アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉

松本一平さんが率いる〈ラペグループ〉の勢いが止まらない。自らが腕をふるう、日本橋のフランス料理〈ラペ(La Paix)〉はミシュランガイド1つ星に輝き、イノベーティヴおでん〈平ちゃん〉、イタリア料理〈ピース(peace)〉と、新しい業態を次々と成功させてきた。

ここにきて、2025年6月20日(金)にカウンタービストロ〈ラペティ(L’appétit)〉をオープンして、話題を席巻している。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウ...の画像はこちら >>
左:松本一平さん 右:廣瀬翔太郎さん

シェフを務めるのは、1989年愛媛県生まれの廣瀬翔太郎さん。実家の小料理屋で培われた温もりを原点にしてフランスでも修業し、〈ラペ〉ではスーシェフとして4年間活躍した松本さんの“秘蔵っ子”。そんな廣瀬さんが紡ぐのが、ビストロ × 洋食 × 和 × シントラディッショナルというモダンな料理。フランス料理の技術と日本の食文化を融合させた、新機軸のカウンタービストロとなっている。5品のランチコース(5500円)と8品のディナーコース(9075円)はともに“おまかせ”となっており、心に残る“洋食体験”を実現。

1カ月半ほどで内容は刷新され、ここではディナーコースの一例を紹介しよう。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“ズッキーニの冷製スープ”

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“サザエでございます!”

最初に提供されたのは“ズッキーニの冷製スープ”と、チャーミングなネーミングの“サザエでございます!”。前者はズッキーニの青い香りに、万願寺唐辛子のグリルと自家製唐辛子が味わいを深める。後者はサザエの殻にのせられたタルトレットで、軽く火入れしたサザエのコリコリとしたテクスチャーが印象的で、マリーゴールドの花が華やか。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“山利さんのシラス”

“山利さんのシラス”は厚めに切った神楽坂の名ベーカリー〈しかたらむかな〉のカンパーニュの上に、和歌山で七代続く老舗しらす屋〈山利〉の滋味にあふれるシラスをたっぷりとのせた。新生姜のピクルスとシブレットのアクセントがあり、仕上げに乾燥させてつくった卵黄の削り節を削って旨味も抜群。


アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“谷口農園さんのグリーンアスパラ”

茨城県つくば市にある〈つくば谷口農園〉のグリーンアスパラガスをシンプルに茹で、栃木県大田原市にある〈那須御養卵〉の卵を半熟にして添え、燻製したサーモンのマリネと芋のピューレを合わせて、グリーンアスパラガスを引き立てた。ラビゴットソースで心地よい酸味を加える。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“ラペティ メンチカツ”

“ラペティ メンチカツ”は、豚の頭を煮凝りにしたフレンチのクラシック料理“フロマージュ・ド・テッド”をメンチカツに仕上げた意欲作。鮮烈な香味をもつ水耕栽培のセリがたっぷりと使われていて、豚の耳肉のコリコリ感がよいアクセント。一口サイズの7種類もの野菜が付け合わせになっていて、口休めにぴったり。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“江戸前瞬〆スズキのロールレタス”

“瞬締め”した食味に優れた千葉県船橋産のスズキを、しゃきしゃきしたレタスで包み込んだ“江戸前瞬〆スズキのロールレタス”も奥深い。赤色のアクセントが効いたアカトサカをのせ、軽やかにしたフレンチ王道のヴァンブランソースを合わせた。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“十勝ハーブビーフシチュー”

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
ミルクパン

メインディッシュは、“十勝ハーブビーフシチュー”。旨味とコクが出色の北海道の交雑種“十勝ハーブ牛”の牛タン、牛筋、ハチノスを煮込み、様々な味わいと食感が重奏した。付け合わせはニンジンのグラッセで、シチューは自家製のミルクパンでぬぐって食べるといい!

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“足赤海老 アメリケーヌドリア”

お食事の“足赤海老 アメリケーヌドリア”も白眉。プリッとした食感の和歌山県の“足赤海老”=“クマ海老”をふんだんに用いたドリアで、オーブンで焼いた鉄鍋から熱々の状態で取り分けてもらえる。アメリケーヌソースは魚介類の至味がぎゅっと詰まっていて、美味としかいいようがない!

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
“プリン”

デザートは、プリンアラモード風の盛り付けで「らぺてぃ」の旗が印象的な“プリン”。
トウモロコシのプリン、醤油のキャラメルアイスクリーム、炙ったトウモロコシとクレームシャンティという構成で、ノスタルジックながらも、和洋のモダンな組み合わせとなっている。

〈ラペ〉の支配人兼ソムリエの田中智人さんが〈ラペティ〉のために取り揃えたワインも飲み逃せない。“SPペアリングコース”(1万円/450㎖)、ペアリングコース”(7500円/450㎖)、“ハーフペアリング”(5500円/300㎖)、“ノンアルコールペアリング”(5500円/300㎖)とペアリングが充実している。さらにグラスワインは、シャンパーニュ1種、アペリティフワイン1種、白ワイン5種、ロゼワイン1種、オレンジワイン1種、赤ワイン4種、ノンアルコールドリンクも6種あり、ミネラルウォーターは定額で好きなだけ飲めるのが良心的。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
左:“テタンジェ ブリュット レゼルヴ” 中:“ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス コート・デュ・ローヌ 2023” 右:“ギュスターヴ・ロレンツ キリュ クリュ 2022”

“テタンジェ ブリュット レゼルヴ”(1500円/100㎖)は、最初の一杯に最適ないきいきとしたフレッシュな印象のシャンパーニュ。バランスの取れた味わいなので、最後まで通せる。エキゾチックな果実味を味わえるロゼワインが、“ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス コート・デュ・ローヌ 2023”(1200円/90㎖)。ミネラル感もあるので、シラスに寄り添う。“ギュスターヴ・ロレンツ キリュ クリュ 2022”(1200円/90㎖)は、オレンジワインらしいタンニンがある。味わいはフレッシュなので、メンチカツの脂をさっぱりと流してくれる。

アレが食べたいからこの店へ!日本橋でラフに楽しめる!? カウンタービストロ〈ラペティ〉
店内の様子

店内はI字形のカウンター8席とテーブル4席。どの席からでも、廣瀬さんの華麗な手捌きとキビキビとしたスタッフの所作が鑑賞できる。


〈ラペグループ〉に新しくジョインしたカウンタービストロの〈ラペティ〉。肩肘張らずに廣瀬さんの美食を楽しめるから、気軽に訪れてみて!   

 

INFORMATION

●ラペティ(L’appétit)
住所:東京都中央区日本橋本町1-4-1 ムロホンビル7 2F
営業時間:ランチ 11:30~14:30(12:30LO)、ディナー 18:00~22:00(19:30LO)
定休日:火曜
TEL:050-1725-1194
URL:https://www.instagram.com/lappetit_lapaix/
※サービス料別

●グルメジャーナリスト 東龍さんの連載・記事はこちら!
アレが食べたいからこの店へ!
グルメジャーナリスト東龍のホテルグルメで“口福”体験!

●公式 Instagram(@safarimagazine_official)はコチラ

文=東龍 text:Toryu
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

編集部おすすめ