クラウド、ソーシャルサービス、スマートデバイスの普及進展により、各種Webサービスが情報漏えいの新たなリスクポイントとなっているが、主要なサービスはともかく、日々新たに生まれるWebサービスを管理者が把握し続けることは不可能であり、IT管理者の目が届かない領域として「シャドーIT」と呼ばれている。

こうした状況を受け、デジタルアーツ株式会社は、同社の基幹フィルタリング製品に新しい機能追加を実施した。
4月1日から提供開始される「i-FILTER Ver.9」は、Webフィルタリング製品ながら、次世代ファイアウォールなどで提供されているレイヤー7の通信制御を行い、TwitterFacebook 、DropBox などの Web アプリや Web サービスの利用状況の可視化と、部門や部署毎の利用権限のコントロールを行うという。

同製品プロダクトマネージャーである、デジタルアーツ株式会社 加藤慎也氏に詳細を聞いた。


──Webフィルタリングの会社が L7 の通信制御を行う理由は?

従来デジタルアーツは、不適切なサイトをデータベース化して、社員にそれを見せない機能を提供してきたが、近年Webサービスの利用が広まり、シャドーITのリスクとなっている一方で、使わなければ仕事や業務が成り立たない状態にもなっている。こうした中、Webサービスを安心して使っていただくためのサービスを提供するため、新しい機能の追加を行った。

──クラウド辞書機能を持つ Baidu IME の危険性が年末に指摘されました

IPAによるセキュリティ注意喚起「2014年2月の今月の呼びかけ」では、クラウド辞書機能を持つ IME や、オンライン翻訳サービスなどによる情報漏えいの危険について警鐘を鳴らしている。アメリカではこの現象を「DropBox シンドローム」と呼んでおり、クラウドサービス普及にともなう世界共通の問題だ。

──L7 の通信制御は次世代ファイアウォールの標準機能としてほとんどのUTMに実装されているが、優位点と差別化ポイントはどこか?

国産のWebフィルタリング専門企業としてのこれまでの実績をもとに、日々進化するWebサービスの機能を把握し、同時に利用規約にも目を通して、国内外の2,000を超えるWebサービスを、情報漏えいリスクで5段階でランク付けしたことが最大の差別化ポイントだ。業務の現場の需要に沿った、アリバイとしてのセキュリティ機能ではなく、本当に使える製品を作った。

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