今週末は、この映画に胸アツ!『ブロークン 復讐者の夜』 韓国映画の復讐ドラマにハズレなし!

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映画の魅力は俳優によって大きく左右される。そんな“当たり前すぎる”事実を改めて教えてくれるのが、この『ブロークン 復讐者の夜』だ。
韓国映画らしい壮絶な復讐ドラマと、強烈なバイオレンスが、俳優たちのアプローチ、存在感によって揺るぎない説得力を届けてくれる。

主演を務めたのは、『チェイサー』や『神と共に』などで、今や韓国を代表するスターになったハ・ジョンウ。その役どころは、かつて裏組織に関わっていたものの、今は静かな日常を送っている男、ミンテ。しかし組織の下っ端である弟のソクテが死体となって発見されたことで、ミンテは真実を探り、死の原因を作った相手に復讐を果たすと決意する。重要な秘密を知っているであろうソクテの妻ムニョンは姿をくらましていた。やがて発覚するのは、ある作家が書いたベストセラー小説がソクテとムニョンの運命を“予言”していたという事実だった……。真実を想像しづらいこの物語だが、ミンテ役ハ・ジョンウの表情とアクションが、観ているこちらの心を鷲づかみにする。組織内で無敵の存在だった過去を全身に漂わせながら、感情はあまり出さず、わずかな目の動きや、見下した笑みで、相手を威圧する。鉄パイプを持たせれば、その格闘能力は異常レベル。一人の俳優の凄まじい実力を、本作は実感させるだろう。
  
その他にも、ネットフリックスのドラマ『トリガー』で主演を務めたキム・ナムギルが事件のカギを握る作家役でミステリアスなムードを高め、『イカゲーム』でやたらと暴力行為に出るドクスを怪演したホ・ソンテなど、俳優たちの“顔”が強いインパクトを残す、この『ブロークン』。アクションに関しても、“徹底して激しく見せる”格闘から、“あまりに残酷な瞬間は想像させる”スタイリッシュな演出まで、韓国ノワールらしい味わいが満点。
意外な瞬間に体内のアドレナリンを急上昇させたりもする。ドラマの軸となるのは兄弟愛なのだが、真相に近づくにつれ、兄から弟への愛が揺らいでいき、やがてたどり着く結末は、あまりにも激烈で切実。そしてカッコいい!

『ブロークン 復讐者の夜』9月12日公開
監督・脚本/キム・ジンファン 出演/ハ・ジョンウ、キム・ナムギル、ユ・ダイン、チョン・マンシク、イム・ソンジェ、ホ・ソンテ 配給/クロックワークス2025年/韓国/上映時間99分

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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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