埼玉県さいたま市は5月29日、さいたま市立学校での個人情報の漏えいについて発表した。

 これはさいたま市立学校にて、グループウェア内に保存した個人情報の漏えいが2件判明したというもの。


 1件目は、当該校の全生徒を対象にグループウェアを利用して実施したアンケート結果が、全生徒に閲覧できる状態となっていたもので、グループウェアに関する知識や理解が不十分で、アンケート結果一覧表の閲覧権限を正しく設定できなかったことが原因。4月25日にアンケートを実施中、生徒が結果一覧表を閲覧できることに気づき発覚した。

 漏えいしたのは、当該校で実施した「心と生活のアンケート」の結果で、氏名、学年、学級、悩みや困りごと等の回答547名分が含まれていた。

 当該校のICT担当教諭がアクセスログを確認したところ、報告した生徒1名のみが当該データにアクセスしていたことが判明している。

 当該校では4月25日に全生徒及び保護者に報告と謝罪を行い、翌4月26日には保護者会で謝罪と報告を行っている。

 2件目は、当該校で2024年1月25日に実施した校内テストの成績一覧が、同テストを実施した学年の生徒から閲覧できる状況となっていたというもの。

 当該校の担当教諭は2024年1月25日に校内テストを実施後、電子採点ソフトを利用し採点と集計を実施したが、電子採点ソフトの機能でグループウェア上に校内テストの成績一覧が当該学年生徒が閲覧できる状態で作成されていた。

 担当教諭が電子採点ソフトに関する知識や理解が不十分であるにもかかわらず、当該ソフトを利用して採点、集計を実施したことが原因で、2025年5月22日午後3時に、当該学年の生徒がグループウェア内に成績一覧のファイルを見つけ、教諭に報告したことで発覚した。

 漏えいしたのは、2024年1月25日に実施した156名分の校内テストの結果(氏名、出席番号、点数、偏差値)。

 当該校のICT担当教諭及びシステム運用業者の学校担当者がアクセスログを確認したところ、成績一覧の存在に気付いた生徒以外に当該データにアクセスしていた生徒がいないことを確認している。

 当該校では5月23日に全生徒及び保護者に概要報告と謝罪を行い、5月27日には全生徒に詳細報告と謝罪を実施、5月28日に保護者に改めて謝罪するとともに、詳細を報告している。

 同市では再発防止に向けて下記の対応を行うとのこと。


・現在活用している情報セキュリティポリシーにもとづいた運用規定やマニュアルを再編するとともに、各学校のシステム運用及び校務の管理体制を徹底

・グループウェアの機能を十分に理解するために外部講師を招聘し、ICTに係る校内研修の充実を図る

・システム運用業者や教育委員会のICT担当所管課と連携し、システム運用の見直しを実施するとともに、管理職の監督のもとICT担当教諭を中心に個人情報の保存場所等を定期的に点検する

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