今週末は、この映画に胸アツ!ネットフリックス『ブリック』 知らない間に家が壁で囲まれていたら、どうする!?

今週末は、この映画に胸アツ!ネットフリックス『ブリック』 知...の画像はこちら >>


ストリーミング(配信)の定着によって、世界各国のユニークな作品が気軽に観られるようになった、ここ数年。あまりにバラエティが豊富すぎてチョイスに困ったりもするが、意外な“掘り出し物”を探すのも楽しい。
この『ブリック』はドイツ発のサスペンスという、以前なら日本では公開されなかったかもしれないレアものだ。

物語は、アパートに暮らすカップル、ティムとオリヴィアの些細なケンカで幕を開ける。2人でパリへ行こうというオリヴィアの誘いをティムが断り、オリヴィアが一人でアパートを出て行こうとすると、なんとドアや窓などすべてが壁で塞がれている。まったく壊れない頑丈な壁が、いつ、どんな目的で現れたのか? どうやら他の部屋も同じ状況らしく、ティムとオリヴィアはアパートの住人と共に決死の脱出を図る……という物語。壁や床は穴を開けられるので、アパート内部を移動してのサバイブが展開するうち、目を覆うような悲劇が起こり、永遠に出られないという恐怖も募る。何より、この壁の秘密が明かされそうで、なかなか真実が見えてこないスリリングな空気が充満し続けるのが本作の特徴だ。
  
外部との連絡がまったく取れない。そして仲間の絆や裏切りも運命を左右するという設定は、1998年の名作『CUBE』に近いかも。次々と用意される難問をクリアするゲームのような感覚や、要所でドキリとさせるスリラー映画っぽい演出など、エンタメ志向も満点。ドイツ映画とはいえ、監督のフィリップ・コッホは脚本を手がけた前作『60ミニッツ』からもわかるように、ハリウッドっぽい作りが持ち味。ティム役のマティアス・シュヴァイクホファー、オリヴィア役のルビー・O・フィーも国際的な活躍をするスターなので、ローカル&マニアックな雰囲気は薄い。いい意味で、その世界に“入り込みやすい”作風だ。
そして陰謀論、フェイクニュースといった現代社会のトピックもちらっと関わってきたりと、まったくの絵空事ではないリアル感も装備されている。なかなか見えてこない壁の秘密に、登場人物と一緒にチャレンジしてみては?

『ブリック』配信中
製作・監督・脚本/フィリップ・コッホ 出演/マティアス・シュバイクホファー、ルビー・O・フィー、フレデリック・ラウ、サルバー・リー・ウィリアムズ 配信/ネットフリックス
2025年/ドイツ/視聴時間100分

●こちらの記事もオススメ!
【まとめ】絶対面白い! ネットフリックス作品72本
   

 

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
© NETFLIX, INC. AND IT'S AFFILIATES, 2025. ALL RIGHTS RESERVED.

編集部おすすめ