるのは、ヴァル・キルマーの息子のジャック・キルマー。彼は、メタルの帝王オジー・オズボーンの『Under the Graveyard』(2019年)のミュージックビデオで、若きオジー役を演じている。 迸る音楽への情熱と歪んだ感情とが錯綜し、暴走する青春を駆け抜けた伝説のバンド「メイヘム」。バンドの名声を夢見ていただけの若者たちによる真実と虚構の物語が開幕する──。




何人かの監督が、この作品に手をつけ完成させようとしていたことも知っているよ。興味深いストーリーで、良い映画を作れるだろうと思っていたから、私も気にかけていたんだ。だけど、急いでこちらからアクションを起こすことはしなかった。
そうしたら、日本人のプロデューサーがやって来てね。原作『ブラック・メタルの血塗られた歴史』の権利を持っていると。私のところに来る前に、彼は日本人の監督にこのプロジェクトをやらせようとしていたようだ。だけど、正直結局その監督がどうなったのかはわからない。彼がこの話を持ってきたとき、すでに私はこの映画についてずっと考えていた。本はインスピレーションとしてはあまり使わなかったのだけれど、いろいろな権利がクリアされていて助かったし、彼は私の良いパートナーでもある。そこから映画完成までの長い旅が始まったんだ。
第一に、この映画が日本で公開されるというのは非常にハッピーだよ。この瞬間をずっと待ち続けてきた。
日本のお客さんが楽しんでくれるといいな。日本人のプロデューサーが私のパートナーであるということもあり、日本公開が一つのゴールでもあった。映画館で観てもらえるといいな。他の人たちと一緒に大きなスクリーンで見るべき素晴らしい映画だからね。(ジョナス・アカーランド)



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