株式会社ラックは5月13日、2024年3月期 通期決算と2025年3月期からの3ヵ年の中期経営計画の策定を発表した。

 同社の当連結会計年度の売上高は、セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)が製品販売や診断サービス
等が拡大し、システムインテグレーションサービス事業(SIS事業)が開発サービスやHW/SW販売などが伸長したことで前期比12.4%増の49,477,000,000円となっている。
利益面では、営業利益は22.5%増の2,174,000,000円に、経常利益は18.8%増の2,153,000,000円に、親会社株主に帰属する当期純利益は1,379,000,000円となった。

 セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)のセキュリティコンサルティングサービスは、緊急対応サービス案件の減少はあったが、体制・対策強化に向けたコンサルティング案件の拡大や標的型メール訓練など教育サービスが伸長したことで、売上高は前期比1.0%増の3,898,000,000円に、セキュリティ診断サービスは、年間で手掛ける大型案件の売上計上があったことやペネトレーションテスト案件の拡大などで、売上高は17.2%増の3,018,000,000円となった。

 セキュリティ運用監視サービスは、個別監視サービスや内部不正監視サービスが伸長するとともに、エンドポイント対策支援サービスが拡大したことで、売上高は6.1%増の6,598,000,000円に、セキュリティ製品販売は、エンドポイント対策向け・サービス妨害型攻撃に対応したWebセキュリティ対策向けクラウド対応製品や、潜在的な脅威情報を収集・分析するセキュリティ製品などが大幅に拡大したことで、売上高は29.5%増の7,773,000,000円に、セキュリティ保守サービスは、クラウド対応製品の拡大等で需要が縮小している影響はあるが既存案件等が増加したことで、売上高は1.0%増の869,000,000円となった。

 SSS事業の売上高は13.5%増の22,159,000,000円に、セグメント利益は事業体制・サービス力強化のための先行投資などの影響で、4.5%減の2,260,000,000円となっている。

 今後の見通しについては、幅広い業種・事業領域でクラウドを活用した業務プロセスやビジネスモデル変革が進められている他、生成AIが活用され始めるなどのデジタル化と相まって、サイバー攻撃や偽情報の被害や脅威は一層増大し、安全保障面での要求が高まり、さらなるサイバーセキュリティ対策の強化が求められると想定している。

 2025年3月期の連結業績予想については、SSS事業、SIS事業ともにサービス関連を中心とした拡大で、売上高は52,750,000,000円と予想している。
利益面では、オフィス更改関連等に伴う費用増を見込み、営業利益は2,180,000,000円、経常利益は2,200,000,000円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,500,000,000円と予想している。

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