歌手生活55周年を迎えた加藤登紀子が、1971年の初開催から48回目を迎えた『ほろ酔いコンサート』の東京公演が昨夜幕を開けた。 今年は『ほろ酔いコンサート2020 Viva!セヴンティー・セブン』と銘打ち、26日(土)、27日(日)の2日間、それぞれ昼・夜合計4公演を開催中。

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2020年は世界中がコロナ禍に巻き込まれ、音楽活動はおろか生活様式まで変えざるを得なかった苦難の年。 26日(土)15時半にスタートした東京での初回公演は「Never give up tomorrow」で幕を開けた。 1996年のアルバム『晴れ上がる空のように』に収録されたこの曲は、前向きにならなければならない今こそ聴きたいメッセージが込められている。

加藤登紀子『ほろ酔いコンサート2020 Viva!セヴンティー・セブン』東京公演開幕! 今日の東京最終公演は生配信実施!

バンド・メンバーは、鬼武みゆき(ピアノ)・告井延隆(ギター)・渡辺剛(ヴァイオリン)・鶴来正基(キーボード)・早川哲也(ベース)という編成。いずれもベテランならではの卓越した演奏が加藤登紀子を引き立てる。 序盤に早くも弾き語りコーナーが設けられ、「知床旅情」をはじめとする弾き語りのレパートリーを披露。このコーナーで先日訃報が報じられた、なかにし礼との思い出を語り、なかにしが作詞・加藤が作曲して石原裕次郎に提供された「わが人生に悔いなし」を歌い、二人の故人を偲んだ。

加藤登紀子『ほろ酔いコンサート2020 Viva!セヴンティー・セブン』東京公演開幕! 今日の東京最終公演は生配信実施!

入場者数は会場キャパの半数に限定され、前後左右を1席ずつ開けて着席。 ステージからは市松模様に観客が着席して見えるというちょっと不思議な光景。いつもの『ほろ酔いコンサート』では、大関酒造の振る舞い酒を片手に一緒に歌ったり、声援を飛ばしたりする観客も多い中、今回は静かに観覧。しかし、盛り上がる熱い思いは曲毎に捧げられる拍手の強さに感じられた。 『ほろ酔いコンサート』の演目は毎回、人気曲・代表曲の中から特に盛り上がるパーティ・ソングが選ばれることが多いが、今回は「形あるものは空」「Revolution」などのメッセージ性の高い曲が歌われ、今の時代の気分を打ち出す姿勢が強かった。
それでも終盤に披露された「愛の讃歌」「百万本のバラ」といった代表曲では、いつものほろ酔いコンサートの流儀で客席を大いに盛り上げた。

加藤登紀子『ほろ酔いコンサート2020 Viva!セヴンティー・セブン』東京公演開幕! 今日の東京最終公演は生配信実施!

今年の『ほろ酔いコンサート』は特別なものになる。 東京公演の初日は加藤登紀子76歳最後のコンサート。本日27日(日)には77歳の誕生日を迎え最初のコンサートを行なう。16時半からの最終公演(夜の部)は生配信される。 ©︎ヒダキトモコ
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